楠木サン 2013-07-05 07:29:48 |
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またあの春が来る,麗かな春.心躍る春.何もかもを新しくリセットする良い機会にもなる春.
クラスはその春の事でとても五月蠅い...,
私,納谷明海.この中学校の2年生.人は私を“孤独の少女”と呼ぶ.
確かに私には「人づきあい」や「友情関係」ましてや「恋人関係」等と言った面倒くさいものを嫌い,常に一人でいることが多い,
と,言うよりかは自分でそういう環境を作っているも同然の事.
冷酷だとか表情のない空っぽの人間だとか言い,話しの話題にされることもある為に私の存在を知らない人は少ない.
別に話しのだしにされても結構だが,変な噂をたてられるのはごめんだけど...,
「オラー,席につけー,」
あの担任,南ヶ屋が来る.通称,鬼爺とあるだけに声のでかさや表情の怖さが半端じゃない.
「今日は新しい転入生が来る.播馬,ちょっとこっち来い.」
鬼爺の手まねきに連れられて教室に入って来たのは,誰もが思うイケメン男子だった.
クラス中の女子の歓声が沸き起こる.
「播馬悠斗.宜しく.」
彼は一言簡単に挨拶を交わせば女子に微笑みかける.まるでおとぎの国の王子様だ.
正直,私はタラシ男が好ましくない為,彼と言葉を交わすことは少ないだろう.
「じゃあ,播馬.お前,納屋の隣に座れ.おい納屋,困ってたら助けてやれ.」
ハァ,隣ねぇー...,助ける?助けるも何も私以外のヤジが助けてくれると思うけど,...
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「ねぇ,君.名前は?」
相手が話しかける.名前は?ってどうして私に聞くんだか...,
特に取り柄のない私に聞くよりも優しくて可愛くて親切な子に聞けば良いのに.
「ねぇーぇ,名前,無いの?」
見た目よりはるかにしつこい.第一印象は爽やかだったものの数分経てば我儘に大変身か.
「ナヤハルミ.」
あまりのしつこさに呆れため息をついてから私はボソっと自分の名前を口にする.
「ハルミ?ナヤ...,じゃあ僕は君の事,ナヤハルって呼ぶよ.僕の事は悠斗って呼んでくれ.」
私の脳内はその“ナヤハル”と言う新種の生物の名前でいっぱいになった.
ハイ?な...私が...ナヤハル?初対面なのに?しかも悠斗って...,
「失礼だけど,貴方には常識って言うのがあるの?まだ初対面だし,会ったとしてもまだ数分しか経ってないわ.だから私は貴方にナヤハルなんて呼ばれても返事はしないし,貴方の事を悠斗と言う事もないから.」
その長い注意にクラス中の皆が一斉に私達を見る.女子達の視線が鋭い.
別にこれくらいでハブにされようが元々ハブなのだ.何を言っても変わることはない.
「ん,そっか,でも僕は君の事をナヤハルと呼ぶし,返事をされなくても振り向いてもらえるまで追いかけてくよ?」
そのただでさえムカツク言葉の最後にまたもやあの微笑みが噴射される.反省の色は全く持ってない.
「勝手にしなさい,」
私がそう言い残すと同時に一時限目のチャイムがなり休憩時間となった.
今日は朝から気分が悪い.
最悪の日...,
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私が顔をタオルで拭っているとそこに先程,あの播馬とやらにコビを売りつけていた女子軍団がやってきた.
どうせさっきの言い合いの事でしょ?
こういうのが女子にあるから本当,面倒くさい.
「アンタ,前々からムカツイてたんだけど,もう我慢できない!アンタ,ざけんじゃないわよ!」
そういうと私の胸倉をつかむ.それと同時に後ろの子分共がアレヤレ五月蠅く騒ぎたて出す.
「...何が理由で怒っているかは知らないけれど,そういうの,私趣味じゃないから.」
精一杯の力で相手の手を振りほどけば教室へと足を進める.
「オイ,テメェちょっと待てやゴラァ!」
私に向かってゲンコツが飛んでくる.
(“痛っ!”)
私はその場に倒れ込んだ.目の横が急に腫れあがる.
「フ,悠斗悲しませたら,ウチラが許さないかんな!覚えとき!」
女子軍団が帰って行く.
それと同時に周りの生徒が私にかけよる.
「おい!ナヤハル!大ジョブか!?」
播馬がこちらに来た.大きく肩を揺らす.逆に痛いくらいに...,
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気が付けば私はベッドの上.うっすらと目を開ければそこに真っ先に見えたのは播馬の顔だった!
「ヌォ!ナヤハル!目,開けたぞ!」
「...,」
黙り込む私に播馬は手を取り微笑む.
「僕,心配したんだよ?転入初日に隣席の人が事故起こすなんてさ,」
苦笑する播馬に私は少しムっと来る.別に助けてほしかったりしてこんな事,起きたんじゃないし,てか...,
「貴方,偉そうに言ってるけど,この喧嘩の原因は貴方だから.勘違いしないでほしいわ.」
そう言うとベッドから起き上がり私は保健室を出る.播馬は茫然とした顔であった.
廊下を歩けば当然あの喧嘩の話題.コソコソ話でさえ普段は気にしないのに今はなぜかうっとうしく感じる.教室に戻れば普段はしたしくない女子の一人,咲鐘が私を心配そうに見つめた,
「何...?」
素直じゃない私が相手を睨む.咲鐘は少し怯み気味になれな小声で
「...無事でよかったです.」
そんな事を言えば立ち去って行った.
無事...良かった...私は疑問符を頭に沢山つけた.
何で,咲鐘がそんな事を言うのだろうか...
お手並み拝見させてイタダキマシタ♪
すごいすごーーーーい!ってか、孤独な少女なんて
ワタシの学校の時と同じデスよ!!?
ヤバイヤバイ……ハマリマシタ♪
実は、私は彼とは遠距離恋愛なのデスガ
彼のお陰で今の私がいる感じなのデス!
彼も同じく孤独な少年でも、モテモテで学校の女子にはあきれてたそうなんです
ですが、私と出会って彼の妹さんもチャットをしてましたが
【お兄ちゃん最近、星羅さんとであってから笑うことが多くなった】といってくれたんです!
とても……嬉しかったんです!
今は彼とラブラブ生活してますが【ここで】
あちらでもどんどん、小説を更新するので
貴方の小説の材料となれたら嬉しいデス!
友達になってくれて嬉しいデス!よろしくお願いシマス!
星羅さん*
コメント感謝です.
こんな駄小説に感想つきなんて嬉しすぎます←
彼氏様の笑顔...ですか.
しかも遠距離...それは不安ですね.
でも星羅さんがその彼氏様のおかげでいるように,彼氏様も星羅さんのおかげでいるんだと思います^^*
また何か相談あれば乗りますね.後,星羅さんのトピにもまたいかせていただきます.
いえ,小説で友達ができるなんて私も嬉しいです.
宜しくお願いします.
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全ての授業が終わりチャイムが鳴った.
私は帰宅部なのでそのまま家に直行.
かと言って何かしたいものと言えば宿題と読書のみ,
帰っても誰も居ないので静かな一時を送れる...
「お!ナヤハル帰宅部?じゃあ一緒に帰らない?」
そこにきたのはまたもやあの播馬.と,隣にいるのは...咲鐘?
「あ,あの...もしよければ私も...」
顔を赤らめられても返事の仕様がない.仕方なく一緒に帰る事にした.
「そういえば,今日の喧嘩は凄かったなー,女って怖いな!」
喧嘩原因は貴方なのに,平然とした顔で言わないで欲しい.
そう暗い雰囲気を醸し出している私に咲鐘が窺う.
「あ,気分悪いですか?あ,こ,コレ...」
鞄をゴソゴソすれば出してきたのはスポーツドリンクだった.
無言で見つめる私に少し怯んだのか
「...入りません..か?」
と弱気になった.
いらない,という訳でもないのだが友達でもない人から物をもらうのは自分的にもモヤモヤする.
そんな時,隣にいた播馬がほほ笑んで言った.
「お前,今,咲鐘が友達じゃないからもらわないんだろ?咲鐘はナヤハルと友達になりたいんだって.じゃあ,いつ友達になるの?今でしょ!」
寒い変な事を言われ眉間にしわがよる私,吹き出しそうになる咲鐘.そして失敗したというような顔をする播馬.沈黙が数秒続いた後,ついに私はフフと笑い声をあげた.
「「...わ,笑った!?」」
驚く咲鐘と播馬.なぜか知らないけれど私は今,自然と笑った.
いつも笑わない,この私が...
「ホラ,僕等はもう友達だっ!」
そういって私と咲鐘の手を取る.二人の手は温かかった.
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