クロネ 2013-06-26 19:09:05 |
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極意1
沈黙に耐えられない人は、
話を聞くのが下手である
まずは話を上手く聞くことができない人に共通する特徴をあげてみることにしましょう。
真っ先に思い浮かぶのが、「沈黙に耐えられない人」です。
相手がしゃべっているのに途中で口を挟んでしまったり、少しでも沈黙が続くと、その間に耐え切れず自分から話を進めてしまうような人は、話を聞くのが下手だと言えます。
相手の会話のスピードとあわなかったり、自分の番がくるまで待てない人です。
そんな人は、話を“上手く聞く”以前に、そもそも“聞く”というコミュニケーションが成立していないと言えます。
そのようなコミュニケーションが起こりがちなのが、親子の関係においてです。
例えば、子どもが学校から帰ってくると、親は子どもから「今日は学校で何かあった?」などと、一日の出来事を聞き出そうとします。
すると、子どもはその日あった印象的なことを一生懸命、話してくれます。
でも、多くの子どもは、自分の気持ちや身に振り掛かった出来事をわかりやすく整理して、他人に話すのが苦手です。
気持ちばかりがはやってしまい、状況が相手に伝わらなかったり、あるいは、自分が見たことばかりを話して、客観的な説明が欠き、その場に居合わせなかった人には理解できないような話し方になってしまいます。
親も家事などで忙しいですから、支離滅裂な話を聞いているうちに、次第にイライラしてきて、「何を言ってるの? ちゃんとしゃべりなさい!」などと、子どもを叱ってしまうことがあります。
せっかくお互いが会話をしようとしているのに、なぜか会話が上手くいかないのです。
それでも一生懸命、話してくれる子どももいますが、多くはすねてしまい『言ってもわかってくれない……』などと不満を募らせるようになってしまいます。
これは親子の関係に限ったことではありません。
会話のスピードやリズムは人それぞれです。
そのことを理解せずに、相手と会話のリズムがあわないだけでイライラしたり、沈黙に耐えられないような人には、相談事は持ち込まれないのです。
極意2
いつの間にか尋問口調。
二度と相談されない人の聞き方
後輩や部下がいて立場上、相談を持ちかけられることがあるけれど、プライベートになると、急に誰からも相談されないといった人がいます。
あるいは、相談はされるけれど、いつも一度きりで、その後はパッタリと頼られなくなるような人です。
二度目の相談がないのは、的確なアドバイスをしたからだと、思っていませんか?
もちろんそうだと良いのですが、本当は相談する相手としてふさわしくないと、判断されてしまった可能性があります。
とくに話を聞いているうちに、「尋問口調」になっていく人は要注意です。
最初は黙って相談を聞いていても、「あれはどうなっているんだ?」「じゃあ、××の件はどうしたんだ?」などと、話を聞いているうちに気になる疑問が湧いてきて、次々と質問を浴びせてしまうのです。
そして、気がつくと、いつの間にか尋問口調になっているのです。
本人は親身になって相談を聞き、事態を理解するために質問を浴びせているだけなのかもしれません。
ただヒートアップしただけで悪気はなかったとします。
でも、相談を持ちかけただけなのに、尋問されては怒られたような気分になってしまいます。
そんな相手に悩める胸の内を吐露するとは到底思えません。
これは仕事ができる上司によく見られるコミュニケーションです。
相談者がやってくると、腕組みをして、「さあ、話してみろ!」とばかりに、高圧的な態度を取っているケースもあります。
この構図は、どこか飲酒検問に似ています。
飲酒検問を受けると、飲酒をしていなくても、警官が尋問口調だと不快に感じるものです。
やましいことがなくても、だんだん口が重くなり、質問に答えるのもイヤになってきます。
相手が尋問口調だと、『会話の空気が悪くなる』のです。
一応、話を聞く態度を見せていますが、相手や話に対する敬意がなく、話を聞く姿勢としてふさわしくないと言えるのです。
極意3
相手に対する敬意や
共感の言葉がない人
なぜ次々と質問を浴びせるような尋問口調の態度が、聞き下手につながるのでしょうか?
悩みを引き出したいのなら、まずはどんな状況に陥っているのか、事実を確認することも大切です。
したがって、積極的に質問しようとする人がいても不思議ではありません。
質問しているだけなのに、聞き下手だとは心外だと思う人がひょっとしたらいるかもしれません。
もちろん、質問するだけならあまり問題ではありません。
問題なのは、問いつめるような尋問口調です。
尋問口調で会話をしていると空気が悪くなり、相談しづらい雰囲気になるという問題はすでに指摘しましたが、尋問口調には、もうひとつ大きな問題があります。
それは尋問口調をするような人は、相手への敬意を欠いているケースが多いという点です。
質問をするという行為は一見すると親身になっているようにも見えますが、矢継ぎ早に質問を重ねていては、相手の悩みを意見に対する承認や理解がおろそかになりがちなのです。
要するに相談相手からしてみれば、自分への敬意を欠いており、ろくに話を聞いていないも同然なのです。
話を聞いて、相手が抱えている悩みを引き出すというよりは、アドバイスをして解決してあげようと躍起になっている独りよがりな人だと映ってしまいます。
相談してくる相手はトラブルを解決してほしいのではなく、話をただ聞いてほしいだけというケースがほとんどなのです。
そのため悩める人には承認や敬意の言葉、そして共感を示していくことが大切です。
関心を持って聞いているよ、そんな空気を醸し出すことが重要なのです。
話の内容や、自分に興味を持っていない相手に話し続けることほど、つらいことはないのですから。
極意4
思い込みが激しい人は、
話をねじ曲げる
話をしている途中でこちらの言葉を遮って「わかる!わかる」と、相づちを打ってくるような人がいます。
話を途中まで聞いて、勝手にその後のストーリーを理解したつもりになっているのでしょう。
思い込みで、会話を進めていってしまう人によく見られる特徴です。
当然、相手が話したかった話の展開が、その人の想像通りだったとは限りません。
むしろ、話がズレているケースがほとんどだと思います。
こうした話の聞き方は、話をねじ曲げてしまったり、誤解のもとになるため、上手な聞き方だとは言えません。
話を遮ってしまっていることを、本人が自覚しているケースもありますが、多くの場合、本人が気づかずに行っていることもあるため、厄介です。
当人は、話がわかるヤツ、あるいは頭の回転が速いと思っているかもしれません。
話を聞いているうちに、いままでの人生経験から、きっとこういう展開になるだろうと悪気もなく判断しているのです。
会話のペースが自分とは違うため、相手の話が終わるまで待つことができずに、そのような行動に出てしまっているのかもしれません。
こうした話の聞き方をしていると、当然、相手にはきちんと話を聞いてくれないといった不満が溜まっていきます。
そして、本当はもっと違う内容の話をしたかったのに……、と、悩みを打ち明ける気持ちも失せていってしまいます。
したがって、思い込みが激しい人は話を聞くのが下手なのです。
思い込みが激しい人との会話は端から見ていると、話が盛り上がっているケースもあり、会話がきちんと成立しているように見えることもあります。
しかし、それは表層的なコミュニケーションをしているに過ぎません。
こうした思い込みが激しい人とは、決して深いところでは分かりあうことができないのです。
極意5
話をまとめたがる人とは、
会話が噛みあわない
人の話を聞くのが下手な、いわゆる「聞き下手な人」の特徴として、ひとつに「相手の話をすぐにまとめたがる」という傾向があります。
例えば、相手がじけいれいにそって、気持ちの変化を交えながら相談している最中に、「それってつまり~~ということだよね」などと、すぐに結果だけをまとめてしまうわけです。
このような傾向は男性に圧倒的に多く見られ、物事の判断にあたって、感情よりも論理を重んじる人によくある特徴だと言えます。
具体的な事例をあげると、例えば、奥さんが「最近、子どもの叱り方について、どうすればいいのがわからなくって……。すごく気持ちがふさぎこむことが多いのよね……」などと、子育てについての悩みを旦那さんに相談してきたとします。
それに対して「それは精神的にだいぶまいっているようだね。鬱なのかもしれないよ?評判のいいメンタルクリニックを知っているから行ってみたら?」と話を簡単にはまとめてしまうのです。
奥さんにしてみれば、アドバイスを求めたわけではなく、まずは話を聞いてほしかったのです。
それに対して、話の内容を「鬱」というひと言でまとめられ、しかもアドバイスをされてしまってはたまりません。
奥さんには「話を聞いてもらえなかった」という印象しか残らないでしょう。
会話はしているのですが、その会話がまったく噛みあっていませんよね。
これも「聞き下手な人」の特徴なのです。
この具体例ではもうひとつ、聞き下手な人の特徴が表れています。
それは鬱という「漢字」を使って、相手の相談内容をまとめている点です。
このようにまとめられてしまうと、相手は「自分だけの特別な悩みなのに、一般的な言葉でまとめられてしまった……」という感情を持ち、とても気分を害してしまうのです。
鬱のほか、絶望や孤独、不安などの言葉も安易に使うと、このように相手の気持ちを傷つけてしまう可能性があるので注意が必要です。
極意6
アドバイスしたがる人は、
相談者から嫌われる
すぐにアドバイスをしたがる人や、相手の話をまとめて結論を出したがる人も聞き下手である可能性が高いと言えます。
相談事を持ちかけられたときに、聞き手が気を配るべきことのひとつに、話し手が安心して話せるような空間/環境を提供してあげることが挙げられます。
しかし、話をちょっと聞いただけでアドバイスをしたがるような人は、話題の一部分だけを切り取って、勝手な解釈でアドバイスをしているに過ぎません。
そのため、往々にしてピントはずれなアドバイスになってしまうのです。
しかも、アドバイスというのは基本的に「あなたの現状はここが良くないから、こう変えたら?」といった、現状を否定するようなニュアンスがどうしても含まれます。
したがって上から目線になりがちで、「あなたはいったい何様のつもり!?」という反発や不信感を与えることにもなるのです。
いくら適切なアドバイスをしたつもりでも、そんなリスクがつきまといます。
そのため、安易にアドバイスをしてくるような人に、相談者は心を開いて、安心して相談を持ちかけることができないのです。
自分の現状を否定されたと感じて、こんな人に話してもムダだと感じてしまう人がいるわけです。
またアドバイスをするような人は、アドバイスによって相談者が直面している事態が好転することを望んでいるというよりも、アドバイスをすることによって自らの不安を解消しようとする傾向にあります。
相手の悩みときちんと向き合い、理解を深めていくことに心を砕くのではなく、適当にアドバイスをすることで早々に楽になろうとするのです。
気がついたら、相談者ではなく、聞き手のほうが一方的に話しているような場合も要注意。
聞き手が、アドバイスすることに酔ってしまっている可能性があるからです。
極意7
すぐに結論を出したがる人は、
話を長く聞けない
相談内容や会話の要点をまとめて、すぐに結論を出したがる人も、話をきちんと聞いてくれる相手だとはとても言えません。
そもそも相手の相談や悩みをまとめるなんてことは簡単にできることではありません。
「要するにあなたが言いたいことはこういうことでしょう?」などと、話の要点をすぐにまとめたがる人がいますが、私たちの感情や物事というのは複雑なものです。
“嫌い”という感情が実は“好きの裏返し”だったり、振り向いてほしいのに反対に冷たい態度をとってしまうこともあります。
また、全体を見渡して、はじめて真実がわかるようなこともあります。
どんなことでも、ひと言で表現することは難しいのです。
にもかかわらず、話をまとめようとすると、一面だけを見て「決めつけている」と思われても仕方がありません。
話を早く終わらせようとする、不誠実な態度だと取られてしまうこともあります。
もしも話をまとめることが良い方向に向かうことがあるとすれば、それは相手が事態を上手く把握できずに、混乱してしまっている場合などです。
そんなときに話の要点をまとめてあげれば、相手は何が起こっているのか、事態を整理することができるようになり、安心してくれるため、意味があると言えます。
逆に言えば、話の要点をまとめたいなら、相手が安心するようなまとめ方を心がける必要があるというわけです。
自分が「わかった」と安心したいために、まとめるのであれば、相手を怒らせることにもなりかねません。
大きな視野を持っていなければ、話をまとめることなんてできません。
そして、大きな視野を持っている人であればあるほど、話をまとめることの難しさを知っています。
したがって話をまとめたがる時点で、視野が狭いということになるのです。
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