主 2013-06-22 18:50:00 |
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ッお、ま…やることやったら前より甘えたになったんじゃないの…?
(暫く抱き直されたり頬を寄せられたりとさながらテディベアにでもなったような感覚を味わわされた後、甘えてくるような相手の行動に口許を緩めながらホットミルクを口に含むとそんなタイミングで何時もよりどこか意地の悪い言葉と耳元へのぬるりとした舌の感触を受け取り。肌が粟立つような感覚を自分自身感じながら驚いて落としそうになったマグカップをしっかりと両手で支えるとごくりと唾を飲み下し、応酬とばかりに相手をからかうような言葉を口にするとにい、と笑みを浮かべて。「俺だって、何時までもやられっぱなしになんてなんないからな。精々上に乗られないように頑張れよ?」意地悪な相手の言葉により辱しめを受けるのが自分ばかりなんて勿論納得できず、強気を装い相手に言葉を言い返すと残りのホットミルクを飲み干し。「…で、このあとどうする?デートでもしましょうか?」お腹の辺りが温まったことと、彼に暫く抱かれていたお蔭で腰の調子も随分とマシになり、このあとの予定について相手に尋ねるとやはり昨日の今日で少し調子に乗っているところがあるのかデートなど相手に提案してみて。)
そうか…?甘やかしてぇっつぅか可愛がりてぇっつぅか…こうしてたいのは確かにあるけどよ。
(甘えたになったと相手は言うが、そういった自覚は此方にないようで。むしろ深い交わりによって愛しさが増した相手を愛でたい願望が強く、耳から唇を離すときょとんとしたような表情で見つめながら今の心境を語り。強気な発言を耳にしてはクスリと小さく笑い、相手を抱く腕を片側だけ外せば、身を乗り出しテーブルに置かれたままだったカップに手を伸ばし。此方とて主導権を渡すつもりは毛頭無いと言わんばかりに「その時は下からお前をじっくり眺めててやるよ」クツクツと楽しげに喉奥で笑っては、冷めかけた珈琲を啜って。相手からのデートの提案は、彼の体調上今日はこのままのんびり過ごすのだろうと思っていた己へのサプライズのようなもので、隠しきれない嬉々たる感情を一瞬ながら表情に浮かばせるも、直ぐに意味深に口角上げ。「このままデートしてもいいけどよ…恋人らしく堂々と振る舞いたいなら、それなりの準備が必要だよな」と、態とらしく遠回しな物言いをしつつ、言葉の意味を伝えるように服の上から太股をゆっくりと撫でてみて)
ッ、ん…はっきり言えよ、馬鹿。何が言いたい訳?
(少しだけ体を相手から離し空になったマグカップをテーブルに置いた後再び相手を背凭れにするようにして体勢を戻し、一番恥ずかしいであろう行為を済ませて一晩とさして時間が経っていないからか中々崩れてくれない相手のペースに思わず苦笑を漏らして。マウントは本当にその内取ってやろうか、などとぼんやり考えていた所にさわさわと服越しに感じた太股への撫でるような手の感触に昨晩の行為を思い出してしまったのか僅かに身動ぎつつも相手の方を振り返ると、どうやらその言葉の意味が上手く受け取れなかったのか僅かに眉を寄せながら唇を尖らせ、不満を唱えるかのような口調でその真意を尋ねると然り気無く太股にある相手の手を軽くつねって。)
要するに“棗”になれって事だよ。それなら必要以上に人目気にする事もねぇだろ。
(此方を振り向く相手の表情の可愛らしさにふっと頬を緩め。つねられれば撫でる行為自体は止めるものの、手は太股に置いたままふてぶてしい表情を向けて。初めて出会った時、己を一目で魅了したその完璧な女装、また文化祭でのメイド姿も期待を裏切らない完成度で。鮮明に記憶に残るそれらが、思い出すたび己の胸を高鳴らせて止まない。緩やかに、しかし確実に速まっていく鼓動は期待を示しているようで、回していた片手にきゅっと力を込めれば「…なあ持ってんだろ、得意の女装グッズ。着せてやるから出せよ」と、高揚感からか何処と無く艶を含んだ声音で、随分勝手な要求をして)
ッお、ま!そんなの…お、俺が男ってバレたらどうすんだよ。俺だけじゃなく、お前だって恥かくんだぞ?
(相手の言葉に一瞬理解が遅れたのかきょとんと呆けた顔をしてしまうものの、言葉を飲み込むうちにどんどん顔を赤く染めていけば相手と少し体を離すようにくっついていた自身の背中と相手の胸板との間に腕を割り入れて。感情に任せて大声を上げてしまいそうなのを抑えあくまで冷静な声色を保ちながら異論を唱えると、今までこそバレなかったものの今度もバレない保障などない上デートの最中もしバレたとすれば自分だけでなく相手にも恥をかかせてしまうため、乗り気になれないらしく赤い顔を僅かにしかめ。「…ある、けど…そんな、人を女装癖みたく言いやがって…。」バレる問題も勿論だがそれに続いた相手の言葉も不満を煽る要因となったのか、不服そうにぼそりと呟きながらじとりと相手を睨むと断固拒否とばかりに相手から顔を逸らしてしまい。)
俺にとっては大した問題じゃねぇって前から言ってんだろ。むしろお前が俺のものだって周知出来るのは好都合でもあるしな。
(みるみる変化する相手の顔色も羞恥からか己と少しでも距離を取ろうとする仕草もいじらしく見え、己を煽る要素にしかならず。細やかな抵抗見せる相手を逃がさないとばかりに抱く力を少し強めながら幾度となく言ってきた事をしれっと口にし。相手の言動からしても、女装してデートという事が彼にとってどれだけ不服か伝わるものの、“じゃあやめるか”等と引いてやる優しさなど持ち合わせておらず。寧ろこの状況を楽しんでいるかのように瞳を細めて笑うと、「何だかんだ言いながら、しっかり持ってんじゃねぇか…どういう事だ?」軽く身を乗り出すようにすれば、背けた側からその表情を間近で覗き込み、意地が悪い言葉で責めて)
…お前と歩道橋で会ったあの時以来、何かっていうと友達に女物のワンピースやら髪飾りやら貰うようになったんだよ。あと、なんか文化祭で使った道具も女子がくれた。
(女装がバレるだなんてもっての他のはずなのにしれっと好都合などと漏らす相手に影響され始めたのかうっかり相手のものになれるなら、などと一瞬でも考えてしまった自分に恥ずかしさを覚えながらそんな考えを振り払うように小さく首を振って。まだ昨日の今日で本調子とはいかない状態で相手に抵抗できるなどと本気で思っていた訳もなく力強く抱かれてしまえば諦めたようにため息を漏らしながら体勢を元に戻し。いつの間にか集まってしまった女装道具の出所を沈んだような少しだけ低めの声で応えるとちらりと横目で相手を見て、それから顔を合わせないように背中を相手の胸板に預けたまま正面を見ると体を支えるように添えられた相手の手に自身の手を重ねながら囁くような声で「…お前が、俺のお願い聞いてくれるんなら…女装してやっても、いい。」などと呟き。)
>匿名様(>608)
(/ご忠告ありがとうございます。此方としても、いつかはこういったご忠告があるかとは覚悟しておりました。
しかし弁解をさせて頂きますと、此方のトピックはなりきりカテゴリーがまだ元ネタあり、一対一、オリジナルの3つに分かれる前から存在し、その再編成から漏れてしまったトピックなのです。そのためわざわざ一対一ではなくオリジナルにトピックを立てた、ということは決してありません。
しかしながらだからといって今更一対一へとトピックを立て直すということになりますと、今までのやり取りの記録を一度清算してしまうことと同意の状態になってしまいます。非常に勝手とは思いますが、私としては此方の主様とのやり取りを積み上げていく今のままでいたいと思うのです。
セイチャットの管理人様の編成に漏れてしまったという事実もあり、正直私個人は移動という手段を取りたくないと思っております。日に何度も上がって他のトピックの迷惑になっているということでもないと思うのですが、ご容赦頂けないでしょうか?)
>608様
(/ご指摘ありがとうございます。此方のカテゴリーに何故一体一のトピがあるかというのは原田本体様がご説明下さった通りなのですが、それを踏まえた上でのご指摘でしたら申し訳ありません。
移動すべきかと考えた事はありましたが、原田本体様もお話しのように、原田様とのやりとりを積み上げて来たこの場には思い入れがあり、誠に勝手な我儘ながら立て直してやり直す事を敢えて避けてきました。やりとり自体は数日に一度程のそう頻繁なものではないので、此方のカテの皆様のお邪魔になる事もないだろうと甘えさせて頂いた部分も確かにあったかと。不快な思いをさせてしまっていたのでしたら申し訳ありません。
原田様のお気持ちも大切にしたいので、このまま此方でのやりとりを続行する事をご容赦頂けたら…というのが本音です。ですが皆様のご迷惑になってしまうようでしたら、やはりこのままには出来ない問題ですので、今後どのようにしたら良いか原田様と相談して決めていきたいと思います。ご理解頂けたら幸いです。)
原田本体様>
(/匿名様への対応、ありがとうございました。自分も原田様と同じ思いです。しかし今後もこのようなご指摘があるとすればそのままに出来ない問題ですね…。ちなみにこのトピの過去の記録を残したまま別カテに移動というのは可能なのでしょうか?)
>上原様
(/トピックの移動に関しては正直私もきちんと全てを理解している訳ではなく、消えてしまうか残しておいてもらえるかというのは分かりません。
しかしやはりカテゴリーが違うというのはもっともですし、移動についても前向きに考えていかなければとは思います。
ここで提案なのですが、一度セイチャットの管理人様の方にカテゴリーを移動して頂けないか、またそれが不可能だった場合現行のトピックを消さずに残して頂けないか意見させていただくというのはいかがでしょうか?それまでは一先ず下げ進行にてトピックを上げてしまわないよう善処する、という方針でこの問題を解決できるのではと考えています。)
それはオリキャラなりきりのルールを守っている方に失礼では?
自分たちがどれだけ頻繁にレスを上げていなくても、複数人でなりきりを楽しむ場で1対1のなりきりをされると、ルールを守らない人も増えてきます。
迷惑にはならないかもしれませんが、掲示板やチャットではその場に合ったトピを作るのが当たり前です。
あなた達が楽しんでいてても、他の方は迷惑しているかもしれません。
私にはそんなこと分かりませんが。
自分たちだけで楽しみたいなりきりなら、1対1でなりきりを楽しんでください。
此処は「複数人でなりきりを楽しむ場」です。
確かに事情が事情だけにあなた達の言い分もわからなくは無いですが上の方が言うように一つ例外を認めてしまえば、また他の例外、またまた他の例外まで認めなくてはいけなくなり、キリがなくなってしまうと私は思います。
秩序というものはみんなが守って初めて守られるものではないでしょうか?
>612、613様
(/忠告恐れ入ります、内容はもっともであり私達もこのままこのカテゴリーに居続けるのは得策でないと理解しております。現在トピックのカテゴリー移動が可能か此方で問い合わせをさせて頂いている状態です。カテゴリーのルールに反してしまっているのは重々承知しておりますが、せめて問い合わせの回答がくるまで待っていただけませんでしょうか?)
何度も匿名の書き込みが続いてしまい申し訳ありません。お邪魔致します。
お知らせの「2013年7月26日:【なりきりセイチャット】をオープンしました」http://www.saychat.jp/bbs/thread/351049/という記事に
「また、トピックのカテゴリーの移動のご希望につきましては
トピックタイトル横の通報ボタンの方からご依頼ください。
移動したい先のカテゴリーをご指定頂ければ、
担当の方で随時、トピックを移動させて頂きます。 」という記述がありますので、たぶん移動を依頼すれば内容を残したまま移る事が可能だと思われます。
新たに立て直しをする以外は運営さんのレスポンスを待つしか方法がないので、私含む匿名さんはこれ以上意見するのは控えた方がいいのではないでしょうか。
>612様
>613様
(/ご意見ありがとうございます。お二方が仰る通りでございます。なりきりを楽しんでいく上で、これも守るべき一つのルールなのだと改めて気付かされました。今回ご指摘を受け、自分達もこの件に関ししっかり向き合っていくつもりです。現在一対一への移動について依頼させて頂いております。無事移動完了するまで下げ進行にさせて頂きますので、大変恐縮ですがもう暫くお時間を頂きたく思います。
今回、私の勝手な発言で不快な思いをされた皆様にはお詫び致します。大変申し訳ありませんでした。改めましてご意見ありがとうございました。)
>615様
(/ご丁寧にありがとうございます!早速運営側の方に移動についての問い合わせをさせて頂いているところでございます。ご親切、心から感謝致します。)
>原田本体様
(/匿名様へのご対応、ありがとうございます。自分の発言でここまで事を大きくしてしまい、原田様にまでご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした。
現在、一対一への移動の件で此方も問い合わせている最中です。内容を残した上での移動依頼をお願いしてみましたが、万が一希望の形にならなくても今までと変わらないお付き合いをして頂けたら幸いです。この件が落ち着くまで、本編のお返事は控えさせて頂きますね。いつもありがとうございます。)
(/移動が完了したようで安心しました、匿名様もご忠告及び移動した旨のお知らせありがとうございます。
さて、此処から先は上原様宛の内容とさせて頂きます。今回の件は上原様の発言に始まった問題ではなく、オリジナルカテゴリーに居ながら移動をすることなくこれまで居座ってしまった私達二人の責任だと考えています。ですから、此方こそ上原様をこのような事態に巻き込んでしまったことを申し訳なく思います。
移動はトピックをそのままカテゴリーだけ編成し直すだけにとどまり、今回の問題は解決しました。しかし、この期に上原様にお伝えしたいことがございます。
なりきりという性質上突然の別れ等が多い中、こうして長くお付き合いさせて頂いていることを大変嬉しく思っています。出会いからもう何年と経ち、それでもいつも新鮮な気持ちを与えて下さるお相手様に出会えたことは私にとって大きな幸運だったと感じています。ですから、もしこれから過去のような掲示板の問題や今回のような事態に直面しても、私はずっと貴方様のお相手をさせて頂きたいです。今回こそ希望通りになりましたが、もしそれが希望通りにいかずともこの思いは変わらなかったでしょう。
正直自分でもなりきりで此処までくると気持ち悪いな、と自嘲するような感情ですが改めて伝えさせて頂きました。これからも、どうぞ末永くよろしくお願いいたします。
なんといいますか、恥ずかしいことをつらつらと長文にて失礼しました;それではお返事お待ちしてますね!)
(/上記ですが、完全なる自己満足の塊ですので本体によるお返事は不要です。というか、かなり熱く語ってしまい恥ずかしいのでさらっと流し読み程度で収めていただければと思います;;)
(/無事移動が完了したようで安心しました。今回ご迷惑をお掛けした皆様には改めてお詫び致します。そして貴重なご意見、どうもありがとうございました。今後もマナーを守りながら楽しく活動していきたいと思っております。)
>原田本体様
(/返事不要との事でしたが…此方も改めて本体様にお伝えしたい事がございます。
主という立場として、今回の件はカテゴリー分けの際にご相談させて頂くべきでした。申し訳ありません。どちらからもその旨の話が出なかったのは、同じ思いがあったからかもしれないと、今回本体様のお話を聞いて改めて感じ、嬉しく思ってしまった事も事実です。
長いお付き合いをさせて頂いている事、此方こそとても感謝しております。出会ってから長い月日が経つというのに、実際キャラ同士が結ばれたのはこれが初めてなんて、何だか不思議な感じがしますね。初めて出会った時から本体様が動かすキャラの雰囲気や表現力、ロル等に惹かれ、尊敬すると共にずっと気に掛けて来たわけですが……その間の事をこれ以上晒すと流石に引かれてしまうと思いますので割愛させて頂きますね(笑)まだ話していない事があるだけで、本当に気持ち悪いのは此方ですから。
例え離れても、なりきりを続けている限りまた何処かで会えるだろうと信じていた部分もあったのかもしれません。こうして貴方と再会し、貴方のキャラと絡める事は本当に幸せな事だと思っております。今後も原田本体様の活躍を期待すると共に、末長いお付き合いをして頂けるよう努力したいと思います。
長々とすみません、此方こそ返事は不要ですので。なるべく早目に本文をお返し出来たらと思っております。いつも遅い返事を待っていて下さってありがとうございます。そしてごめんなさい。では失礼しますね。)
ふぅん…まあお前の女装はそう簡単にはバレないと思うぜ。それに――…何だかんだで俺達の事は隠しておいた方が賢明かもな。他校の奴等にバレたら少し厄介だ。
(以前から所持さしていたのであればからかってやろうという気でいたが、それらしい理由を添えられてしまえば納得せざるを得なかったのか出来たのか相槌を打つだけにとどめ。何処か中性的で綺麗に整った元々の顔立ちに加え、その見事なまでの完成度の高さからいってもそう簡単に男だとバレる事はないだろう。現に己はそんな彼の女装姿に何の疑いも持たず一目惚れしてしまった程。しかし仮にバレて自分達の関係を公表したとして、校内の大抵の生徒達は黙らせられたとしても、他校の所謂柄の悪い連中はどうだろうか。文化祭の時のような己を良く思わない連中に相手が目をつけられてしまえば、相手を危険に晒す事になる。そういった危険も踏まえると、やはり関係性は伏せておくべきかもしれないと思い直し。あれこれ危惧していると、不意に何処と無く躊躇うような控え目な声音で“お願い”との声が掛かり。重なる手の温もりを感じつつ不思議そうに瞬きすれば「…何だよ、改まって。言ってみろ」と、後ろから相手の肩に軽く顎を乗せるようにして柔らかな響きで返し)
(/誤字だらけだったので修正しますね。申し訳ないですorz)
ふぅん…まあお前の女装はそう簡単にはバレないと思うぜ。それに――…何だかんだで俺達の事は隠しておいた方が賢明かもな。他校の奴等にバレたら少し厄介だ。
(以前から所持していたのであればからかってやろうという気でいたが、それらしい理由を添えられてしまえば納得せざるを得なかったのか相槌を打つだけにとどめ。何処か中性的で綺麗に整った元々の顔立ちに加え、その見事なまでの完成度の高さからいってもそう簡単に男だとバレる事はないだろう。現に己はそんな彼の女装姿に何の疑いも持たず一目惚れしてしまった程。しかし仮にバレて自分達の関係を公表したとして、校内の大抵の生徒達は黙らせられたとしても、他校の所謂柄の悪い連中はどうだろうか。文化祭の時のような己を良く思わない連中に相手が目をつけられてしまえば、相手を危険に晒す事になる。そういった危険も踏まえると、やはり関係性は伏せておくべきかもしれないと思い直し。あれこれ危惧していると、不意に何処と無く躊躇うような控え目な声音で“お願い”との声が掛かり。重なる手の温もりを感じつつ不思議そうに瞬きすれば「…何だよ、改まって。言ってみろ」と、後ろから相手の肩に軽く顎を乗せるようにして柔らかな響きで返し)
ーー…やっぱいい、止める。…女装も、しない。
(お願いの内容が内容だったのか、先に相手が口にした言葉に何かを言いたげにはくはくと口を緩く開閉するもののすぐに諦めたように唇を結べば視線を落とし。自分だって女装がバレたい訳じゃないものの、口にしようとしたお願いは一歩間違えれば自分が男だと知らしめる要因になりかねないもので。しかしそれでも相手がこれだけ女装を切望しこれだけそのクオリティーに太鼓判を押してくれるなら、と心を決めて思いを言葉にしようとしただけあって反動的に気持ちは一気に沈んでしまい。小さな声でお願いの件は勿論女装の件まで一方的に無しだと言い返せば自分でも幼稚だと感じつつも収まりきらない思いをどうにか消化しようとするように表情を歪めて。)
あ?何だよそれ…わけわかんねぇな。
(相手の我儘なら可能な限り聞いてやりたいと日頃から思う。より深い関係になった今、ますます愛おしさが膨らみ尚更そう思うのに。自分でもくすぐったくなる程甘い声音で問い掛けたつもりが、返された意外な言葉に疑問符が浮かび、眉を寄せながら相手の肩から顎を外し。何か不味い事を言っただろうかと己の発言を振り返ってみるが、その“お願い”が何なのか分からない以上、己のどの発言が彼の考えを変えさせてしまったのか分からず。それでも急に元気がなくなった事は明らかで気になって仕方なく。己の手に重ねられた手を上から握り、相手の頬に頬を寄せれば「なあ椿…、俺にして欲しい事あったんだろ?…聞かせろよ」聞きたいという懇願も込め、極力優しげな声色で囁いて)
ーー…女装してる時も、ちゃんと"椿"って呼んで欲しかった。…お前が散々バレないだのバレても構わないだの言うから…それならって思ったのに、でも他校にバレるのは気を付けようとか言い出すし…俺の覚悟返せ、ばか。
(案の定困ったような様子を見せる相手にも悪いなどと思うことはなく、むしろ八つ当たりじみた"ざまあみろ"などという言葉が口から零れそうになる程で。ただそんな考えも相手の懇願するような言葉の前では無力なのか頬に触れ合った心地よい感触に暫し考え込むものの結局ほだされ思いを吐露する決意を固めると、一度するりと相手の腕から抜け出し。相手と向き合うように立ってから不機嫌そうにしかめられた表情を隠すように今度は正面から相手の膝に乗り上げ顎を相手の肩に乗せてから背中にぎゅっと腕を回し。甘えたようにすり、と微かに相手の首筋に頭を寄せてからもごもごと歯切れの悪い口調で言葉を告げるとそのまま大して感情も入っていない声で"ばか"という罵りを繰り返して。)
何だよ、そんな事か…。名前くらい幾らでも呼んでやるよ。
(彼がそれを口にするのは彼なりに覚悟が必要だった事は態度から窺えて。しかし改まっての願いとはどんな事だろうかと興味と期待で一杯だった為、可愛らしいその願いに拍子抜けし、ついついクッと小さく吹き出してしまい。こういった事にこだわる辺りが相手の可愛いところだと思うと共にまたも愛しさが湧き、甘えるように抱き着いてくる相手の髪を撫でてやり)
――確かに簡単にバレるとは思ってねぇし、バレても構わねぇ。ただ…お前も薄々感じてるだろうが、俺は他校の連中から嫌われてるからな。万一お前が目を付けられたら、お前を危険な目に遭わせちまう。勿論、お前は俺が守るけどよ。
(頭を撫でていた手を緩やかに止め、ぎゅうと強く抱き締めては少しトーンを落とした声音で、先の発言について説明し。相手が何であろうと腕の中の大事な存在を守りたい思いは強くあるが、守りたい存在など持ったことがない故、大事なものを危険に晒すかもしれないという可能性が不安や恐怖心にも似た感情を起こさせ。そんな感情が相手に伝わってしまわないように一度ゆっくり瞬きした後、すぐ隣にある相手の頭に唇寄せては「学祭の時みたく怖がらせたくねぇんだよ。お前、泣き虫だしな」と、ふっと柔らかく笑み)
…ばか。何が守るだよ、ふざけんな。俺だって男なんだから自分の身くらい守れるし、お前と付き合ってる時点でそのくらいの覚悟出来てんだよ。
(相手が所謂不良と言われるものに分類されることなど歩道橋で出会うよりも前から知っていたことで、そのくらいの覚悟は付き合う上でとっくの昔に出来ていて。それよりなによりまるで自分を女か何かのように守るなどという相手がどうにも癪で、頭に寄せられた唇を拒むように相手の頬を片手でぎゅっと掴めば少しだけ鋭さのある不機嫌そうな様子で見つめて。自分はそんなに脆くはないと、暗にそう伝えるように言葉を紡ぐと頬を掴んだ手を離すと同時に軽く触れ合う程度の口づけを相手の唇に送り。口付けてしまった恥ずかしさが襲ってこないうちにさっさと相手の膝の上から退くと腕を伸ばしながら相手に背を向け「…まあ、その…なんだ。名前のこと約束したし、女装してやる。…そこ、部屋の隅っこにある段ボールに適当な服入ってるから、お前の好みのやつ選んで。」などと告げると約束は約束としてきちんと果たすつもりらしく女装の準備を始め。相手に指示を出してから紙袋に雑に入れられていたウィッグを引っ張り出すと、それを持ったままそそくさと部屋を出ていき。)
――……男だろうが女だろうが、大事な奴を守りたいと思って当然だろうが。
(そそくさと退室する相手を視線で追った後、一人取り残された部屋でぽつりと呟き。己が想いを打ち明けてから、相手がどれだけ己の事で悩んできたかはこれまでの彼を見ていても分かる。所謂問題児で同性でもある己を受け入れるのに、彼なりに相当な覚悟や決意をしただろうという事も。先程の言動からするに、言葉の意味を多少取り違えて不機嫌になっただろう事は窺えるも、此方にも譲れない思いというものはある。小さく息を逃すと、示された段ボールに視線を向け、そちらに手を伸ばし引き寄せて。箱の中にある幾つもの女物の洋服の中には、明らかに彼の女装を楽しんでいると思われる物も多く、彼の友人であるあの騒がしい連中が彼に着せようと選んだかと思うと無性に苛ついてきて。アイツ等後で脅してやろうかと本気で思いつつ、不機嫌そうな面持ちで服を選び)
ーー服決まったか…って、なんつう顔で選んでんだよ。…女装しろっつったのお前だろ、なんか不満な訳?
(散々させられてきた女装もそろそろ手慣れてきてしまったのか今日はどんな髪型にしよう、などと考えてしまった自分に気付くなり思わず頭を抱えて。徐々に侵されているような気がしつつも相手を待たせているためさっさと準備に取り掛かれば、髪の長いかつらを今日は緩い三つ編みにして縛った部分をリボンで飾り、母のメイク道具を拝借し男と分からない程度にナチュラルなメイクを施して。それから自室で待つ相手の元へと戻ると真っ先に飛び込んできたのは相手の不機嫌そうな表情で。正直彼が何を不満に思っているかなど見当もつかず困ったように眉を寄せるとその傍まで歩いていき。)
…何なんだよこれ。あの連中の趣味丸出しのもんばっかじゃねぇか。椿、お前…まさか奴等にご披露してやったのかよ。
(暫くして部屋に戻ってきた相手は髪型やメイクだけでも十分その辺の女性より綺麗で可愛らしく、己の心臓をドキリと跳ねさせるも、独占欲や嫉妬混じりのもやもやとした感情が薄れる事はなく。趣味だけでなく下心さえ含まれているのではと疑っても可笑しくない、所謂コスプレに分類されるような衣装を不機嫌そうに片手でつまみ上げては若干乱暴に戻し。眉間に皺を刻んだまま相手にじとりとした視線を向け問い質しながら、その中でも外出に使えそうな服のみ一通り取り分けて。手にした服と相手を交互に見、少し思案するような仕草を見せながら選んでいたが、「…この辺が妥当だな」やがて相手に押し付けたのは、ノースリーブで膝丈程の白のチュールワンピースと、後ろにリボンをあしらったベージュピンクのニットという甘めなもので)
んな訳あるか。そもそも、お前が嫌がると思ったからあいつらの前ではお前と会った時と昨日の文化祭でしか女装なんてしてねぇよ。…俺、結構信用なかった訳ね。
(明らかに機嫌の悪い相手がつまみ上げた所謂コスプレ衣装には正直此方もあまりいい感情は浮かばないらしく思わず苦い表情をするものの、続く相手の言葉に心外だとばかりに声を上げると少しだけ拗ねたように唇を尖らせて。勿論女装を進んでやる意思などないことは大前提だが、此方とて想う相手がいるというのに彼が気に入っているらしい女装姿を例え同性の友人だろうと易々見せるつもりなどなく、そうしてどうにか避けてきたことを疑われたことに不満と少々の悲しみが募ってしまい。ぶっきらぼうな言い方で応えてから相手より受け取った服と段ボール箱を抱えるとベッドの方まで歩いていき、相手に背中を向けるような方向でベッドの縁に座ってからばさりとトレーナーを脱ぎ去れば相手の方には視線をやらないまま「…着替えるから、あんまこっち見んなよ。」とだけ呟き着替えを始めて。)
そうじゃねぇよ。そうじゃねぇけどよ…。お前…あいつ等と仲いいじゃねぇか。
(反論して来る相手の声が悲しみの色を帯びている事に気付けば、返す言葉に思いの外熱が入り。信用してるとかしていないとかないとかそんなんじゃない。ただ、相手と彼等との間に信頼関係が築かれている事を理解している故、相手が彼等のリクエストに応える事は自然な事なのかもしれないと思ってしまう。そんな負の感情から思わずぽつりと溢れた言葉は自分でも戸惑う程酷く稚拙なもので。拗ねているとでもいうようなそんな発言に忽ち羞恥に駆られ、小さな舌打ち洩らしてはふいと顔を逸らし、羞恥に堪えるように視線を伏せて。そんなきまり悪さの中、此方を見るなと告げる相手から最初は顔を逸らしたままでいたが、やがて着替え中に生じる小さな音が耳に届く頃には平静を取り戻しつつあり。此方に背を向け着替え中の相手の背を少しの間眺めていたが、不意にそっと近寄れば「…全部見たのに今更なに言ってんだよ。見てて欲しいってことか?」と、背後から覗き込みながらデリカシーない一言を掛けて)
ッうわ!?…お前が化ける真っ最中見てても気分萎えないなら、俺は別にいいけど?
(男同士という問題に一度は悩めども結局転がり落ちる形となった自分を、もしや他の男でもイケるような所謂尻軽として相手が見ているのではと勘ぐってしまい少しばかり気分が落ち込んだものの、耳に届いた相手の半ば拗ねたような言葉に自分の考えが誤解だったことを知ると同時にうっかりきゅんとときめいてしまい。思わず緩みそうになる口許をぐっと堪えながら、先程のことは一先ず着替えを済ませてから謝ろうと思い着替えのスピードを早め。ところが偽胸のパッドが入った下着を着用するのに思った以上にてこずってしまい困ったように首を傾げてから背中を見ようとしたところ、丁度此方を覗きこんできた相手とばっちり視線がぶつかってしまい思わず驚きの声を上げ。女の化粧の最中と同じく今の自分は正直人に見せられる姿ではなくて、羞恥心云々よりそちらの感情の方が強いのか苦笑混じりに相手のからかいをかわすと寧ろ好都合とばかりに「あ、背中のホックつけてくんないか?なんか上手く引っ掛かんなくてさ。」などとお願いを口にして。)
萎えるも萎えねぇも…女装したお前だけが好きなわけじゃねぇだろうが。
(相手の心境はどうであれ、そんな事を気にする相手が可愛くも可笑しくも思え、口元に控え目な笑みを浮かべながら言われた通り背中のホックに手を掛け。その間、ふと彼の肩に残ったままの赤い痕に視線が向かえば、狂おしい程の愛しさの中幸福感に満ちた昨夜のひとときが思い出され、トクンと胸が鳴って。ホックを器用に引っ掛けた後、着替えを遮るように後ろから腕を回し抱き締めては、相手を見詰め愛しそうに笑み、心情を語る事なく柔らかく唇を食むように口付けてゆっくり離し。「――…愛してる」至近距離を保ったまま告げた言葉は、昨夜も幾度となく伝えたもの。こうして相手を見つめ、触れているだけで自然と溢れるようになってしまっている事実にまたひとつ愛が膨らんだ事を感じ、温かな気持ちに包まれて)
ッ、…お、れも…愛してる、よ…。
(背中でホックが掛かったのを感覚で察知し礼を言おうかと顔を相手の方に向けようとした時、動きを遮るように体に回された腕の感触を感じたかと思えば目前で微笑む相手と目が合って。その意味を考えるよりも早く優しく触れ合った唇に思わず呆けた顔をしてしまうものの続く愛の囁きにじわじわと羞恥に顔を染め、戸惑ったように視線を暫し揺らした後こつんと軽く額を合わせるようにすると恥ずかしさから伏せ目がちになりながらも小さな声で相手に囁き。相手からの言葉を聞くだけでも十分恥ずかしかったというのに自分からのお返しも重ねてしまえば平常心でなどいられるはずもなく、真っ赤に染められた頬を隠すように腕を振り上げがてら拒否、というよりはやんわりと逃げるような素振りで相手の腕を外すと「…も、ほんとに着替えるから…そういうの、ちょっと待って…。」などと呟いてからかばりと相手の選んだニットを少々雑に頭から被って。)
わかった。
(こうして見つめ、口付けや愛の言葉を贈ってからの彼の恥じらいや何処か嬉しさが滲む初々しい言動が彼への愛しさを膨らませる。思いのまま愛でてしまいたくなる衝動をどうにか鎮め素直に相手から離れれば、近くのベッドに腰を下ろし相手が着替える様子を大人しく眺め。男を魅了してしまうどころか、その辺の女達まで羨む程の容姿を持つ彼が一人っ子だという事を思い出し、彼の幼い頃をふと思う。「…お前、ガキの頃親に相当可愛がられただろ。こんな風に女物の服着せられたりしたんじゃねぇの」今も両親に大切にされている事が窺える相手、幼い頃は余程だったのではないかと、改めて相手に見入りながら頭に浮かんだ事を何の気なしに口にして)
…俺、産まれるまで女の子だと思われてたらしいんだよなー…。
(ニットを被ってから相手に渡されたスカートがワンピースタイプのものだったことを思い出すと間違ってしまった恥ずかしさのようなものを僅かに感じながらワンピース、ニットの順に着直して。ニットの裾をお腹の辺りまで下ろしてからほっと息をついたとき相手からの問い掛けがあり、少しだけ間を置いてから無言の肯定とばかりに深い溜め息をついて。ゆっくりとベッドに腰掛け直し寒さ対策にと用意してあったタイツを足先からするすると履いていくと、その最中漸く黙りっぱなしだった口を開き半ば言い訳のような、それでも言い訳にすらなっていないような余談を呟いて。話し終わる頃にはタイツも履き終わり、ベッドから立ち上がって少しだけ居心地が悪そうに自分の格好を見つめながらくるりと一度回ってみると待たせていた相手に視線を向け。「…どーですか。」散々繰り返した女装と言えど相手が選んだ服を着てこのままデート、というシチュエーションが照れ臭さを増させるのかほんのりと頬を染めながら表情を固くするとぶっきらぼうな問い掛けと共に緩く首を傾げて。)
(/貴方は本当に上原様ですか?なんの意図があるかは分かりませんが、私は貴方が上原様であるようには思えません。上原様であれば、例え私との関係を切る際であっても必ずきちんとお話ししてくださるはずだと思っています。悪戯か何かなのであれば、このようなことは止めてください。)
(すみません、あなたには私よりもっとお似合いで、幸せにしてくれる人がいると思ったからです。
正直いいますと、いろいろ疲れました。他の人と幸せになってください、お願いします
(/やはり貴方は上原様ではありませんね。上原様の文体とは書き方が違います。もしそれでも上原様の名を語るのでしたら、私と上原様の出会った場所について、上原様があの頃慕っていた方についてお答えください。
どんな理由に基づく悪戯であっても、こういったことは流石に傷つきます。もし私が貴方を何かの理由で傷つけてしまったようなことがあったのなら、こんなやり方ではなくきちんと仰ってください。そうしていただければ、私もそれ相応の対応をさせて頂きます。ですから、こうしてお相手様に迷惑をかけるような悪戯はやめてください。)
(文体などいくらでも変えられます。あなたに恨みなんかありません、あなたが大切で、愛してるからこそ幸せになってほしいのです。わかりませんか?ずっとあなたを見てきたんですよ。あの頃からずっと。あなたと出会ったのはここではないです。あの頃の私のお相手の名前は、すみませんがいえません。あの方も見ているかもしれないからです。あなたとは違うタイプの人でした、とだけ言っておきます。)
(/文体は確かに変えられるでしょうが、ここでそれを変える意味がどこにあるでしょうか?上原様が上原様として、この場で私に別れを告げるのであればいつも通りの文体で書くでしょう。
私の質問を濁すだけで答えようとしないことからも信用する必要はないと感じます。昔のお相手様のことを引き合いに出すのでしたら、私と上原様が出会った掲示板の名前、そこでの私と上原様のいた場所の末路をお答えいただけますか?貴方が本当に上原様だと言い張るのなら、答えてくださいますよね?
私と上原様の関係を断ちたいという貴方の意思は分かりました。しかしそれならそれでこんな悪戯めいた、上原様を損なうようなやり方ではなくきちんと理由をお聞かせください。)
(/このような事になっているとは知らず、対応が遅くなり申し訳ありませんでした。
まずは原田様、今まで書き込みをされていた方が自分ではないと信じて下さり有難うございました。とはいえ、突然の事にさぞ驚かれた事と思います。自分がすぐに気付いてさえいれば原田様を傷付ける事も無かったのだろうと思うと、悔しさと申し訳なさで一杯です。どうか自分が今まで原田様にお伝えして来た言葉を信じて下さい。大丈夫ですから。
そして今回上原の名を名乗られた方。貴方様の意図は恐らく自分達の関係を断とうというものですよね。文面を拝見する限り原田様に好意を持たれている方なのではないかと推測しますが、貴方様のされている事は原田様を傷付けるだけです。原田様の相手が自分のような者である事、また原田様への対応にご不満がおありでしたら、どうぞ遠慮なく仰って下さい。ご意見としてしっかりと受け止めさせて頂きます。ですが、貴方様がもし本当に原田様を想い幸せになって欲しいと願うなら、原田様を苦しめるような、こんなやり方をしないで頂きたい。
原田様には他のトピでも楽しむ権利があります。自分は原田様を大切に思うと共に、原田様が他トピでも楽しく過ごせますよう願っております。もし貴方様がこの先何処かで原田様と出逢う事があったとして、また原田様がどなたかと絡んでおられるのを見掛けたとして、その時はどうかこんな事をなさらず原田様を大事にして差し上げるなり温かく見守るなりされて下さい。どうかお願いします。)
>上原様
(/お忙しい身にも関わらず迅速な対応ありがとうございました。貴方様ではないと分かってはいましたが、状況が状況でしたからやはり少し不安な部分もあり、こうして早々にお返事が頂けたことで精神的にかなり助けられました。今回の件はお互いに非などなく、第三者の介入によりこじれてしまっただけのことです。ご自分を責めないで下さいませ。こうしてお言葉を頂けただけで嬉しかったですから。
お疲れの中こうしてフォローして頂きありがとうございました。お返事お待ちしていますので、そちらの余裕のある時にでもお返し頂ければ幸いです。決してご無理はなさらないでくださいね。)
まあ、今となっちゃどっちでもいいんだけどな…お前なら。
(余談を語りながら着替える相手に、何処か幸せそうな笑みと眼差しを向けながらそんな本音をぽつりと溢して。やはり気恥ずかしさがあるのか、何処と無くぎこちなさを滲ませながら普段とは違った姿をお披露目する相手が何だか無性に愛しく、沸き起こる独占欲に思わず目を細め。「…可愛いよ。」ベッドに腰かけたまま、若干見上げるような形で短くも率直な感想を微笑みと共に伝え。相手に向けたままの瞳を心なしか切なげに微かに揺らしたかと思うと、不意に相手の腕を掴んで引き寄せて)
――…あんまり可愛くて、外に出したくなくなるじゃねぇか。
(ふ、と口元緩めながら冗談ぽく口にするものの、胸を刺すような独占欲にじりじりと喉を焦がされる気さえして。今やすっかり依存してしまった腕の中の温もりと感覚に縋るように、きゅうと力を込め)
(/返信が随分遅れてしまい申し訳ありませんでした…!一先ず落ち着いたようで良かったです。改めましてこれからも宜しくお願い致します。)
…それじゃあ、何のために着替えたのか分かんなくなるだろ。
(いつの間にか本心から嬉しいと感じるようになってしまった相手からの"可愛い"の一言に少しだけ照れ臭く感じつつも嬉しさに胸の辺りがほわんと温かくなるような感覚を覚え、口許に笑みを浮かべ。そんな中不意に伸びてきた相手の腕に引かれるまま腰掛けた相手の足の間辺りに収まるようになりながら相手に抱かれれば、その一瞬こそ驚けど続いた相手の言葉に思わず軽く吹き出して。あやすような手つきで相手の頭を優しく撫でてから少しだけ困ったような声色で呟きを漏らすと僅かに相手と距離を取り、顔を合わせるような体勢でそっと相手の両頬を手で包み込むようにして。)
…俺は、お前みたいな格好いいのが俺のものだって他のやつに見せつけたいんだけど?
(/お疲れ様です、此方は正直いくらでも待てますから大丈夫ですよ^^色々と問題がありばたばたしましたが、こちらこそこれからも末長くよろしくお願いいたします!)
…今、ガキみてぇな事言ってると思ったろ。
(何が面白かったのか吹き出す相手を不思議そうに見つめるも、まるであやすように頭を撫でてくるその手と、彼の困ったような声色から、己の言動がいかに子供じみたものだったか教えられたようで、羞恥に熱が顔へ集中するような感覚を覚え。頬を包まれたまま眉間に皺寄せ抗議するも、睨むというような勢いはそこになく、どちらかと言えば羞恥に堪えるような困惑の色を浮かべており。“見せつけたい”、そう述べた相手の気持ちは己にとって嬉しいもので。嬉しさがだらしなく表情に出てしまう前に相手の両手を掴み、己を包み込むそこから逃げるように視線を外せば「…行きてぇとこ、あんのかよ」と、未だに不貞腐れたような表情で呟くように訊ね)
…ん、可愛いこと言ってるなーと思ったかな?
(うっかり吹き出してしまったことが相手の気に障ってしまったのか、羞恥を堪えているような表情すらも惚れた欲目があるにしても妙に可愛らしく見えてしまい、緩く首を傾げながら返答をし。拗ねたような素振りをしていても長い時間共に過ごしていることもあり相手が多少なりとも自分の言葉を喜んでくれているだろうことは何となく分かり、手に重ねられた相手の掌の温かさに頬を緩め「どこでも良いよ、和瑳と一緒なら。でも…そうだな、出来ればあんまり虐めるような場所は止めて欲しいかな。」などと返しながら、女装で向かうという条件上あまり此方が恥ずかしくなってしまうような、所謂女物の服屋やらといった類いは避けたい旨を告げ。)
さすがに外では苛めねぇよ。…けど、出掛けるとは思ってなかったからな…どうするか。
(不貞腐れた様子で視線を逸らしていたが、返って来た言葉は恰も自分が相手を苛めてばかりいるように受け取れる上、相手も相手で案外真面目に発言したと思われ、込み上げる可笑しさに思わずふっと頬を緩めて。昨夜の今日で相手が動き回るのは苦痛だろうと思っていた為、デートという提案自体想定外で、行き先について悩んでしまい。彼の言うように“一緒なら何処へでも”という意見に加え、“一緒に居られるならそれでいい”と、まるで恋する乙女のような思考に到ってしまう自分が酷く滑稽で、相手に視線を戻しては難しい表情で見つめ。考えてみれば人付き合いという面倒なものを避けて来た自分が、気の利いた場所など直ぐに閃く筈もない。こういう場ではリード出来そうもない自分の情けなさと格好悪さに、変に高いプライドからいよいよ堪えきれなくなり。顔を隠すように相手を抱き締め肩に顔を埋めれば「……わかんねぇよ、クソ」と、悔しさ滲ませながら拗ねたように呟いて)
ーーじゃあ、"棗"だった時にデートした喫茶店はどうだ?あそこのまわりそれなりに店あるし、行ってから適当にぶらついても楽しそうだろ?
(自分もそうだが校内外問わず不良で通っている相手にデートに行くなら、などという気回しは難しかったのだろう。拗ねた風な呟きと共に顔を隠す仕種から彼の内情が何となく読み取れてその微笑ましい様子と女性関係に疎いらしいことが読み取れたことに緩く口許を緩めると、肩に顔を埋める相手の髪に頬を寄せるようにしながら軽く抱き返して。こちらも少しばかり考えてから、かつて脅され半分に決行された喫茶店デートのことを思い出したらしく再度そこへ赴くことを提案するとそれほど昔であることでもないのに何だか懐かしい思い出にくすりと笑みを溢して。)
――わかった。
(半ば無理矢理相手を誘い出したあの喫茶店が候補として思い浮かばなかったわけではない。彼からの提案は今の状況への助け船、そして“前回のデートと同じ場所を指定したらがっかりさせるだろうか”と、少し難しく考えてしまっていた己を安心させるという二重の効果があり。相手の優しさが滲む言動に胸の奥が温まるような感覚を覚え、心地よい温もりを腕に抱いたまま素直に承諾の意を見せた後、そっと相手から離れ正面から改めて見つめては漸くふっと柔らかな笑みを浮かべ。「椿…」愛しげな声音で自然とその名を口にしたかと思うと軽く唇を重ねて。再度見つめ直せば「…じゃあ、早速行くか」と声をかけ)
…ん、行く…。
(此方も提案こそしたものの前回と同じ場所、という部分に若干の不安を抱いていたものの相手の承諾にほっと息をつけば漸く離れた相手を見つめ返して。どうした、とばかりに首を傾げようかと思ったところで相手に名を呼ばれればそのまま軽く唇を重ねられ、驚いたように瞬きをした後きちんと立ち上がり直しながら口許を押さえ。先程まで拗ねていたはずの相手からの不意打ちに思わず顔を仄かに赤らめ気まずそうに視線を揺らすと小さな返事と共に明らかに照れてしまった顔を隠すように相手に背中を向けて。)
お前のその反応…可愛い過ぎんだよ。
(背を向ける直前の相手の反応と表情の可愛さに思わずくすりと笑みが零れ。此方からの不意な口づけにいつもこんな反応をくれる相手が愛しくて堪らず、口元を緩めたまま何処かじゃれるような調子で後ろから抱きしめ、素直な感想をそのまま耳元で囁いて。まさか自分がこんな風に他人とべたべたするなんて以前は考えられなかったものの、相手に関しては片時も離したくないという思いが強く働いてしまって。腕の中の愛しい存在をなかなか手放せず頬に擦り寄るも、名残惜しそうに目尻に口づけを落とした後そっと解放してやれば、笑みを浮かべたまま部屋の外へ向かおうと顎で促して)
ッ…あんま、調子乗んな…ばか…。
(此方が照れてしまっていると分かった上でしているのか、そんな羞恥心を更に煽るような相手の行動にぎゅっと瞳を閉じたまま耐え抜くと相手が離れるなり少しばかり大袈裟に距離を置き。相手の行動が嫌だったという訳ではなく、一応此方も男としてのプライドからやられっぱなしで女のような扱いをされるのは不服なようで、赤く染まってしまった頬に両手を当てながら若干睨み気味の視線を相手に送り。鞄を少々乱暴に引っ提げ、相手の横を過ぎながら小さな呟きと共にそれなりに力のこもった拳で肩を小突くと相手よりも先に部屋を出て玄関へ向かい。)
……そんな顔見せられたら調子にも乗るっつの。
(此方に向けられるのは、抗議を訴えるかのような不服そうな視線。しかし紅潮する頬を隠すような仕草が愛おしさを煽り、どうしても“可愛い”と感じずには居られず。肩にくらった攻撃は確かに男の力そのものなのに、ただただ無性に沸き起こるのは“守りたい”、“大事にしたい”、そんな思いばかりで。先に部屋を出る相手の後ろ姿を、口許に笑みを浮かべながら眩しげに見つめてしまっている己に気付き、はっと我に返ればぽそっと独り言を呟いて。携帯と財布程度の最低限の私物をポケットに突っ込み、そのまま相手の後を追い玄関へと向かい)
ーー…なーにしてんだ、早くしろよ。
(相手が玄関まで下りてくるうちに大分気持ち的に落ち着いたのか、僅かに赤らんだままの頬にぺとりと掌を当て冷やしながら靴箱の奥の方に隠していたと思われるヒールのついた女物の靴を引っ張り出して。悲しくも女装経験が豊富になり始めたもののそれでも慣れない靴というのは居心地が悪いのか時々かくん、と踵がずれてしまいそうになる足元を不機嫌そうに見つめて。その頃漸く二階から降りてきた相手に軽い不満を口にしながらもにっと笑みを浮かべれば「…上原君、早く来てエスコートしてくれない?」などと、甘えたような声色でねだってみせて。)
お前…そんな歩きにくい靴履いてくのか?またこけても知らねぇぞ。
(少し遅れて階段を降りていくと、玄関で待つ相手から急かすような台詞が飛んできて。何処と無く顰めっ面で相手の元に歩み寄った際ふと目についたのは、相手が履いている歩きにくそうな靴。女性らしいデザインのそれは個人的に嫌いではないものの、初めて会ったあの日、歩道橋から転落しかけた時も確かこんな感じの靴を履いていた事を思い起こさせ。懐かしさにふっと笑みを溢せば、大丈夫かとばかりにからかってやり。己も靴を履くと、ヒール効果で若干目線の高さが近付いた相手の前に立ち。「どうぞ足元には十分お気をつけ下さいませ、お嬢様」と軽い会釈を添えて茶化し、玄関のドアを開ければ相手を先に通すような仕草を加え)
その時は、またお前が受け止めてくれんだろ?
(相手の言うように恐らく慣れないこの靴ではもしかすると転んでしまうこともあるかもしれない、しかしながら思い出深いあの喫茶店へデートということもあり出会った時のようにうっかり転んでしまうのもまた懐かしい頃を思い出せるのでは、などと考え悪戯っぽく笑みながらその旨を告げてみて。此方の要求を聞いてかエスコートしてくれているらしい相手のいつもと違う口調にくすりと笑みを浮かべながら開けてもらった扉をくぐろうとし、その途中で足を止め相手に向き直ると「…なら、足元は貴方が見てちょうだい?私、すぐ転んじゃうような不注意な子だもの。」なんて囁きながらするりと相手の腕に自分の腕を絡めて。)
俺が受け止めなくて誰が受け止めるんだよ。
(絡められた腕と、育ちの良いお嬢様を装ったような相手の口調に嬉しさと可笑しさが混じり合い、何処か幸せそうに笑みながらも独占欲も含んだ意味合いの言葉を告げ。腕を絡めたままの相手と共に玄関をくぐれば、相手が鍵を掛けるだろう間、隣で改めて見惚れるように見つめて。一目惚れした相手が自分好みの女装をして、己の隣で自宅に鍵を掛けるという状況は何とも言えない不思議な気持ちと幸福感をもたらし。一生を共に過ごす事は許されないとしても、近い未来一緒に暮らせたら…そんな願いを抱いてしまう自分がいて。ふわふわとした幸福感と少しの切なさに後押しされてか「…なあ、椿。卒業したらお前…俺んとこ来いよ」等と、相手を見つめたまま後先考えずその場の感情だけで口走ってしまって)
…だぁめ。
(初めの頃の自分なら恥じらったりしていただろうこんな甘えた行為を例え容姿を偽っていたとしてもこんないつ人目に晒されてもおかしくない屋外で易々と出来るようになってしまったことについて、不味いと感じつつもそれでもこんな行為を止める気も起きなくなってしまっている現状にすっかり毒されてしまったなどど内心で自嘲し。そうこうしつつも戸締りを完了すべく鍵穴に鍵を差し込んだ丁度その時、一抹の寂しさのようなものを孕んだような相手の言葉に動きを止めて。その言葉の意味を理解するのに少しだけ掛かってしまい、わずかな沈黙を挟んだのちに小さく息をつき困ったような笑みを浮かべると、言い聞かせるような優しい口調でその言葉を拒否し。彼の言葉はまるでプロポーズか何かのようでじんと胸に甘美な痛みを感じるほどに嬉しかった、しかし高校三年生の大事な時期に性急にこんなことを約束して、もしも今後の相手の人生に何らかの傷をつけるような結果を生んだらと思うと素直に頷くこともできず。「――…よし、戸締り完了っと。ほら、行こう?」自分では正しい判断の元口にした言葉で、間違っていたとも思ってはいないが相手の反応を考えると気まずさが拭えず、がちゃりと鍵を回し施錠を完了させてから出発を促すような言葉を口にすると軽く相手の腕を引っ張りながら足を踏み出して。)
(/こんばんは、今後の展開についてご相談したく発言させて頂きました!思い出の(?)喫茶店でのデートとなりましたが、そのデートの後の展開として以前上原様が仰っていた和瑳くんの記憶喪失ネタを入れ込むというのはどうでしょうか?
デートの帰りにでも出会いの場でもあった歩道橋でまたもや原田が足を滑らせ、それを庇って和瑳くんが転落、その後目を覚ますも記憶喪失に…などと言うような、ベタ展開を考えておりました;;ここから先、というかここまでも私の妄想ではありましたが、勝手なシナリオでそのまま和瑳くんが記憶喪失から回復しないまま高校を卒業し、大学を踏まえた上で就職した頃偶然職場で再会。そこで和瑳くんは記憶をなくしたままもう一度原田に恋をするものの原田は記憶喪失の原因であるため和瑳くんを遠ざけ新しく作っていた彼氏の方に…なんて、昼ドラもびっくりな商業BLみたいな妄想をしていました。
ここまで行かずとも、折角上原様が出して下さった案でしたのでどこかで入れ込みたいな、と思っており提案させて頂いた次第です。以前出していただいた記憶喪失ネタに限らず、もし何かやりたいシチュエーションなどございましたらお聞かせいただければ幸いです。)
―――………、
(いっそいつものように、冗談ぽく“嫌だ”と拒否された方が楽だったかもしれない。彼なりに真剣に先の事を考えての答えなのだろう、その宥めるような優しい声音での拒否は覚悟していた以上に堪え。胸にじわじわと広がる切ない痛みを抱えた今は、控え目な笑みを返すのがやっとで。僅かに視線を伏せた自分を救うかのように、出発の声と共に腕を引く相手に「…ああ」と短く返事を返しては、足を進めながら隣の相手をちらりと見やり。折角のデートだというのに湿っぽく気まずい空気で過ごしてはいけないという気持ちが働き、どうにか気分を切り換える事に専念すれば「…毎日お前を抱いて寝たかったのによ」等と、先程の拒否に対し今度は拗ねたような口調でぽつりと溢して)
(/おお、覚えていて下さったとは…!そもそもあの案は冗談半分でしたので、今回原田様がお考えになったシナリオに衝撃を受けました!面白そうなので、是非それでいきましょうb
ちなみに上原が記憶を無くすのは椿くんのみすっぽり忘れてしまうのか、自分以外ほぼわからない感じか、どうしましょう?社会人になって椿くんと再会、再度好きになる。しかし椿くんには新たな恋人が…という事で、切なさと嫉妬に苦しみながらも、どうししても欲しいと強引に奪いに行く勢いでいいんでしょうかね?勿論椿くんは突き放してくるでしょうけど/笑/突き放されてもしつこく追う迷惑野郎はもはや得意分野(←)になりつつあるので楽しみですが…。最終的には椿くんを思い出す感じでいいのでしょうか?その間も時々“何か大事な事を忘れてる気がする”みたいなのを取り入れていけたらと思いますが…。)
そ、れは…その、どういう意味で…。
(相手の反応を見て自分の発言が相手にどれだけの影響を与えてしまったのか再確認してしまい、こんな時こそ冗談でもいいから相手が傷つかないような台詞で返してやれたら良かったのに、なんて後悔が押し寄せて。そんな重い気持ちから何となく相手の顔が見られなくて俯きがちになりながら歩みを進めていれば、沈んだ自分に気を遣ってか発せられた相手の言葉に思わず一瞬目を見開き。というのもどうやら昨日の今日で"抱く"という単語の意味をうっかり取り違えてしまったらしく、暫し目を泳がせた後仄かに頬に赤みを点し、それから漸く口を開くと何とも言いづらそうにもごもごと問いかけを向けて。)
(/ほ、本気ですか!?(←)私の妄想に塗れた提案を気に入っていただけたなんて光栄です!
私としては上原君自身が自分のことしか覚えていないか、もしくは原田を忘れたうえで原田と茂庭ちゃんが混同しているような感じだといいのではないでしょうか?後者に関しては茂庭ちゃんをもう少し使ってあげたいのと、原田が上原君から離れる明確な理由ができるかな?と思ったため提案させて頂きました。
そうですね、社会人になった際は上原君にそういった役回りをさせてしまうことになるかと…。原田としては高校生時代にさんざん悩んで捨てた恋に揺らぎつつも上原君にはまっとうな人生を歩んでほしいという思いと、あれだけ好きあっていたのに忘れてしまった相手に対する怒りに近いやるせなさから完全に上原君を避けてしまうかと思います。どうか見捨てないでやってください;;
思い出すまでの感覚なんかはお任せしますが、我儘ですが最後はやはり思い出してほしいですね。あと高校時代について出来れば原田が折れてしまうまでいくらかレスをさせて頂ければ幸いです。
なんだか一方的な注文ばかりですみません!上原様が嫌な部分やこうしたい!という部分がありましたら遠慮せず言ってくださいね。上原様に接待じみた関係を押し付けてしまうようなことはしたくありませんので。)
お前の想像通りの意味でいいぜ。
(隣で眠る相手の寝顔を毎朝眺め、愛しい存在をこの腕に収めて眠れたら――、そんな幸せを柄にもなく夢見て溢した言葉に対する相手の反応に一瞬きょとんとするも、直ぐにどう捉えたか察する事が出来て。可笑しさと愛しさを織り交ぜたような笑みをくすりと浮かべては、相手の腰にそっと手を回して軽く此方に引き寄せ。「…なあ、どんな事考えたか聞かせてみろよ」己を喜ばせるだけでしかないその可愛らしい反応を面白がって耳元に唇寄せれば、故意に昨夜の出来事を思い起こさせるような声色で囁き)
(/まず毎度ながら返事が遅くなり申し訳ありません…!
茂庭ちゃんは系統というか雰囲気が棗ちゃんに似ているという事で、元々は上原の好みのタイプではあると思うんですよね。茂庭ちゃんの中に棗(椿)を見るというか、以前こんな子を好きになった事があるような…でも何かが違う、という感じに上手く混合できたらと思うのですが、自分の乏しい表現力ではどうなるか…orz ともかく頑張ってみます!
ちなみに記憶をなくした後、高校時代も椿君との接触はあるんですよね?社会人になって再会した椿くんに再び一目惚れ…との事でしたが、記憶をなくしていながらも高校生の椿くんとはとても初対面に思えず、何か引っ掛かって自分との関係を問い詰めるような事はあると思います。勿論お前の勘違いだとでも何とでもバッサリ切って頂いて結構ですが(笑)
それでも何故か椿くんの事が頭から離れず悶々としたまま社会人になってまさかの再会。椿君と接していく内恋心を抱き、また椿くんと新しい恋人の絡みを見て嫉妬し、一気に膨れ上がる感じになるかなと思いますが、大体こんな感じで宜しいでしょうか?勿論椿くんの容姿にも惹かれている上で!(ここ重要/笑) 気付けば見とれていたり、何やら妄想してしまっていたりと。←
社会人になり改めて一目惚れするよりは、椿くんが何故か頭から離れず、何なんだ畜生のまま再会する方が自分に合っているというかやりやすいかなと思いました(笑)椿くんと新恋人の何やらを目撃してしまってからの上原が危険ですね(笑)
椿くんに避けられるのは上原共々辛いものがありますが、先に待つ幸せのために堪えますb 此方こそ記憶を無くし椿くんを傷つけてしまったり、嫉妬で荒っぽくなってまた怖がらせてしまう恐れがありますが、愛情は常にありますので…!(笑)
此方こそ我儘を言ってしまいましたが、細かい事は相談しながら進めていけたらと思います。椿くん本体様が楽しめないのでは意味がありませんから、希望等はその都度遠慮なく仰ってくださると幸いです^^)
ッ…知らない、馬鹿!
(相手の反応により自分自身の勘違いに気付くものの、時すでに遅く。勘違いしてしまった自分が全面的に悪いのだがそれにしても意地悪くからかってくる相手にきっと睨みを利かせると腰に回ってきた相手の手の甲をぎゅっとつねりながら声を上げて。適当に相手の隙を見て少しの距離を取ると警戒した様子で相手をじとりと見つめ、先程まで相手の囁きがダイレクトに伝わってきていた方の耳をそっと押さえて。というのも頻繁に相手がこうした悪戯を仕掛けてくるうちに何となく耳元で囁かれるのが苦手というか、好きだけれどあまり人目の付くところではされたくないような、一種の弱点に変わり始めていて。暫くしてから漸く少しだけ拗ねたような様子ではあるものの空いた距離感を埋めると「…はしたないとか、思ってるだろ。」なんて呟き。)
(/大丈夫ですよ、待っている間も今までの上原様とのやり取りを思い出してみたりして、楽しく待たせて頂いていますから。それよりお返事の方を気にして無理をされていないか心配です、上原様のペースでお相手して下さればこちらは大丈夫です。
大まかな今後の流れはこんな感じで大丈夫そうですね。では長くなってしまいましたがそろそろ本体は引っ込ませて頂こうかと思います。今までより随分重めのストーリーですが、楽しんで演じていきましょう!それでは、よろしくお願いいたします。)
(結構な力加減でつねられた手を引っ込めては可笑しそうにくくっと小さく笑いを溢し。出会ってから今に至るまでもう何度馬鹿だの変態だのと言われただろうか、そんなどうでもいい事を考えるだけで幸せを感じてしまう辺り己が知る自分ではなく、距離を取って睨んでくる相手に対し何処か嬉しげに頬を緩めながらも内心自嘲せずにはいられず。やがて相手との距離が元通り埋められては、羞恥さえ垣間見える拗ねたような声音での呟きに愛しさに似た胸の高鳴りを覚え。もし彼がはしたないというのなら、この想いが恋だと認識したその瞬間から相手を思うがままに抱く空想を重ねて来た己は何なのか。普段なら懺悔にも似たそれを赤裸々に告白するのだろうが、彼を困らせるのが一つの趣味にもなってしまっているようで。浮かべていた笑みをいつの間にか消した後に「…まあ、無理もねぇだろ。今はそんななりしててもお前も男だからな」と、敢えて現実的でいて少し冷めた言葉を返してやり)
(/そう言って頂けると嬉しいです。いつもいつもお待たせしてしまい心苦しいのですが…待っていて下さって本当にありがとうございます。年末年始、そちらもお忙しいでしょうけれど、体調を崩されませんように。
細かい打ち合わせは必要に応じてその都度させて頂きたいと思います。どうぞ宜しくお願いします^^)
…今度から、こういうの…なるべく、気を付けるから、さ…。
(そもそも出会ったころを思い出してみれば所謂清純派系の装いだった棗に一目ぼれした時点で相手の趣味など何となく想像できたはず、それにも関わらず先ほどのようなことを口走った自分に相手が幻滅したのだと思い込んでしまえばその冷たささえ感じる言葉に一瞬目を見開いた後、ぎゅっと唇を噛み締めて。心のどこかで相手ならどんな自分でも受け入れてくれると思っていた反面相手の態度や言葉は少々胸に刺さるものがあり、鞄の紐を握りしめながら覇気のない言葉を漏らすと相手が今どんな顔をしているのか見るのがなんだか怖くて、俯いたまま落ち込んだように目を伏せて。)
(/お気遣いありがとうございます。上原様もお忙しいご様子ですから、体調には気を付けてくださいね。年末年始はこちらもお返事が多少遅れてしまうことが予想されますが、どうぞよろしくお願いします。
それでは本体はこれにて失礼させて頂きます。)
……そんなに嫌なのかよ、俺にはしたないと思われるのが。
(ちらりと見やった己の隣で見るからに落ち込んでいる相手。少しやり過ぎたかもしれないと感じるも、完璧な女装も相まって俯いて視線を伏せる様子が妙に可憐でいじらしく。己の一言でここまで悄気る相手に対し沸き起こるのは、罪悪感ではなく突き上げるような高揚感。相手とは比にならないだろう欲望まみれの己の心情は一先ず伏せ、その様子からしても分かりきった事を求めるがまま意地悪く訊いて)
(/大変遅くなりました…!言い訳をさせて頂くと完全に本体事情になってしまいますので省かせて頂きますね。お待たせして申し訳ありませんでした/土下座
今年はもう少しお待たせしないで済むように努力したいと思います。原田様の事ですから此方に負担にならないか等ご心配されるでしょうが、今まで負担など感じた事ありませんしこれからもまずないかと。寧ろ早くお返し出来ないのが申し訳ない思いで一杯ですし、もどかしいです。もっと沢山お話したいのは自分も同じですから。いつも待っていて下さってありがとうございます。今年も上原共々宜しくお願いしますね^^)
…好きなやつには、出来るだけ良く見られたいだろ。
(相手にとって先程の自分の発言はそれほどまでに慎みのないものにとれてしまったのだろうか、追求する相手の言葉にぎゅっと胸が締め付けられるような痛みと共にじわじわと広がる仄かな恐怖を感じると唇をそっと噛み締めて。男であると分かった上で付き合っているのにこんなことで神経質だと言い返せるほど相手が自分を好いてくれているという自信もなく、今更卑怯だとすら思える相手の態度に目の奥がつんとするのを何とか堪え声を絞り出すと俯いていては涙がうっかり出てきてしまいそうでそっと相手から視線を外したままそっぽを向いて。)
(/明けましておめでとうございます。こちらこそ何と言いますか、上原様が忙しいと分かっているのに駄々をこねるような態度を取ってしまい申し訳ありませんでした。
いつもお忙しい中お時間を割いてこうして会いに来てくださることがとても嬉しいです。あの場で言ったことは、確かに私の本心ではありませんでした。叶うなら、これからも末永くお相手させていただければ幸いです。今年もどうぞよろしくお願いいたします^^)
――…俺が見たいのは綺麗なお前ばっかじゃねぇよ。
(好きな相手に良く見られたいという相手の気持ちが理解出来ないわけじゃない。こんな風に愛らしく着飾った相手に惚れ直しているのもまた事実だが、己が真に求めているものではなくて。独り言のように、しかしはっきりとした口調で告げた後、顔を逸らしている為此方からは表情が見えない相手を見つめ。先程の彼の声色からも今どんな表情をしているかが何となく読めてしまい、己にしか見せないだろうその表情を直ぐ様独占したくなる。不意に伸ばした手で相手の手をそっと握ると、「…椿、こっち見ろよ」自分が取った態度の弁解でもするつもりなのか優しい声音で名を呼び、視線が合うのを待って)
…見たいってわりには言い方冷たかった。
(自分でもこんなことくらいでへこむなんて女々しいにも程があると自覚しているものの、一度意地を張ってしまえば引き下がれないようなプライドの高さがこんな時でさえも素直に言葉を発さない枷となってしまい。相手の声が先程までの冷たい声色とは打って変わって柔らかなものになってもそれは変わらず、相手の言葉に少々棘のある言葉で返すと瞳にうっすらと膜を張るように浮かんだ涙を手の甲で拭って。それからそっと相手の方に視線を向けると表層こそ相手を睨むような視線を保っているものの、僅かに揺れる瞳から若干の怯えの色が見え隠れしていて。)
そんなお前が見たくて敢えてそうした。
(浮かんだ涙を拭うような仕草を見せた後、此方に向けられるのは一見強気な瞳。しかしその中に弱い部分をひたむきに隠そうとする彼の繊細さが垣間見えれば、胸を締め付けるような愛おしさが込み上げ、足が自然に止まり。己にしか見せない本当の彼が見たい、そんな彼を独占したいとはいえ、こう何度も意地悪を繰り返してはいつか嫌われても不思議じゃない。それでも欲は膨らむばかりで止める事が出来ず。涙を堪えていた故に潤んだその瞳を愛しげに見つめながら、直ぐにでも触れたい思いのまま相手の頬に片手でそっと触れ)
あんな冗談に泣きそうになりやがって…どれだけ俺の事好きなんだよ。
(言葉自体は意地悪いものではあるも、僅かに掠れた声が込み上げる感情に堪えているようにも取れ。相手が想像する以上に相手を想っている事を上手く伝える言葉が見つからず、愛しさともどかしさの狭間で揺らぐ瞳を相手に定めたままぐっと奥歯を噛み締めれば、それなりに人通りもあるその場で抱き寄せてしまっていて)
…性悪。意地悪、悪趣味、鬼畜外道。
(相手の言葉に思わず目を見開き、すぐに困ったように眉を寄せると唇をきつく結んで。相手の一挙一動に一喜一憂してしまうような自分も自分だが、今回の相手の言い訳は流石に意地悪にも程があると不平を唱えたくなるもので。それを口にしようとした矢先、人目もあるというのに自分を抱き寄せる相手の腕にそれを阻まれてしまえば恨めし気に相手を見上げて。あえて人の悲しむところを見ようと行動した相手に怒りを覚えているはずなのに随分と懐柔されてしまったというべきか、それよりも相手に本当に呆れられていたわけではないという事実に心底ほっとしている自分がいて。完全に相手に主導権を握られてしまっていることへの腹いせのように着飾っていることも忘れおおよそ今の格好には不釣合いな言葉の限りの悪口を並べ立ててやり。そんな言葉の最後にそっと相手に顔を近づけこの唇を半ば噛みつくようにして奪ってやってから強引に相手の身体を引き寄せると、その耳元に「…あんまり調子乗ってると、次は俺がお前のケツ掘るぞ。」などという脅し文句を囁いてからするりと相手の腕から抜け出して。)
…酷ぇ言われようだな。
(腕の中に収めた相手から贈られたのは、清楚可憐な見た目にそぐわないこれでもかという程悪口の数々で。最低だと非難されているにも関わらず、いつしか彼の愛情表現だと受け取るようになったそれに愛しささえ覚え、クスクスと笑いが溢れてしまう。不意に彼の整った顔が近付いたかと思うと、次の瞬間には噛みつくように唇を奪われていて。受け返す間もなく向けられた脅しのような台詞は思ってもみないもので、目を丸くし数度瞬きした後に思わずクッと吹き出し。彼の発言が何やらツボに嵌まったのか、込み上げる笑いを抑えようとしながらも「楽しみにしてる。まあ精々頑張れよ」と返して)
…油断してたらほんとに夜這いするからな。
(散々からかわれたことへの報復を仕掛けたはずなのにも関わらず何故かツボに入ったのか笑みを噛み殺す相手にむっと顔をしかめると八つ当たりのように相手の肩を叩いて。今の格好でこんなことを主張するのも可笑しいが自分だってれっきとした男で、それこそチャンスさえあれば相手との立場を逆転させることだって可能であることの主張とばかりに呟きを漏らすと漸く到着したあの喫茶店に先に入っていき、店員に二名との旨を伝えると少々人目につきにくい奥の席へと通してもらって。)
夜這いは寧ろ歓迎だけどな。
(どれだけ可愛らしく綺麗に着飾ろうと、抗議を肩へとぶつけてくる相手の力は男そのもので。瞳を細めて笑いながら少しばかり不機嫌そうな相手の後を追って喫茶店へ。奥の席へ着くと、あの日と同じようにメニューを開き相手の前へと差し出し。メニューに並ぶ色とりどりのデザートの中、真っ赤な苺の乗った生クリームたっぷりのショートケーキが目につけば、あの日瞳を輝かせながらそれを頬張っていた相手の幸せそうな表情を思い出して。シチュエーションこそあの時と変わらないのに、関係性の変化により目の前の相手を見つめているだけで怖いくらいの幸福感に包まれてしまい。端から見ても相手にベタ惚れだと丸わかりだろう表情で相手をじっと見つめていたかと思うと、不意に指先にそっと手を重ね、きゅっと握って)
ッな、んだよ、いきなり…いちゃつきたくでもなったか?
(元々女性層に人気のある喫茶店なだけあり色とりどりのデザートはおいしそうであると同時にそのものが可愛らしく盛り付けられていて、少女趣味というつもりはないがそんなデザートの数々に思わず笑みが零れてしまい。いつかのようにショートケーキを食べようか、あるいは…と考えていた時、不意に指先に何かが触れたのを感じメニューから顔を上げると相手と目が合うと同時に手を握られてしまい。まるで付き合いたてで浮足立ったバカップルのようなその状態に思わず照れくささを感じながらからかうような台詞を掛けるものの、相手からの行為とあってはどんなものでも嬉しく感じてしまうのか自然に口元が緩んでしまい。しかしながらいつまでもそうしている訳にもいかないことをちらちらと注文を取るタイミングを窺うようにこちらを見ているウェイトレスが知らせていて、困ったように笑みながらそっと手を上げてウェイトレスを呼ぶとウェイトレスがやってくる前に、と相手の方に囁いて。)
…こういうの、別に嫌じゃないけどさ…流石にこういうとこではやめとこうぜ?
そういう訳じゃねぇよ。俺はただ――…、
(彼が此方からの行為を嫌がっているわけではない事も、こういった場所では控えた方が無難だという事も承知している。いちゃつきたいが故の単純な思考から至った行動ではなかった事を弁解しようとするも、オーダーを取りにテーブルにやって来た店員によって阻まれ、開きかけた口を渋々閉じて。どんな状況であれ、相手に拒まれる事に小さな痛みを感じてしまう辺り、彼と出会った事で己の中に生まれてしまった女々しい部分を嫌でも受け入れるしかなく。やや荒っぽく目の前のグラスを手にすると、やり場のない思いを落ち着けようと水を喉に流し込み。此方が彼を想う間も様々なデザートを前に目を輝かせていた本人は既に決まっているのだろうと、グラスを静かに置いて相手が先にオーダーを済ませるのを待ち)
――…じゃあ、このショートケーキひとつと…あとこれ、メロンソーダでお願いします。
(正直な話ここが公の場でなければ相手の行為は自分にとっても嬉しいものだったが人目を考えると断るのはやむを得ないことで、しかしそのことにより気分を損ねてしまったらしい相手を目にすると何だか湧いてきてしまい。少ししてやってきたウェイトレスに一先ず先ほどから決めていたショートケーキを頼み、それから飲み物のページへとメニューを捲ると、店側の所謂ちょっとしたジョークのような立ち位置にあるであろうあるメニューが目に入り。ちらりと視線を上げて相手を見てからメニューに再び視線を戻すと意を決するように小さく息を吐いてからメニューに描かれた大きめのグラスにあからさまなハートのストローなんかが指された所謂カップル向けの飲み物を注文し、気恥ずかしさからの後悔が襲ってこないうちにメニューを相手に手渡して。)
珈琲で。あとは……、
(渡されたメニューを取り敢えずは受け取るが、飲み物については前回同様決まっている為、飲み物の欄には目を向けず直ぐ様伝え。甘味が苦手な自分は正直珈琲のみで十分、しかし折角のデートであり雰囲気も重視するタイプである彼の手前、一先ずメニューに目を通してみる事にし。とはいえ、カップルでの利用が多く女性受けがいいカフェともあり、ずらりと並ぶデザートはどれもこれも己には甘過ぎるだろうものばかりで、知らず知らずのうち眉間に皺を寄せ難しい顔でメニューとにらめっこしてしまい。すぐ傍に立つオーダー待ちの店員の視線が突き刺さるようで何とも居心地が悪い中、視線のみをメニュー上で流し。苦手な物ならどれを食べたところで大して変わらない、それならば相手が苺ショートの他に悩んでいたものを…という結論に至り。目の前の相手に決まり悪そうな視線をちらりと送った後、「お前がさっき悩んでたやつ、どれだよ」と、メニューを相手にも見えるようにしながらあの日と同じように助けを求めて)
ッえ、ああ…このチョコタルトもいいかなって思ってた。上にナッツとかも沢山乗ってて美味しそうだし。
(相手の機嫌を直すため、なんて建前の元に普段の自分なら確実に出来ないような注文をしてしまった手前少々上の空になっていたらしく、相手の呼びかけに思わずびくりと肩を跳ねさせてから慌てて状況を把握するとこちらにも見える様に配慮されたメニューに視線を向けて。正直悩んでいたケーキを上げればあまりに沢山のものを勧めてしまうことになるため悩んでいたケーキの中でも比較的甘さの控えめな相手でも一口位食べられそうなものをとピックアップし、メニューの中のチョコタルトの写真を指差しながらそれを勧めればどうする、とばかりに緩く首を傾げて。自分としては先ほどの注文もあってあまりこの店員と長く接触していたくなくて、少しだけ落ち着きのない様子で視線を時折揺らすと「…ケーキ、俺に気遣ってんなら無理に食わなくても別にいいぞ?」そっと相手の方に身を近づけて囁いて。)
…じゃあそれで。
(どういうわけか上の空だった相手を不思議そうに見つめるも、恐らくは己のへの配慮も兼ねているだろう意見を迷いなく取り入れれば、長らく待たせてしまった店員に控え目に頭を下げオーダーを済ませ。店員がその場を去った後軽く息をつけば、勝手に気持ちの温度差のようなものを感じてしまった先程までの微妙な空気が継続する中、若干気まずげそうに相手を見つめ。「…お前の好みで良かったのによ」そうぶっきらぼうに言葉投げるも、己を思っての然り気無い気遣いから相手の優しさが伝わり、嬉しさと愛しさに揺さぶられ頬が緩みそうになり。“此処ではやめよう”と拒まれたにも関わらず、またも言動として溢れてしまいそうな彼への想いに堪えるように、テーブルの下で拳をきゅっと握りながら視線を窓の外に移して)
ちゃんと俺の好みですー、チョコタルトも美味しそうだったんだよ。
(自分の先ほどの態度のせいだろうか、此方を見つめる相手の視線を感じながらも気まずそうに視線を逸らしていると相手の呼びかけが耳に入り、勿論相手のことを配慮しての選択だったが別に自分の好んでいないようなものを勧めたわけではなくて、思わずむっと表情を曇らせると少し強い反論を返してしまい。口から言葉が漏れた後になってはっとしたように一瞬相手の方を見てからまたすぐに視線を逸らすと、相手と楽しい時間を過ごしたくて一緒にいるはずなのに相手を困らせてしまうような方向にばかり事を運んでしまう自分自身を呪って。そんな時、どうやらケーキの前に飲み物をと頼んだものを運んできた店員が目に入り小さく息をつくと、テーブルの下でつんと相手の足を軽く突くようにして蹴って。「…先にチョッカイ出してきたの、お前の方なんだからな。」本心を言えば人目も憚らずどこでだって相手とべたべたしていたい。自分をそんな風に変えたのも、折角我慢していたのにチョッカイを出してきたのも、全て相手が悪いとでも言いたげな口ぶりで相手に囁くと店員が持ってくるメロンソーダとハートを描いて絡み合った二本のストローが刺さった浮かれた感丸出しの飲み物を示すように顎で指して。)
ちょっかい出したわけじゃねぇっつの。お前見てたら色んな事思い出して…愛しくて堪んなくて気付いたら触れてたんだよ。
(何となくもやもやした気持ちのまま、窓の外を行き交う人々をぼんやりと眺めていると、不意に咎めるような言葉と共に足を軽く蹴られ。常日頃悪戯や意地悪ばかりしているからか、どうやら先程の行為も面白がってちょっかいを掛けたと思われているようで。此方の気持ちを理解していない相手が少しばかり恨めしく、堪らず反論するものの、先程の心情をそのまま言葉にしたそれは思いの外恥ずかしい内容となってしまい。はっとした時には既に遅し、丁度飲み物を運んできた店員が何やら気まずそうな笑顔と共にそれらをテーブルに置き、そそくさと去っていき。“聞かれたじゃねぇか”とでも言いたげにじとりとした視線を相手に投げ、テーブルの上に置かれた珈琲をソーサーごと己の方へ引き寄せた際、相手がオーダーしたらしいメロンソーダを視界に捉え。メニューのドリンク欄には目を向けなかった為、相手が選んだ飲み物を此処で初めて知る事になり。「椿、お前――…、」あれ程人目を気にしていた彼を前に意外そうな表情で瞬きするも、その意図を何となく汲み取った途端自然に笑みが溢れてしまい。「…やっぱお前可愛いよ」込み上げる笑いを抑えようともせずにくく、と笑いながら告げて)
…うるさい、ばか。人前だからって我慢してんのに、平気でチョッカイ掛けてきやがって…。
(聞いているこっちが恥ずかしくなるような相手の台詞にむず痒そうに唇をきつく結びながら視線を窓の外へを向けると、どうやら相手は店員が近づいてきていることを察せないままに先程の言葉を口にしたらしいことを知り。内心ざまあみろ、と言ってやりたい気分ながらそんな彼の台詞に負けず劣らず羞恥心を煽るようなものを頼んでしまった手前それも叶わず、運ばれてきた飲み物を見て笑みを零す相手への八つ当たりじみた言葉に留まり。拗ねたような態度でばかりいるのも餓鬼臭いと自覚したのか、漸く相手ときちんと向き合い視線をそちらに投げかけると、テーブルに頬杖をつきながらにっと口角を上げて。「…俺のこと"愛しくて堪らない"んだろ?仕方ないから一緒に飲んでやってもいいんだぞー。」お互いのためにも人目のある場所であまりはしゃぐのは、と思っていたことも徐々にどうでもよくなってきてしまったらしい。相手の先ほどの言葉で吹っ切れてしまったのか悪戯っぽく笑みながら緩く首を傾げて見せると、運ばれてきたばかりのメロンソーダに刺さった自分側のストローを指で弄び、その傍らで少々調子に乗ったような、しかしながら以前の自己卑下的思想の自分なら口に出せなかったような自信の籠った言葉で相手を誘ってみて。)
…あ?それはこっちの台詞だっつの。お前がどうしても俺と恋人らしい事したくてこんな恥ずかしいモン頼んだんだろうが。
(どうやら相手も本心では己と同じ思いを抱えていたらしい事を知り嬉しさが込み上げたのも束の間、恋愛においての感情面に危うさと繊細さを持つ彼にしては強気で自信に満ちた台詞を少々上から目線でからかい半分に返されて。彼に心底惚れている事実を最大の弱味として握られている己としては何となく弄ばれているような感覚を覚え、羞恥と悔しさから不貞腐れたような表情で大人げなく言い返してやり。その間も小悪魔のような相手の可愛らしい仕草にときめいてしまっている自分が恨めしく、何処か落ち着かないように視線を散らした後ちらりと相手を見やって。己には似つかわしくないメロンソーダを前に諦めたように溜め息をつくとこちら側のストローを摘まみながら「…たく、どんな罰ゲームだよ」と溢し、“さっさとやるぞ”とでも言うように顎で指し)
ッよく言うよ、さっきまでくそ恥ずかしい台詞ぶっこいてたのはどこのどいつだったっけな?
(自分のした行為は確かに誰がどう見ても浮かれきった恥ずかしいもので、そこを突かれるとどうにも言葉が出て来なくなってしまい。一瞬言いよどむものの反論を途絶えさせては余計に羞恥心に駆られてしまうと相手の先ほどの発言を持ち出して応戦するものの、平然とした顔を保っているのもだんだん辛くなってきたのか応酬を口にする頃には随分と顔も隠し切れないほどの朱に染まっていて。相手との所謂デートという名目に何となく浮かれてしまって、らしくもない行動を取ってしまったのは自分でも少々の後悔が募るものではある。しかしながら頼んだからには、という思いと例え自分が自分として認識されない女装姿であっても相手には自分というものがあるということを周りに見せつけたいような、じわりと滲み出た独占欲に背中を押され。合図を送るようにちらりと相手に視線を送ると昨晩の行為に比べたら一緒の飲み物を飲む程度のことなど可愛いもののはずなのに酷く緊張しながらストローに口を付けて。)
そういう恥ずかしい事も言われたい癖によ。…耳まで赤いぜ、お前。
(普段仲間達の間でツッコミ役的なポジションにいるだろう彼は流石に口が達者で。怯む事なく生意気な返しをしてくる事も、どんなに強気な発言をしたところで堪えきれない羞恥が表に出てしまう事も彼らしく、愛しさを募らせながらその可愛らしさをからかわずにはいられず。相手に倣って一見平然とストローに口を近付けるも、幾ら仲が良いカップルでさえ多少羞恥はあるだろうこの甘々のイベントを前に、妙な緊張感やプレッシャーがあるのは此方も同じで。相手に合図のようにちらりと目配せしてから意を決してストローを口にすれば、見つめ合う間もなく素早く喉に流し、ストローから口を離して即座に体勢を戻してしまい。後に込み上げるのは何とも言えない気恥ずかしさと屈辱にも似た感情で、熱が顔に集中するのを感じ。まともに視線を合わせられずそっぽを向いたまま「…これでいいのかよ」と、許しを請うつもりでぼそりと呟いて)
――ッう、ん…なんつうか、ごめん。いや、うん…結構恥ずかしいのな…。
(相手の目配せを察知しこちらも少しばかりのメロンソーダを飲み込むものの、ただ同じグラスから飲み物んを飲んだだけとは思えないくらいの凄まじい羞恥に相手同様すぐに椅子の背に体を押し付ける様にして勢いよく体勢を戻し。自分でも分かる位顔が熱くなっていて、相手の呟きにまだ収まらない動悸をごまかすようにぺらぺらと言葉を紡ぎ。ひたすらに恥ずかしくて、もう次はないと思うのになぜかそんな胸中にもほわんと心が温かくなるような幸福感も存在して、うっかりにやけてしまいそうになる顔を両手で覆って隠すとどうにか落ち着こうとするように首を軽く振って。「…うん、ご協力ありがとう。後はまあ…うん、普通に俺一人で飲むわ。」羞恥心も勿論だがこれでもう一度なんてあったら今度こそ緩んでしまう顔を取り繕える自信がなくて、顔を覆ったせいで少しだけくぐもった声で呟くとそんな最中困ったように苦笑しながら近づいてきた店員からケーキを受け取って。)
お前、こういう罰ゲーム染みたもんやるのは慣れてるんじゃねぇのかよ。
(羞恥と屈辱の余りそっぽを向いたままなかなか視線を合わせられずにいたが、確実にからかわれるかと思っていた相手から意外に素直な言葉が返され。様子を窺うようにちらりとそちらを見やれば己と同様羞恥を必死に誤魔化すような仕草が見られ、愛らしい外見にそぐわない今時の男子高校生そのものの台詞が何だか可笑しくて思わず頬が緩んでしまう。仲間内の罰ゲームで女装して外出するくらいなのだから、こんなの序の口ではと、からかい半分投げてやる中ケーキが届き。好物らしい苺ショートを前に今度はどんな表情をするだろうかと、相手の表情を見逃さず己の分のケーキ皿も相手側にすっと寄せれば「…ここまで来りゃお前が食わせてくれるんだろ?」と、先程の件で吹っ切れたのか口角上げつつ緩く首を傾げ、バカップルの延長のような台詞を吐いて)
ば、罰ゲームは慣れてるけど、さ…。
(相手の言う通りこういった手の罰ゲームは結構な頻度で巻き込まれた経験があるため慣れていると言えば慣れている。しかしながらそれはあくまで相手が友人だった場合だからこそ"罰ゲーム"という体で出来るもの、相手との先程の行為をそれに当てはめることなど出来ず、むしろ罰と言うより人目さえなければご褒美にも近いもので。そのため相手の言葉に何とも言えない歯切れの悪い言葉で応答することしか出来ずにいれば、届けられたケーキがなぜか両方とも自分の方に寄せられて。まさか一口も食べないつもりか、と困ったように眉を寄せながら相手の方に視線を向けると続く相手の言葉に暫し言葉を失い。「ッは、いや…え、何言ってんだよ。それはその、ほら…その、だな…。」先程の余波をまだ対処しきれていない自分にとっては追撃に等しいその言葉に赤らんだ顔を隠すことも忘れ呆けた表情を晒してしまえば頭に片手を当てながらどうにか断ろうとまともに回っていない頭で意味を成さない単語を連ねて。)
…したかったんだろ、デートらしい事。
(なかなかのロマンチストの癖に“人前で”という事にどれだけ抵抗があるのか、しどろもどろになる様子を笑いを噛み殺しながら眺め。これまで何度も見てきた彼の恥じらう様子はいつも己の心を擽り、愛しくて堪らなくさせる。またちょっかいを出してしまいそうになる衝動をどうにか散らそうと何気なく他の席へと視線を向けた際、少しずれたタイミングで見知らぬ男と視線がかち合い。それは直ぐに向こうから気まずげに逸らされたものの、己と視線が合う前まで男の目に映っていたものが目の前の恋人であると悟って途端、忽ちに黒い感情が込み上げて来て。恐らく彼を女だと思い込み見惚れていただろう男をそのまま威嚇するような視線で様子を探った後、相手へと視線を戻し。「――おい椿、早くしろ。しねぇならそっちへ行く」見せつける事で己のものだと知らしめる等、浅はかで子供じみていると言えばそれまでだが、一度湧き出した独占欲を器用に消化する術を持ち合わせておらず。先程のまでの何処か余裕を含んだ態度とは一変し眉を寄せて少しばかり性急に急かせば、今にも相手のすぐ隣へ移動しようとする勢いで)
え、何いきなり…ッわ、かった!わかった、やるからそこ座って待ってろ!
(相手が何を思って急かしてくるかなど勿論察することもなく、急に先程までの余裕をなくした相手の変貌ぶりに少々戸惑ったように首を傾げると困ったように眉を寄せて。しかしそのままの勢いで此方にまで移動して来ようとする相手に流石に焦ったように手で制止すると先程まで相手の要求の内容に葛藤していたことも忘れうっかり勢いで了承してしまい。相手を収めるためとはいえ大分恥ずかしい要求を呑んでしまったことだったり、相手が急に急かし出したことだったり、ゆっくり考えたいことは既に山積みになっているものの早くケーキを食べさせなければ本当に移動してきそうな相手の勢いに負け漸く決心するとそっとケーキと共にテーブルに置かれたフォークを手に取り。「…あ、あーん…で、いいのか…?」相手のチョコタルトの先端、三角になった部分をさくりと刺して一口大にすると相手の方に差出し、羞恥に微かに手にしたフォークを震わせながらぎこちなくベタな台詞を口にすると真っ赤な顔のまま耐える様に唇を噛み締めて。)
お前、今自分が女だって事忘れてるだろ。
(席移動について制止をかけられるだろう事は予想出来たものの、周囲の目を気にする余裕さえない程の相手の焦り方が可笑しく、愉快げに指摘しながら一度は持ち上げた腰を大人しくその場に下ろし。彼なら恥じらいながら食べさせてくれるだろうという期待は見事に的中、羞恥に堪えるよう顔を真っ赤に染めあげフォークを向けてくるその様はぞくぞくする程可愛いと思えるもので。いっぱいいっぱいであろう相手とは真逆に満足そうに瞳を細め笑みを浮かべれば、目の前の相手を見つめたまま唇を近付け、小さくカットされたケーキをゆっくりとした動作で口に含み。しかしビターチョコとはいえ甘味が苦手な己にとってその甘さは十分堪えるものだったらしく、幾度か咀嚼した後口内に広がる甘さに僅かに眉を寄せ。それでも直ぐに表情は戻り「まあでもこのタルト部分は悪くねぇな」と、相手に食べさせてもらった効果もあるのか評価も述べ。相手の手からフォークを抜き取りそこにチョコタルトを一口乗せれば「…ほら」お前も味見してみろとばかりに相手の口許に運び、楽しげに様子を眺めて)
ッし、かたないだろ…お、お前がこんな…っ!
(こっちは相手の突飛な行動を止めるのに懸命になっていたというのに、そんな自分の様子を面白がるような相手の指摘に思わずむっとしてしまうものの、そんな思いも相手がケーキについて言葉にした感想を聞けばすぐに晴れてしまって。思わず口元がにやけてしまいそれを隠すように口元に片手を翳しているとその時不意に相手に握っていたフォークを抜き取られ、そのことに驚く暇もないまま差し出されたチョコタルトの欠片に思わず一瞬固まってしまい。「お、ま…ッな、今日なんでそんな…っ!」しかしそのことを理解するとやっと引いてきたはずの頬の熱さが一気に戻ってきて、本当に顔から火が出るんじゃないかと思うくらいの熱に両手で頬を押さえながらいまだ混乱を続ける頭でどうにか言葉を口に出すと、今日は妙に積極的な気がする相手の行動の真意を問いただし。しかしそれを答えてくれてもくれなくても、どちらにせよ相手がこの自分の羞恥心をがんがん煽ってくる行動を止めてくれることはまずないだろう。それが分かるだけに逃げられないことを痛感し一度奥歯を噛み締めると決心がついたのか深く息を吐き、ぎゅっときつく目を閉じると恐る恐る口を開け相手がタルトを運んでくれるのを待って。)
面白ぇくらいにガチガチだな。そんな緊張すんなっての。
(傍目にも分かる程真っ赤な顔をしていたかと思えば今度は羞恥に堪えながら素直に指示を聞く相手。たかが一口食べさせるだけで此処まで恥ずかしそうな反応を見せつけられてしまえば、可愛さの余りその場で抱き締めてしまいたくなる衝動が押し寄せ。余裕をかました表情でそんな相手を見つめている最中も、僅かに震える長い睫毛にさえきゅっと胸が締め付けられてしまう。不意に脳裏を過るのは昨晩己の腕の中で彼が見せてくれた表情。ドクンと大きく打つ心臓にフォークを持つ手を微かに震わせ。羞恥に堪えながら待つ相手の口に一口サイズのタルトを丁寧に入れてやっては、口許に笑みを浮かべながらじっと見つめて感想を待ち)
ッん…緊張するだろ、普通。す、好きな奴に食べさせてもらってんだから、さ…お前は、緊張とかしなかったのかよ?
(相手に聞こえてしまうんじゃないかと思ってしまうくらいにどくどくと煩いほど高鳴る鼓動に早くこの行為が終わってほしいような、それでもやっぱりこのまま恋人同士らしい時を堪能していたいような、相反する複雑な心境の間で葛藤しているうちに口の中にタルトの欠片が入れられて。すぐさまぱちりと目を開き席に腰掛け直すと正直緊張やら恥ずかしさやらでろくに味も分からないまま口の中のそれを飲み込んで。余裕のない自分とは対照的にこちらをからかうような言葉さえ口に出来るほど落ち着いた様子の彼にむっとしたように唇を尖らせると、未だ落ち着きを取り戻さない胸の高鳴りを押さえる様に自身の胸に手を当てながら、相手に質問を投げかけて。)
緊張っつぅよりは――…、
(ケーキの感想を待っていたものの、余程余裕がないのか肝心の味について述べられる事なく、その仕草からも彼の緊張が伝わればふっと笑みが零れてしまい。目の前にある珈琲が入ったカップを手にすれば、相手からの質問に対し己の心情を振り返りながら口に運び。かくいう己も少しも緊張が無かったといえば嘘になるが、それより何より目の前で唇尖らせている彼の仕草や表情に何度もときめかされ、愛しさを募らせた事の方が大きくて。愛しくて堪らない等と正直に伝えればまたからかわれるだろう事が目に見え、カップを静かにソーサーへと戻せば改めて見つめ直し。少しだけ身を乗り出し距離を詰めると、真っ直ぐ見詰めたまま「お前見てたら何かこう…むらっとした」強ち嘘でもない事実を口にしながら、“信じられない”とでも言いたげに目を見開き熱くなるだろう相手の様を予想し笑いを堪えて)
っば、おま…な、に…~ッ!…ッも、知らね…っ!
(事の発端こそ自分が恋人らしさを求め気恥ずかしい飲み物を注文したことだろうが、それでもその時のちょっとした出来心からここまで発展させられるとは思っておらず、未だ落ち着きを取り戻さない自身の内情をどうにか平静に戻すべく赤らんだ頬を両手で覆って。自分の言葉への返答を考えているのか少々の沈黙を挟んだ相手を漸く気持ち的に落ち着いてきたこともありじっと見つめて様子を窺っていれば不意に詰まった距離に思わず一瞬びくりと肩を揺らし。そんな中相手の口から告げられた言葉に一瞬意味が分からず呆けたように動きを止めるものの意味を理解するのにそう時間もかからず、次第に耳まで朱に染めると羞恥のあまり咄嗟に握った拳を相手の頭の上に勢いよく振り下ろして。理不尽な暴力を相手に振るおうともそれで羞恥心がましになるわけでもなく、キャパシティをオーバーしたかのようにまともに思いを言葉に出来ないまま赤く染まった顔を両手で覆うと小さく首を振ってから沈むように顔を俯かせて。)
…ッ…てぇ…、お前な…加減てものを知らねぇのかよ。
(呆気にとられたような顔がみるみる内に赤く染まっていく様を愉快な思いで観察していた最中、不意に頭上からの強い打撃をくらい。男の力以外の何者でもないそれに見事に耳鳴りを起こし頭を擦りながら顰めっ面で咎めるものの、予想通りの反応を貰えた事で得た満足感と何にも替え難い愛しさが勝り、ふっと頬を緩めては俯く相手を柔らかな表情で見つめて。丁度撫でやすい位置にある相手の頭に手を伸ばすと、普段とは触り心地が異なる作り物の髪をぽんぽんと撫で。「…ほら、食おうぜ。それ食って、またお前の締まりねぇ顔見せろ」脳裏に浮かぶのは好物の苺のショートケーキを口にし幸せそうに笑うあの時の相手で、温かく幸せな感覚が胸に広がれば此方も自然に微笑みが浮かんで)
…締まりない、とか…可愛い顔ー、とか言ってくれないのかよ。
(わざわざデートだからと着飾り、あまつさえ女装などという状況を受け入れてこの場にいるというのにその状況も忘れ相手に手を出してしまったことに俯いてからじわじわと後悔し始め。羞恥心で赤く染まった顔を見せられないという理由以上にそんな後悔から余計に顔が上げ辛く、頬の火照りが収まってからも暫しどうにも気まずくて顔を上げられないでいれば不意に頭に優しく触れる感覚があり。俯いていても分かる相手の微笑んでいるかのような優しい声色に促されゆっくりと顔を上げると思った通り微笑みを浮かべながらこちらを見ていた相手につられたように笑みを浮かべ。漸く羞恥心から解放され余裕が出てきたのか、悪戯っぽい台詞で言葉を返してからほったらかしにしていたケーキにフォークを突き立て、少しずつ食し始め。)
可愛いって言われて満足すんのかよ。
(愛しさに微笑みを向けていれば漸く顔を上げた相手と目が合い、その微笑みに益々緩みそうになる頬を誤魔化すように己も残りのケーキを口に運び。相手と一緒に過ごしているという幸福感からか、苦手な筈の甘いケーキも思いの外すんなりと喉を通り、たまには悪くないかという気持ちにさせてくれて。相手の冗談に可笑しそうに返せば、ケーキを頬張る様子を穏やかな眼差しで見つめながら「…今度は口にクリーム付けるなよ。拭うだけじゃ済まなくなりそうだからな」今でも鮮明に浮かぶ初デートの際の相手を思い出し、クスリと笑みを溢してからかって)
そんなの付けませんー。…まあ、私も女の子だし?
(もうずっと前のように感じられる、相手との初めてのデートの時の思い出に思わず懐かしくなりくすりと笑いながら答えるとケーキの最後のひとかけらを口に含んで。飲み物を少し口にしてから先程の相手の言葉に恐らくお互いに忘れかけていただろう今の"女装している"という状況を再確認させるようににっと笑みながら話せばするりと編んだ三つ編みを指で撫でて。流石に大きなサイズで頼んだジュースまでは飲み切れず、口元を備え付けの紙ナプキンで拭いながら少し困ったように相手の方を見れば「…まあ、十分デートって感じは味わえたかな。次どうする?」と、何だかんだでこの喫茶店くらいしか行き場を決めないまま出てきてしまったために次の行き場所についての質問を投げかけて。)
どうするっつっても俺の希望を言えばまた殴られるだろうからな。近くを適当にぶらつく感じでいいんじゃねぇか?
(口内で広がる甘味を苦味で中和させるように珈琲を飲み干すと、この後の予定を訊ねてくる相手を見つめ。本音を言えば直ぐにでも二人きりになって求めるがまま相手に触れていたいという思いが大半だが、割とムードを尊重する彼にそれしか頭にないのか等とまた怒られてしまう可能性も大いにあり、妥協案として最初に何となく話していた予定をそのまま口にし。それでもやはり目の前の愛しい相手に対し沸き起こる感情を抑え続けるのは困難で、テーブル下の相手の片足を己の足で挟むと「…少しぶらついたら帰ろうぜ」と、仄かに熱を孕んだ真っ直ぐな瞳で相手を見つめながら己の要望を伝え)
ッう、ん…じゃあ、それで…。
(ぶらつくといっても、と若干考え込むもののそれこそデートの醍醐味というものかと思い直せば相手の言葉に小さく頷き。丁度返事を口にしようとしたところで足に触れた感触に驚き微かに言葉を跳ねさせると、その行為で漸く相手が暗に伝えんとしていることが分かったのかじわじわと熱を帯びる頬を相手にあまり見られないようにと自然に顔を逸らして。あまりに真っ直ぐ過ぎる相手の瞳の熱量に目を合わせることも出来ないままその視線から逃げる様に鞄を手に立ち上がると相手の傍に寄っていき、軽く肩に触れながら「…も、出よ。結構長居したし、そろそろ店員さんの目も痛いし、さ…。」相手の少々急かすと共に、それによって多少なりとも気を紛らわせさせようと試みて。)
(/本体より失礼いたします。このデートの後に以前からお話していた記憶喪失ネタをぶち込もうという流れだったと思うのですが、それについて少し相談したいことがありまして…。なんといいますか、デートの楽しい部分をやり取りしているうちに記憶喪失→高校卒業後と飛ばしてしまうのが寂しいと言いますか、あんまりに悲しい気がしてきまして。此方から提案させて頂いた内容だったのですが、もし可能ならある程度の期間ですぐ(?)記憶を取り戻して頂く感じには出来ませんか?すごく我儘言ってしまいすみません;;
またトピ内の時間の経過についてなんですが、一応高校三年生の状態のためそのままきちんと年月を経過させるというお話だったかと思います。ですが今思うと体育祭やら修学旅行やらやり残したイベントが結構あるなと最近思い始めまして…。大分おかしなことを言っているのは分かっているのですが、出来れば今までの内容を高2段階の話ということにして、実質高3をもう一周することは出来ませんか?
久しぶりに発言したと思えばこんな身勝手な要求ばかりすみません!お返事お待ちしております。)
…ああ。今度は放課後でも寄るか。
(やはり気まずさがあるのか、そわそわしたように促す相手に対し軽く頷くと伝票を持って立ち上がり。次は彼本来の姿で学校帰りに気軽に寄れたらと希望を口にすれば頭をぽんと軽く撫で、そのまま会計を済ませ。店を出ると少々冷たい空気が身を纏い、思わず瞳を細めて。直ぐにでも彼に触れたいという煩悩を風が少しだけ冷ましてくれた気がして、“行くか”とでも言いたげに隣の相手に視線を移し。「さて…ぶらぶらしながらお前の服でも見に行くか?女用の」ふっと口許に笑みを浮かべながら語尾を強調してからかうと、相手の手を取って歩こうと軽く差し出して)
(/ご提案ありがとうございます!当初此方が希望していた内容は既に叶えさせて頂いているので、後はもう何でも歓迎です!なので椿くん本体様の案を有り難く受け入れさせて頂きたいと思います。上原は何やら好き勝手言っていますが、このまま当初の予定通り例の歩道橋に向かってしまって宜しいでしょうか?そしてもう一年高校生活をやり直すとして、記憶を無くした後どの辺りからどんな内容で始めるかも決めていかなくてはですね。)
…言っとくけど、その場合傍から見られて場違い感強いのはお前の方だからな。
(いくら人目の薄い奥の席に座っていたにしてもあの甘ったるいやり取りの数々に気付いた客はそれなりに居たようで、店から出るまでなかなかの視線を浴びながら気まずい思いで抜け出すと外に出て漸く気が抜けたとばかりに溜息をついて。漸くあの空間を抜け出せたことに安心する暇もなく相手から向けられたからかいの一言に着るかどうかはさておき、女性ものの服屋に入って悪目立ちするのは相手の方だという点を応酬とばかりに指摘すると軽く鼻で笑って。しかし何だかんだ言っても相手の好みを知れるのならと服屋に赴くこともそれ程嫌ではなくなっていて、差し出された相手の手にそっと指を絡めながらそちらをちらりと見ると「…まあ、見るだけなら付き合ってやってもいい。」なんて可愛げのない言葉でその意を示して。)
(/本当にすみません、我儘ばかり言ってしまって…寛大な本体様に頭が下がる思いです;;ではそうですね、服屋に向かうにしろ他の場所に向かうにしろ歩道橋を通りかかり、そこでがつーんと頭でも打っていただきましょう(笑)
今のトピック内の時間が大体秋の終わり辺りだったと思うので、そこから少々時間を飛ばし冬に差し掛かる位で上原君が登校できる状態まで回復する、くらいでいいのでは?何ならロマンチックに(←)クリスマスに記憶を取り戻すくらいの少女漫画展開も中々楽しそうかなと思っています^^何にせよ春が来るまでには思い出させてあげたいな、というのが此方の考えですね。上原君本体様はどうお考えでしょうか?)
恋人の服を一緒に選んでやる優しい彼氏にしか見えねぇよ。
(鼻で笑う辺り彼なりの応酬なのだろうが、自分一人であればともかく、完璧な女装をしている彼とそういった店に入るのは特に抵抗を感じず。鼻を鳴らしながら言い返してやれば、控え目に絡まる指をしっかりと握り、服屋等が並ぶ通りの方へと足を進めて。本日は己好みの服を纏ってくれている相手ではあるが、同性である彼にも女の好みというものはある筈で。隣を歩く相手をちらりと見やれば「…そういやお前は着てみたい服とかねぇのかよ。俺と居る限りは今後も使う事になるぜ」ふと気になった事をそのまま質問として投げながら今後も女装デートの機会がある事を暗に伝え)
(/我儘だなんてとんでもない。お相手して頂けるだけで幸せな上、椿くん本体様の案はいつも面白そうなのばかりですし、いつも楽しく絡ませて頂いております!ではこのまま歩道橋に向かってガツーンといって貰いましょう(笑)
ちなみにその後、冬に入り上原が登校し始める辺りから開始との事ですが…上原が記憶を無くした事を椿くんは既に知っている(記憶を無くした後絡んだ)か、登校してから(または病院で)絡んで初めて知るか、どちらの方が良いでしょうか?今までお付き合いして来て、本体様がやってみたいのは何となく後者の方ではないかと勝手に解釈するのですが(←)、やりやすさというか展開の運びやすさ等も含めて本体様的にどちらの方が宜しいのかなと。または具体的な案などありましたら従いますのでお聞かせ頂けたら嬉しいです!)
…お前、割と調子乗ってるだろ。
(暗に次の機会を仄めかす相手に困ったような呆れたような、何とも微妙な表情を浮かべながら呟きを漏らすとそんな相手をたしなめるかのように指を絡めた手の肘で軽く相手の腕を小突いて。「…まあ、別に好き好んでやってるわけじゃないし。お前が好きなの着てれば充分だろ?」女性の服の好みというものが正直あまりなくて、街を歩いてみても感じるのは色が好みか程度の情報で。そもそもそれを着るのが自分という時点で好みも何もなく、小さく溜息をついてから言葉を続けると一応相手好みらしい今のふわふわとした女性らしい服を再度眺める様にスカートの裾を軽くつまんでみて。そうして歩みを進めているうちに丁度数か月前自分と相手とが出会った歩道橋が見えてきて、普段から通らない訳ではないその道も相手と一緒に歩くと何だか感じ方も違うのか懐かしむように目を細めて。)
なんつうか、あそこさ。あんまり時間経ってるわけでもないのに、なんか懐かしいな。どうせあっち側渡るんだし渡ってみるか?
(/すみません、うっかり本体様宛の返信を忘れていました;;
ただの俺得な設定をそう言って頂けると何だかうれしいです、ありがとうございます!
名推理ですね、上原様の予想して下さったとおり、私としては学校であって初めて記憶喪失の旨を知る、といった感じにしたいと思っております。事故がデート中ということもあり病院まではついていけても、その後見舞いに来るにあたり罪悪感から顔を出せず…みたいな感じに原田をうだうださせられれば、と考えていました。
ですので大まかに流れを作るなら事故→病院→その後冬になり…くらいの飛ばし具合でいいのではないでしょうか?)
…次はドレスも着せてみてぇな。
(相手の好みに関する情報は得られないままだったが、今後も己好みの服装をしてくれるような返事が聞ければ浮き立ってしまい。スカートの裾をつまむ仕草にときめきを覚えながらも調子に乗った発言をぼそりと口にして。ふと前方に見える歩道橋に視線が向かえば相手との出会いを思い出し懐かしさに瞳を細めていると、どうやら同じタイミングで同じ想いを抱いたらしい相手からの言葉。そんな小さな事にさえ幸せを感じ、擽ったいような心が温まるような不思議な感覚に自然と笑みが浮かび。「そりゃいいけどよ、あの日みたいにこけるんじゃねぇぞ」くすりとからかいような笑みを溢しながらも彼との出会いに感謝している今、特別なあの場所を一緒に歩いてみたいという思いに駆られ、相手の手を握り直すと思い出の歩道橋へと歩みを進め)
(/了解です!では登校するようになってから絡む場面があり、そこで初めて知るような形で。椿くんの気持ちを考えると心臓が痛くなりそうですが…更なる絆を深める為にも。ちなみに当初は椿くんが他に恋人が…という話でしたが、この辺はどうしましょう?いずれにせよ上原は何故か椿くんの事が引っ掛かるので、恋人でなくとも他人との絡みにもやもやさせようかとは思いますが(笑)
それから事故後から病院までは上原に意識はないわけですよね。未熟な自分の技量では描写が難しい場面が多々あるかと思いますので、登校に至るまでは椿くん本体様が”ここは是非入れたい”と思う場面以外はどうにかうまく飛ばしながら進められたら有難いのですが…その辺はどうお考えでしょうか?)
(/お返事遅れてしまっていてすみません!ただいまGWということで実家に帰っておりまして…中々時間が取れず、今の状況に至ってしまっております。
甘えてしまっていることは自覚しているのですが、どうかGW期間中返事を暫しお待ちいただけませんでしょうか?)
…なら、ちゃんと嫁にしてもらわないとな。
(ドレスというと恋人同士という関係もあってどうにも一番に真っ白なウエディングドレスを思い描いてしまい。それを身に着けるとしたら相手の言葉からするに自分だろうということ、またそこまで想像したとしても所詮想像の域を出ることはない不可能なビジョンであることに少しだけ気持ちが沈みかけたものの、小さく息をついて気持ちを持ち直すとからかうような口ぶりで相手に言葉を返して。以前転んでしまった歩道橋、転んだからこそ相手に出会えたからといってまた転んで助けられる、なんて気はさらさらなくむっと不満げに頬を膨らしてから相手の横腹を軽く小突くと、一応用心して渡るつもりなのか軽く相手に掴まりながらそっと歩道橋の階段の一段目に足を乗せて。)
(/お待たせいたしました、レス返させて頂きます!
そうですね、ではその立場には以前当て馬になってもらった菅野くんに再登場して頂きましょうか。記憶喪失のスパンを短い期間に縮小したので恋人、というよりは慰めながら弱ったところに付け入ってくるような、またもや当て馬的位置づけに立っていただく感じで如何でしょうか?
上原君が意識をなくしている間については此方も色々と考えていました。此方としては上原君が意識を失った後、救急車を呼び一緒に病院まで運ばれる、という辺りまで此方で回させて頂きそのままフェードアウト。次レスから登校開始の冬に飛ばすといった風に出来たらと思います。上原君が行動を起こせない分此方で病院まで運ぶところまで描写させて頂きますので、それならそちらは意識を失うところまでで一先ずレスが切れていいのではないでしょうか?)
(/本体のみで失礼します!先月末から帰宅時間も遅く、ご報告頂いていたのに気付かず申し訳ありませんでした/土下座/まずはそちらを先に謝罪しておかないと気が済まず…。
椿くん本体様はいつも早い返事を下さるので、今回はGWもあるしお忙しいのだろうと解釈しておりましたが…大変失礼致しました。此方はいつもかなりお待たせてしまっておりますし、いつまでもお待ちしますよ^^ご丁寧にありがとうございます。
さて、管野くん復活という事ですが。管野くんといえば…酔っぱらって椿くんに肩を貸して貰い、ずっとひっついていた(←)あの管野くんですよね?/← …了解ですb
ではお言葉に甘えまして歩道橋から落ちた後のレスはそちらにお任せし、登校し始める辺りから開始できたら…と思っております。なるべく早く返信させて頂きますね。いつも待っていてくださって有難うございます!)
……もういっそ嫁に来いよ。絶対大事にしてやるから。
(ぼんやりと相手のドレス姿を想像していた最中、タイミング良く相手からそれらしい言葉が掛かれば、冗談だと理解していながら柄にもなくドキリとしてしまう。同じ事を夢見る幸せとやり場のない切なさを同時に抱えては、決して叶うことない願望を半分真顔で口にしてしまい、自分の頭の中には最早目の前の相手との未来しか描かれていない事を改めて思い知らされて。また困らせるのが目に見えている故、どうにか冗談を交えようと段を踏み外さぬよう己に軽く掴まる相手の腰にするりと手を回せば「そうすりゃ毎晩愛してやれるし」と耳元で囁き、罵倒されるのを予測し直ぐ様体勢立て直して)
…やぁだ、そんなセクハラばっかする旦那のとこには嫁ぎませんー。
(無理だと分かっていても望んでしまう相手との未来、そんな考えるのが少し辛くなってしまうような想像を払拭するようにうっかり口にしてしまった軽率な台詞に対する相手の酷く真面目な言葉に思わずそちらを見るものの、どう返していいのか分からず気まずそうに視線を逸らして。きっとそうして困ってしまう自分を予測してくれたのだろう、助け舟を出すように冗談じみた誘いを続ける相手に小さく息をついてから腰に回った手を軽くつねるとまだ少しだけ困惑の色が窺えるもののどうにか口元に笑みを浮かべながら言葉を返して。階段をのぼり終わり眼下を走る車を眺めながら反対側の階段の方まで歩いていくと相手から手を離し、とんとんと小さく靴音を立てながら怪談を下り始めて。)
(/すみません、またもや本体様へのお返事が抜けてしまっていました…!
報告に関しては完全に自己満足の域ですのでどうかお気になさらないで下さい。どうしても長く時間を空けるときは報告をすることでその場所が嫌になった訳じゃないのだと主張しないとそのままお相手様が居なくなってしまうんじゃないかと不安になってしまいまして。上原様とはお付き合いして頂いている期間も長いですし多少のことではきっと見捨てたりしないで下さる、と甘えた考えを持ってしまっているのですが、それでもやはり報告しておかないと気持ちが落ち着かず…逆にご迷惑をおかけしてしまったようで、なんだかすみません;;
一先ず、次のこちら側のレスでそろそろ階段を踏み外そうかと考えています。息子を庇って和瑳くんを階段から転落させてしまうと考えると何だか辛い気持ちになってしまいますが、どうぞお付き合いくださいませ!)
何言ってんだよ、愛情表現だっての。
(腰に回した手に小さな痛みが走ると、可笑しそうに笑いながら手を外し。冗談を交わす中でも相手の表情や仕草から困惑が伝われば、歩道橋から景色を眺めるその横顔を何処か切なげな笑みを浮かべながら見詰めて。やがて下りの階段へ到着する際、己からすり抜けていく相手に不意にドクンと重い鼓動が響く。「おい椿――…、」引き止めようと伸ばした手は相手に届く事なく、軽い足取りで先に階段を下りていく様子に胸騒ぎを感じ、慌てて追って)
(/椿くん本体様が無断で放棄される方だと思っておりませんので、どれだけ遅れたとしてもずっとお待ちします。此方はよく遅れてご迷惑お掛けしていますが、決して飽きたとかそういった理由ではありませんので、気になる時はどうぞ遠慮なく催促して下さいね。何かしら反応を見せにすっ飛んでくると思います(笑)
それではそろそろ上原に転がってもらいましょう。←)
なんだよ、別に置いて行ったりしない、ッて…――え。
(少しだけ沈んでしまった気持ちをどうにかいつもの通りに振る舞えるくらいまで持ち上げようと一旦相手から離れたが、それがどうやら相手に何かしらの不安を抱かせてしまったらしい。どこか焦ったようにこちらに駆け寄ってくる相手の足音に何だかカルガモの子でも連れているような気分になり小さく笑ってしまうと、安心させるようにそっと相手の方を振り返ろうとし。しかし振り返る際いつもの歩き癖だったのだろうか、爪先できゅっと振り返ろうとしたせいでヒールの部分が階段から浮いてしまい、そのことに気付けないまま体重を移動させたことにより体がバランスを崩し後ろへと傾いて。ぐらりと不安定になった身体を支えようと手すりに手を伸ばそうとするものの焦りからか上手く掴むこともできず、急に早くなる鼓動だけが嫌に大きく聞こえる中ゆっくりと動いて見える目の前が空へと傾いていき。)
(/ありがとうございます。信頼してもらえている、と感じられたことでなんだか少し気持ちが軽くなったように思います。上原様がお忙しいことも把握していますから、時間が空いたときにお相手して頂けるだけで十分ですよ。
ではではとうとう原田がやらかし新しい展開が始まりますが、どうぞよろしくお願いします!それでは、本体はこれにて引っ込ませて頂きます。)
――椿……!
(此方を振り返る相手の体がぐらりと傾いた瞬間、目を見開き息を飲み。空気を裂くような叫びと同時に、これまでにないくらい大きく心臓が脈を打つ。周囲の音が一瞬にして遮断されたような感覚を覚える中咄嗟に手摺を掴むと、仰向けに傾いていく相手の体を片腕で抱き込むように捕まえ。何とか抱えたものの相手を抱える腕に重心が集中し、恐怖に似た焦りが全身を駆け抜けぞわりと鳥肌が立つ。「─…ッ、…く」何があろうと相手だけは助けたい一心で手摺を掴む腕にぐっと力を込め、慎重に引き上げようとし。歯を食い縛り堪えながら相手の体をどうにか段に着地させた瞬間、安堵に気が緩んだのか腕の痺れに限界が来たのか、手摺を掴んでいた手がずるりと外れてしまい、そのまま階段を転がるようにして落ちていき)
――え、や…うそ、和瑳…?
(ぐらりと傾いた自分の身体を支える力強い腕の感触、それが相手のものだとは理解したものの混乱した頭ではその腕に掴まることもましてやその支えを利用して体勢を立て直すこともできず、段に下ろされたと同時に力が抜けてしまったかのようにその場にしゃがみ込むとふっと自分側に差していた影が消えたのを感じ。そのことで漸く顔を上げれば隣に居たはずの相手はおらず、大きな塊が何度も何かにぶつかるような鈍い音と共に階段を転げるものが視界の隅に移り。それが相手だと理解するのにどれくらい掛かっただろうか、短く繰り返す自分の呼吸音がいやに大きく響く中階段下まで転げていった相手に空気が漏れ出るようなか細い声で名を呼ぶとまだ思うように動かない体を支える様に手すりにつかまりながら階段を下りていき。徐々に人だかりが出来ていく中、階段下に横たわる相手の傍にへたり込み相手の身体を僅かに揺すると今更冴えてきた頭に様々な不安が過って。「和瑳…かず、さ…?…なあ…和瑳…。」ただ彼の身体を揺すり、呼びかけることしかできない自分を見かねたのだろうか、傍で誰かが救急車を呼ぶ電話を掛けている中ぼんやりと呆けた表情のままぼたりと大粒の涙を零すものの、これ以上の行動を起こすことも出来ないままその場に座り込んでいて。)
(/一先ずこのまま飛ばすにしても、最後の一言とばかりに和瑳くんが何か行動するにも大丈夫だろう感じでレスさせて頂きました。何か記憶喪失の前にやっておきたいことなどありましたらどうぞ、特になければさっくり冬まで時間を飛ばして頂いて構いません。ではでは和瑳くん記憶喪失編(←/楽しんでいきましょう^^)
――……っ、……ぅ…、
(最後の衝撃を受けた後、ゆっくりと瞳を開ければ目の前には空が広がり、こめかみの辺りから耳にかけて生暖かいものが伝う感覚がして。転がり落ちた際胸部でも打ったのだろうか、押し潰されたような圧迫感と痛みで呼吸が上手く出来ない。辛うじて繋いでいる意識の中、周囲のざわめきに混じり己の名を呼ぶ聞き慣れた声を頼りにゆっくりと顔を向け。ぼんやりと視界に映るのは、つい先程までデートを楽しんでいた愛しい恋人の姿。顔を蒼白とさせ呆然とした様子でただ己の名を呼び力なく揺すり続け。惹かれて止まないその瞳から大粒の涙が零れ落ちれば、一体何度泣かせて来ただろうかと、狂おしい程の愛しさと切なさで尚更胸が押し潰されそうになり。痛む腕は辛うじて動き、ゆっくりと手を伸ばし震える指先で頬に触れ。
──…なぁ、泣くな。笑えよ…椿…。
言葉を掛けようとするも、僅かに唇が動くだけでそれが声となって彼の耳に届く事はなく。やがて次第に閉ざされていく瞳に相手の姿を焼き付けながら意識を手放して)
(/どちらにも繋げやすくして下さって有難うございます。あのまま飛ばす事はやはり自分には無理でした(笑)
さて…ここから椿君には暫し辛い思いをさせてしまいますが、上原は上原で椿くんを思い出すまでの間苦しませておきますので。←
次の場面はそちらがお好きな場面からで結構です。また何かあれば相談しながら楽しんでいきましょうb)
――…ああ、ほんとだ。もうこんな季節なんだな。
(相手が歩道橋から落ちたあの日、自分が何も出来ないままその場に到着した救急車に乗せられ運ばれていく相手を見送る事しか出来なかったあの日から月日は過ぎ、窓の外を見ればとうとう小雪がちらつく季節となっていて。雪に声をあげるクラスメートを他所に自分が相手の病室にすら赴けないまま過ぎていった時間の流れを突きつけるようなそれに小さく呟きを漏らせば思わず窓から目を背けて。あの日から相手は学校に来ておらず、クラスに確認を取りに行っても入院しているという噂程度の情報しかえられない状態で相手のいない学校で過ごしており。恐らく運ばれた病院には目星もついているし、その場に行って看護師に事情を話せば相手の元へ行くのはきっと容易かっただろう。しかしそれが出来ないのは恋人が自分のせいで怪我を負ったという罪悪感、傷ついた相手を前にして何もできなかった自分へのやるせなさからどうしても赴くことは出来ず。慣れたくもないのに相手の居ない学校での生活への違和感が徐々に薄れてしまっている中、小さく溜息をつきながら立ち上がると沈んだ気持ちをどうにか紛らわせようとおもむろに教室を離れ、廊下を当てもなく歩き始め。)
(/早速冬の場面まで飛ばさせて頂きました。いえいえ、辛い思いも上原君との思いを深め合う手段であればなんのそのですよ!(←/
では引き続きよろしくお願いいたします。本体はこれにて一旦引っ込ませて頂きますね^^)
――邪魔だ、退け。
(退屈な授業が終了した途端に騒がしくなる教室。窓の外ではいつの間にか雪がちらつき始め、はしゃぎ出す生徒達が尚更煩わしく感じられる。静かな場所を求めて廊下に出れば、そこでも固まってくっちゃべる生徒達。よくもまあそんなに話す事があるものだとある意味感心しながら通路を塞ぐそれらに冷たく一言放ち。そそくさと逃げるように道を開けながらもちらちらと此方を気にする生徒達に煩わしそうに舌打ちすれば、また歩みを進めて。─…久々に訪れた学校は酷くつまらない印象を与えた。気が付くと病室のベッドの上にいた自分にそれまでの記憶が無く、目覚めた当時は全身を襲う痛みに堪えるのが精一杯で、自分自身に関する記憶さえ定かではなかった。ある秋の日歩道橋から転落したらしいが、事故当時誰と居たのか、何処へ向かう途中だったのかさえ思い出せず。後から聞かされたのは髪の長い女と一緒だったという事、しかしその女とどんな関係だったかさえ分からない。思い出そうとする度襲い来る頭痛に、いつしか考える事を放棄するようになってしまっていた。人を避けるように自然と足が向かった先は屋上。この天候と寒さでは他の生徒がいる筈もなく、漸く一人になれた解放感からゆっくりと息を吐き出すと、曇り空から舞い落ちる雪をただ見つめて)
――かず、さ…?
(廊下を歩けども行き場など見つからず、結局相手がよく訪れていた屋上に足が向いてしまい。相手のいない屋上など行っても意味などないというのに、それでも無意識に向かってしまうのは罪悪感からか今もくすぶり続ける恋心故か、相手はもしかしたらもう自分などどうでもいいかもしれないのにそんな自問自答を繰り返しながら屋上へ繋がる重たい扉を押し開いて。冷たい風と共に吹き込んでくる雪に思わず目を細めた先に見えた人影、こんな時期に屋上に訪れる奇特な人間が自分以外にも居たのかと目を凝らしてみれば、その姿が自分が散々心に浮かべていた彼だと分かり。具合は良くなったのか、いつから学校に来ていたのか、自分のことを怒っているんじゃないか、今までぐるぐると脳内を回っていた疑問が一気に流れていく中、どくどくと高鳴る鼓動を押さえ歩みを進めると言いたいことはたくさんあるのにどうにも上手く言葉に出来ない唇から零れたような小さな呼びかけを向けて。)
――…誰だ、お前。
(ただぼんやりと舞い落ちる雪を眺めていると、背後で扉が開く重い音がし。そちらに視線をやれば、己を見て何やら驚いたような表情を浮かべ佇む一人の男子生徒。ゆっくりと此方に近付いてくる彼はやがて目の前で止まり。視線が絡む中、形のよい唇から告げられた己の名に、何故だか一瞬胸がきゅっと締まるような不思議な感覚が起こり。しかしそれは直ぐに“何故自分を知っているのか”という疑問に変わり、訝しげに細めた瞳で相手を見据えて。下の名で呼ぶからにはそれなりに親しい間柄だったと考えるのが自然だろうが、下の名で呼ぶ事を許可する程親しかった友人が居たとは考えにくい。以前とは違う、何処か冷たさを感じさせる眼差しで相手を捕えたまま答えを求めて)
…なにそれ、ベタ過ぎて笑えないんだけど。
(やっと会えた最愛の人、その口から零れた言葉に一瞬はあの事故のことを怒っているから出た冗談か何かかとも思ったがいくら怒りを抱えていても相手がそんな冗談を口にするとは到底思えず、すぐには理解できずともその言葉から相手の今の状況を何となく推測してしまい。冷たい視線に喉の奥の辺りがつんと痛むのを感じながら、相手までは到底聞こえない様な掠れた小さな声で言葉を漏らすと上手く動かない表情をどうにか口角を上げることで笑みに近いものにすればゆっくりと相手の方に歩み寄っていき。「俺は原田椿、お前とは別のクラスだけど時々遊んだりしてたんだよね。えっと…記憶喪失?とか、って認識で合ってんのかな?お前事故に遭ったってだけは聞いてたんだけど。」あくまで自然に、心配以外の感情を悟られない様に、今までにないくらいどくどくと脈打つ鼓動を抑えながらまるでただの友人同士のように相手にだめ押しの確認を問えば、相手の視線から逃げる様に目を逸らしたまま唾を飲み下して。)
原田……椿…。…知らねぇな。
(相手の唇から紡がれた名を繰り返し口にした瞬間ズキリと襲う頭痛に僅かに眉をしかめ。しかしその痛みは一瞬で、名前の響きを頼りに記憶を引き出そうとするも無駄に終わり、小さく首を傾げながら感情のない声音で返し。大抵の連中は関わりたくないのだろう避けるように過ぎていくが、記憶を失った事を知り面白がって近付いてくる奴等もいた。見るからに問題児そのものであるあの連中と、目の前で気まずそうに視線を逸らしている相手とではタイプが違うものの、自分達が友人関係にあったという話も信憑性に欠ける。ならば相手も奴等と同じく興味本意やら冷やかしでの接触なのだろうが。己を拒むかのように逸らされたままの瞳がやけに不愉快で、退屈な学校と鬱陶しい連中の間に生じた苛立ちも相俟り、目の前の相手で憂さ晴らしをしてやろうかという思いに駈られ、すっと瞳を細め。一歩距離を詰めては“こっちを見ろ”とばかりに胸ぐらを乱暴に掴み、嘲るような瞳で見据え言葉を放ち)
…なあ、どうせお前も面白がってるんだろ?記憶喪失の奴と接触する機会なんざそうそうねぇからな。何が聞きてぇのか言ってみろよ。
…そっか。やっぱ、そんなもんか。…そっか。
(そうかもしれないと、前もって自分で予測していたにも関わらず相手の口から零れた"知らない"の一言が胸に重く響き、思わず震えそうになる吐息を堪えゆっくりと息を吐き出しながら自分を納得させるように声を漏らし。二人だけの秘密ということは誰にも知られない優越感を得る代償にその関係が酷く脆くなるもの、口外出来ない関係を結んだ時点でその繋がりの希薄さ位分かっていたはずなのにいざ今の状況に立たされると頭はちゃんと回っているはずなのに心がついていかず、呟きを漏らしたきり動かなくなっていた体を乱暴に揺さぶる手に漸くはっと気づき。もう優しい相手の手しか、出会ったばかりの頃の粗暴な扱いなど思い出せない程染みついた記憶すら壊していくような荒い手つきで胸倉をつかまれれば自然と相手と目を合わせることとなり。恋の甘さも愛情の熱も感じない相手の瞳に思わず息を飲んでから今にも泣きだしてしまいそうなほど震える心を静め胸倉をつかむ相手の手にそっと片手を重ねると最後の問いを口にして。)
――棗、は…棗のことも、覚えてないのか…?
――…だから知らねぇっつってんだろうが。自分の事すらまともに分からなかったのに、他人なんか覚えてる筈がねぇんだよ。
(乱暴に掴みあげた相手と漸く絡んだ視線に心臓がドクンと鳴る。今にも泣き出しそうな脆さと、何かに必死に堪えるような強さが混合する瞳に惹き付けられるような感覚に言葉に詰まり。己の手に重ねられた掌の温もりが何処か懐かしく感じられ、切なさに似た何かが胸の奥でざわざわとし、妙に落ち着かなくなる。正体不明の感情に覚える苛つきが目の前の相手を冷たく突き放すような言葉へと変わるも、緩やかにだがはっきりと鼓動を刻む心臓が目の前の彼との何かしら関係があった事を物語っており。─“棗”、その名にやはり覚えがないものの、何故か知りたくなる、知らなくてはいけない、そんな感覚を呼び。しかしそれが“棗”という人物に対してなのか、“目の前の彼”に関してなのかさえわからず、再びズキンズキンと痛みを繰り出す頭を片手で抱えては、「…っ、離せ…!」重ねられた手をわけもわからず乱暴に振り払うしかなくて)
ッそう、だよな…うん、ごめん。…病み上がりにちょっかい出して悪かったな。
(記憶を失っていてももしかしたら自分のことは忘れないでいてくれたら、そんなエゴにまみれた願望が叶うはずもなく無情にも言い渡された答えに頭を整理している暇もなく乱暴に手を払われるとその粗雑な扱いよりも痛みに頭を押さえる相手の方が気になってしまい思わず手を差し伸べようとし。しかし自分が相手が記憶を失った原因であること、もう恋人同士でもただの友人同士ですらないこと、乱暴に手を払われてしまったこと、その全てが相手に手を差し伸べることを邪魔し、少しだけ宙をさまよわせた後差し出しかけた手を引っ込めると困ったような、寂しいような、何とも言えない笑みを浮かべながら言葉を掛けて。もし目の前の彼の頭痛が自分だとしたら、自分との思い出を思い出すことを彼自身が拒否しているのだとしたら、そう考えればこの場に我が物顔でとどまり続けていられるはずもなく。小さな声で相手に謝罪を口にしてからそっと相手の元を離れると震える体をなんとかいなすように奥歯を噛み締め、掌に爪痕が残りそうなほど拳を握りしめながらゆっくりと歩き出せば屋上を後にしようと扉の方へと向かって。)
(/一先ず記憶喪失後の出会いとして話を進めさせて頂きましたが、この後は引き留めるなりそのまま退出させるなり上原様のお好きなように勧めて下さって構いません。この場面の後はそろそろ傷心の原田に菅野くんを投下しようかな、と思っていたのですがもし上原様の負担にならなければ軽いロルでいいので菅野くんの操作をお任せ出来たら、と考えています。というのも落ち込んでいる自分を自分が操る当て馬さんに慰めてもらう、という自慰的行為に何だか抵抗感があり…登場させるかはまた話し合いを経てから、となると思いますが仮に茂庭ちゃんを再登場させるのであればそちらは私が操作させて頂こうと思います。
あくまで余裕があればのお願いですので、難しければ菅野くんも此方で操作させて頂きます!ご返答お待ちしております^^)
…待……て、よ…。
(ズキンズキンと脈打つ痛みに堪えながら頭を抱える己の耳元に届く声は悲しみと寂しさを帯びているようで、何故だか此方まで苦しくなり。己から離れていく気配を感じればズキリと切なく胸が痛む気がして引き止めようと口を開くも、掠れたその声が相手に届く事はなく。自分でもよくわからない感情に心を揺さぶられながら、痛みによる軽い目眩で歪む視界の中、去り行く相手の背を見つめ立ち尽くし)
(/記憶喪失後の再会という事で、一先ずこの辺でとどめておく事にしました。菅野くんの操作については上原と共に上手く回していけるか自信はありませんが、椿くん本体様のご協力を得ながら出来るだけやってみますね!
ちなみに菅野くんの雰囲気というか話し方というか椿くんへの接し方的なもので希望というかイメージはありますか?簡単なロルを回すにも、もしそちらのイメージ等あれば大きく崩してしまっても申し訳ないなと思いまして…特になければないで結構です。
茂庭ちゃんですが、棗と混合している…という事でしたので、もし登場するならあの日自分と一緒に居た(恋人関係にあった)のは茂庭ちゃんかもしれない、もしくは茂庭ちゃんだと思い込んでいた方がいいのでしょうか?仮にそうだとしても上原は椿くんに対する感情を茂庭ちゃんに持つ事はないので、“何か違う”と疑問を抱くわけですが。
取り敢えず菅野くんに関しては椿くんとの絡みを目撃する事になると思うので、そんな二人を見て芽生える嫉妬が次第に独占欲に変わり、やがて記憶を取り戻すきっかけになればと思います(笑)
次の場面は合わせますのでご自由にどうぞ!)
――…ま、来たってなんも変わんないことくらい分かってるんだけどな。
(何度も夢かと思いたかったあの邂逅から数日後、学校も終わり特に用事のない中向かった先は相手と最後の"恋人同士"をしたあの歩道橋で。自分と相手とが時折共に過ごしていたことを知っていたひとりである菅野の同行を許してしまったのはこの場に一人で戻る勇気がなかったからかはたまた誰でもいいから慰めを施してくれる相手が欲しかったからか、どちらにせよ自分勝手な理由で友情から同行を願い出た彼を利用する形で共にこの場へと訪れ。階段の一番上に立ち、眼下を眺めながらそっと手すりを撫でると分かっていたというのに自ら傷を抉るような行為をしてしまったことによる痛みが胸に走り。後悔も悲しみもない交ぜになったような仄暗い思いに表情を浮かべることも出来ず独り言のような言葉を零し。しかし折角親切心から同行してくれた菅野を困らせるのは本望ではなく、どうにかぎこちないながらも笑みを浮かべると自分の背後に立っていた彼に目を向けて。)
…悪い、ちょっと被害者面してたかも。俺がこんなとこでふざけて上原巻き込んだのに、こんなの可笑しいよな。
(/菅野の操作の方引き受けて下さりありがとうございます!菅野に関して特にイメージしているものはありませんでしたが、強いて希望を言うなら茂庭ちゃんのような適度なしたたかさがある子だと嬉しいですかね。とは言え大したイメージは前述のとおりありませんから、上原様の動かしやすい子にしていただければ幸いです^^
そうですね、茂庭ちゃんに関してはそのように認識していて下されば有難いです。茂庭ちゃんは悪い子ではなくとも必要とあらばぐいぐい押していくような、気持ちの強い女の子をイメージして操作させて頂いていますので、和瑳くんの思い違いにも便乗していく所存です(笑)
一先ず場面は記憶喪失の和瑳くんとの顔合わせから少し経ったくらいの放課後にさせて頂きました。その間は原田の方から和瑳くんを避けてしまっていた、という感じが妥当でしょうかね。早速菅野くんを試験的に(?)投入してみましたので、操作してみて頂けますでしょうか?よろしくお願いいたします^^)
((夕日に染まった空の下、事故現場になったという歩道橋から眼下を眺める友人の背中をただ黙って見ていた。普段通りを努めながら語る彼の背はいつもより小さく見え、悲しみと寂しさを含んだその声は自分自身を責めているかのように響き、正直どう声を掛けていいかわからず一度視線を外して。慰めればきっと、心配かけないようにと笑ってくれるだろう。けれどどんな言葉を掛けたところで現状が変わらない限り、彼の心が晴れる事はきっとない。そんな事がぐるぐると頭の中を巡り言葉を掛ける事を躊躇わせていたが、此方を振り返り儚げに笑む彼に救いを求められている気がして――))
『――…ま、被害者面したくなるのも無理ないんじゃん?そうでもしなきゃお前ぶっ壊れるよ。…全部忘れちまったんだもんな……恋人であるお前の事まで。』
((そんな彼を受け入れるように瞳を細めてふ、と柔らかく笑みを返せば、数歩前に出て隣に並び。手摺に腕を置き少し凭れる体勢になると相手からゆっくり外した視線をそのまま前方に投げ。遠くを眺めるようにしながら、まずは同情するような言葉を掛けて))
(/二人が一緒に居る所を上原が目撃する形で二人分のロルを回そうと考えていたのですが、思いの外菅野くんが長くなってしまったので、上原は一回休みにしました。←
菅野くんについてちょっと確認したいのですが、この菅野くんはあくまで友人として椿くんを心配し慰めるような形でいいのでしょうか?それとも密かに椿くんに想いがある状態で接するのでしょうか?前者かと思ってはいるのですが、自分が操作すると菅野くんに別の感情まで含まれてしまいそうで、友情なら友情ではっきり線引きしておかないと(自分が/笑)まずいと思いました…いや、今回のような余計な描写を付けなきゃいい話なんですが(笑)
あと、菅野くんは椿くんをどう呼んでいるのかなと。仲がいいから下の名前かと思ったのですが、椿くんが名字で呼んでいたので…今後使うかどうかわかりませんが、参考までに確認させて頂きました。菅野くんは簡単なロルでいいとの事でしたのて、次からは上原と交えながら上手く回せていけたらと思うのですが、何ゆえ未熟なもので分かりにくくご迷惑かけるかと思います。すみませんorz)
(/読み返してみたら誤字だらけで申し訳ないです…!何ゆえ未熟、ではなく何分未熟、ですorz
それから今後の茂庭ちゃんについては了解です!菅野くんも茂庭ちゃんのようにしたたかさがある子に出来たら…と思っていますが、何やら既視感ある口調になってしまったような…すみません。ご希望等ありましたらその都度お願いしますね^^)
あはは…ぶっちゃけ、恋人になれたってことの方が夢だったんじゃないかとか思っちゃいそうだわ。――でも、きっとその方が幸せだったんだろうなとも思うんだよな。元々がイレギュラーだったんだし。
(普通であれば友達から"男と付き合っている"なんて打ち明けられれば引いたり嫌悪したするものを、そんな風に対応することもなくむしろ今のように自分を慰めてさえくれる友人に恵まれたことに心から感謝しながら乾いた笑い声を漏らした後、少しだけ視線を落として言葉を返し。そもそも付き合っていられたということが普通に考えれば可笑しなことだったわけで、そんな幸せに甘えてしまっていた自分を再認識すると諦めたようなセリフと共に思わず眉を寄せ困った表情を浮かべ。「――もう、俺も忘れちゃった方がいいのかもな。…ッよし!菅野、驕ってやるから飯付き合えよ。」冗談を吹かすように、しかしどこか現実味の覗く言葉を相手に呟いてからそっと唇を噛み締めるとゆっくり階段を下っていき。何か食べて忘れる、そんなことがこの場合も効果を発揮するとは自分自身思ってはいないがそれでも何かしなければこのまま沈んだままなような気がして、階段を降りたことで少し目線より上になった相手を見上げながら夕飯に誘うとにっと笑みを浮かべて見せて。)
(/そうですね…菅野くんの感情についてはそれこそ熱烈に想ってくれる、なんてものは違うと思っているのですがきちんとは考えていませんでした;;正直そんなにごろごろ同性愛者が居るというのもどうなんだろうとも思いますが、恋に恋するようなあくまで茂庭さんよりももっと淡い程度の想いならお話のスパイス程度に収められて良いのでは、と考えています。しかしここは操作をお任せしました上原様のやりやすい形を優先して下さって構いませんよ^^
呼び名に関してはやはり苗字呼びが妥当かなと思います。名前呼びというのに個人的には強い思い入れがありますし、なにより男子高校生位の年齢なら友人は苗字呼びが比較的自然かと思います。
菅野くんの操作等、我儘を聞いて頂いて本当にありがとうございます!こちらこそまだまだ未熟な面の多いロルかとは思いますが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。)
『おう!今日は飯でも何でも付き合ってやるよ。』
((冗談や諦めを織り交ぜながら呟く彼の横顔はやはり何処か辛そうで、どうする事が最善策なのかわからず、肯定も否定も出来ぬまま再び視線を前へと戻し。何となくもやもやとした感情が胸に残るまま、階段を降りていく彼に続きその場を離れ。やがて向けられたいつも通りの笑みに此方もにっと笑い返しながら快く誘いに乗れば隣へと歩み寄り。「飯のお礼に胸くらい貸してやってもいいんだぜ?」少しばかり雑に頭をわしゃわしゃと撫でるように揺らし笑いながら冗談を飛ばせば、元気付けるように背中を叩き))
───
(何となく真っ直ぐ帰宅する気分になれずあてもなくその辺をふらふらと歩く中、気付けばあの歩道橋に向かっていた。事故現場となったあの歩道橋に向かえば何か思い出すだろう、そういったものとは少し違う感覚に誘われるように。事故当時自分と一緒に居たという“髪の長い女”は依然誰なのかはっきりしない。もしも己と親密な関係にあったとすれば、何故接触して来ないのか。記憶を無くした己にもう用はないのかもしれない。以前の己なら、それはそれで構わないと簡単に割り切っただろう。なのに今回ばかりは諦めがつかないのは、思い出さなくてはいけないという直感が、その人物が己にとって大事な存在だったという可能性を示しているからで。伏し目がちだった視線を上げれば歩道橋はもう目の前。じゃれ合いながら此方に向かって来る、己と同じ制服を着た男子生徒達にふと目が向かう。その内の一人、見覚えのあるその顔は先日屋上で話した彼。どういうわけか一瞬ドクンと鼓動が震えたかと思うと、歩む足がゆっくりと止まる。視界に彼を捉えたまま、何故か頭に残っていたその名が自然と唇から零れ)
――…原田…椿…。
(/菅野くんの呼び方や感情の件、了解しました!感情面については展開に添って必要であれば若干変化させていく感じでいこうかなと思っております。此方こそ今後も宜しくお願いします。)
っばぁか、俺ソッチの気とかないから遠慮するわ。どうせなら女の子、に…――ッ!
(彼にしてみれば今の自分との会話など面倒以外の何物でもないはずなのにこうして冗談で自分をどうにか和ませようとしてくれるその気遣いが申し訳ない半分弱った心には有難くて。恋人だった彼のものとは全然違うけれど同じように自分を落ち着かせてくれる頭を撫でる手に聊かくすぐったい思いになりながらも応えて。女の子と、なんて口にしてみたものの今更異性と付き合うなんて出来るのか、そんなことを考えていた最中前の方から聞こえた自分の名を呼ぶ声に顔を上げると、そこに居た相手に思わず言葉をなくし目を見開いて。)
――…菅野、行くぞ。
(あの日あの歩道橋であの事故さえ起きなければきっと今も隣で笑い合っていただろう相手との再会、例の歩道橋からほど近い場だということもあって酷く気まずくて、ふと目を合わせない様に視線を下げてしまい。屋上で再会した時とは違い今は菅野も共にいて、ここで目の前の彼と長く話してしまうのは折角自分を気遣ってついてきてくれた菅野に気まずい雰囲気を強いることとなってしまうと判断し。先ほどまで自分の頭を荒く撫でていた菅野の腕を掴み、小さく声を掛けてからその腕を引いて彼の横を過ぎ去ろうとして。)
――…おい、
(驚いたような表情を向けてくる相手が気まずげに視線を逸らし、己の横をすり抜けようとする瞬間まで彼から少しも目を離せずにいた。擦れ違い様に思わず呼び止めてしまったはのは、“逃げるような態度を取られた事が癪に障った”、単にそれだけでは片付けられない何かが胸の奥でざわめいたからで。それは先日彼と顔を会わせた屋上で彼が去りゆく際感じた、あの切ないような胸の痛みとよく似ていて。衝動的に呼び止めてしまったものの、正体不明の感情を抱えたままではこの場に相応しい言葉を掛けられず、開きかけた口を一度閉ざし。もどかしさからか無意識に拳をぐっと握りつつ、ふと思い浮かんだ疑問を投げ)
お前がこの前言ってた――…、棗…って奴。誰の事だ?俺と関係あんのかよ。
───
『…あ。』
((じゃれ合いながら歩く中、不意に原田の様子の変化に気付き視線を前に向ければ、まさに今話の中心になっている彼が立っており、小さく跳ねる心臓と共に間抜けな声が漏れ。反射的に隣の原田に視線をやれば、やはり気まずいのだろう俯いてしまっていて。一方で、自分の事など目に入らないかのようにずっと原田に視線を定めたままの彼。その場の妙な緊張感に包まれながら視線を交互に二人にやった後、此処は二人きりにすべきだという考えに至って。隣の原田に向かって声を掛けようとした途端、グイと腕を引かれ。『え。あ、ああ…』気の利いた言葉も出ず、立ち尽くす上原の横を引かれるがまま過ぎるが、“本当にいいのか?”という思いが動きを鈍らせ。原田の横顔を見やりながら『なぁ、原―…、』口を開きかけたその時、不意に投げられた声にピタッと足を止め))
――忘れるくらいなんだから、大した関係でもなかったってことだろ。その程度の奴だったなら、今更知り直す必要もないんじゃないの?
(何も考えず、ただ辺りを歩く見知らぬ誰かとすれ違う時のように傍を通り抜ければいいだけ。そう自分に言い聞かせながら数日前まであんなにも恋焦がれていた彼の横を過ぎようとした最中思わぬ呼び止めに体を固くして。振り返る事こそしないもののその場に立ち止まり相手の声に耳を傾ければ、言葉の一つ一つが自分との関係を否定するような問いかけにすうっと頭の中が静かになり。しらばっくれることも、初めて出会ったあの日のように適当に嘘をつくことも考えられないほど静まり返った頭の中で、漸く口に出来た言葉は自分との関係を忘れてしまった相手への冷たい非難を含んだ自虐じみた台詞で。こんなことを口にする自分を関係を知る友人はどう思うだろうか、自分が腕を掴む菅野が余計なことを漏らさぬ様にと掴んでいた腕に力を込めると次第にずきずきと鋭い痛みを訴え始めた胸の辺りを空いた方の片手できつく握りしめながら沈んでいく気持ちを何方にも悟られない様にわざとらしいくらいの笑みで上原の方を振り返って。)
――忘れて、思い出せなくて、人に聞かないと存在を認識できない様な相手なんて…そんな奴、思い出す必要もないだろ。
…かもな。けどよ、お前のその言い方だと、思い出して下さいって言ってるようなもんだぜ。
(振り返った彼が浮かべる笑顔に心なしか深い悲しみを感じた瞬間、ズキリと胸に痛みが走る。彼の言う事は尤もかもしれないが本心は別の場所にある、そんな気がしてならず。――以前も自虐的な発言をする“誰か”とこんなやりとりをした事がある――、そんな感覚が生まれる中、特別な存在に拒まれる事への反発心を己は確かに知っている事を知る。その“誰か”がもし目の前の彼だとすれば、己は彼とどう接していたのだろうか。朧気に浮かぶ記憶を必死に繋げようとするが、波打つように起こる頭痛がかえって記憶を混乱させ。痛みに目を細めつつ、答えを探るように目の前の彼の瞳を見つめ。少なくとも彼が己と繋がりがあった事を確信した今、真実に触れたくなり、彼の隣で黙って動向を見守る管野に声をかけ)
おい、少しこいつ…原田を貸せ。
──
『あー…悪いけど無理だわ。俺は俺で原田に用あるし、原田の言う事も一理あるんじゃね?思い出せないなら、あんたにとって棗もこいつもその程度だって事でさ。』
((原田に掴まれたままの腕にぐっと力が加えられ、反射的にそちらを見やる。それが“余計な事を言うな”という制止の合図だと理解出来たものの、隣で笑う原田があまりに辛そうで見ていられなくて。上原との関係を知らされた時は驚いたが、なんだかんだで原田の事は応援してきた。しかしあの事件以来、自分達に心配をかけまいと普段通り振る舞おうとする原田が時折酷く寂しそうな顔をするのを見てきたからだろうか。これ以上苦しまなくていいんじゃないか、全うな恋をし幸せになるべきではないか、そんな感情が一気に押し寄せ、原田と話がしたいという上原にそう口走ってしまっていて。原田の気持ちを無視した言動、そして不良として嫌厭されてきた上原に対して向こう見ずに突っ掛かった事を後悔してしまわない内に原田の腕を掴めば「ほら、行くぞ。」と半ば強引に腕を引き、その場から立ち去ろうとし))
――ごめん…もう、そういうの無理。
(自分との日々を忘れてしまっていても相手は相手なのか、まるで此方の心を見透かしたような返答に思わずどきりとしてしまうとどうにか作り上げた笑顔が少しだけ崩れたのを自分自身感じて。早く表情を取り繕わなければと思うのにどんどん胸に広がるもやにどうしたらいいかも分からずゆっくりと顔を伏せていってしまい。そんな中突然上げられた友人の言葉に驚き顔を上げそちらを見上げると此方の不安定な気持ちを察してか掴まれた腕に強い安心感を覚えてしまい。友人の優しさが傷ついた心に効いたからか、恋人だった彼からの言葉が悲しかったからか、どちらのせいかは分からないもののじわりと目頭に熱いものが込み上げてきて。自分を先導してくれる友人の後を追いながら最後に一度振り返り相手に視線を送ると、笑っているというにはあまりに寂しげな、我慢したものが今にも溢れ出してしまいそうなのを堪えているような表情で小さな拒絶を口にして。)
…菅野、ありがと。…ッ、ふ…ほんと、お前いい奴だな…っ
(恋人だった彼に対して初めて口にした、喧嘩や嫉妬のような外的要因のない純粋な拒絶に自分まで精神的にショックを受けてしまい。彼に背を向け自分を助けてくれた菅野に礼を言うなりそれまで我慢していたものが決壊してしまったようにくしゃりと顔を歪めると掴まれていない方の手で前髪を掻き乱しながら嗚咽を漏らして。声だけはどうにか震えないように、そう思えば思うほど不安定に揺らいでしまう声で何とか言葉を口にすると瞳からぼろぼろとこぼれ出す涙を乱暴に手の甲で拭って。)
――おい…!てめぇ…っ…
(大抵の人間なら己と関わりたくないが故渋々従うだろう。相手の隣に立つ彼もまた同じだろうと踏んでいた為、思いの外強気な反発と彼を守るかのような態度に驚き、目を小さく見開き。次いで湧くのは屈辱と、言い様のない悔しさで。その悔しさは単に自分の思うようにならなかった故のものなのか、或いは自分の大事なものでも取られたかのような錯覚を起こしたからなのか。自分自身の感情がはっきりしないまま立ち去る二人の背に苛立った声を投げるも、振り返る相手の表情が余りにも儚く寂しげで。喉が焼けるような鋭い痛みを覚え、言葉に詰まってしまい。己への“拒絶”に覚えはある気がするが、それに抗う為の確たるものを持ち合わせておらず。嫉妬心と呼ぶには不確かでもどかしい感情に奥歯を噛み締めながら、離れていく相手の背をただ見つめるしかなくて)
──
『…やっべ、今頃になって心臓バクバクして来たんだけど。後でシメられっかな、ははっ』
((原田を連れ去った後、取り敢えず向かったのは近くの公園。未だ気持ちの整理が仕切れないだろう原田をベンチに座らせると、温かい飲み物でも購入しようと向かった自販機で、彼が昼休みに時折飲んでいたミルクティーを購入し。ホット缶を二つ手にし俯いたままの原田の元に戻れば、若干おどけた調子で心境を口にしながら缶を彼の手に持たせるように押し付け。記憶を失っているとはいえ、先程の言動が上原の怒りを買っただろう事は間違いない。喧嘩慣れしている上原に対し恐れはあるものの、自分がした事に不思議と後悔はなく。涙のあとを残す相手を前に心なしかきゅっと胸が切なく締まる気がし、僅かに戸惑いを覚えながらも見守るような柔らかい笑みを浮かべ隣に腰を下ろし。彼を連れ出す最中、“ありがとう”、そう伝えられたものの、彼の本意にそぐわない余計な事をしたのではないかと今頃不安になり。「なあ…これで良かったんだよな?お前的に、さ。」と、顔をそちらに向けながら何処と無く遠慮がちに探るような訊ね方をし))
(/上原と菅野くんの同時進行、思うように動かせず、わかりにくいのなんので大変ご迷惑お掛けしておりますorz 上手く合わせて下さり有難うございます!
さて、上原とは一時別行動となってしまいましたので、椿くんと菅野くんのやり取りが一段落したら、また別の場面から始めた方がいいですよね?今回の件が菅野くんに対しての本格的な嫉妬心の伏線となればと思っております(笑)またご意見等ありましたらいつでもどうぞ!)
――お前何聞いてた訳?不満あったらありがとうなんて言わないっての。
(一度は愛を囁き合った彼を振り払い逃げる様にあの場を後にしてしまったことに後悔がないかと聞かれれば自信を持って応えることはまだ難しくて、けれど連れ出してくれた菅野への感謝の思いも確かなもので。自分に気を遣ってか飲み物を買ってきてくれた相手からミルクティーの缶を受け取り冬の風にさらされてひんやりと冷たくなってしまった自分の頬に暫し当てて温まってからタブを開けると中身をごくりと飲み。温かく甘ったるいミルクティーは例えるなら相手の優しさをそのまま形にしたようで、ゆっくりと染み渡るようにして胃の中を温めていく感覚にほっと息を漏らして。久しぶりに心の底から安心できたようで、上原に会ってからずっと強張っていた体がほぐれていく感覚を感じながら相手の声に耳を傾ければ案の定口を出したことに不安げな声を漏らしていて。相手らしいと言えば相手らしいが、そんな相手に救われた身としては少々複雑で拗ねたように唇を尖らせながら言葉を返すと最後に我慢できなくなった様にふっと笑みを零し。まだ温かい缶に両手を添え冷たくなった指先を温めながら一度息を吐くと、少しだけ真面目な顔になり呟くように言葉を続けて。)
…これで良かった、とは思えないけど…それでもお前に助けてもらったのは確かだし。そもそも、関係ないお前を巻き込んじゃったのは俺だし。…お前が何言ったとしても関係ないよ、この問題は俺とあいつで解決しなきゃいけないことだから。
(/いえいえ、分かりやすく纏めて頂けてこちらとしては楽しくやり取りをさせて頂いております^^
そうですね、次くらいには一度菅野くんを外して二人で話し合うような長めの場面を組めたらと思っております。今回の伏線もありますし、そろそろ本命の上原君ときちんとやり取りしなければという感じですし(←/
ではではある程度今の場面が落ち着きましたら次こそ上原君ときちんとお話しさせたいと思います(笑)上原様にも次の場面のイメージ等などございましたらお聞かせいただけると有難いです!)
『あ、関係ないとか言っちゃう?少なくとも辛そうにしてるお前を放置出来るほど薄情でも浅い関係でもないと思うんですけどー。』
((温かい飲み物で少し落ち着いたのか、普段の原田に戻りつつあるのを見てほっとし、掌の上で缶を幾度か軽く放って遊んだ後タブを開け一口飲んで。今回の件に巻き込んでしまったと申し訳なさそうに原田は語るが、迷惑だと感じる事はなく、むしろ遠慮がちなその発言に寂しさを感じており。とはいえ、普段ふざけ合っている事が多いせいか“友達なんだからもっと頼ってほしい”、そんなストレートな言葉を掛けるのは少々気恥ずかしく、何処か拗ねたような口調で冗談半分に返してやり。そんな中彼が表情に真剣味を纏った事を察すると、耳を傾け此方も真剣に見つめて。やがてふっと控え目な笑みを浮かべながら空に視線を移し、「そっか、やっぱ避けて通れない問題だよな…」静かに相づちを打ち。解決しなくてはならないとはいえ、やはり大切な友人である彼には笑っていてほしいという思いが強く働き、余計な世話かもしれない事を口にして))
『…原田さ、上原を諦めて新しい奴見付けるって選択肢はねぇの?今度はもっとフツーの、さ。』
(/了解です!では一段落ついたら一度二人きりで話させましょうb
そうですね…、菅野くんと仲良くしているところに嫉妬して椿くんを拉致でもしましょうか。←
…なんて、実際具体的な場面は考えていなかったのですが、まだ思い出さない方がいいですかね?記憶は曖昧なまま、ただ椿くんが気になって気になって、一緒に居ると椿くんに恋をしているような感覚に陥るけど、それはないと認めたくない部分もあり葛藤中のような。上原の感情やその他展開について、本体様にご希望等があれば是非そのようにしたいと思いますのでお聞かせ下さいね^^
余談ですが菅野がチョイスしたミルクティーは、椿くん(棗ちゃん)とのカフェデートの際、椿くんがオーダーしていたので好きなのかなと、昼休みにも飲んでいた設定にしてしまいました。勝手にすみませんでしたorz)
…諦めるのは、もう少ししたら出来ると思う。…けど、新しい奴は、正直見つけられる自信ないや。普通の、女の子でも…男でも、どっちで考えても多分無理。時間が解決する、とかよく言うけど…時間なんかで忘れられるほど浅い傷じゃないんだよな。
(新しい相手を、という言葉はきっと相手でなくとも失恋をしたと言えば誰しも掛けてきただろう平凡な言葉、しかしその言葉に思わず動きを固めると深く息を吐き。自分の膝に両肘をつき、手にしたミルクティーの缶を傾けないようにしながら上体を低く倒すと少しだけ沈黙した後、ゆっくりとその言葉に応えて。きっと諦めるという行為だけならきっと上原が新しい相手でも見つければ自ずとどうにか出来るはずだと感じる反面、自分が上原以外の誰かを見つけるとなるとそのビジョンが全く浮かばずつくづく彼に毒されてしまった自分を自嘲するように笑って見せて。相手が男でも女でもきっと上原のことを忘れるなんて出来なくて、そんな中途半端な状態で誰かを愛せるほど自分は器用じゃない、だからこそはっきりと言い切る形で首を横に振りながら相手に応えると姿勢を低くしたままそちらに顔を向け。)
…まあ、だから今は取り敢えず、諦めることに全力尽くしてみる。折角俺みたいなのと離れられたんだから、あいつにはちゃんとした恋愛して欲しいし。いつまでもこんなうじうじした態度じゃお前にも悪いしな。
(/拉致ですか、とっても燃えますね(←/
そうですね…もし思い出す場面がまだ漠然としているのでしたら、原田のうじうじした建前をぶち破るようなアクションを思案中なのでそこに絡めて思い出してもらえる形に出来ると有難いです!とはいえそのアクションもまだ何となくと言いますか、原田自ら自分の汚い部分を上原君にぶつけるようなものにしたいなあ…程度にしか考えていないのですが;;
上原君については現在の葛藤している感じがとっても好みで…!認めたくない、という想いから原田を遠ざけるなり茂庭ちゃんに走るなり、何か大きな展開をひとつ組み入れて頂けると上記の原田ぶち破り計画(←/につなげて頂けるんじゃないかなと思います。
わああ!勝手だなんて、そんな注文の内容まで覚えていて下さったことがもう嬉しいです!当方高校生というと何となく紙パックにストロー刺して飲んでるイメージがありまして、お蔭さまでたった今原田の好きな飲み物がリプ〇ンになりました(笑))
(/本体のみで失礼します!返事が大変遅れていて申し訳ありませんorz
もっと早く返すつもりでいたのですが、思いの外日が経ってしまっていた事に驚いて慌てて謝罪だけでもと。出張中で帰宅時間が遅い日が続いていた所体調を崩したりとちょっとバタバタしておりましたが、漸く戻りましたので近々返させて頂きますね!毎回毎回本当に申し訳ありません。返事不要です。いつも有難うございます!)
『――…なんつーか…お前、思った以上にマジだったのな。いつの間にそんな深い関係になってたんだよ。』
((心境を語る相手の隣、黙って話を聞きながら、己が思う以上に相手にとって上原が大きな存在なのだと感じ。事故が起こる前、二人の関係を仲間内でネタにしてからかっていた事、そして今“他の相手を探したらどうか”等ありきたりな言葉をかけてしまった事。そんな浅はかとも言える言動が急に恥ずかしくなると同時に、関係の深さを匂わせる相手の発言に複雑な感情を抱いてしまう自分にもやもやして。此方に向けられている視線に気付いても何となく目を合わせられず、すっきりしない感情を払うようにミルクティーを喉に流し込めば、そこで漸く彼に顔を向け、からかい混じりに返し。普段明るく振る舞っているとはいえ、一人で抱え込む癖のある相手をやはり心配せずにはいられず、口元に笑みを浮かべたまま半分真顔で見つめて)
『…ま、お前が諦めるって言うなら止めはしねーけど、あんま無理すんなよ。無理に諦めようとすんのもしんどいもんだし、これから先何かの拍子に上原がお前を思い出す可能性だって全くないわけじゃねーんだから。何となくだけど、お前の事気にはかけてるみたいだしさ。』
(/返事が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでしたorz
此方はどんな椿くんも受け止めるつもりでおりますので、その方向でいきましょう!椿くんへの感情が特別なものだと認めたくない上原には、茂庭ちゃんに走ったり椿くんを故意に遠ざけるような真似をさせられたらいいなと思います。菅野くんへの嫉妬は本来なら椿くんにぶつけたいところですが、葛藤中はそれを茂庭ちゃんで解消しようとしてしまう恐れが…。椿くんに目撃されたら大変ですね(笑)
高校生のパックジュースは今も健在なのでしょうか。いやはや懐かしいです^^椿くんは缶やペットボトルより紙パックなイメージですよね。屋上や教室なんかで仲間たちとくっちゃべりながら昼食とってそうです(笑))
…俺的には勿論思い出してもらえたらいいんだけど、あいつからしたら…思い出さない方が、いいんじゃないか、な…。別に悲観してるつもりはないんだけど、普通に考えて男同士なんて頭可笑しい関係から抜け出せて。あいつだって元から男が好きな訳じゃないんだし、これから思い出したりしなければ普通に女の子と付き合って、普通に結婚して、普通の未来が待ってて…。
(相手はからかうような明るい調子で自分の暗い思いを払拭しようとしてくれているのに、やはりまだまだ割り切って考えることなど出来ないのか相手のきっと何気なく放っただろう言葉に思わず手にしていた缶から唇を離して。記憶喪失とはいえ永遠に戻らないこともあれば記憶が戻ることだって勿論あるだろう、しかしそれは自分にとっては良いことでも上原本人にとっては果たして良いことだと言えるのだろうか。男同士というマイノリティーに身を落としこの先も自分に付き合わせていく未来から今解放され彼は自分と出会う前のように"普通"の生活に戻りつつある。男同士で付き合うことに散々悩み、彼に諭され自分も彼との未来を選択したが、本当ならばこんな関係はそれこそ忘れてしまうことが一番だったはずで。だからこそ彼の記憶が戻るように、と手放しで願うことも憚られてしまいちりちりと頭の芯が焦されているような感覚を覚えながら抑えられない思考を言葉にして放出すると思わず手にしていた缶をぱきりと歪む音を立てるほど強く握り、一度は留めたはずの涙が込み上げてくるのを再び感じながら悲劇のヒロインでも気取ったような被害者面の、自分が一番考えたくなかった結論を漏らして。)
――…ほんとは今が上原にとって良い状況で、それに困ってごねてんの、俺だけじゃん。
(/お返事ありがとうございます、わざわざ途中で声掛けまでして下さり此方も安心してお待ちすることが出来ましたよ!
おっと、茂庭ちゃんとの絡みがあると原田も早く覚悟を決めなければ…(←/そんな状態、勿論原田にもがっちり目撃してもらっちゃいますよー(笑)
高校生のパックジュースは私の頃はまだありましたねえ…ただ物ぐさ者が多くてよく一リットルパックから飲んでる風景が目撃できましたかね…;;まあ今の高校生のことなんて分かりませんし、どうせ名がバリバリ創作高校生にしちゃいましょう!実際高校の屋上って大体入れませんしね(笑))
『…まぁフツーに考えればそりゃ女の子と恋愛した方がいいよな。長い目で見た事考えてもさ。けど…上原は本当にそれでいいのかね。』
((今、目の前の彼にどんな言葉を向けても普段の笑顔が戻る事がないのは承知の上。話を聞くだけで何もしてやれない自分の無力さに、焦りのような苛立ちのようなモヤモヤした感情を抱え、唇を噛み締めながら彼の掌の中で軋む缶に視線を落とし暫し沈黙して。─…原田の言う事は正論だ。一般的に恋愛は男女でするもので、それを未来に繋いでいく。原田を忘れたままの上原はやがてまともな恋愛をするかもしれない。しかし本当にそれでいいのだろうか。あの事故がなければ今でも原田を愛していた筈。恐らくはそれなりの覚悟を持って。脳裏でぐるぐると回る考えても仕方のない疑問は、独り言のように唇からぽつりと零れ。自分が考えなしに洩らした発言で相手を更に悩ませてしまうだろう事に気付けばはっとし、やっちまったとばかりに気まずそうな様子を見せるも直ぐ様立て直し。負の感情に苛まされているだろう相手に明るい調子で声をかけ、最後は宥めるように声色和らげて))
『それは当然だろ。仕方ねーよ、そんなん割り切れねーもんは割り切れねーんだし。俺だってお前が突然俺を忘れちまったら納得いかないし、殴ってでも思い出させようとすっかもよ?…原田はさ、それだけ上原を大事に思ってるから自分をそこまで追い込んで悩むんだろ。』
(/いつもお優しいお言葉ありがとうございます…!出来ればお待たせしたくないので、もう少し間隔狭められるよう努力しますねb
今後の上原には葛藤する中、椿くんが絡むと感情任せに動いてしまうような部分もありな感じで、流れに添って動いてもらおうかと思いますので、ご希望等あれば細かい事でも是非お聞かせ下さいね^^)
…ほんと、お前がいて良かったわ。そういう風に言ってくれる奴いなかったら、もっと駄目になってたかも。
(きっと相手がいなければ自分はもっと暗く深い思考に落ち悩まされていただろう、こうして重苦しい言葉を吐くだけにまで陥ってしまった自分にも気を遣い話を聞いてくれる相手の優しさに救われる反面、それでも抜け出せないこれからについての思いに僅かに唇を噛み締めて。もうこれ以上相手まで困らせてはいけない、そんな考えが浮かんだのか再び込み上げてきそうになっていた涙を理性で押し留め少しだけまだぎこちなく笑みを浮かべて見せると相手に礼を言い。相手なりに考えて応えてくれた言葉だとしても、それでもやはりその言葉は当事者同士の問題に介入できるほどの力はなくて、解決しなければいけないのは相手の助けを借りない自分自身だと思い直すと空になった缶を手にしたままそっと立ち上がり。「なんか、暗い話ばっか聞かせてごめん。…もう少し、自分の中で整理するよ。」励ましの言葉は再起には確かに有効かもしれない、けれど根本を変えるのはあくまで自分でこれからのことをきちんと考え直したいのかぽつりと言葉を漏らすと僅かに顔を俯かせ。自分でも気付かないうちに長く語ってしまっていたのか辺りを見渡せばいつの間にやら随分と暗くなっていて、そろそろ相手も開放しなければと先に別れを伝える様にひらりと軽く手を振ると相手に背を向けて帰路を辿り始めて。)
――…長いこと話聞かせちゃってごめんな。じゃ、また明日。
(/随分と上原君に引っ込んでもらってしまっていたことに気付き一度レスを切らせて頂きました;菅野くんでの対応も丁寧で、本当にありがとうございます!
一先ずそろそろ菅野くんと語るのも区切りにし本命本元上原君ともお話しさせたいな、と思ったのですがどう出会わせようかまだ練れておらず…もしアイディアなどございましたらお聞かせいただけると幸いです^^)
『だろ?…なんてな、俺は実際話聞いてやる事くらいしかできねーし、後はお前ら次第だもんな。』
((相手がくれる笑顔はまだぎこちなさが残るものの、“お前がいてくれて良かった”、その言葉は十分嬉しい響きを心に届け。冗談ぽく笑ってみせるものの、これ程思い悩んでいる相手に対し何もしてやれないもどかしさ、本当の意味で笑顔にしてやれない悔しさを拭えず、もやもやとしたものを胸に残したまま少し真面目な調子で続く言葉をかけ。やがて静かに立ち上がる相手の憂いを帯びた横顔にまた胸がちくりと痛み、誤魔化すように視線を逸らした後に自分も立ち上がり。普段なら何の躊躇いもなく、別れを告げるその背を追って隣に並んだだろう。けれど、向けられたその背が一人になりたいと訴えているような気がして。「おう、また明日。気をつけて帰れよ」ただ一言呼び掛け、公園を抜けていく相手の背をその場で見送った後無意識に溜め息を溢せば、手にしていた缶を空き缶入れに放りその場を後にして))
(/了解しました!次の場面については自分もはっきりとした考えがなく…ただ椿くんと本格的に絡むというか椿くんがアクションを起こす前に、他の相手と仲良くしている椿くんを見てちらっと嫉妬のようなものはしてみたいですね。上原が自分の感情にいよいよ疑問を抱くくらいの。椿くんを思い出すきっかけとなる大きな絡みの前に、椿くんと一緒にいてもまだ自制出来る段階(葛藤中)での絡みもあった方が面白いのかなと思ったのですが…今の状態で何気ない絡みを入れてしまうと不自然ですかね?例えば何かの拍子で一緒に昼休み過ごしたり下校する事になったりする中で“随分あいつと仲いいじゃねぇか”的な嫉妬心が見え隠れする事を溢すとか。それだと展開に差し支えが出てくるとかまどろっこしいようでしたら急ぎ足で椿くんのアクションまで飛ばしても構いませんし^^
此方も悩み中なので、ご希望やアイディア等お聞かせくださると助かります!)
(/絡みに区切りがついたところで、一時的に本体のみで失礼します!
そうですね…でしたら原田と他の誰かの関係を上原くんに知らせて焚き付けた(←)後、そのままその場面に茂庭ちゃんを投下し嫉妬の発散とばかりに絡んでいくのはいかがでしょうか?どこかのタイミングで茂庭ちゃんと上原くんの絡みも混ぜられれば、原田も決心がつき捨て身アクションに繋げやすいかな、と思います。
こう書くと何だかややこしいのですが、原田と他の誰かとの絡みを浅めに、実質嫉妬心を抱いたまま茂庭ちゃん介入への繋ぎと考えれば大分すっきりするのではないでしょうか?
…何だかちょっぴり迷走しているような、曖昧な文章ですみません;もう少し流れに関して擦り合わせてから本来の絡みに戻れればと思います…!)
(了解、それでOKです!その場合、椿くんと誰かの絡みというのを上原は目撃するのみで、椿くんとは絡まず茂庭ちゃんと接触するという流れになるのでしょうか?)
(/そうですね、一先ずそうして頂けると有り難いです!後は上原くんと茂庭ちゃんの状況を今度は原田に見せつければ、後は連れ出すなりして思い出させるための大きなアクションに持ち込めるかと思いますので。
何だかごちゃごちゃと分かりにくくなってしまいましたね;;ご希望だった上原くんの嫉妬増強もレストしては薄めになってしまいますが…もしそこも厚くしたい!ということでしたらきちっと原田+誰かの場面に上原くん乱入→上原くん退出→退出した上原くんに茂庭ちゃんが近付く、というようにも変えられると思います。
私ばかり希望を聞いてもらってしまっていますし、上原様もご要望がありましたら何でもおっしゃって下さいね^^)
(/いえいえ、此方の希望もしっかり聞いて頂いておりますし、椿くんのアクションに一番繋げやすい流れでいく方がいいと思いますので、そんな感じでいきましょう!)
(/では一度上原君との会話を挟んだ上で茂庭さんとの原田嫉妬フラグ(←)に向かう、という感じで理解合ってますでしょうか?此方の確認ができ次第開始レスにて上原君をおびき出すべく原田にお友達と仲良くしてもらおうと思います(笑))
(/すみません!ひとつ確認させて頂きたいのですが…上原との会話を挟むという事は、茂庭ちゃんと絡む前に上原は椿くんが仲間と仲良くしているのを目撃するのみではなく、椿くんとも絡む事になるという意味でしょうか?上原の行動についてお考えを聞かせて頂けたら幸いです!)
(/わわわっ混乱させてしまったようで申し訳ありません!此方としては原田と上原君に一旦会話をさせるか、させないまま目撃だけさせて茂庭さんに繋ぐか、というのはどちらでも構わなかったのですが…何と言いますか、勝手な勘違いで上原様が原田との会話をさせることをお望みなのだろうと解釈してしまっていました;;
此方の誤解で大分ごたごたさせてしまい本当にすみません…原田との会話の有無は上原様のご希望に添う方にしたいと考えております。)
(/そうですね、椿くん本体様が提案してくださった展開からすると、目撃するのみで茂庭ちゃんに繋げた方がすれ違い感が出せて椿くんもアクションを起こしやすいのかなと。ああいう性格の二人ですから、ある意味で盛り上がりそうですしね/笑
会話については此方もどちらでも結構ですが、なしの方向でいきましょうか^^)
(/そうですね、では原田との会話はもう暫しお預けということで!(笑)
ではそろそろレスの方に戻っていこうかと思うのですが、原田との会話自体はないとはいえ上原様の開始のしやすさ等を考えると此方からある程度原田と同級生との動向を示したレスを先に投下した方がよいでしょうか?実際会話するのではない、目撃してもらうためのレス、と考えると中々投下が難しく、どうしようかと思っておりまして…。実のところを言いますと、そのレスについて悩んでいるうちに返信がやや遅れてしまった次第でして;;
もし上原様の負担にならなければ、申し訳ないのですが開始レスを原田と友人の絡みを目撃した、という体で出して頂くことは可能でしょうか?)
(/了解しました!流れ的には椿くんと友人の絡みを目撃した事にし、もやもやとしながらそのまま茂庭ちゃんと絡むという形になるでしょうか?茂庭ちゃんとの接触にあたって、もしこういうシチュがいい、絡みやすい等ありましたら仰って頂ければそのような絡み文を投下したいと思います!)
(/ありがとうございます!まだ苦手な開始があるあたり、自らの未熟さを噛み締めるばかりです…;;
茂庭ちゃんに関しては特にシチュの指定等はありませんかね。茂庭ちゃんはふっと隙があれば突っ込んでいく、したたかな女の子で進めようと思うので恐らく絡みに関しては問題なく入っていけると思います!
では大変申し訳ないのですが、絡み文の方よろしくお願いいたします。)
(あれから数日が過ぎた放課後。これから帰宅する生徒や部活に行く生徒達の話し声で賑やかさを取り戻した教室で黙々と帰りの準備を進め。相変わらず他人と関わりを持たぬような己に帰り際挨拶して来る生徒もまれにいるが、貴重と言えるだろうそんな存在にさえも興味が湧かず、ろくに顔を見ないまま“ああ”と一言そっけなく返すのみで。荷物を持ち教室を出、他のクラスを横切ろうとしたその時、耳に届いた聞き覚えのある声にドクンと心臓が脈打つ。声の主はわかっている。視線を向けた先、瞳に映る彼は仲間たちと楽しそうに笑っていて。─…あれからというもの気付けば彼を目で追うようになっていた。皮肉な事に今や姿を確認しなくとも声だけで彼だと判別出来る。己に向けられる、あの悲しみを帯びた表情とは一変した自然な笑顔に先日の件を思わせない明るい声。此方の視線には気付かず仲間と過ごす彼は、まるで自分の居場所は此処だとでも示しているかのようにありのままに見え、きゅっと胸が締め付けられ、ドクンドクンと鼓動が加速していく。彼を囲む仲間の中にはあの日彼を連れ去った男の姿もあり、尚更胸をざわつかせる。この感情が嫉妬心と呼ぶものだと薄々気付かされてはいても、それが所謂恋心から生じるものとして結びつけるのは流石に抵抗があり。自分自身の感情を把握しきれていない今、無意識に己の拳を握りしめじっとその光景を見つめるしか出来なくて。そんな現状に無性に苛立ちを覚え小さく舌打ちすれば、彼から目を逸らして足早にその場を後にし)
(/早いお返事を下さっていた事に気付かず、今頃になってしまいましたorz/悔/本当に申し訳ないです…!
取り敢えず仲間と楽しく過ごす椿くんを目撃させ、嫉妬心に堪えきれず逃げるように去らせてみました。自然に考えればこの後昇降口に向かうのでしょうが、この先茂庭ちゃんと何処でどんな風に絡むかは椿くんに目撃させる目的もある為、そちらのお考えもあるだろうと思い固定しませんでしたので、お好きなようにして下さって結構です^^)
『――上原くん、どうしたの?すっごく怖い顔、何かあった?』
(先日漸く学校に復帰してきた彼、そんな相手を視線の先に捉え駆け寄ろうとするもののその見つめる先にあるものに気付き足を止め。相手が見ているのは何の変哲もない笑い合う男子生徒たちの姿、しかしその中にいる一人は文化祭の晩相手がその背中を追いかけて行った彼で、記憶喪失とは聞いていたものの意味深すぎるその視線に僅かに唇を噛み締め。前から薄々感じていた相手と相手が見つめる彼の関係、明らかに友人同士という括りには収まらないその気配に胸がざわつくものの、気持ちを切り替える様にぺち、と頬を打ってから口角を上げると足早に行く相手を廊下の途中で呼び止めて。彼らの間に何があるのか、否あったのか自分には計り知れない。それでもその関係が相手の記憶喪失という大きな問題により揺らいでいるのは確かで、それにつけ込むと言えば酷く自分が悪女のように聞こえるけれど好きな相手を想うことをそんな理性論で締め付けられるほど自分も出来た人間ではなくて。僅かな罪悪感こそあるものの、それでも相手を手に入れたい。そんな思いから明るく冗談じみた言葉を掛けてやれば笑って、とばかりに相手の頬を指で軽く押し上げてやって。)
(/こちらこそ大分お返事が遅れてしまいました…すみません;;
茂庭ちゃんでのロルは大分久しぶりなのでちょっぴり言い回しがイマイチなのは見逃して頂けると有難いです(汗)茂庭ちゃんも当て馬キャラではありますが、やっぱり自分の中では完全に奪いに来るような子には出来ずあくまで恋心に揺れる女の子、というスタンスで書かせて頂きました。そのため原田の存在も目視した上で、ということで廊下での声掛けになりましたがこの先はやはり昇降口へ向かうよう、あわよくば一緒に下校なんかに繋げるよう流していきたいと思います!
もし茂庭ちゃんのキャラクター像についてなど、何かありましたらお気軽にお話しくださいませ^^)
――…またお前か。…何もねぇよ。
(彼を視界から外した後も己に向けられる事はないその笑顔が脳裏から離れる事はなく、やり場のない思いをどう消化しようかと思った矢先に声を掛けられ。新たに視界に入り込んで来たのは、登校するようになってからというものやたらと声を掛けてくる同じクラスの女。他人に興味など無かったが、己に接触して来る人間など僅かな上、その恵まれた容姿と朗らかな性格故か男女共に支持のある彼女の存在は認識するようになった。真っ直ぐに此方を見つめる彼女を不機嫌そうな表情のまま見下ろせば、頬に触れてくるその手を素っ気なく払い背を向け歩き出すも、何故か今日に限って少しくらい相手してやろうかという思いに駆られ、足を止めて振り返り。「…なぁ、何で俺に構う?」─…それは素朴な疑問とふとした興味。今までどうでも良かった事が気になるのは、むしゃくしゃした感情の中に僅かでも寂しさに似た何かがあるからなのだろうか。頭には未だ別の存在をちらつかせながら、何となく懐かしさのある彼女をじっと見つめて)
(/茂庭ちゃんのスタンスやキャラクター象などはそちらのやりやすいように、つまり今のままいって頂けたらと思います!出来るなら茂庭ちゃんにも幸せになって欲しいくらい可愛い子なので、当て馬にしてしまうのが心苦しいくらいです/←
一緒に下校に繋げつつ頭には常に椿くん、そして混同する茂庭ちゃんと棗ちゃんの中に違いを見つけられたらと思います。何かお考え等ありましたらまたその都度お願いします^^)
『…気になってるから、じゃあ理由にならないかな?女の子が男の子にこんなこと言う意味、後は自分で考えてみてね。』
((記憶喪失になったとはいえ忘れてしまったのは先程相手が視線を向けていた彼のことのみ、それ以外は依然と変わらぬ彼のままで、そのことに少しだけ安堵すると共に記憶喪失という不運こそあれどやはり彼にとって大切だったということを強く主張してくる者の存在に内心苦い思いを巡らせて。変わらぬ態度、そう思っていた彼からの予想していなかった質問に思わず一瞬動きを止めるものの、にっと笑みを浮かべながら可愛らしさを意識しつつも少しだけ相手を弄ぶような、きっと男の子が好んでくれるような小悪魔めいた台詞で返答すると相手の背を追いかけて。かつての彼ならばきっと自分にこんな質問をしてきたりしなかったはず、この事実だけで相手の中で何かが揺れていることは窺い知ることが出来て。彼の中で揺れる何か、それがもし自分に与えられたチャンスの欠片なのだとしたら。脳裏の隅に相手が執心する彼を追いやって、この小さな希望に縋りもう一度だけ相手を想ってみようか、そんな思いが胸に浮かぶとそっと彼の隣に並び。))
『――…ねえ上原君、何か考え事?最近何だか様子がおかしいし…私で良ければ話、聞くよ?その代り、お茶代は上原君のおごりね?』
(/またまた本体のみで失礼します!自分、間違った解釈をしていたようで…すみません、一つ確認させて下さい。
原田様の文章を拝見する限り、上原の記憶は椿くんの事のみすっぽり抜けた感じでの解釈で宜しいでしょうか?此方は自分の事以外は曖昧な記憶しかなく、茂庭ちゃんについても記憶がはっきりしていないような感覚(記憶喪失後、よく話しかけてくる茂庭ちゃんの名を覚え、何となく懐かしさを感じる程度)でロルを回してしまったので…申し訳ありませんorz
椿くん以外は覚えている方向でいくとするならば今後そのようにロル等回していきたいと思います^^
お時間ある時に一言お返事を頂けたら嬉しいです!今回は珍しく早目にお返事出来るかと思います。)
(/すみません、完全に此方の勘違いです!恐らく随分前に記憶喪失ネタをやろう、となった際にお話ししていた時の提案内容が色々と頭の中で混雑してしまい勘違いしてしまったようで…本当に申し訳ありません;;
該当の箇所を書き直しますので少々お待ちくださいませ。)
:『…気になってるから、じゃあ理由にならないかな?女の子が男の子にこんなこと言う意味、後は自分で考えてみてね。』
((記憶喪失になりこれまでの記憶があいまいなものへ変わってしまったとはいえ日常生活の様子自体は以前と変わらぬ彼のままで、そのことに少しだけ安堵すると共に記憶喪失という不運にあってなお視線で追うほどにやはり彼にとって大切だったということを強く主張してくる者の存在に内心苦い思いを巡らせて。しかし変わらぬ態度だとばかり思っていた彼からの予想していなかった質問に思わず一瞬動きを止めるものの、にっと笑みを浮かべながら可愛らしさを意識しつつも少しだけ相手を弄ぶような、きっと男の子が好んでくれるような小悪魔めいた台詞で返答すると相手の背を追いかけて。かつての彼ならばきっと自分にこんな質問をしてきたりしなかったはず、この事実だけで相手の中で無くした記憶だけではなく、それに紐づけされた何かが揺れていることは窺い知ることが出来て。彼の中で揺れる何か、それがもし自分に与えられたチャンスの欠片なのだとしたら。脳裏の隅に相手が執心する彼を追いやって、この小さな希望に縋りもう一度だけ相手を想ってみようか、そんな思いが胸に浮かぶとそっと彼の隣に並び。))
『――…ねえ上原君、何か考え事?最近何だか様子がおかしいし…私で良ければ話、聞くよ?その代り、お茶代は上原君のおごりね?』
(/先程は大変失礼いたしました!大事な設定の根源が揺らいでしまうなんて、まだまだ私も未熟者だと再認識いたしました;;今後はこのような混乱を招いてしまうようなことがないようなお一層精進していこうと思いますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします!)
(/お早い返事有難うごさいます!いえいえ、それさえ確認出来ればその方向で進めて参りますので、書き直さなくても大丈夫ですよ!折角の素敵な文章ですし、長文を書き直すのは大変ですし。もし原田様が訂正しておきたい部分がおありでしたらその部分のみお願いし、特に問題ないようでしたらこのまま繋げていきたいと思います^^)
(/とか言ってる間に…な、なんと!いやはや流石原田様でごさいます。完全に余計なお世話でした、申し訳ありませんorz
ご丁寧にありがとうございました!此方こそ何かと至らない部分だらけですが、宜しくお願い致します!では失礼します^^)
いや…理由としては十分だ。
(返ってきたのは思ったより素直な返事と男心を擽るような小悪魔めいた台詞。清楚で品を備えた彼女のこんな一面に惹かれる男の気持ちがわからなくはない。気になるから近付く、それはごく自然な事。日々冷たくあしらっていた己に対しめげる事なく笑顔で話しかけてくる彼女を見ていても嫌われてはいない、寧ろ好意を持たれているだろう事は確かで。口許に僅かな笑みを浮かべつつ率直な考えを述べたその時、ひとつの考えが頭を過る。歩道橋から転落したあの日、己は髪の長い女と一緒に居たと聞かされたが、その相手はもしかすると目の前の彼女ではないだろうか。先程感じた何処か懐かしいような感覚を頼りに隣に並ぶ相手を見つめては、その誘いに乗る事を決意し小さく頷き)
…いいぜ、俺も少しお前に聞きたい事がある。付き合えよ。
『ふふ、いいよー。上原君が私に興味持ってくれてるなら、特別に何でも答えてあげる。』
((目の前の相手が"聞きたいこと"は果たして自分自身のことだろうか、一瞬そんな考えが脳裏をよぎるもののすぐに相手の言葉に頷いて。例え相手が知りたいことが自分に関することではなくても、今相手が関心を向けているのは自分、それだけで恋する乙女にとっては大きな力の源になる理由となり、ふにゃりと嬉しさに頬を緩めながら言葉を続けると軽く相手の腕を引いて。「場所はー…駅前のカフェでいいかな?そこね、ショートケーキがすっごく美味しいって評判なんだよ。」結果的に相手をある意味デートの様なものに誘うことが出来た嬉しさからか、どこか軽い足取りで相手を先導するように腕を引きながらこれから行く先について話を始め。少し女性向けといった雰囲気の強いカフェではあるものの此方からすればなるべく自分を可愛く相手に見せたくて、あえてショートケーキなどといった例を口にしながら歩みを進め。))
ショートケーキ…。あぁ…あの苺の乗った、やたら甘そうなやつか。
(お茶をする事が余程嬉しいのか浮き立った様子で語る相手を何の気なしに見つめ。幸せそうに微笑む様子や然り気無く引かれる腕より気になったのは、どういうわけか“ショートケーキ”という単語。甘味が苦手な己の脳裏に浮かんだ、真っ赤な苺の乗ったショートケーキは何故かやけに鮮明で。不思議に思ったその時ほんの一瞬浮かんだのは己を掻き乱している“彼”の幸せそうな笑顔“だったような”気がするも、そう意識した時には本当に彼だったのか否か分からないくらい儚く消えており。胸に残る形を為さないもやもやした感情に、己の少し前を行く彼女の声も耳に届かなくなっていき。ひたすら胸を締め付ける正体不明の何かに堪え切れず、僅かでも吐き出したい一心で不意に彼女の腕を引けば腕の中に収めてしまい)
『ッきゃ!…上原、くん?どうかしたの?』
((相手と距離を縮めるまたとないチャンスにやや浮足立ってしまっていた中、不意に体ごと腕を後ろに引かれる感覚に思わず小さな悲鳴を漏らし。いきなりのことに転んでしまうのでは、という危惧から反射的に瞳を瞑っていたものの訪れた感触は硬いコンクリートの衝撃などではなく仄かに温かな体温を伝えてくる優しい抱擁で。いくらその対象が想いを寄せる相手だとしてもいきなりの抱擁、更に言えば記憶がないとはいえ一度振られた相手であり流石に不審に思ったのかそっと視線を相手の方にあげながらやや不安そうに言葉を漏らすと相手の背中に回した手で軽く服を引いてみて。))
――…あれ。
(放課後となり未だに少しだけ気分が落ち込んだままの自分を気遣ってか寄り道に誘ってくれた友人たちとカフェでテイクアウトした飲み物を片手に街を徘徊していると、ふと視線を向けた反対車線の歩道に見覚えのある影を見つけて。小さく言葉を漏らした瞬間先を歩いていた少女を腕の中に納めた相手に僅かに目を見開き反射的にかぴくりと小さく体を震わせるとその光景に思わず釘付けになってしまい。記憶を失ったのならばそのまま思い出さずとも、男として真っ当な人生に戻してやればいいと半ば諦めに近い感覚で今を受け入れかけていた中訪れた更なる現実を鋭く突きつけてくるような情景、どうにか諦めようとしていた身でもやはり未練はまだ色濃く胸の内に残ってしまっていて。友人たちが先へ足を進める中一人その場に立ち尽くしては視線の先にいる二人の動向を見つめて。)
(/上原君が行動を起こし始めたということでゆっくりと原田の方にも煽りを入れていきたいと思います!上原君と茂庭ちゃんの行動を見つつ適度な所で介入させていく所存ですのでどうぞよろしくお願いいたします。)
――…俺が歩道橋から落ちたあの日、俺と一緒に居た女はお前じゃねぇのか。
(突然抱き締められた腕の中の彼女は訳がわからず混乱しているだろう。しかし気持ちが追い付かないという意味では行動に出た本人も同じであり。人を抱いた時の温もりを己は確かに知っているのに、胸が締め付けられるような切なさと、心が満たされていくふわふわとした幸福感が入り交じった“あの感覚”を此処に得る事が出来ず、己が求めているものが腕の中の彼女ではない事を改めて知らされ。分かりきった事を訊いてしまうのは、きっと今も尚脳裏をちらつく彼の存在に惑わされたくないが故。失った記憶の中、取り戻したいのはあの日己と一緒に居た、恋人と思われる女ただ一人だけなのに、何故こうも彼に掻き乱されるのか。今腕の中に居る彼女こそが己が求める相手だったらどんなに楽だろうか、そう思う反面で彼を欲してしまう己にさえ苛立ちを感じ、彼女を抱く腕に無意識に力が込められてしまって)
(/どうすれば椿くんが介入しやすい展開になるか悩んだのですが、そちらにもお考えがおありでしょうし、取り敢えずこの場にとどまるのが無難かなと思い殆ど動きがないものになってしまいました。すみません。
上原は反対車線にいる椿くんに気付いてしまうとまずいでしょうか?この後どうすれば椿くんが動きやすいか等、お考えやご希望がありましたら是非お聞かせ頂けたらと思います^^)
『…私、は…――ッきゃ!?』
((相手が言っているのは記憶を失う原因になった転落事故の時のことなのだろうか、歩道橋から落ちたという情報こそ噂の様な不確定なものとして耳にしていたものの、その際女性と一緒にいたなどという話は聞いていなくて。そのことに驚いている暇もなく自分をその女性では、と尋ねてくる相手に口の中に溜まっていた唾を飲み下すと考える様に視線を彷徨わせて。もしかしたら、ここでその女性は自分だと主張すれば相手は自分を恋人として錯覚してくれるのではないか。そんな酷く自分勝手な考えが一瞬頭を過るものの、恋焦がれた相手を手に入れるためにその本人に嘘をつくことに罪悪感を感じないわけがなく。どうしたらいいか、自分の欲望と良心との間で揺れているうち不意に腕を引かれる感覚に襲われると自分を抱いていた相手の身体が離れていき。))
――…お前、何してんだよ。
(反対車線に見つけた相手と、よく知る少女の抱擁の場面。それを目にはしたものの自分と付き合っていたころよりもはるかに真っ当な光景に口を出してはいけないと自制したつもりだったはずなのに、今も胸で燻る恋心はそんな建前などお構いなしに自分の身体を操っていき。一度は見逃そうと思ったはずなのに自然と彼らに近づいて行ってしまう足、そのまま二人の元へと駆け出していき相手に抱きしめられたままの彼女の腕を掴んで此方に引くことで相手の腕の中から強引にも引きはがすとそのまま相手と彼女との間に体を割り入れて。忘れられた自分がでしゃばっていい場面ではないと頭では分かっているのに近寄るにつれて聞こえてきた相手の言葉、相手の中から記憶が消えただけでなくそこに在ったはずの真実からさえも自分が居なくなってしまうことへの強い焦燥感から低い声を漏らすと鋭く睨んでいるはずなのに、瞳には隠し切れない寂しさの様な色を灯したまま相手を見つめて。)
…別に記憶がなくなったこと責めるつもりはないけどさ、それで女の子巻き込んで困らせるってのはないんじゃねぇの。
(/色々と気を遣って頂いているうちにも、どうにも我慢が聞かず原田を突入させてしまいました;;すみません!
此処からは上手いこと茂庭さんを舞台から下ろしつつ、上原君に記憶を取り戻して頂くための原田の特攻を仕掛けていきたいと思います!そのためやや上原君を強引に連れ出してしまうような行動が目立ってしまうかと思うのですが、大丈夫でしょうか…?)
――…巻き込む…?俺はこいつに確認したい事があっただけだ。
(腕の中の彼女の小さな悲鳴と同時、強い力で互いの体が引き離されたかと思えば、目の前には今まさに頭の中を埋め尽くそうとしていた彼が居て。小さく目を見開き息を飲むと、此方を見据えるその瞳を捕らえながら己の言動を正当化するような物言いをし。此方に向けられているのは怒り、もしくは軽蔑の類いだろうが、助けを求めるかのような悲しみの色を帯びているようにも見えて。彼が視界に飛び込んできた瞬間見えなくなる周囲、面白い程加速する鼓動。特別な感情を持たずして彼女を抱き締めたのは、例え一瞬でも目の前の彼を忘れたいが為。事故後意味深に絡んでくる彼の様子からして以前己と何か関係があったのは間違いないのだろうが、彼の意図が分からない事に加え、心を掻き乱される事への焦りや苛立ち、困惑に押し潰されそうで。これ程大きな存在になってしまった彼から咎められた惨めさでカッと熱がこもり、鋭い声音で非難の言葉を浴びせてしまい)
なぁ…そもそもお前は何なんだ?この前から遠回しにごちゃごちゃと…。俺に言いたい事があるんじゃねぇのか。はっきり言えばいいだろうが。
(/いえ、全く問題ないです!二人を目撃した椿くんが万一走り去ってしまうようでしたら逃がすかとばかりに追い掛けるつもりだったので(笑)
この後は椿くんの意思で上原を連れ出してくれても構いませんし、場合によっては上原が椿くんを無理矢理引きずって行っても。上原のせいで茂庭ちゃんは大変気の毒ですが…orz
とにかく椿くんや展開に合わせていきたいと思いますので、何もお気になさらず思いのまま動いて下さいませ!)
――…お前のためだって思って言わないでおこうと思ってたけど、余計なお世話だった訳か。ならいいよ、聞かせてやる。…後悔しても、遅いからな。
(相手が一度自分との関係をリセットして、それで真っ当な人生に戻れるのならそれでもいいと思った。自分ばかりが取り残されてしまう寂しさこそあれど、相手の幸せを願うくらいの心の余裕を持っていたはずなのに、いざ自分が相手の中から完全に消されてしまうような状況になればそんな綺麗事でしかない気遣いなど出来なくなってしまって。鋭い相手の非難の声に取り繕おうとしていた自分が壊れていくのを感じればそのまま相手に歩み寄り胸倉を乱暴に掴み、そのまま自分の方に引き寄せながら傍に居る彼女に聞こえないように囁くような小さな声ながらも心に溜めた暗いものが反映されたような低い声で言葉を掛け。ちらりと一瞬だけ背後の彼女の方に目配せの様なものを送ってから引き寄せていた相手の胸倉を離すと、すぐに片腕を掴み直し引き摺るような勢いで歩き出して。自分の汚れた独占欲を相手に見せるなど昔では到底出来なかったこと、しかし最後だからと自らに言い聞かせることでその決心を固めると相手があの日転落した歩道橋へと向かって。)
『…やっぱり無理かぁ。私相手じゃ、あんな顔してくれないもの。』
((相手とのつながりが深いと、言われなくとも感じ取れてしまうような彼の登場により結果的にはデートの予定を掻っ攫われてしまった中ひとり小さく溜息をつくと先程彼から送られた目配せからこれ以上の追及は野暮だと察して。元々一度振られた身なうえかつてキスを強請ろうとアクションを掛けた時ですら靡いてくれなかった相手に対して、心の中では一部諦めのようなものも浮かんでいて。それなりに恵まれた容姿があったからこそ今まで味わったことのなかった失恋という感覚に今はまだ少し涙が滲みそうになるけれど、それでも吹っ切らなければいけない相手という存在に高ぶりそうになる気持ちを堪えふにゃりと表情を歪めると小さく呟きを漏らし。徐々に小さくなっていく二人の背中を見つめながら口元にそっと笑みを浮かべると、ひとりになってしまったけれどこの際甘いものでも食べて忘れてしまおうと目的地だった喫茶店へと緩やかな歩みを進め始めて。))
(/ではではお言葉に甘えて早速上原君を攫わせて頂きました(笑)
同時に茂庭ちゃんにも退場して頂きました。お話の流れなので仕方ないのですが、やはりサブキャラでも失恋させるというのは少し悲しい気持ちになってしまいますね。とは言え茂庭ちゃんは芯の強い子というイメージでやらせて頂いていますので、また今後も元気な姿で登場させてあげたいな、なんて思っています!
それではとうとう記憶喪失編(?)の山場に差し掛かってきましたが、この盛り上がりを無為にしてしまわないよう努力したいと思います!
新年を迎え、このサイトでのお付き合いもとうとう3年目となりましたが今なお数年前初めてお相手させて頂いたときと変わらぬときめきを感じさせて頂いております(笑)
今年もどうぞよろしくお願いいたします!)
っ…、…後悔なんてするかよ。このまま俺だけが何も知らずにいるなんて御免だ。
(不意に乱暴に胸倉を掴まれたかと思うと、一瞬にして縮まる距離に息を飲み。目の前に近付いた端正な顔立ちに惹き付けられ、こんな時でさえ胸が震え。低く囁かれたその声に威圧の類いは感じられず、翳りを孕む悲哀な響きに助けを求められているような気さえして。彼が抱える闇から救い出し、全て受け止めてやりたい─、そう強く思ってしまう事実が、互いに無関係ではない事をしっかりと物語り。己にとって特別な存在だと素直に認めてしまうには未だ抵抗もあれば確たる証拠もない。しかし彼を知りたいという欲を止める事は不可能で、もっと近付きたいと逸る気持ちが鼓動をどくどくと加速させていく。真っ直ぐに相手を捕らえたまま表向きは冷静に今の本心を返せば、少々強引に引かれる腕に抵抗見せる事なく足を進め。そこで初めて相手の背後で戸惑いを隠せずにいる彼女の存在を思い出し、相手しか見えていなかった事を改めて思い知らされ、流石に罪悪感が生まれ。「…悪かった」立ち去る前に彼女にぽつりと残した一言は、様々な意味を込めた己なりの気持ち。彼によってこれから知らされる真実が己をどう変えていくかはわからないが、漸く己と向き合おうと決意したらしい彼に、期待に似た興奮で騒いだままの胸を抑える事が出来なくて。引き摺られるような形で着いて行く内、彼が向かおうとする先を察し。常に主導権を手にしていたい質としては腕を引かれたままの今の状況が癪に障り、此処で漸く振り切ると今度こそ相手が逃げてしまわないよう暗に牽制し)
…いい加減離せ。俺はお前みてぇに逃げたりしねぇよ。
(/彼女のような恋人が欲しいと思う程茂庭ちゃんは可愛いです、ハイ。また元気な姿が見れたら救われます…!
さて…いよいよですね。努力しなければならないのは自分の方なので、そちらは思い描く椿くんをどうぞそのまま出し切ってくだされば…b
力不足で大事な所で失望させてしまう可能性大なので、此方はせめて上原の心情だけは伝わるよう必死にお届けさせて頂きますね!
此方こそ、ここまで長いお付き合いをして頂けて幸せだと深く思います。キャラを借りなければ臭い台詞は中々言えませんが(笑)、飽きさせてしまわないようにと日々悩む身としてはそのお言葉は本当に有難く嬉しいものです(感激)
これからも一緒にドキドキしながら楽しんでいけたら幸いです。今年もどうぞ宜しくお願いします!)
…お前を逃がしてやったんだよ。知らない方がいいと思ったから、思い出さない方が幸せになれると思ったから…勝手に勘違いしてんな、ばぁか。
(道中強く振りほどかれた腕、何てことない行動のはずなのに今はその荒さが寂しくて僅かに視線を落とすと静かに言葉を口にして。確かに相手から見れば自分が逃げたと取られるのが普通のこと、けれども己からすればあくまで今の相手を守るための行動で、その指摘だけには反発を露わにすると掴むものが無くなってしまった掌をぎゅっと握りしめながらそのまま相手の前を先導し。きっと行き先が分かったから腕を振りほどいたのだろうと少しだけ理性的になってきた頭で理解し、だからこそその後は振り返らないままあの歩道橋まで歩みを進めていくと一度決心したもののやはりいざその時が来ると気持ちが重たくなってしまうのかいつもよりどこか重い足取りで歩道橋の階段を上っていき。階段を上り切ったところ、丁度あの日相手が落下したところで漸く足を止め後ろからついてきているはずの相手の方を振り返ると気持ちを落ち着かせるように深く呼吸をし。汚くて、自分本位で、とても好いた相手になど話したくない想い。それを含んだ相手の記憶を明かすことは自分にとって苦しいことだけれど、それをも含めた上で決心した相手との別れを迎えるため自分の胸元をぎゅっと握りしめれば静かに言葉を零し始めて。苦しくて、言いたくなくて、それでも決心したこの言葉を諦めたような寂しい笑みを浮かべながらぽつぽつと語っていくと、緩く首を傾げながら相手の反応を求めて。)
――…あの日、此処でお前が落ちた時一緒にいた女。あれ、俺だから。…男のくせに女みたいな格好して、お前と居たの。なんでそんなことになってたのか、当ててみ?…ヒ―ント、あの時の格好はお前好みの可愛い女だった。多分、そのくらいはそろそろ何となく思い出してきたんじゃないの?
――…なるほどな…それだけ聞けりゃ十分だ。あの時俺と一緒に居た女は…お前だった。は…道理で見つからねぇわけだ。
(相手が向かった先はやはりあの歩道橋。少し距離を置いたままゆっくりと段を上る相手に続くと不意に向けられる寂しげな表情をじっと見詰め、語られる言葉に静かに耳を傾け。探し求めていた女が今目の前に居る彼だったというを事実を知っても不思議と落ち着いている自分がいて。相手を見つめたまま静かに言葉を紡ぎ最後自嘲気味に笑えば、そっと視線を外し近くの手摺に手をかけ眼下を見下ろし。先程まで忙しかった鼓動はいつしか落ち着きを取り戻し、出口のない迷路にでも嵌まったかのようなあの焦りや苛立ちも消えており。彼の告白を割とすんなり受け入れられたのは、彼の言う通りそこに何となく気付いていた他、寧ろそうであればいいと、心の奥で願っていたからなのかもしれない。自分が彼に抱いていた特別な感情は所謂恋情だったという事を此処で初めて素直に認めようという気になり。今までの言動からすると、恐らくは彼も同じように己を想っていてくれたのではないだろうか。通り行く車や人の流れをぼんやりと眺めながら暫しそのまま口をつぐんだ後、外していた視線を相手へと戻せば手摺から手を外しゆっくりとそちらへ歩み寄り。彼と共に過ごした筈の記憶こそ未だ取り戻せないままだが、悲しそうに笑う彼が今はただ愛おしく。触れたくなる衝動のまま彼を腕の中に収めてしまえば答えは見つかるのかもしれない。込み上げるものを今はまだぐっと内に閉じ込め、先ずは相手の発言に対し反論しつつ己の心境も語り始め)
…知らない方が幸せだ?てめぇの方こそ勝手に勘違いしてんじゃねぇよ。俺はあの日の真相を知りたかった…そして振り払っても振り払っても俺の中に入り込んで来るお前が何者なのかも。
…お前に教えてやるたびに、お前が覚えてないってこと突き付けられんの。俺一人しか覚えてないって、すごく不安定で。もしかしたら、全部でなくたってどこかに俺の願望じみた妄想が混ざってるかもしれなくて…たまらなく、怖く、て…。――でも、もういいんだ。お前が覚えてないってことは、俺が忘れれば全部終わりってことだし。終わらせれば、もう苦しいことなんて何もなくなるって分かったから。
(相手が自分に真実を求めるということは、つまり求めることに対しては本当に何も覚えていないのだということを改めて突き付けられるということで。言葉で記憶喪失になったと伝えられるよりもずっと鋭く残酷なことでも相手にその自覚はなくて、自分が一人で苦しんでいるだけという状況すらこの場において不安感を煽る要因となってしまっていて。自分の身体を抱く腕の感触も、服越しに伝わってくる熱も慣れたものだったはずなのに今は懐かしさしか感じられず、自分ばかりが前に進めていない事実を突きつけられる抱擁にとうとう我慢できなくなった様に声を震わせると頬を伝う涙もそのままに絞り出したような声を漏らして。しかしそれも全てこの場で終わらせる、そう決めたからこそ相手に対峙することが出来ていて、そのまま相手の頬へ、首筋へ、胸元へと指を滑らせると制服の胸元をそっと握りながら相手の唇に口づけを贈り。)
…気持ち悪いことしてごめん。嫌いになって、いいから。こんな、男同士なのにキスなんてして、女装なんかにも手出して、いつまでも未練っぽい奴なんて…嫌いになっていいから。…俺も、俺のこと忘れたお前も、俺のこと思い出してくれないお前も、嫌いになるから。俺も、嫌いなお前なんて忘れるから…次会うときは、"どうでもいい"お前に初めましてを言うよ――。
(ゆっくりと名残惜しむように相手の唇から唇を離し、囁くような静かな声で言葉を続けると取り繕ったように口角を上げて。辛い想いも、甘い記憶も、全て忘れてしまえば苦しまなくて済む。散々考えた末に出た答えを実行すべく訪れたこの場で最後の挨拶をと相手にそんな心の内を仄めかす言葉をくちにすると突然相手の胸板をどんと強く押して。その反動で揺らぐままに自分の身体を傾けていき、あの日相手が転落した時と同じように自分も記憶を投げ出せるように祈りながらその身を投じて。)
お前…何言って――……、っ…
(真っ直ぐに向けられる瞳から不意に零れ落ちる涙に心を酷く揺さぶられ、その濡れた頬に触れたくなる。しかし何故か体が動かず、彼に釘付けになったままその場にただ立ち尽くし。涙と共に彼の唇から零れ落ちる言葉には関係を断とうとするかのような響きがあり、胸に鈍い痛みと焦燥感が走り。あの事件以来、彼がずっと計り知れない寂しさと悲しみに襲われ苦しんでいた事は表情や声色からもひしひしと伝わり、心臓が圧迫されるような息苦しさを感じる他、ここまで苦しめておきながら未だ彼を思い出せない自身への苛立ちと罪悪感に襲われ。とはいえ、漸く事件の真相を知り彼に対する気持ちも自覚し始め、これからだという時に、諦めたように拒絶の文句を並べられてしまえばじっとしていられる筈がなく、反論しようと口を開き。俄に触れてくる指先にぴくりと睫毛を揺らした次の瞬間、重なる唇に鼓動が震え、小さく目を見開いて。こんな風に己に触れる指先も、唇から伝わる熱も、記憶を失った己には初めての筈なのに、懐かしさと共に胸に染み渡る切なく愛おしい思いが言葉を失わせ。触れたくて堪らない衝動に手を伸ばしかけた刹那、胸元に受けた衝撃。ぐらりと傾く相手の身。ふらつきかける足元と同時、ぞわりと全身に粟立つ感覚はいつかの恐怖心を瞬時に呼び起こす。「…椿…っ…!」悲鳴のような叫びを発したのが先か、半分宙に浮いた彼の身に手を伸ばしたのが先か。目の前の存在を失いたくない一心で、後先考えず半ば飛び込むようにしてどうにか捕らえるも、立て直す事は不可能で。最初に身体に走る衝撃に小さく呻くと、後はひたすら相手を守るように無我夢中で頭を抱きかかえながら転がるように落ちていって)
――…なん、で…ッ、なんで逃がしてくれないんだよ!もう関係ないのに…嫌い、に、ならなきゃいけない、のに…ッ!
(階段に身を投げ出した時漸く想いの重さに苦しむ日々からもきっと解放されると一種の安堵すら感じていたのに、此方に伸ばされた腕に体を包まれる温もりに頭が真っ白になり。それでも二度目の落ちていく感覚の中咄嗟に相手の頭を手で押さえ、そのまま二人共々転げ落ちていき。体こそ相手に守られまたしても大した痛みも傷もないが前回と明らかに違うのは段差やコンクリートに強く擦れたため血の滲んだ両手、鋭く神経に響くようにじくじくと熱を訴える痛みこそあれど勿論記憶を飛ばす様な痛みではなくて。記憶を失った相手にとって自分はただの同性の同級生、勝手な自分の想いの区切りとして強引な口づけまで奪った相手を守り転げ落ちた姿はやはり記憶を失う前と同じ、自分の大好きな彼のままで。嫌いだと口に出し嫌われるための口づけをしたのも結局は諦められない自分の想いを押し殺すための行為で、それなのに今更過去の面影を強く訴える相手の姿に涙を堪えることなど出来なくて。相手の腕の中から抜け出して、あの日のように地に伏せる彼の姿を項垂れ見つめながらその頬に涙を落とすと吐き出すように悲痛な声を漏らして。こんな馬鹿げた行動に至るまで相手への想いを断ち切る気持ちでいたのに記憶を失っても自分を守ってくれた相手に押し留めていた愛しさは一気に噴き出していきだからこそまた自分の行動で相手を巻き込んでしまったことへの強い罪悪感に襲われてしまい。)
――…ッ…、て…め、ふざけ…んな、よッ…、な、に…考えて、んだ…この馬、鹿…
(共に転がり落ちていく身体がやがてコンクリートに打ち付けられては低く呻き、固く閉じていた瞼をゆっくりと開いて。己と同様、此方の身を守ろうとしてくれたのか、しがみつくようにしっかりと回された腕にそっと手を添えるだけで身体に走る痛みに反射的に顔をしかめ。しかしそんな痛みよりも、彼をそこまで追い詰めてしまっていた事による胸の痛みが何倍も強く己を襲う。もしもあのまま彼を失う事になっていたら─、そう考えた途端呼吸が出来ない程に脈が上がり、ガクガクと身体が震え出し。今更襲いくる恐怖と、彼が無事だという安堵に込み上げる感情で掠れる声をどうにか振り絞って相手を咎め、己を見下ろす彼に震える指先をゆっくり伸ばし、涙で濡れた頬にそっと触れ。触れた頬は温かく、生きている証を指先から伝え。目の前の泣き顔は、あの日薄れていく意識の中で瞳に焼き付けたものとよく似ていて。狂おしい程のいとおしさが突き上げる中で、愛しい存在との思い出が断片的に脳裏を駆け巡っていく。「――…椿…、」頬を撫でながら自然に溢れる名も、彼が落ちる瞬間咄嗟に口にした名も、己にとってはかけがえのないものだと再認識する。溢れる様々な感情に目頭が熱くなり、視界が歪んでいって。「…泣くんじゃねぇって…言っただろうが…」掛けたい言葉は山ほどあるのに胸が一杯で言葉にならず、ただいとおしい存在に触れたままあの日最後に口にした言葉を震える声で紡いで)
ッ、うそ…!っ俺の、勘違いとかじゃない、よな…ッかず、さ…和瑳、和瑳ぁ…っ!
(頬に触れた相手の少し骨ばった男性的な指が涙を優しく拭った時、少しだけクリアになった視界で涙を瞳に浮かべる相手の顔と見つめ合う中口にされた一言に思わず一瞬動きを止め。相手が泣くなと口にしたのは自分の思い違いでなければ相手が記憶を失う前、最後に言葉を交わしたあの日転落直後の歩道橋の下だったはずで、混乱から上手く働いてくれない脳みそに心の中で叱咤を飛ばしながら今の状況を理解しようとし。もしも転落のショックで相手の記憶が戻ったとしたら、そんな希望交じりの偶然がこの場に起こったのだとしたら、この状況に振り切ろうとした想いをそのまま切り捨てられるはずもなく急速に胸に浸み込んでくる封じようとしていた愛しさに苦しささえ滲んだような吐息を漏らしながら言葉を零していき。記憶を失った日から呼べなかった相手の名前を感極まったように何度も何度も繰り返しながら相手に手を伸ばすと、再び引き起こされた事故に集まりだす群衆など気にも留めず相手の頭を膝に乗せそのまま腕で抱き寄せ。相手の髪に額を埋め小さく擦り寄りながら熱っぽさを孕んだ声で繰り返し相手の名を囁くと上手く表現できないくらい体の中で暴れ回る歓喜の想いから口元を微かに緩ませて。)
…一人にして悪かった…もう二度と…離さねぇから…。
(抱き寄せられる中、耳元で何度も繰り返される自分の名。愛する者に名を呼ばれる事の嬉しさと、急速に込み上げる愛しさは喉元も胸も焼き付くしてしまいそうで。歓喜と幸福感の余り上手く言葉が出ないままゆっくりと上半身を起こせば、走る痛みなど気にも止めず、腕を回してしっかりと相手を抱き締め。その抱き心地や匂い、体温が酷く懐かしく思え、恋しさに頬を軽く擦り寄せるようにしながら想いを込めて言葉を紡ぐと、いとおしそうに頬に唇を寄せ。腕の中の存在が己にとってかけがえのない存在だと再認識したとはいえ、直ぐに気持ちの整理をするのは困難で。「椿…」突き上げる強い感情をどう表現していいかさえわからず、今はただその温もりを強く感じていたく、愛しい名を紡ぎながら二度と離すまいときつくきつく抱き締め。そんな中、先程の騒ぎにがやがやとし始める周囲に漸く意識が向き。もう少しこのまま相手を感じていたいのは山々だが、いつまでも此処には居られない。「…立てるか、椿」少し力を緩め腕の中の相手を気遣うよう声をかけると、相手を支えるようにしてゆっくりと立ち上がとうとして)
ッ、ちょっとだけ…腰、打ったかも…。ある、ける…っ多分…。
(昂った感情に身を任せてしまっていたものの少しずつ落ち着きを取り戻してくると周りの状況も同時に理解し始めて、階段から転げ落ちてきた自分たちへの心配か好奇か周囲から向けられる視線によって漸く冷静さが戻り。未だどくどくと高鳴る鼓動こそ収まらないものの周りを見る余裕くらいは持てる様になり、相手に支えられながらもゆっくりと立ち上がろうと体を起こせば転がり落ちる途中で打ってしまったのか鈍く響くような痛みを訴える腰に小さく呻いて。歩けないほどとは言わないが恐らく服の下は青あざくらい広がっていそうで、僅かに顔を歪めながらも小さく言葉を口にすると緩やかな動作ながらどうにか足を立たせて。ちょっとした傷や鈍い痛みこそ抱えていても意識ははっきりしているし足腰も一応立っていて、相手も見たところ骨折などといった大きな怪我は見受けられない。そのうえ相手の記憶も戻ったとなればこんな幸運に胸が騒めかない訳がなく、こんな状況なのに緩みそうになる口元を堪えながら相手の方を改めて向くとそっと言葉を続けて。)
…早くふたりになりたい、けど…どうしよ。もしかすると救急車呼ばれてるかも、だし…。どっちにしろ、和瑳は病院行かないとだめ、だよな…。
…病院、行った方が良さそうだな。このまま俺が連れて――…、
(ゆっくりと相手を抱き起こす最中、案の定痛みを訴える声がし。必死で庇うようにしたとはいえ、あの高さから転がり落ちれば到底無傷で済む筈もなく。二度目という事で本能的に身を守ろうとする作用が働いたのか、あちこち鈍い痛みは走るものの前回程大きな外傷もなく。己に比べ辛そうな相手を病院に連れていくのが先決と考え、近くのタクシーを拾うべく視線をやったその時、誰かが呼んだらしい救急車のサイレン音が耳に届き。程無く此方に向かってくるそれが視界に入ると、その場で大人しく待つ事にして。降りてきた隊員に状況等を説明後、指示に従って救急車に乗り込み。暫し静まっていたサイレンが再び鳴り出すと、小さく息を吐いて相手を改めて見つめ。─目の前にいるのは狂おしい程愛しい恋人。ふと視線を向けた先には擦りむいて血にまみれた掌。痛々しいそれに胸が締め付けられ、言葉に詰まりながら優しくそっと手を添えて俯き。あれ程恋焦がれたかけがえのない存在を記憶から消していた事や、あんな行動に至らせるまで追い詰めてしまった己への怒りより、今はただただ彼が生きていてくれた事への安堵や嬉しさが勝り。相手もまた己を庇おうとしてくれただろう、痛々しいその手が酷く愛おしく抱き竦めてしまいたくなる。重なる手を見つめる瞳は次第に涙の膜を張り、少しでも揺さぶられたら零れ落ちてしまいそうで。俯いたまま片手で隠すように額を抱えながら相手を何度も咎めるしか出来ない一方で、隠し切れない安堵の思いを震える声で弱々しく添えて)
…っとに、お前は馬鹿過ぎて笑えねぇよ……なに考えてんだ馬鹿野郎…っ…、……お前、に…もしもの事がなくて良かっ…た…。
(/やはり処置は必要かと取り敢えず救急車に乗せてみましたが、この後お考えがおありでしょうか?此方としましては処置をする辺りは飛ばして、その後椿くんを自宅に送るなり病院に一泊するなり、少し落ち着いた辺りからまた始めるのがやり易いのかなと思いますが…何かお考え、ご希望等ありましたらお聞かせ下さいませ!
いずれにせよ互いに無理出来ない状態なので、再会(?)がどれだけ嬉しくどれだけ高揚してても、上原には色々堪えて貰わなきゃいけませんね。…無理難題ですが/笑)
…ん、馬鹿だったかもな。今思うと、やっぱり忘れるとか、嫌だなって思うから。…馬鹿、だったなぁ…。
(やはりこれだけ大きな事態だったのだから誰かが救急車を呼んでくれていたのだろう、ほどなくして到着したそれに乗せられ近くの病院へと搬送されていき。勿論傍には救急隊員がいるからこそ相手と接触することも気が引けてしまい応急処置として両手の血をある程度拭われた後視線だけ相手の方に向けようとすれば、みすぼらしい傷だらけの手にその手を添えながら此方を窺う相手が目に入り。俯いたまま口にされる言葉は安堵の色を感じさせはするものの酷く弱々しくて、自分が相手にしようとしていた所業の重さを再度認識させ。今思えばあまりに短絡的で馬鹿げた発想、相手が自分を忘れてしまったことを言い訳に自分だけが楽になることを肯定しようとした身勝手な行動に苦笑しながら呟きを漏らすと、冷静になるにつれて込み上げてくる記憶を失ってしまっていたかもしれないという恐怖感に小さく身を震わせ。それでも相手を一度失いかけたからこそ、今相手が抱えているであろう喪失への不安感は痛いほど分かり、そっと慰める様に相手の頬を片手で撫でながらその先の道中を行き。)
(/そうですね、この後はお互いそれなりに心身へのダメージも負っていますし検査を含め一日入院にでもさせようかな、と思っておりました。同じ病室にでも突っ込んでまだ全快とは言えませんが一先ず再び恋人同士に戻れたことを噛み締めさせてあげられればといった感じでしょうか?勿論お互いに我慢する部分も付きまとってきますが(笑))
(呟くような相手の声と頬をそっと撫でてくる手に感情が込み上げ、きゅっと唇噛み締めながら溢れそうになるものを堪え。優しいその手に自分の手を添え、その後は何を話すでもなくぼんやりとした頭の中で相手の存在の大きさを噛み締めながら病院に到着するのを待ち。やがて搬送先の病院で検査を受け、相手より先に病室のベッドに落ち着いて。検査を受けている内、到着した時には明るかった窓の外はいつの間にか薄暗くなっており、検査も兼ねての入院という形で今夜はこのまま病院にとどまる事になった事の他、相手と同室だという事を付き添いの看護師から知らされ。ゆっくり休むようにと告げて部屋を出て行く看護師を見届けると、軽く包帯を巻かれた腕を見つめ、ゆっくりと長めの息を吐きながら視線を天井に移し。─まだ検査中の相手は大丈夫だろうか。「……椿、」彼の身を案じる中、今日の放課後にあった出来事が脳裏で再生され、彼の表情や言葉や仕草が胸を切なく締め付け、愛しいその名が自然と唇から零れて。相手の帰りを今か今かと待つ間、一日の気疲れと安堵からか瞼が重くなり、うとうととし始めてしまい)
(/了解です!搬送され検査を済ませ病室に戻るまでの経緯を勝手ながらある程度飛ばさせて頂きました。
同じ病室という事で、一足先に椿くんの帰りを待っておりますので、やり易いシーンからお好きなように始めて頂ければと思います^^)
――…かず、さ…?…もう寝てるか。
(病院についた後相手とは別で此方も検査に回されることとなり、一応頭を打っていないかやら骨に異常がないかやら一通り調べ尽くした結果両手の擦り傷などといった外傷以外は特に問題ないだろうということが分かり。あまりの検査の多さに自分のしでかしたことをじわじわと再認識し少しだけ怖くなったものの一先ず一日入院で様子見の後帰宅しても大丈夫らしいという結果に安堵し。そうしてあれこれ調べられているうちに大分夜も更けてしまい、看護師さんに案内され病室の前まで到着すると先に入室していると聞いた相手が寝ている可能性も考えそっと扉を引いて。案の定二つ並んだベッドの片方にあるふくらみに相手が寝ているだろうという推測が立てられると時間も時間だから仕方ないとは思うもののどうしても込み上げてしまう静かな寂しさに小さな呟きを漏らして。そっと相手のベッドの方に歩み寄っていき、そのまま傍に置かれた椅子に腰かけて布団の膨らみ越しに相手を見つめると、記憶を失ったあの日もこうしてベッドに静かに横たわっていたのだろうか、なんて勇気が出ずに見舞いにも行けなかった過去のことを思わず連想しあの日の悲しみと、漸く相手の中に自分が戻ってきてくれた実感からくる嬉しさとでほろりと涙を零してしまい。)
(/少し時間を置いての入室という形にさせて頂きましたが、和瑳くんがそのまま寝てしまったかどうかという旨は流れとしてそちらにお任せしたいと思います。それでは引き続きよろしくお願いいたします!)
――…椿…。…また泣いてんのか…しょうがねぇな…。
(夢か現実か曖昧な浅い眠りの中、誰かの気配を傍で感じた気がしてゆっくりと瞳を開け。ぼんやりと視界に入るのは、漸く思い出す事が出来たかけがえのない愛しい彼。見つめ合う間もなくその形の良い瞳から涙がほろりと零れ落ちれば、切ない程のいとおしさに胸をきゅっと締め付けられながら愛しそうに笑みを浮かべて。そっと手を伸ばし、濡れた頬に触れながら紡ぐ名や言葉は甘ったるい程に優しい響きで、今まで辛い思いをさせていた分甘やかしたくて堪らないという思いが溢れており。言葉や温もりで伝えたい想いは沢山ある。しかし張り裂けそうな程のその想いを先ずはどう消化すべきかわからない。今すぐ抱き締めて思うがまま口付けて─…、それはずっと一人にしておきながら余りに勝手だろうか。触れた手で頬や唇の輪郭を確かめるようにゆっくりと優しく撫でながら、ただ愛しくて堪らないという眼差しを向けていたが、不意に我に返ったようにはっとすると一旦手を止め。「検査…どうだった、何も…なかったか?」少し不安が混ざったような真剣な表情でじっと見つめながら、今最も大事な事を問い)
…何で、触るの止めんの。もっと撫でてよ、手でも肩でも、唇でもどこでも触ってよ。
(相手が寝ているものだと思ったうえでその姿を見つめているだけでも涙がこぼれてしまったというのに、そんな彼の声が聞こえてしまえばこれ以上寂しさに頑なになっていた心を留めておくことなど出来なくて。次から次と零れてくる涙を誤魔化そうとするように何度も拭っているうちに伸びてきた相手の手の感触は酷く懐かしく感じられて、それだけ相手に触れられていなかったことを再認識すると共にこの感触が自分の元に戻ってきたことに胸が震えれば問われた検査結果の旨について小さく頷いて。しかしそこで止められてしまった相手の手に名残惜しさを感じればかつてのようにいつも触れられていた状況では我慢出来ていても漸く焦がれていた相手を取り戻したばかりの自身にとってそんな辛抱は耐えられなくて、止まってしまった相手の手に自分の手を重ねそのまま自らの頬に押し当てさせると相手の指先を絶えず零れる涙で濡らして。焦がれていたものが目の前にある状況で求めずになどいられず、我儘じゃないかだとかまずは互いの怪我の具合を見てからじゃないかだとか、頭には理性的な考えが浮かぶのにそれよりも早く口から零れた本音に任せ強請る様に相手の手に頬を寄せればぎゅっと瞳を閉じながら唇を噛み締めて。)
…だったらもっと、こっち来いよ。もっとちゃんと…お前を感じさせろ。
(壊れ物でも扱うように優しく触れた指先を相手の涙が濡らしていく。止めどなく溢れる涙や触れてほしいと懇願するような言葉、温もりを求めるように擦り寄る行為に切なさと愛しさで胸が震え、言葉を詰まらせながら瞳を揺らし。事故とはいえ、大事な存在の記憶から綺麗に消されてしまうのはどれ程深い絶望感なのだろう。目の前の相手がどれだけ苦しんで来たかなど、所詮立場を置き換えての想像でしかわからない。自分は自分で常に彼が頭から離れず悩んできたとはいえ、残された方の悲しみや寂しさや痛みに到底及ぶ筈もなく、そんな自分が彼を求めるまま触れてしまっていいのだろうか、そんな迷いが掠めて。以前の自分ならばそんな事お構いなしに欲任せに求めたのだろうが、共に過ごす内に見えてきた彼の繊細な部分を大事にしたいという思いが己を慎重にさせ。とはいえ先程から突き上げる触れたい、抱き締めたい、笑顔が見たい、そんな衝動を抑え込むのは不可能で。ゆっくりと上半身を起こせば、もっとしっかりと深く触れ合えるようベッドの上に誘おうと、やや強引に引き寄せて)
ッ、そっち、もっと寄って…。
(やや強い力で自分を引き寄せる相手の腕、こうして招き入れてくれるということは相手も自分を欲してくれているのだろう。長く寂しい時間を過ごしていた身としては言葉でも行動でも、相手が自分を求めているという実感を得られることがとても嬉しくて、ぎゅっと甘い痛みを響かせる心臓を落ち着かせるように胸元を握りしめてから導かれるままに相手のベッドに足を掛けると相手の横に並ぶような形でベッドと布団の隙間に体をすべり込ませていき。本来ならば相手の身体に乗り上げるなりして僅かな隙間もなくなるくらい固くきつく抱き合いたいけれど、どれだけ想いが熱を帯びようと今はお互い転落で体を痛めている状況、いくら我慢をしないと決めたからといってそれで相手の身体を辛くさせてしまうなんてやはり理性がストップを掛けてしまい。それでもぴったりと相手の体に横から腕を絡め、胸の辺りに頭を寄せることで服越しにも聞こえる相手の鼓動に耳を傾ければ時折すん、と鼻を鳴らしながらどこか安心したように目を伏せて。)
――…お前の夢…見てた。
(潜り込んでくる相手の身体の状態を気遣いつつそっと抱き寄せるも、甘えるようぴったりと身を寄せてくる相手が愛おしく、しっかりと抱き直しながら相手の髪に頬を擦り寄せ。久しぶりに得た匂いや抱き心地、懐かしさと恋しさに震える胸を落ち着かせようとゆっくりと息を吐き出し。相手との記憶を失くしている最中も心の何処かで求めていた、この心地よい体温や鼓動に酷く安心感を覚え、切なさと幸福感の他にひしひしと感じるのはやはり己には彼が必要だという事。伝えたい事は沢山あるのに、好きだという思いが溢れて言葉にならないまま余り意味のない事を口にするのがやっとで。自分にとって相手がどれ程大切か離れていた分しっかり言葉で伝えたいのに、寂しくさせていた分壊れる程強く抱き締めたいのに。思うようにいかないもどかしさに歯を噛み締め、首の辺りに擦り寄るよう顔を埋めながら抱く力を少しだけ強めて。首筋に寄せた唇に微かに触れる脈や温もりが彼が生きている証を伝え、トクンと深く胸に響く。“もしもあのままこいつが─…”、改めてそう考えると、相手の熱を感じたくて堪らなくなって。指通りのよい髪を撫でながら顔を上げさせれば熱と葛藤を孕んだ瞳で見つめ、心境をゆっくりと紡いでいく。「…椿…、上手く言葉が出ねぇから…お前を抱く事で伝えたい。けど…それも叶わねぇならせめて――…」しかしそれさえももどかしくなる程に彼を求め、傷付けてしまった彼を安心させたい、満たしてやりたいという気持ちが突き上げ。最後まで言葉に出来ないまま彼の額や瞼にゆっくりと唇を押し当てていき、いとおしそうに見つめては唇を重ね)
(/長くお返事が滞ってしまっていて申し訳ありません…最近といいますか、新年度が始まってから何かと忙しくお返事をきちんと考える時間があまりないのに加え、長くお付き合い頂いているからこそのマンネリに近いような、そんな考えからこのように日にちを開けてしまいました。飽き性なのか不意にお返事を考えるのに非常に時間を要してしまうことがあり、申し訳ない限りでございます。
つきましてはまことに勝手ながらもう少しだけ距離を置く、といいますか、暫くお返事をお休みさせて頂けないでしょうか。やり取りを止めたい訳ではない、この二人の物語が嫌になった訳ではない、だからこそ少し時間をおいてまたフレッシュな気持ちでやり取りに臨みたいと思った故の提案でございます。
お待たせしてしまっているのに、このような身勝手を本当にすみません。それでも、どうかご理解頂けないでしょうか。)
(/お忙しいのだろうとは思っていましたが、そんな中体調でも崩された、もしくは何かあったかと心配しておりましたので、一先ずお元気そうな姿が見られてほっとしました。同時に原田様が仰るような理由もあるのではないかとも薄々は感じておりました。此方とのやりとりを打ち切りたいにしても何にしても伝えてくれるだろうと信じておりましたので、その点に関し正直にお話してくれた事が嬉しかったです。沢山悩ませてしまったようで申し訳ありません。
原田様に飽きられないような展開を考え、少しでも見合うような文章を考える事は難しく、昔からの課題でもありましたが、とても楽しく幸せな時間でもありました。
しかし最近は特に自分の未熟さを強く感じ、不甲斐ない気持ちで一杯でした。そんな自分が出来る事は、物語の中で椿君へありったけの想いを届ける事。椿くんがどれだけ大切か、それだけは解って欲しいと、力を入れる方向に偏りが出てしまっていたのかもしれません。原田様がストーリー性を大事にする方だと知っていたのに申し訳ないです。
長い付き合いの中マンネリ感が生じるのは不思議ではない事だと思いますし、そう感じた時に打開すべく努力をするつもりでした。俺なりに真剣に向き合っていたつもりでしたが、期待に応えられずすみません。情けない気持ちで一杯です。
距離を置く事に関しては承知しました。どうかゆっくり休んでください。もしまた始めてみようかと気が向かれました時はお声掛けくださいね。その機会を頂いた時は自分もまた頑張ります。
伝えたい事は他にもあるのですが、本体からでは肝心な事が伝わらないかもしれませんね。ごめんなさい。お忙しいでしょうが、お体にお気をつけて。またお会い出来る日を楽しみにしています。ありがとうございました。)
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