主 2013-06-22 18:50:00 |
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そうは言ってねぇよ。要はお嬢特有のとっつきにくい雰囲気が無いから変に気を遣わなくて済むって事だ。…誉めてやってんだよ、これでも。
(内装に関する感想、特に相手が言う“可愛い”という女性らしい感覚はいまいちピンと来なかったものの、何処となく楽しげな相手に軽く笑み掛ける事で相槌を打つと案内されたテーブルへと向かい。相手が席に着けば手にしていた鞄を一旦相手に戻し己も着席し。先程の件に関し少々上から目線に返してはクスリと笑い、広げたメニューを相手の前に差し出して)
そう?それならいいんだけどー。
(上から目線の相手の言葉も以前なら恐らく過剰に怖がっていただろうが今となってはからかいの類いだということ以外の過去のような感情はなく、それに軽く応えると受け取った鞄を膝に置いて。差し出されたメニューを相手にも見えるように軽く立てながら少しテーブルに乗り出すと「此処、飲み物もお菓子も種類多いね。ちょっと迷っちゃうな、上原君は何にする?」とそちらをちらりと窺いながら話しかけると女性でなくても惹かれる美しいお菓子の数々に目を輝かせメニューに見いっていて。)
珈琲。……と、極力甘くない物。
(数あるデザートに目移りしているのかすっかりメニューに見入っている相手を微笑ましげな表情で見つめており。ふと何にするかと訊かれれば直ぐに決定した飲み物の方はほぼ即答するも、元々此方のカフェは女性に受けが良く、相手も嫌いではないだろうという理由で選んだ故に自分用のデザートの事など全く頭に無く。少し思案するような仕草を見せた後曖昧な答えを口にしては、己よりはデザートに詳しいだろう相手に意見を求めるような表情で見つめ)
んー、なら上原君はスコーンとかがいいかな?これならそんなに甘くないと思うよ。
(相手の注文に小さな唸り声を漏らしながら暫くの間考え込むと、メニューの中々目立つところに書かれた焼きたてを謳うスコーンを指差して。それからその指を移動させ「私はアイスミルクティーと…このショートケーキにしようかな。」とそれぞれを順に指差し。小振りな丸型のスポンジを純白の生クリームと甘そうな真っ赤な苺で飾ったそのケーキの写真を待ちきれないというように軽く指先でなぞって。)
じゃあそれで。…そういやお前、俺の誘いに応じたって事はフリーだと解釈していいんだよな?
(相手が選んでくれた物に迷いなく決め、相手も決まった事を確認すれば近くの店員を呼びオーダーを済ませ。視線を相手へと戻すと、テーブル上の水の入ったグラスを手にし口にしながら今更ではあるが恋人の有無を確認しておき)
…?フリーって、何が?
(まさか相手から恋人の有無など聞かれるとは思っておらずそのせいかフリーとの言葉が何の意味を成すか合点しなかったのか、暫くきょとんとした表情のまま考え込むものの結局分からなかったらしく本気でその意味を理解できないまま緩く首をかしげ聞き返して。身も仕草も女らしくしたもののこういうことにはやはり相手とは同性、という意識が植え込まれているのか、言葉を発したあとも暫し考えてみるもののやはり予定が"フリー"だとか、習い事かなにかが"フリー"だとか、その程度しか思い付くことができず。)
だから男が居るのか居ねぇのかって話だよ。…まぁ居たところで大した問題じゃねぇが。
(触れて欲しくない内容に惚けているのか、はたまた何の事やら本気でわかっていないのか。きょとんとした表情で首傾げながら返す相手に突っ込みでも入れるように幾分早口で返し。優しくしたい思いはあっても元々の自己中とも言える性格も存在するようで、受け取り方によっては穏やかではない発言を残しながらグラスを戻し)
…え、それ…は…その、どういう…。
(さすがにそれだけはっきりと意味を伝えられればきちんと理解までに大分時間が掛かったもののその意味を把握し。しかしそれだけではない、続けられた相手の言葉に思わずびくりと指先を震わせながら驚いたように目を見開くと酷く動揺しているのか視線をゆらゆらと泳がせ。まさか、まさかこの男は目の前の架空の妹の皮を被った自分にそんな恋情を抱いているのかと、はっきりは言わなかったもののこれだけ言われれば明らかにそうだと察せてしまいそのことにどうしようと困惑するとともに男からだが初めて向けられたそのての言葉に困ったように眉を下げながらぶわわっと顔を真っ赤に染めてしまって。)
言葉通りの意味だよ。今日呼び出された理由に察しはついただろうが…更によくわかるように説明してやろうか?さっきの質問に答えて貰うのが先だけどな。
(まだわからないのかと言いたげな視線を向けていたが、動揺を態度で示した上で一瞬にして顔を紅潮させる様子から大方察したのだろうと解釈し。相手の困惑したような表情は本来持つ性質の一部を見事に刺激し、兄を脅す時のような威圧感はないものの意地悪そうに口角を上げテーブルに身を乗り出すと、顔を近付けて更に困らせるような発言をして)
ッ、ぅ…い、な…そんな、の…っ!
(色恋沙汰に疎かったせいもありこういうときどんな表情をしていいのか分からずただただ困ったように俯くことしか出来ず、近付いた相手の顔など見れないまま妹の棗としての表情かはたまた元の椿としての表情かも分からないまま複雑そうな表情で唇を噛み。ここで普通に居ると応えればこんな可笑しな関係に終止符を打てたかもしれないというのに、テンパるあまりなにも考えずいない、と答えると耳まで真っ赤にしながらぷるぷると小さく震えていて。)
なら好都合だな。――取り敢えず食えよ。そんなに緊張してたら味覚も狂うだろ。
(恋人が居ても居なくても目的を変えるつもりはなかったが、邪魔者は居ないに越した事はないとニヤリと笑み浮かべ。色恋沙汰には余り免疫がないのか、それ程大した言動をとっていないにも関わらず此処まで純粋な反応をする相手が新鮮で、もっと苛めてやろうかと企むも相手の味方をするようなタイミングでメニューが運ばれて来て。紅潮しながら震える相手にクスリと笑みを向け、緊張を解くように軽く額を小突いてやれば姿勢を元に戻し、取り敢えずは食べるように勧めて)
ッう、ん…じゃあ、食べよっか…。
(額を小突かれた衝撃により額を手で押さえながら漸く顔をあげると少し気まずそうに視線を反らしたままこくりと頷き。いいタイミングに運ばれてきたメニューに感謝しもそ、とケーキを一口含むと口の中に言葉にし得ないほどの美味しさがふわっと広がり。「…おいしい。」とそこで漸く柔らかな笑みを取り戻すと少しだけ目を伏せケーキを見つめたまままた一口、一口とどんどん食べ始めて。)
(ケーキを口に運んだ際の相手の笑顔を目にしては此方も自然に頬が緩み。取り敢えずスコーンを一つ摘まみ備えのジャム等つけないまま口にしては、もう十分なのか皿ごとそちらに差し出し「こっちも食えよ」と笑み掛けて)
お前、兄弟は椿だけか?
(せめて相手が食べている間は会話を選ぶ事に努めようとしているのか、珈琲を口にしながら素朴な疑問を投げ掛けて)
え、いいの?…でも、なんか悪いような…。
(差し出された皿を見て唇についていた生クリームをぺろりと舐めながら顔をあげると実際嬉しいのか瞳は嬉々とした色をしているものの、ひとつしか食べていない相手から貰うことに少々の罪悪感のようなものがあるのか遠慮と躊躇いで中々手が出せずにいて。)
うん、お兄ちゃんだけ。他にも親戚のお兄ちゃんお姉ちゃんは居るけど、兄弟は椿お兄ちゃんだけだよ。
(持っていたフォークを皿に置きながら説明を始めると、実際は妹など居らず兄として紹介した人物が自分であるというのにこうしてさらりと嘘を教えることに少しだけ罪悪感が出始めて。そんな思いを誤魔化すように聞かれてもいない親戚の話を交えるとこれ以上この話を続けたくないために置いていたフォークを手に取り大きな苺をそれで刺すと口一杯にそれを頬張って。)
元々洋菓子は余り得意じゃねぇからな。食べて貰えると助かる。
(相手の目を見れば悪い気はしていない事が分かるもやはり何処か遠慮がちな様子でもあり、少しでも遠慮を払うような物言いをし。唇を嘗めた後もまだ少しクリームが付いている事に気付くと、クスリと笑みを溢しながら手を伸ばし相手の口許に残ったクリームを指で拭い、その指を舐めて)
…可愛がって貰ってそうだな。お前を独占出来る椿が羨ましいよ。
(相手がそんな思いを抱えているとは知る由もなく、苺を頬張る様子を微笑ましげに見詰めながら話を聞いている内に素直な気持ちをぽつりと洩らし)
ッ、な!?っい、ま…ッ!
(不意に伸ばされた指に驚き動きを止めているとそのまま唇から生クリームを拭い取り、自然な仕草でそれを舐める相手に"べ、ベッタベタだ!つかクサい、何処の少女漫画だよ!?"などと心の中で散々馬鹿にしながらもそんなベタな行動に酷く恥ずかしくなり真っ赤になってしまう自分もいて。暫く困惑の声を漏らしたのち、この恥ずかしさを塗り潰さんとするように「わ、かった…じゃあ、貰う…ね…」と呟き皿を受け取ると食べ終わったケーキの皿をよせスコーンの皿を目の前に置いて。)
…ん、まあ…ね…お兄ちゃんには良く構ってもらってる、かな…。
(生クリームの騒動で熱くなった顔を冷やすようにアイスミルクティーをごくりと飲むとこの嘘をついている罪悪感のようなものから少しだけ口数が少なくなり。勿論相手には悟られないように軽く作り笑顔で微笑んで見せるのは忘れずにするものの、全てを隠し通すことは出来なかったのか僅かに困ったように眉を下げていて。)
(相手がそのような心境だとは露知らず、また己の行動がベタだという自覚もないのか何か言いたげな相手を涼しげな表情で見つめるも、素直に皿を引く様子に何処か満足げに笑んで)
椿の事はまだよく知らねぇが…面白そうな奴だな。割とすぐ熱くなるタイプに見える。
(心なしか相手の笑顔に陰りを感じるものの敢えて追及はせず。浅い期間ではあるが今まで接した中での兄の印象をからかい甲斐があるとでも言いたげに述べてはふっと思い出したように笑いながら珈琲が入ったカップを口元に運び)
そう、かな…熱くなるっていうのは正しいけど、どっちかって言うと怒りやすいっていう方がぴんとくるかな?
(スコーンに手を伸ばしそのままもそもそと塊にかぶり付き少しずつ食しながら相手の言葉を聞き。自分のことを他人に話されるのも正直照れ臭いものがあるというのにそれほど悪くはない相手の評価とその表情を目にするとつられるようにふにゃりと表情を緩ませ。しかしほのかに感じる照れ臭さに怒りやすい、との言葉を付け加えるとくすくすと口許に軽く手をあてながら笑みを浮かべてみせて。)
似たようなもんだろ。お前に会えない時はあいつを弄って遊んでるよ。
(“怒りやすい”との妹目線での印象に頷ける場面が幾つかあり、窓の外に視線を移しながら可笑しそうに笑って。視線を相手へと戻すと恰もまた会う事が決定しているかのような物言いをしながら悪戯っぽい笑みを浮かべてみせ)
ッや、だめ!
(相手の台詞を聞いた途端、相手の言う意味がからかうような意味合いだとは分かっていたはずだというのに何故か先程の生クリームのやり取りを椿としての自分と相手とが交わす、そんな情景が目に浮かび。そんな想像に顔が熱くなる感覚お覚えてかっとなったように思わずがたりと椅子を押し下げて立ち上がり大声で拒否を口にしてしまい。周りの人々のざわざわと囁く声にすぐにはっと気付きゆっくりと椅子に座り直すと「…ご、めんなさい…いきなり大声出しちゃって…。」と呟き、自身で口を封じるようにアイスミルクティーのコップに入ったストローを口にして。)
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