主 2013-06-22 18:50:00 |
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――え、や…うそ、和瑳…?
(ぐらりと傾いた自分の身体を支える力強い腕の感触、それが相手のものだとは理解したものの混乱した頭ではその腕に掴まることもましてやその支えを利用して体勢を立て直すこともできず、段に下ろされたと同時に力が抜けてしまったかのようにその場にしゃがみ込むとふっと自分側に差していた影が消えたのを感じ。そのことで漸く顔を上げれば隣に居たはずの相手はおらず、大きな塊が何度も何かにぶつかるような鈍い音と共に階段を転げるものが視界の隅に移り。それが相手だと理解するのにどれくらい掛かっただろうか、短く繰り返す自分の呼吸音がいやに大きく響く中階段下まで転げていった相手に空気が漏れ出るようなか細い声で名を呼ぶとまだ思うように動かない体を支える様に手すりにつかまりながら階段を下りていき。徐々に人だかりが出来ていく中、階段下に横たわる相手の傍にへたり込み相手の身体を僅かに揺すると今更冴えてきた頭に様々な不安が過って。「和瑳…かず、さ…?…なあ…和瑳…。」ただ彼の身体を揺すり、呼びかけることしかできない自分を見かねたのだろうか、傍で誰かが救急車を呼ぶ電話を掛けている中ぼんやりと呆けた表情のままぼたりと大粒の涙を零すものの、これ以上の行動を起こすことも出来ないままその場に座り込んでいて。)
(/一先ずこのまま飛ばすにしても、最後の一言とばかりに和瑳くんが何か行動するにも大丈夫だろう感じでレスさせて頂きました。何か記憶喪失の前にやっておきたいことなどありましたらどうぞ、特になければさっくり冬まで時間を飛ばして頂いて構いません。ではでは和瑳くん記憶喪失編(←/楽しんでいきましょう^^)
――……っ、……ぅ…、
(最後の衝撃を受けた後、ゆっくりと瞳を開ければ目の前には空が広がり、こめかみの辺りから耳にかけて生暖かいものが伝う感覚がして。転がり落ちた際胸部でも打ったのだろうか、押し潰されたような圧迫感と痛みで呼吸が上手く出来ない。辛うじて繋いでいる意識の中、周囲のざわめきに混じり己の名を呼ぶ聞き慣れた声を頼りにゆっくりと顔を向け。ぼんやりと視界に映るのは、つい先程までデートを楽しんでいた愛しい恋人の姿。顔を蒼白とさせ呆然とした様子でただ己の名を呼び力なく揺すり続け。惹かれて止まないその瞳から大粒の涙が零れ落ちれば、一体何度泣かせて来ただろうかと、狂おしい程の愛しさと切なさで尚更胸が押し潰されそうになり。痛む腕は辛うじて動き、ゆっくりと手を伸ばし震える指先で頬に触れ。
──…なぁ、泣くな。笑えよ…椿…。
言葉を掛けようとするも、僅かに唇が動くだけでそれが声となって彼の耳に届く事はなく。やがて次第に閉ざされていく瞳に相手の姿を焼き付けながら意識を手放して)
(/どちらにも繋げやすくして下さって有難うございます。あのまま飛ばす事はやはり自分には無理でした(笑)
さて…ここから椿君には暫し辛い思いをさせてしまいますが、上原は上原で椿くんを思い出すまでの間苦しませておきますので。←
次の場面はそちらがお好きな場面からで結構です。また何かあれば相談しながら楽しんでいきましょうb)
――…ああ、ほんとだ。もうこんな季節なんだな。
(相手が歩道橋から落ちたあの日、自分が何も出来ないままその場に到着した救急車に乗せられ運ばれていく相手を見送る事しか出来なかったあの日から月日は過ぎ、窓の外を見ればとうとう小雪がちらつく季節となっていて。雪に声をあげるクラスメートを他所に自分が相手の病室にすら赴けないまま過ぎていった時間の流れを突きつけるようなそれに小さく呟きを漏らせば思わず窓から目を背けて。あの日から相手は学校に来ておらず、クラスに確認を取りに行っても入院しているという噂程度の情報しかえられない状態で相手のいない学校で過ごしており。恐らく運ばれた病院には目星もついているし、その場に行って看護師に事情を話せば相手の元へ行くのはきっと容易かっただろう。しかしそれが出来ないのは恋人が自分のせいで怪我を負ったという罪悪感、傷ついた相手を前にして何もできなかった自分へのやるせなさからどうしても赴くことは出来ず。慣れたくもないのに相手の居ない学校での生活への違和感が徐々に薄れてしまっている中、小さく溜息をつきながら立ち上がると沈んだ気持ちをどうにか紛らわせようとおもむろに教室を離れ、廊下を当てもなく歩き始め。)
(/早速冬の場面まで飛ばさせて頂きました。いえいえ、辛い思いも上原君との思いを深め合う手段であればなんのそのですよ!(←/
では引き続きよろしくお願いいたします。本体はこれにて一旦引っ込ませて頂きますね^^)
――邪魔だ、退け。
(退屈な授業が終了した途端に騒がしくなる教室。窓の外ではいつの間にか雪がちらつき始め、はしゃぎ出す生徒達が尚更煩わしく感じられる。静かな場所を求めて廊下に出れば、そこでも固まってくっちゃべる生徒達。よくもまあそんなに話す事があるものだとある意味感心しながら通路を塞ぐそれらに冷たく一言放ち。そそくさと逃げるように道を開けながらもちらちらと此方を気にする生徒達に煩わしそうに舌打ちすれば、また歩みを進めて。─…久々に訪れた学校は酷くつまらない印象を与えた。気が付くと病室のベッドの上にいた自分にそれまでの記憶が無く、目覚めた当時は全身を襲う痛みに堪えるのが精一杯で、自分自身に関する記憶さえ定かではなかった。ある秋の日歩道橋から転落したらしいが、事故当時誰と居たのか、何処へ向かう途中だったのかさえ思い出せず。後から聞かされたのは髪の長い女と一緒だったという事、しかしその女とどんな関係だったかさえ分からない。思い出そうとする度襲い来る頭痛に、いつしか考える事を放棄するようになってしまっていた。人を避けるように自然と足が向かった先は屋上。この天候と寒さでは他の生徒がいる筈もなく、漸く一人になれた解放感からゆっくりと息を吐き出すと、曇り空から舞い落ちる雪をただ見つめて)
――かず、さ…?
(廊下を歩けども行き場など見つからず、結局相手がよく訪れていた屋上に足が向いてしまい。相手のいない屋上など行っても意味などないというのに、それでも無意識に向かってしまうのは罪悪感からか今もくすぶり続ける恋心故か、相手はもしかしたらもう自分などどうでもいいかもしれないのにそんな自問自答を繰り返しながら屋上へ繋がる重たい扉を押し開いて。冷たい風と共に吹き込んでくる雪に思わず目を細めた先に見えた人影、こんな時期に屋上に訪れる奇特な人間が自分以外にも居たのかと目を凝らしてみれば、その姿が自分が散々心に浮かべていた彼だと分かり。具合は良くなったのか、いつから学校に来ていたのか、自分のことを怒っているんじゃないか、今までぐるぐると脳内を回っていた疑問が一気に流れていく中、どくどくと高鳴る鼓動を押さえ歩みを進めると言いたいことはたくさんあるのにどうにも上手く言葉に出来ない唇から零れたような小さな呼びかけを向けて。)
――…誰だ、お前。
(ただぼんやりと舞い落ちる雪を眺めていると、背後で扉が開く重い音がし。そちらに視線をやれば、己を見て何やら驚いたような表情を浮かべ佇む一人の男子生徒。ゆっくりと此方に近付いてくる彼はやがて目の前で止まり。視線が絡む中、形のよい唇から告げられた己の名に、何故だか一瞬胸がきゅっと締まるような不思議な感覚が起こり。しかしそれは直ぐに“何故自分を知っているのか”という疑問に変わり、訝しげに細めた瞳で相手を見据えて。下の名で呼ぶからにはそれなりに親しい間柄だったと考えるのが自然だろうが、下の名で呼ぶ事を許可する程親しかった友人が居たとは考えにくい。以前とは違う、何処か冷たさを感じさせる眼差しで相手を捕えたまま答えを求めて)
…なにそれ、ベタ過ぎて笑えないんだけど。
(やっと会えた最愛の人、その口から零れた言葉に一瞬はあの事故のことを怒っているから出た冗談か何かかとも思ったがいくら怒りを抱えていても相手がそんな冗談を口にするとは到底思えず、すぐには理解できずともその言葉から相手の今の状況を何となく推測してしまい。冷たい視線に喉の奥の辺りがつんと痛むのを感じながら、相手までは到底聞こえない様な掠れた小さな声で言葉を漏らすと上手く動かない表情をどうにか口角を上げることで笑みに近いものにすればゆっくりと相手の方に歩み寄っていき。「俺は原田椿、お前とは別のクラスだけど時々遊んだりしてたんだよね。えっと…記憶喪失?とか、って認識で合ってんのかな?お前事故に遭ったってだけは聞いてたんだけど。」あくまで自然に、心配以外の感情を悟られない様に、今までにないくらいどくどくと脈打つ鼓動を抑えながらまるでただの友人同士のように相手にだめ押しの確認を問えば、相手の視線から逃げる様に目を逸らしたまま唾を飲み下して。)
原田……椿…。…知らねぇな。
(相手の唇から紡がれた名を繰り返し口にした瞬間ズキリと襲う頭痛に僅かに眉をしかめ。しかしその痛みは一瞬で、名前の響きを頼りに記憶を引き出そうとするも無駄に終わり、小さく首を傾げながら感情のない声音で返し。大抵の連中は関わりたくないのだろう避けるように過ぎていくが、記憶を失った事を知り面白がって近付いてくる奴等もいた。見るからに問題児そのものであるあの連中と、目の前で気まずそうに視線を逸らしている相手とではタイプが違うものの、自分達が友人関係にあったという話も信憑性に欠ける。ならば相手も奴等と同じく興味本意やら冷やかしでの接触なのだろうが。己を拒むかのように逸らされたままの瞳がやけに不愉快で、退屈な学校と鬱陶しい連中の間に生じた苛立ちも相俟り、目の前の相手で憂さ晴らしをしてやろうかという思いに駈られ、すっと瞳を細め。一歩距離を詰めては“こっちを見ろ”とばかりに胸ぐらを乱暴に掴み、嘲るような瞳で見据え言葉を放ち)
…なあ、どうせお前も面白がってるんだろ?記憶喪失の奴と接触する機会なんざそうそうねぇからな。何が聞きてぇのか言ってみろよ。
…そっか。やっぱ、そんなもんか。…そっか。
(そうかもしれないと、前もって自分で予測していたにも関わらず相手の口から零れた"知らない"の一言が胸に重く響き、思わず震えそうになる吐息を堪えゆっくりと息を吐き出しながら自分を納得させるように声を漏らし。二人だけの秘密ということは誰にも知られない優越感を得る代償にその関係が酷く脆くなるもの、口外出来ない関係を結んだ時点でその繋がりの希薄さ位分かっていたはずなのにいざ今の状況に立たされると頭はちゃんと回っているはずなのに心がついていかず、呟きを漏らしたきり動かなくなっていた体を乱暴に揺さぶる手に漸くはっと気づき。もう優しい相手の手しか、出会ったばかりの頃の粗暴な扱いなど思い出せない程染みついた記憶すら壊していくような荒い手つきで胸倉をつかまれれば自然と相手と目を合わせることとなり。恋の甘さも愛情の熱も感じない相手の瞳に思わず息を飲んでから今にも泣きだしてしまいそうなほど震える心を静め胸倉をつかむ相手の手にそっと片手を重ねると最後の問いを口にして。)
――棗、は…棗のことも、覚えてないのか…?
――…だから知らねぇっつってんだろうが。自分の事すらまともに分からなかったのに、他人なんか覚えてる筈がねぇんだよ。
(乱暴に掴みあげた相手と漸く絡んだ視線に心臓がドクンと鳴る。今にも泣き出しそうな脆さと、何かに必死に堪えるような強さが混合する瞳に惹き付けられるような感覚に言葉に詰まり。己の手に重ねられた掌の温もりが何処か懐かしく感じられ、切なさに似た何かが胸の奥でざわざわとし、妙に落ち着かなくなる。正体不明の感情に覚える苛つきが目の前の相手を冷たく突き放すような言葉へと変わるも、緩やかにだがはっきりと鼓動を刻む心臓が目の前の彼との何かしら関係があった事を物語っており。─“棗”、その名にやはり覚えがないものの、何故か知りたくなる、知らなくてはいけない、そんな感覚を呼び。しかしそれが“棗”という人物に対してなのか、“目の前の彼”に関してなのかさえわからず、再びズキンズキンと痛みを繰り出す頭を片手で抱えては、「…っ、離せ…!」重ねられた手をわけもわからず乱暴に振り払うしかなくて)
ッそう、だよな…うん、ごめん。…病み上がりにちょっかい出して悪かったな。
(記憶を失っていてももしかしたら自分のことは忘れないでいてくれたら、そんなエゴにまみれた願望が叶うはずもなく無情にも言い渡された答えに頭を整理している暇もなく乱暴に手を払われるとその粗雑な扱いよりも痛みに頭を押さえる相手の方が気になってしまい思わず手を差し伸べようとし。しかし自分が相手が記憶を失った原因であること、もう恋人同士でもただの友人同士ですらないこと、乱暴に手を払われてしまったこと、その全てが相手に手を差し伸べることを邪魔し、少しだけ宙をさまよわせた後差し出しかけた手を引っ込めると困ったような、寂しいような、何とも言えない笑みを浮かべながら言葉を掛けて。もし目の前の彼の頭痛が自分だとしたら、自分との思い出を思い出すことを彼自身が拒否しているのだとしたら、そう考えればこの場に我が物顔でとどまり続けていられるはずもなく。小さな声で相手に謝罪を口にしてからそっと相手の元を離れると震える体をなんとかいなすように奥歯を噛み締め、掌に爪痕が残りそうなほど拳を握りしめながらゆっくりと歩き出せば屋上を後にしようと扉の方へと向かって。)
(/一先ず記憶喪失後の出会いとして話を進めさせて頂きましたが、この後は引き留めるなりそのまま退出させるなり上原様のお好きなように勧めて下さって構いません。この場面の後はそろそろ傷心の原田に菅野くんを投下しようかな、と思っていたのですがもし上原様の負担にならなければ軽いロルでいいので菅野くんの操作をお任せ出来たら、と考えています。というのも落ち込んでいる自分を自分が操る当て馬さんに慰めてもらう、という自慰的行為に何だか抵抗感があり…登場させるかはまた話し合いを経てから、となると思いますが仮に茂庭ちゃんを再登場させるのであればそちらは私が操作させて頂こうと思います。
あくまで余裕があればのお願いですので、難しければ菅野くんも此方で操作させて頂きます!ご返答お待ちしております^^)
…待……て、よ…。
(ズキンズキンと脈打つ痛みに堪えながら頭を抱える己の耳元に届く声は悲しみと寂しさを帯びているようで、何故だか此方まで苦しくなり。己から離れていく気配を感じればズキリと切なく胸が痛む気がして引き止めようと口を開くも、掠れたその声が相手に届く事はなく。自分でもよくわからない感情に心を揺さぶられながら、痛みによる軽い目眩で歪む視界の中、去り行く相手の背を見つめ立ち尽くし)
(/記憶喪失後の再会という事で、一先ずこの辺でとどめておく事にしました。菅野くんの操作については上原と共に上手く回していけるか自信はありませんが、椿くん本体様のご協力を得ながら出来るだけやってみますね!
ちなみに菅野くんの雰囲気というか話し方というか椿くんへの接し方的なもので希望というかイメージはありますか?簡単なロルを回すにも、もしそちらのイメージ等あれば大きく崩してしまっても申し訳ないなと思いまして…特になければないで結構です。
茂庭ちゃんですが、棗と混合している…という事でしたので、もし登場するならあの日自分と一緒に居た(恋人関係にあった)のは茂庭ちゃんかもしれない、もしくは茂庭ちゃんだと思い込んでいた方がいいのでしょうか?仮にそうだとしても上原は椿くんに対する感情を茂庭ちゃんに持つ事はないので、“何か違う”と疑問を抱くわけですが。
取り敢えず菅野くんに関しては椿くんとの絡みを目撃する事になると思うので、そんな二人を見て芽生える嫉妬が次第に独占欲に変わり、やがて記憶を取り戻すきっかけになればと思います(笑)
次の場面は合わせますのでご自由にどうぞ!)
――…ま、来たってなんも変わんないことくらい分かってるんだけどな。
(何度も夢かと思いたかったあの邂逅から数日後、学校も終わり特に用事のない中向かった先は相手と最後の"恋人同士"をしたあの歩道橋で。自分と相手とが時折共に過ごしていたことを知っていたひとりである菅野の同行を許してしまったのはこの場に一人で戻る勇気がなかったからかはたまた誰でもいいから慰めを施してくれる相手が欲しかったからか、どちらにせよ自分勝手な理由で友情から同行を願い出た彼を利用する形で共にこの場へと訪れ。階段の一番上に立ち、眼下を眺めながらそっと手すりを撫でると分かっていたというのに自ら傷を抉るような行為をしてしまったことによる痛みが胸に走り。後悔も悲しみもない交ぜになったような仄暗い思いに表情を浮かべることも出来ず独り言のような言葉を零し。しかし折角親切心から同行してくれた菅野を困らせるのは本望ではなく、どうにかぎこちないながらも笑みを浮かべると自分の背後に立っていた彼に目を向けて。)
…悪い、ちょっと被害者面してたかも。俺がこんなとこでふざけて上原巻き込んだのに、こんなの可笑しいよな。
(/菅野の操作の方引き受けて下さりありがとうございます!菅野に関して特にイメージしているものはありませんでしたが、強いて希望を言うなら茂庭ちゃんのような適度なしたたかさがある子だと嬉しいですかね。とは言え大したイメージは前述のとおりありませんから、上原様の動かしやすい子にしていただければ幸いです^^
そうですね、茂庭ちゃんに関してはそのように認識していて下されば有難いです。茂庭ちゃんは悪い子ではなくとも必要とあらばぐいぐい押していくような、気持ちの強い女の子をイメージして操作させて頂いていますので、和瑳くんの思い違いにも便乗していく所存です(笑)
一先ず場面は記憶喪失の和瑳くんとの顔合わせから少し経ったくらいの放課後にさせて頂きました。その間は原田の方から和瑳くんを避けてしまっていた、という感じが妥当でしょうかね。早速菅野くんを試験的に(?)投入してみましたので、操作してみて頂けますでしょうか?よろしくお願いいたします^^)
((夕日に染まった空の下、事故現場になったという歩道橋から眼下を眺める友人の背中をただ黙って見ていた。普段通りを努めながら語る彼の背はいつもより小さく見え、悲しみと寂しさを含んだその声は自分自身を責めているかのように響き、正直どう声を掛けていいかわからず一度視線を外して。慰めればきっと、心配かけないようにと笑ってくれるだろう。けれどどんな言葉を掛けたところで現状が変わらない限り、彼の心が晴れる事はきっとない。そんな事がぐるぐると頭の中を巡り言葉を掛ける事を躊躇わせていたが、此方を振り返り儚げに笑む彼に救いを求められている気がして――))
『――…ま、被害者面したくなるのも無理ないんじゃん?そうでもしなきゃお前ぶっ壊れるよ。…全部忘れちまったんだもんな……恋人であるお前の事まで。』
((そんな彼を受け入れるように瞳を細めてふ、と柔らかく笑みを返せば、数歩前に出て隣に並び。手摺に腕を置き少し凭れる体勢になると相手からゆっくり外した視線をそのまま前方に投げ。遠くを眺めるようにしながら、まずは同情するような言葉を掛けて))
(/二人が一緒に居る所を上原が目撃する形で二人分のロルを回そうと考えていたのですが、思いの外菅野くんが長くなってしまったので、上原は一回休みにしました。←
菅野くんについてちょっと確認したいのですが、この菅野くんはあくまで友人として椿くんを心配し慰めるような形でいいのでしょうか?それとも密かに椿くんに想いがある状態で接するのでしょうか?前者かと思ってはいるのですが、自分が操作すると菅野くんに別の感情まで含まれてしまいそうで、友情なら友情ではっきり線引きしておかないと(自分が/笑)まずいと思いました…いや、今回のような余計な描写を付けなきゃいい話なんですが(笑)
あと、菅野くんは椿くんをどう呼んでいるのかなと。仲がいいから下の名前かと思ったのですが、椿くんが名字で呼んでいたので…今後使うかどうかわかりませんが、参考までに確認させて頂きました。菅野くんは簡単なロルでいいとの事でしたのて、次からは上原と交えながら上手く回せていけたらと思うのですが、何ゆえ未熟なもので分かりにくくご迷惑かけるかと思います。すみませんorz)
(/読み返してみたら誤字だらけで申し訳ないです…!何ゆえ未熟、ではなく何分未熟、ですorz
それから今後の茂庭ちゃんについては了解です!菅野くんも茂庭ちゃんのようにしたたかさがある子に出来たら…と思っていますが、何やら既視感ある口調になってしまったような…すみません。ご希望等ありましたらその都度お願いしますね^^)
あはは…ぶっちゃけ、恋人になれたってことの方が夢だったんじゃないかとか思っちゃいそうだわ。――でも、きっとその方が幸せだったんだろうなとも思うんだよな。元々がイレギュラーだったんだし。
(普通であれば友達から"男と付き合っている"なんて打ち明けられれば引いたり嫌悪したするものを、そんな風に対応することもなくむしろ今のように自分を慰めてさえくれる友人に恵まれたことに心から感謝しながら乾いた笑い声を漏らした後、少しだけ視線を落として言葉を返し。そもそも付き合っていられたということが普通に考えれば可笑しなことだったわけで、そんな幸せに甘えてしまっていた自分を再認識すると諦めたようなセリフと共に思わず眉を寄せ困った表情を浮かべ。「――もう、俺も忘れちゃった方がいいのかもな。…ッよし!菅野、驕ってやるから飯付き合えよ。」冗談を吹かすように、しかしどこか現実味の覗く言葉を相手に呟いてからそっと唇を噛み締めるとゆっくり階段を下っていき。何か食べて忘れる、そんなことがこの場合も効果を発揮するとは自分自身思ってはいないがそれでも何かしなければこのまま沈んだままなような気がして、階段を降りたことで少し目線より上になった相手を見上げながら夕飯に誘うとにっと笑みを浮かべて見せて。)
(/そうですね…菅野くんの感情についてはそれこそ熱烈に想ってくれる、なんてものは違うと思っているのですがきちんとは考えていませんでした;;正直そんなにごろごろ同性愛者が居るというのもどうなんだろうとも思いますが、恋に恋するようなあくまで茂庭さんよりももっと淡い程度の想いならお話のスパイス程度に収められて良いのでは、と考えています。しかしここは操作をお任せしました上原様のやりやすい形を優先して下さって構いませんよ^^
呼び名に関してはやはり苗字呼びが妥当かなと思います。名前呼びというのに個人的には強い思い入れがありますし、なにより男子高校生位の年齢なら友人は苗字呼びが比較的自然かと思います。
菅野くんの操作等、我儘を聞いて頂いて本当にありがとうございます!こちらこそまだまだ未熟な面の多いロルかとは思いますが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。)
『おう!今日は飯でも何でも付き合ってやるよ。』
((冗談や諦めを織り交ぜながら呟く彼の横顔はやはり何処か辛そうで、どうする事が最善策なのかわからず、肯定も否定も出来ぬまま再び視線を前へと戻し。何となくもやもやとした感情が胸に残るまま、階段を降りていく彼に続きその場を離れ。やがて向けられたいつも通りの笑みに此方もにっと笑い返しながら快く誘いに乗れば隣へと歩み寄り。「飯のお礼に胸くらい貸してやってもいいんだぜ?」少しばかり雑に頭をわしゃわしゃと撫でるように揺らし笑いながら冗談を飛ばせば、元気付けるように背中を叩き))
───
(何となく真っ直ぐ帰宅する気分になれずあてもなくその辺をふらふらと歩く中、気付けばあの歩道橋に向かっていた。事故現場となったあの歩道橋に向かえば何か思い出すだろう、そういったものとは少し違う感覚に誘われるように。事故当時自分と一緒に居たという“髪の長い女”は依然誰なのかはっきりしない。もしも己と親密な関係にあったとすれば、何故接触して来ないのか。記憶を無くした己にもう用はないのかもしれない。以前の己なら、それはそれで構わないと簡単に割り切っただろう。なのに今回ばかりは諦めがつかないのは、思い出さなくてはいけないという直感が、その人物が己にとって大事な存在だったという可能性を示しているからで。伏し目がちだった視線を上げれば歩道橋はもう目の前。じゃれ合いながら此方に向かって来る、己と同じ制服を着た男子生徒達にふと目が向かう。その内の一人、見覚えのあるその顔は先日屋上で話した彼。どういうわけか一瞬ドクンと鼓動が震えたかと思うと、歩む足がゆっくりと止まる。視界に彼を捉えたまま、何故か頭に残っていたその名が自然と唇から零れ)
――…原田…椿…。
(/菅野くんの呼び方や感情の件、了解しました!感情面については展開に添って必要であれば若干変化させていく感じでいこうかなと思っております。此方こそ今後も宜しくお願いします。)
っばぁか、俺ソッチの気とかないから遠慮するわ。どうせなら女の子、に…――ッ!
(彼にしてみれば今の自分との会話など面倒以外の何物でもないはずなのにこうして冗談で自分をどうにか和ませようとしてくれるその気遣いが申し訳ない半分弱った心には有難くて。恋人だった彼のものとは全然違うけれど同じように自分を落ち着かせてくれる頭を撫でる手に聊かくすぐったい思いになりながらも応えて。女の子と、なんて口にしてみたものの今更異性と付き合うなんて出来るのか、そんなことを考えていた最中前の方から聞こえた自分の名を呼ぶ声に顔を上げると、そこに居た相手に思わず言葉をなくし目を見開いて。)
――…菅野、行くぞ。
(あの日あの歩道橋であの事故さえ起きなければきっと今も隣で笑い合っていただろう相手との再会、例の歩道橋からほど近い場だということもあって酷く気まずくて、ふと目を合わせない様に視線を下げてしまい。屋上で再会した時とは違い今は菅野も共にいて、ここで目の前の彼と長く話してしまうのは折角自分を気遣ってついてきてくれた菅野に気まずい雰囲気を強いることとなってしまうと判断し。先ほどまで自分の頭を荒く撫でていた菅野の腕を掴み、小さく声を掛けてからその腕を引いて彼の横を過ぎ去ろうとして。)
――…おい、
(驚いたような表情を向けてくる相手が気まずげに視線を逸らし、己の横をすり抜けようとする瞬間まで彼から少しも目を離せずにいた。擦れ違い様に思わず呼び止めてしまったはのは、“逃げるような態度を取られた事が癪に障った”、単にそれだけでは片付けられない何かが胸の奥でざわめいたからで。それは先日彼と顔を会わせた屋上で彼が去りゆく際感じた、あの切ないような胸の痛みとよく似ていて。衝動的に呼び止めてしまったものの、正体不明の感情を抱えたままではこの場に相応しい言葉を掛けられず、開きかけた口を一度閉ざし。もどかしさからか無意識に拳をぐっと握りつつ、ふと思い浮かんだ疑問を投げ)
お前がこの前言ってた――…、棗…って奴。誰の事だ?俺と関係あんのかよ。
───
『…あ。』
((じゃれ合いながら歩く中、不意に原田の様子の変化に気付き視線を前に向ければ、まさに今話の中心になっている彼が立っており、小さく跳ねる心臓と共に間抜けな声が漏れ。反射的に隣の原田に視線をやれば、やはり気まずいのだろう俯いてしまっていて。一方で、自分の事など目に入らないかのようにずっと原田に視線を定めたままの彼。その場の妙な緊張感に包まれながら視線を交互に二人にやった後、此処は二人きりにすべきだという考えに至って。隣の原田に向かって声を掛けようとした途端、グイと腕を引かれ。『え。あ、ああ…』気の利いた言葉も出ず、立ち尽くす上原の横を引かれるがまま過ぎるが、“本当にいいのか?”という思いが動きを鈍らせ。原田の横顔を見やりながら『なぁ、原―…、』口を開きかけたその時、不意に投げられた声にピタッと足を止め))
――忘れるくらいなんだから、大した関係でもなかったってことだろ。その程度の奴だったなら、今更知り直す必要もないんじゃないの?
(何も考えず、ただ辺りを歩く見知らぬ誰かとすれ違う時のように傍を通り抜ければいいだけ。そう自分に言い聞かせながら数日前まであんなにも恋焦がれていた彼の横を過ぎようとした最中思わぬ呼び止めに体を固くして。振り返る事こそしないもののその場に立ち止まり相手の声に耳を傾ければ、言葉の一つ一つが自分との関係を否定するような問いかけにすうっと頭の中が静かになり。しらばっくれることも、初めて出会ったあの日のように適当に嘘をつくことも考えられないほど静まり返った頭の中で、漸く口に出来た言葉は自分との関係を忘れてしまった相手への冷たい非難を含んだ自虐じみた台詞で。こんなことを口にする自分を関係を知る友人はどう思うだろうか、自分が腕を掴む菅野が余計なことを漏らさぬ様にと掴んでいた腕に力を込めると次第にずきずきと鋭い痛みを訴え始めた胸の辺りを空いた方の片手できつく握りしめながら沈んでいく気持ちを何方にも悟られない様にわざとらしいくらいの笑みで上原の方を振り返って。)
――忘れて、思い出せなくて、人に聞かないと存在を認識できない様な相手なんて…そんな奴、思い出す必要もないだろ。
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