主 2013-06-22 18:50:00 |
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――…ならいい。お前と出会ってからの事を思い返してたら、改めて知っておいて欲しくなった…。
(まるであやすかのような優しい響きで紡がれた言葉に安堵すると、髪を撫でられる心地よさも相まって相手を緩く抱いたまま瞳を閉じ、柔らかな声色で囁くように小さく告げて。そのまま引き寄せられる感覚に瞳を開けるや否や、こめかみ付近に優しく寄せられた唇にまたも胸が甘い切なさに締め付けられ、相手を抱く腕にきゅうっと力が籠り。そちらに顔を傾け相手の瞳を捕えては、溢れんばかりの愛しさに微かに柔らかな笑みを浮かべながら「…好きだ」と囁いて。性的な欲望というよりは純粋に触れたいという、愛しさから生まれる思いに突き動かされるまま距離を縮めれば、軽く唇を重ねて離し、至近距離のまま愛おしそうに見つめ)
…知ってる、俺も好きだよ。
(彼に抱き締めてもらうのはとても好きで、それが肌と肌の密着により更に心地よいものとなり体を包むことに深い安心感を感じていて。しかしそんな温かな触れ合いよりも強い力を持った"好き"の一言はきゅう、と胸が苦しくなる程に嬉しくて思わず涙腺が緩んでしまいそうになり。こんなことくらいで泣くなんて、と感情を抑え未だ僅かに切なげな様子を残しながら彼の言葉に返事を返して。「ッ、ん…っ?」切なさを堪えるようにぐっと奥歯に力を込めると微量ながら体を蝕むアルコールのせいか不意にくらりと目眩がして、背後の彼に体を預けるようにすると目眩が何に作用してのものなのか理解できていないのかぼんやりと視線を揺らしながら少し驚いたように首を傾げて。)
おい、大丈夫か?お前、もう出た方がいいな。流すから寄りかかってろ。
(何処か切なさを帯びた相手の声で愛の言葉を紡がれれば、襲いくる幸福感に細めた瞳を揺らしながら微笑んで。しかし相手の様子の小さな変化に気付くと、相手への気持ちばかり先走りる余り、一時的に忘れてしまっていたアルコールの存在を思い出し、我に返ったように眉を潜め。目眩でもするのか定まらない視線でぼんやりと見詰めてくる相手、早急に出て休ませるべきだと判断しては、己に寄りかからせたまま顔にシャワーがかからないよう注意しながら髪についたままの泡を流し始めて)
…まだ、湯船一緒に入ったりとかしてない、けど…。
(正直完璧に頭から抜けてしまっていたアルコールの効果がまさか今更効いてくるとは思ってもみずやってしまったとばかりに苦笑を浮かべれば、相手の言葉に甘え体を寄り掛からせたまま泡を流してもらい。しかしながらもう上がるとなると先程まで湯船に一緒に入るのか入らないのか、と悶々と悩んだ立場としてはそんなシチュエーションを逃してしまうのが惜しいような気もしてきてしまい。泡が飛ばないようにと相手側になる片目を瞑りながらそちらに軽く視線を向けると悪戯っぽく、若干の期待も込めたような様子でそれを尋ねてみて。)
馬鹿かてめぇは。こんな状態で何言って――……、
(泡を流し終えシャワーを戻すと、悪戯っぽく投げられた言葉に眉を潜めたまま呆れたように言い返すが、何処となくねだるようにも見えるその瞳と視線が絡んだ瞬間言葉を飲み。ほぼ毎日のように顔を合わせているにも関わらず、今でさえ見惚れてしまう程恵まれた容姿を持つ相手は、濡れた髪や肌、アルコールのせいか僅かに潤み揺れる瞳も相俟って何処か妖艶さをも纏っており。ドクンと大きく脈打つ心臓はやがて疼くような感覚を生み、正常に働いていたかと思わせる思考を鈍らせていき。「…っ…、お前が入りてぇなら少しくらいは…」今の相手には良くない事だと頭では理解していながらも誘惑に勝てない己を内心恨み、己の理性をいとも簡単に崩そうとするそこから逃れるようにぱっと視線を外し)
…なにそれ。俺、結構そうう期待してたんだけどなー。
(暫し見つめあったのちに目を逸らし歯切れが悪いながらも許可してくれた彼の様子から、さすがにそろそろ彼が何にほだされて意見を変えたのかくらい想像できてきて。そんな自分の考えが何だかナルシストじみて感じられて思わず苦笑を漏らすものの、彼のその返答がまだ自身として満足のいくものでなかったのか少々彼に悪い気もするがここは自身の見てくれを利用させてもらうことにして。少し拗ねたような風にわざとらしい言葉を口にすると唇を軽く尖らせ、位置関係を利用してちらりと上目気味にそちらに視線を送ると「…お前は、一緒に入りたいとか考えなかった訳?」などと呟いて。)
っ……卑怯だぞてめぇ…。
(拗ねたような声音で可愛らしい事を口にする相手にちらりと視線を戻した瞬間、その表情にドキリと心臓が跳ねる。相手にそのつもりがあってもなくても、その台詞も表情も最早誘惑にしか取れず。純粋に一緒に入る事を願っての事なのか、はたまた小悪魔的な部分が潜在するのか、どちらにしてもこれ程ほだされている相手を前に勝ち目など無く、悔しげに眉を寄せながら何のひねりもない、まさに負け惜しみそのものである台詞を吐いて。二人きりになってからというもの、此方が必死に理性を保っているかくらい相手も理解している筈。それが相手の事を思うからこそだという事も。しかし此方がどれだけ自制を掛けようと目の前の彼が故意に崩そうとしているとすれば。そう仮定した瞬間、積み重なった我慢が徐々に苛立ちへと変わり、普段の荒っぽい部分が顔を出し始めてしまったようで)
――…一緒に風呂っつったら考えて当然だろうが。尤も、入るだけで済むなんざ最初から思ってねぇけどな。…なあ、知らねぇぞ、どうなっても。
(いつの間にか据わっていた瞳で相手を見つめては、濡れた額から頬にかけて撫でるように指を滑らせ、己の唇で柔らかなその下唇を噛みつくように挟み、軽く歯を立てて。次いで上唇を舌先で舐めては至近距離で視線を絡め、「…どう考えてもお前が悪いよな」先程よりも若干低めの声で呟くよう咎め、相手を捕えるように抱き直すと同時に唇を塞いでやり)
ーー……え。
(我慢を強いてしまっている彼に対して非常に不誠実な態度をとっていることは自覚している、それでも愛情を与えられれば与えられるほどもっと欲しいと思ってしまう自らの貪欲な部分に負けこんな言葉を仕掛けてしまった。眉を寄せる相手に流石にやり過ぎたか、と僅かに戸惑いのような感情を感じるものの次に続いた自らが欲していた言葉にやったとばかりに表情を明るくすれば、そこで漸く彼の様子の変化に気付き。)
ッや、ごめんごめん!ほんと、おちょくったみたいになったのは分かってたんだけど…でもこう、ちゃんと言葉で求めて欲しかったっつう、か…ッ!?
(相手の変化に気付いた頃にはもう手遅れで、目の据わってしまった彼が施す唇への愛撫にひくりと口角を震わせると相手を制するように手を出しながら言い訳じみた弁解を試みて。しかしながら実際悪いのは自分であり相手を抑えるのは中々難しいことだろうも分かっていて、それ以上にこうして感情を剥き出しにして自分を求めるような瞳を向けてくる彼に強いいとおしさを感じてしまっていて。「……ッ!」元々形だけの抵抗は酒気を帯びた体では無力に限りなく近く、捕らえるように絡まる相手の腕にどくりと胸を高鳴らせれば近付く唇を遠慮がちながらも受けとめて。)
――…一緒に入りてぇに決まってんだろ。直にお前に触れたい、体中撫で回してきつく抱き締めて、唇塞いで貪りてぇ……そう思ってたよ。
(唇が重なる直前、言い訳のようなものが耳に入るがお構いなしに唇を塞ぎ。噛みつかんばかりの勢いは落とさないながらも施す愛撫には優しさも感じられ。僅かな間交わし合った唇を離すと、熱っぽくも何処か真剣な眼差しで見つめながら欲にまみれた心の内を包み隠さず吐露し。溢れるいとおしさを伝えるように頬や耳元近くへ小さな音を立てながら唇を落とした後、後頭部ごと抱えるようにぎゅっと抱き締め。密着した部分から確実に伝わってしまう程に騒がしく脈打つ鼓動に今更ながら少しの羞恥を感じつつ「……さっさと終わすからちょっと待ってろ」そう断ると、一旦相手を解放し背を向け、未だ洗っていなかった髪などを手早く洗い始め)
…そういうの、聞きたかった。…ふふ、優越感、みたいな。
(勢いこそあれど彼の優しさが顕著に表れた口づけは心地よいものでしかなく、酒気で仄かに潤んだ瞳を細めると濡れた相手の胸板に手をつきながら甘受して。離れる唇に些かの名残惜しさを感じつつも相手と視線を合わせるとその熱っぽい眼差しにどきりと胸を高鳴らせ。続く言葉は自分が大いに求めていた純粋な欲望に満ちたもので、強い愛しさに胸の奥の辺りがぎゅっと痛くなるほどに震えるのを感じれば返事の言葉より早く表情には歓喜の色が帯びていて。相手の言葉から得られた優越感は計り知れないもので、その後もぞくぞくと全身に帯電でもしたような余波を残し。吹っ切った彼に感化されてしまったのかこちらに向けられた背中をじっと見つめた後不意に手を伸ばしていくと、今度は明確な誘惑の意図を持ってか欲に染まりつつある瞳を向けながらつつ、と相手の背中に浮き出た背骨を人差し指でゆっくりとなぞり。)
…ッ!? な……んだよ。少し待ってろ、馬鹿。
(二人では狭い浴槽に入るという事は自然と体が密着する事は言うまでもなく、都合のいい妄想が脳内では目まぐるしく展開されており。逸る気持ちが髪や体を洗う手を自然と速め、高揚感と緊張感が入り混じったような感覚に息苦しささえ感じる中、不意に背中に這う指先の感触にゾクリとし、不覚にも大きく肩を跳ねさせてしまい。そんな失態を晒した事で表情に羞恥を滲ませながら振り向いて。己と同様に欲に染まった瞳と視線が絡まれば、ドクンと心臓の辺りが熱を持ったように熱くなり息を飲む。気を抜けば欲望のまま求めてしまいそうな情動を抑え込むように、泡がついた手で相手の鼻をきゅっと摘まみながら悪戯を咎めるような言葉を向けては、再び背を向けさっさと洗い流してしまい。そのまま無言で立ち上がり湯船に浸かれば「……ほら、来いよ」若干の照れを残しながら、相手を己の前に迎え入れようと腕を伸ばして)
ッ、あ…っちょ、何すんだよ!
(明確な意図を持って行動こそ起こしたものの相手の反応に驚いてしまい同じように小さく肩を跳ねさせると思わず差し出していた指を引っ込めて。動揺から小さな声を漏らしてしまうもののビビってしまったことに対しての気恥ずかしさを感じる間もなく相手の反撃を受ければ、その泡こそ不快だが相手の照れからきた行動に思わず笑みをこぼして。じゃれるような軽い言葉を返しながら鼻についた泡を落とすととうとう訪れた念願のバスタイム(←)にごくりと唾を飲み下し。「…お、邪魔しまー…ッ、うおぁっ!?」何処と無く場違い感のある台詞と共にゆっくりと浴槽に足を踏み入れ流石に初めから密着というのもハードかと考え彼とは反対側に背中を凭れようと体を捻ったその時、焦りや緊張に集中力を欠いていたことが起因してか足を滑らせ湯船にどぼんと沈んでしまい。)
ばっ……何やって…ッ…
(期待と緊張に心臓を煩くさせながら相手を受け入れようと手を伸ばしていたが、浴槽に足を踏み入れた相手は己の思いとは裏腹に向かい合うつもりなのか体を捻り。男二人では少々狭い浴槽に一緒に入るとなれば、密着するように背後から相手を抱く考えしか頭になかった故に不平を述べようとした瞬間、酔いのせいもあったのか足を滑らせた相手が浴槽に派手に沈んでいき。「…おい!大丈夫か!?」突然の事に慌てて体勢を変え相手の体を引き上げては、水を飲んだり頭など打ったりしていないかと、相手を抱えたまま真顔で心配そうに見つめ反応を待ち)
ッげほ!ッ、げ…ごほ…っはあ…。ご、ッめ…だいじょぶ、だから…。
(ごぼごぼと泡立つ視界に肌色がちらついたかと思えばそのままお湯の中から引き揚げられ、少々飲み込んでしまった湯に噎せて咳を繰り返すと反射的に相手にすがるように首に腕を絡めて。一瞬のことだったというのにこのちょっとした事故が大分疲労感を増幅させ、咳が落ち着いてくるとくたりと体を相手に預けてしまい。狭い浴槽だったお蔭で体も打っていなければそれこそ少し噎せただけと大事にはならずに済み、疲れたようなふにゃふにゃとした声で返事を返すと水を含んでしまった髪を鬱陶しげに片手で掻き上げて。「ごめん、なんかこう…恥ずかしいのとか色々、あって…変に考えてたら足滑っちったー…。」前髪を上げ額を出したまま頭を相手の肩に乗せるようにして体の力を抜くと、少し困ったように眉を下げながらふざけ混じりに謝罪を口にして。)
っ…椿てめぇ、焦らせんじゃね――、
(縋りつくようにしながら噎せる相手の背を心配そうに擦っていたが、それ程水を飲まずに済んだのか、冗談混じりの台詞を吐けるだけの余裕があると分かれば安堵の息をつき。一時は極限まで達した緊張が一気に解けたせいもあり、ついつい咎めるような言葉を向けるも、今の状況を改めて認識すれば忽ち別の緊張が己を襲ってきて。反射的にかもしれないが、しっかりと己の首に回された腕のせいで丁度抱き締めやすい位置に相手が居る。己にしがみついているようなその体勢は、甘え縋られているようで己を酷く触発し、身体の芯がぞくりと震えるような感覚がしたかと思うと直ぐ様それは甘い疼きへと変わっていき。「椿…」欲に彩られ始めた瞳を揺らし吐息混じりに名を呼べば、相手の体をぎゅっと抱き締め。こんな事をすれば酔いがある相手は勿論、自分まで逆上せてしまうだろう事を頭で理解はしていても、すぐ傍にあった無防備な首筋に堪え切れない様子で唇を寄せては、舌を添えて軽く吸い付いてしまい)
ッ、な…に、してんの、お前…。
(変に湯を飲み込んだせいで少しだけ痛む喉をそっと指先で押さえながら小さく咳き込んでいると、不意に密着が強まったのを感じ。それから大した間もなく妙に色っぽさを孕んだ声での名前と共に首筋への口付けが贈られ、一瞬にして変わってしまった雰囲気への戸惑いと相手の突然の行動への驚きを口にして。風呂に二人で入っているという時点で元よりシチュエーションは整ってしまっていたがその雰囲気を助長させるように艶を含み始めた相手にそれを再確認させられれば、心構えはしてきたつもりだったもののやはり気恥ずかしさが強くなってしまい。「…か、ずさ…俺…そ、の…。」意味を成さない単語をぽつぽつと漏らしながら自分の今の心境を彼に伝えようとするものの濡れた肌から伝わる相手の温もりにどくどくと脈打つ心臓がそれを阻み、頭の奥が痺れるような感覚に言葉を切らし。恥ずかしいだけで嫌ではなくて、むしろ甘えたいはずなのに上手く行動に移せない、そんな天の邪鬼な自分自身を吹っ切ろうとするように小さく首を振ると、ゆっくりと相手の胸板に体を預けるように力を抜いていき濡れた睫毛を伏せながらお返しとばかりに震える唇をそっと相手の鎖骨辺りに落として。)
……ッ、馬鹿…煽ってんじゃねぇよ。
(首筋から唇を離し見つめれば何か伝えたそうに口を開く相手と視線が合うも、その唇から意味を持つ言葉が発される事はなく。しかしそれは己も同じで、素肌の相手と密着したこの状況下、呼吸さえ苦しく感じられる程に騒がしく脈を繰り返す心臓と、最早崩れかけつつある自制心をどう保つかという事しか考えられない頭では、まともな言葉を発する事すら儘ならなくて。そんな中、不意に鎖骨付近に柔らかな感触を感じると同時にそれが何か理解すれば、戸惑いを含むような控え目なそれに胸の奥が熱を持ち、無性に相手がいとおしく感じ。顔を上げさせ咎めるような言葉を向けるも、彼を捕らえる熱を帯びた眼差しは、何かに堪えるよう切なげに細められており。近付いた距離で見つめつつ、僅かに開いたままの己の唇を相手の唇へと触れさせれば、そのまま啄むような口づけを何度か施した後離し、再び見つめて)
……あんま可愛い事すんじゃねぇよ、頼むから…。
(水気を含んだままの相手の髪に指を入れそのままとくように撫でては、懇願するように告げ。その手を顎付近へと運び、親指をゆっくりと唇へ這わせ軽く抉じ開けようとしながら「じゃねぇと…このまま此処で襲う」冗談にしてしまうには無理があるような真剣さを孕んだ眼差しと声音で忠告し)
ーーこんな状況で、まだそんなこと言うのか…?
(重なりあった唇は湿度の高い浴室にいるからかしっとりと湿っておりそれがまた酷く劣情を煽ってきて。熱く湿った空気がそうさせるのかはたまたこの雰囲気に酔わされてしまっているのか、高鳴る胸は苦しくなるほどに早鐘を打ち喉など乾いていないはずなのに漏れてくる唾液をごくりと飲み下して。此方を気遣ってくれる彼は優しいと思うしそこが彼の良いところだと思う、そもそも彼のこの慎重さは自身が多大に影響しているとも自覚している。しかし身勝手かもしれないが何とか絞り出したyesに限りない答えを再三確認されるのはもどかしさすら感じてしまい、強すぎる羞恥に半ば泣きかけのような情けない表情を浮かべると困ったような言葉に続けて唇に当てられた相手の指を舌で軽く舐めてやり「…いい、から…こういうこと、してんだよ…。」と、呟いて。)
夜は長いんだから焦んなとか何とか、お預け食らわせたのはお前だろうが…。
(柔らかな唇に這わせた親指を舐めてくる相手の艶かしさに魅了されたかの如く何処かぼんやりと見つめながらも、“どれだけ堪えているかお前にわかるか”とでも言いたげに咎めるように告げ。どくどくと高速で刻み続ける鼓動が頭にまで響いて来る気がして、ごくりと唾液を飲み込むと相手の唇から手を外し、そのままゆっくりと唇を重ね。直ぐに唇を浮かすような控えめなキスとはいえ、一度触れ合ってしまえばもう歯止めが利かなくなって。「っ、…もう知るか」相手の体調を気にしながらも投げやりとも取れる言葉を放ち、後頭部に腕を回しグイと引き寄せ。そして唇を重ねたかと思うと直ぐ様角度を変えて更に密着させ、唇を何度も食むような口づけをし)
ッほ、本音と建前!そんくらい察しろ!
(つい先刻自分が口にした言葉で此方を咎める彼の言い分は確かにその通りなのだがそれで折れられるほど素直な性格でもなく、頬をほんのりと上気させ子供がむずがる時のように眉を寄せたまま理不尽な言葉で応酬し。すると不意に唇から相手の手が離れ一瞬思わず寂しげな色を表情に出すものの次の彼の行動に気付くと安心したように眉を下げ、瞼を閉じて口づけを受け止め。程無くして衝動を抑えられなくなったらしい彼に引き寄せられれば余裕のないその仕草すら酷くいとおしくて、何度も唇を啄む相手に合わせて時折ちゅ、と唇に吸い付くと僅かに開いた唇同士の隙間から「ッ、ん…そういう…余裕なくしたとこ、すっごい好き…。」と欲に濡れたような甘い囁き声を漏らして。)
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