ピエロ 2013-06-11 23:57:50 |
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キレイでかわいい。
頭も良くて何でも出来る。
そんなみんなから好かれるお姉ちゃんの事があたしは大好きだったんだ______
『平田さん家の優愛ちゃん明彩高校に入学したんですってー』
『かわいくて頭が良いなんてうらやましい。でも妹さんは似てないわねー』
『君のお姉さんはこれくらい簡単にやってきた。君もお姉さんを見習いなさい』
『ごめん。俺お前の姉ちゃんが好きなんだ』
__________数年前までは。
━━━━━━━━━ ‥…
「 有結ー、早くしないともうバス来るわよ!!!」
「 もー!分かってるってばそんな事」
「ったくそんなに朝が弱いならわざわざ1時間以上もかかる所なんか受けなきゃ良いのに」
平田有結。15歳。
そして"ほらほら早くしないとバス行っちゃうわよー"と言ってるのがお母さん。
「 お母さんかばんかばん」
「 ほら、鞄。あんたも高校生になったんだから少しはお姉ちゃんを見習いなさいよ」
「 有結行ってらっしゃい」
「 …………… 」
今、行ってらっしゃいと声を掛けたのがお姉ちゃん。
プイ、と顔を背けると家を出た。
嫌いなものはお姉ちゃん。
「 バス間に合った…、死ぬかと思った 」
あたしは毎日片道1時間以上もかけてお姉ちゃんの事を知らない人たちがいる高校へ通っている。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄‥
「「「 きゃー!高杉クンカッコ良い! 」」」
放課後の部活はいつも騒ついている。ほら今だって。
部活でカッコ良い同級生が居る。名前は高杉クン。
皆のアイドルとでも言おうか。とてもカッコ良い。
部活はバレーなんだけども。とても上手くて運動神経も良いから大人気なんだ。
密かに私も。私の友達も皆。
「 ちょっと有結!今の高杉クン見たぁあ⁉すごいカッコ良かったぁー! 」
「 見たよ〜、見た見た!!! 」
「 やっぱり何度見てもカッコ良いよねー 」
「 ウチのアイドルだわ 」
仲良しの友達3人とカッコ良い男子とかの話で盛り上がる毎日。
ここはお姉ちゃんとも比べられる事もないし。
まさしくこれ!!これこそがあたしが憧れていた楽しい高校生活!!!
「 そういえばさっき部活前に高杉クンに3組の子が告白してたよー」
「 え⁉ウソー、勇気あるー」
「 で?で?結果は?」
「 ‥断られてた 」
「「「 だよねー… 」」」
「 有結はさ、高杉クンに告白とかしないの?」
「 ⁉ムリムリムリだよ〜。あたしなんて見向きもされないって!!見てるだけで十分ッ! それにあたしは恋より中間テストだよ〜… 」
「 あ゛〜〜〜どうだった⁉全部帰ってきた⁉」
「うん、平均50点。あたしはまずまず赤点にならなかったからいっかなーって」
「 有結赤点じゃないんだ!あたし赤点…… 」
「 50…ちょ。有結今からその点て… 」
「 あー!あー!あー!あ〜〜聞きたくない〜。頑張っても報われないのは分かってるからいつも最初からしないの〜」
「 有結はもう少し頑張ったらいろいろ出来そーなのに」
「 うんうん 」
「 そうだよ、有結 」
そりゃあたしだって努力はしてるよ?
してるけど出来ないんだもん。勉強だって、バレーだってそう。
「 ちょっとそこの1年生 」
「「「「へ?」」」」
「 部活はもうとっくに始まってるはずだけど?其処で何してんのかな?喋るんなら出てってくれないかなぁ、練習の邪魔だから」
それだけ言って男バレの方へ帰っていった。
「 怖ーーーっっ 」
「 ななな何今のーー 」
「 笑ってるけど怖い‼ 」
「 あの人男バレ部長の木村先輩だよ。結構怖いって有名な 」
あたしは楽しく学校生活が送れればそれでいいのに・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄…
「 あΣ部室に携帯忘れた!!!ごめん、取りに行ってくるから先に帰ってて‼ 」
「 了解ー 」
「 またねー 」
「 ばいばーい 」
ふー。良かったー、携帯あって。
あれ…男子の方ドアも開いてるし電気もついてる、消し忘れかな?
それともまだ誰かいる________
って木村先輩だ!!!汗汗←
!!?
泣いてる⁉
ものすごく見ちゃいけないもの見ちゃったような…
チャラララ~ ←携帯の音
ぎゃーなんでこんな時にー!!!
「 わっ、わ、わ、」
「 誰⁉其処にいるの 」
みっ、見つかったー!!!
「 あ…ハハ。ぐ…偶然ですねー先輩… 」
「 君は━━・・・確か女バレの1年の━━━・・・。今ここで君は何をしてたの? 」
笑ってるのに怖いんですけど 汗
「 え…いや…あの…忘れ物を取りに来たばかりで決して先輩が泣いてる所とかは見てない━━━━・・・あ・・・ 」
「 平田有結…さんだったっけ?」
「 は…はい… 」
「 いい?今見た事は今すぐ忘れる事。そして誰にも言わない事。」
「 は…はい…」
「 そうしてくれると嬉しいな 」
この人笑顔なのに怖い…怖い…怖いよ‼←
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄…
こうしてあたしの楽しい高校生活は得体の知れない恐ろしい部長に目をつけられ______
部活中。
( ジー )
「 Σ 」
移動教室で移動してる時。
( ジー )
「 Σ 」
階段。
( ジー )
「 Σ 」
________完璧に終わりました……。
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