ひなた 2013-05-14 12:30:43 |
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…ってぇ
(ゴス、と痛々しい音が響いたと思えば後頭部に強い衝撃が走り思わず声を漏らし。何事かと目を開ければ見知らぬ真っ白な天井があり、上手く状況が飲み込めず硬直し。きっと先ほどまで寝ていたのであろう白いシーツのベッドに手をついて立ちあがり、未だクラクラする頭を抑えながら辺りを見渡し。仕切りのようなカーテンを捲ると15年ほど前に見たような場所であることに気づき「…保健室?」と小さく呟くも訳が分からず、自身の長めの髪を右手でくしゃりとし)
(ホームルームも終わりそろそろ部活に向かおうかと思い、荷物をまとめていると担任から声をかけられ手を止め。クラスメイト全員分の書類を職員室へ運ぶように頼まれると、内心舌打ちをしつつも笑顔で承諾し。教壇の机に置かれた書類を見るととても一人で運べる量ではなく、仕方なく誰かに手伝わせようと周りをきょろきょろと見渡し。眠たげな目をぱちぱちと瞬きさせながら鞄を漁っている友人が目にとまり僅かに口角をあげ。友人の承諾は得ていないもののいいだろうと勝手に決め付け、後ろを向いてクラスメイトとのんきに雑談をしている別の友人の頭を教科書で引っ叩き「俺とえおえおは職員室寄ってくから先に部室行っとけやハゲ」と罵倒まじりで声をかけ)
…たぁ!?何事ですかあろまさん!?
(クラスメイトとゲームの話などのくだらない雑談をしているとパシン、と軽快な音と共に頭部に衝撃が走り目がチカチカとし。痛みで涙目になりながら文句をぶつぶつと言い、衝撃を与えてきた相手の方へと顔を向けるとそこには般若の顔のような友人がいてヒッ、と声が漏れ。事情を聞くと適当に返事をして荷物をまとめ立ちあがり、クラスメイト達に挨拶をすれば教室から出て部室へと足を進め)
…誰かいませんかー?
(しーん、と静かな部屋の中で小さく呟くも返事なんか来るはずもなく沈黙が流れ。いないよなあ、と思いながらため息をつき、何気なく首元を触ると普段はつけないネクタイが結ばれてありきょとんとした表情になり。急いで近くにあった鏡に自身を映すと普段見慣れた顔ではなくどことなく幼い顔で鏡を凝視し。夢か、と思い頬を抓ったり叩いたりすれば痛みを感じ眉を潜め困惑し。右手で髪を引っ掻きどうしようか、と考えていると保健室のドアの向こうから小さく声が聞こえてきて誰かが近づいてきていると察し。このままでも仕方ないと考え思い切って保健室のドアを開き、声がした方向へと顔を向け)
(教室から出てゆったりとした歩調で部室へ向かっていると部活へ急いでる生徒とぶつかり、苦笑いしながらお互いに謝り去っていく背中を見つめ。暇だなあ、と思いながら階段を下って行き、一番最後の段を下りたところでふと思いつき「たまには遠回りでもしてみるか」と呟いてにんまりとした表情をし、くるりと回れ右をして先ほど下りてきた階段へと足を運び。普段あまり行ったりはしない廊下を歩いては誰もいないことをいいことに即興で作った自作の歌を気ままに歌いながら部室へと向かい、一人盛り上がってきたところにガラリ、とドアを開ける音が聞こえ反射的に歌うのをやめ。聞こえていたらどうしよう、と顔に熱が集まっていくことを感じながら俯きつつ歩みを進め)
(廊下を見渡すと遠くの方に俯き気味の生徒が一人こちらへと歩いており、ここはどこか聞こうと相手の方へ駆けて行き。あの、と声をかけようとしたところで相手の顔を見て見覚えがあるようなと気づき、不審に思われるのも気にせず相手を凝視し。数秒見つめたところで誰か思いだし「FBっしょ!」と声を張り上げにしし、と笑えば知り合いを見つけたことに安堵し)
(笑われませんように、と願いながら少し早足で廊下を歩いていると保健室から誰かが駆けて来て驚きつつも歩み続け。相手が目の前で立ち止まったことに気付き自身も足を止め、誰だろうと顔をあげるも見覚えはなく眉を潜め。じっと見てくる相手を不審に思っていたら急に名前を呼ばれハッと我に返り「えっと・・・同じクラスだっけ?」と苦笑いしながら問いかけ。人見知りな上に派手な容姿をした相手に堪えきれず適当にあしらえば駆け足でその場を去ろうとし。)
…へ?
(安堵したのもつかの間、苦笑いをしている相手から発せられた言葉の意味が分からずきょとんとした表情で固まり。なかなか状況が飲み込めない頭をどうにか働かせ、咄嗟に「あ…いや、隣のクラスの…」とまで言ったところで相手が困惑していることを悟り苦笑いしながら「ゲーム好きって聞いたからさー」と誤魔化すように言い。急いでるから、と言われ去ろうとした相手にまたね、と小さく声をかけ見えていないも承知で軽く手を振り。去っていく背中を見つめながら先ほど安堵したことが嘘みたいに急に不安が押し寄せ、どうしようもなく誰もいない廊下で一人しゃがみこんでため息をつき)
(先ほどあった出来事によりテンションが下がっており浮かない顔で階段を下り、気が付くと部室の前へと来ておりガラリと音を立てながら扉を開け。まだ誰も来ておらず部室の扉を閉め片手で電気のスイッチを押すとテレビのある方向へと真っ直ぐ歩いて行き、電源をつけると先ほどあったことなんて忘れておりゲームのコントローラーを用意しながら今日は何をして遊ぼうか、などと呑気に考えており。友人はまだかな、と思いちらりと時計を見ると廊下から聞きなれた高い声と低い声が聞こえて来て頬が緩くなり、勢いをつけてドアを開けると友人二人に向かって「遅いぞクズ共!」と笑いながら声をかけ)
…鬼がいる
(いつの間にか面倒事を手伝うことなっており友人に文句を言おうと顔を向けると、笑顔でこちらを向いており早く行くぞと笑っていない目で訴えかけられ重い腰を上げ。書類を二人で分けて持ち職員室まで向かう途中くだらない話で盛り上がっているとすぐに目的地につき片手で扉を開け。用事を済ますと頭を下げ挨拶をすれば職員室から出て扉を閉め部室へと足を進め。昼間の授業でやった小テストに不満を漏らす友人の話のうわの空で聞いていて適当に相槌を打っていると、急に部室の扉が開き別の友人がこちらへ大声で叫んでおり「急ぐか」と友人と笑い合えば同時に廊下を駆けだし部室へと急ぎ。いつもの部屋に入ると荷物を適当な場所に置きテレビの前に座り用意されていたコントローラーを手に取り「今日何すんの?」二人に問いかけ)
今日もスマブラしますよー!
(全員がコントローラーを用意してスタンバイしてるのを確認したら上記を言い自身の手元にある物でテレビに映っているゲーム画面を操作し、くだらない会話をしながら部活動とは程遠い時間を過ごしており。1時間ほど過ぎたところで時計をちらりと見るとそういえば、と先ほどあった出来事を思い出し友人二人に「そういえば隣のクラスに茶髪のロンゲっていた?」とプレイしているキャラクターを見つめながら問いかけ。誰だったのかなあ、などと考えているとそちらに気を取られていたのか画面中の自身のキャラクターの残機は0になっており大きな奇声を上げ友人達から睨まれしゅんとなり)
茶髪のロンゲ?校則違反だべ
(ゲームに夢中になっているとFBから質問され一瞬首を傾げるもすぐにそう答え相手に不審な目を向け。まあいいや、とゲームを続けていると突然耳をつんざくような奇声が聞こえビクリ、と驚いてしまい原因の相手を睨みながら文句を漏らし。外も暗くなってきた頃、目が疲れ眼鏡を外し擦っていると隣から欠伸が聞こえ「そろそろ帰るか」と二人に声をかけテレビの電源を切りコントローラーを片付け始め。荷物を持ち部室を出て鍵を閉め三人で下駄箱へと向かい、靴へ履き変え外へ出ると思っていたよりも真っ暗で友人達と悪ふざけをしながら自宅へと帰るために歩み進め)
それもそうだよなあ…
(質問に対しての返事を聞くと確かに、と思い上記を呟き眉を潜め。動かし続けて疲れた手をマッサージしていると隣から欠伸が聞こえあろまの一言で全員が帰る用意をし始め。下駄箱で上靴から靴へと履き替えて外に出ると月明かりが綺麗で思わず「綺麗だなー」と声を漏らし、おまえが言うと気持ち悪いとでも言いたげな友人の視線を華麗にスルーしつつ分かれ道で友人と別れ一人夜道を歩き。ゆったりとした歩調で自宅へと歩み進めていると鞄の中から自身が設定している着信音が鳴り携帯を取り出し、画面を見ると一通のメールが届いており開くと母親からだったようで文章中のカツカレーという文字に心を躍らせ。これは逃すわけにはいかないと携帯を素早く鞄にしまうと駆け足で自宅へ向かい)
(去って行った相手を追いかけることもできずしゃがみこんだままぼーっとしていると時間だけが過ぎていき仕方なく立ち上がり、ドアが開けっ放しにされてある保健室へと戻って行き静かに扉を閉め。自身が寝ていたベッドに腰をかけ窓から外を眺めながら先ほどあった出来事を考えて頭の中で整理し。何故自身が若返っているのか、何故FBは自分を覚えていないのか、何故こんな場所にいるのか、思い付いたことを頭の中で並べていきふいに思い出し「…タイムスリップとか?」などと呟いてみてそれはないかー、と鼻で笑い。ごろり、と寝転がると急に睡魔が襲ってきて意識が遠のいていく中で起きたら元に戻っているだろう、と考え意識を手放し)
…う、そだろ
(遠くからホイッスルの音と掛け声が聞こえてゆっくりと瞼を開き。白い天井を見つめながら寝ぼけている頭で戻っていないか、と考え小さくため息をつき。ベッドから起き上がり借りていたシーツを綺麗にすると首元のネクタイを整えながらふらりと保健室の中を歩き、小さく音を立てて動いている時計に目をやると既に夕方になっていることに驚き思わず声を漏らし。そんなに寝ていたのか、と自分に呆れながら近くにあった椅子に腰をかけ頬杖をついているとガラリと音がして保健室の扉が開きそちらへと目をやり)
いて…っ
(ホームルームが終わる頃に読んでいた漫画の端でざっくりと指を切ってしまい強烈な痛みが走り眉を潜め。傷口を舐めようにも思ったより大きく切ったようで仕方なく友人達に保健室に行くと言うと今日は用事があるから部活に行けない、と言われ別れの挨拶をして荷物を持ち保健室へと向かい。早足で保健室へと向かい扉を数回叩いて扉を開けると先日話しかけてきた生徒が椅子に座っており気まずい空気が流れ、「あ…昨日の…」と呟き辺りを見渡すも先生はいないようで近くのソファに荷物を置きガサガサと絆創膏を探し。そういえばと思いだし「名前…なんだっけ?」と相手の方へ視線を向けて問いかけ)
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