杏 2013-05-04 19:47:46 |
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急にふぁさっと生温い風に頬を撫でられてはっと我に返る。
(…いけない、あまりの暇さについ昔のことを思い出してしまった。)
あの夏ももう今となっては昔、遥か三年前の出来事だ。
文字にしたらたったの2文字だけど、現実の3年は実際気が遠くなるほど長かった。
だからきっと、その長い年月を越える間に僕は変わってしまっただろう。
もちろん、彼女も変わったはずだ。
だから、彼女はもうあの約束を覚えていないかもしれない。
なんとなく手持ちぶさたになって携帯のディスプレイを確認する。
a.m.0:59
あと6分。あと6分であれから丁度3年だ。
彼女は果たして来るのだろうか。
あの日の帰り、ただひたすら自転車を漕ぐ僕に君が言った約束。
「 」
ねぇ、君は覚えていますか。
僕はそんあ昔の約束に縋りついて、またこの場所へやってきたよ。
また、携帯を開く。
a.m.1:02
さぁ、君の「お待たせ」が聞けるまであと3分。
僕は静かに目を閉じた______
(ねぇ、×××。1つ約束しよう)
(3年後、もし×××が私を覚えててくれたなら、)
(2人がどんなに変わっていようとも、)
『3年後、同じ時間、同じ場所でまた逢おうね。』
______約束まであと3分。
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