猫 2013-04-05 23:13:37 |
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「今日は転校生を紹介する。」
「岬怜奈です。皆さんよろしくお願いします」
かわいいなぁ…。
怜奈ちゃんは、ぱっちりな目。ふわふわの髪の毛。
猫みたい…
みぃちゃん喜んでるかなぁ?
!????
みぃちゃん!!??ガンつけちゃ駄目だよほらっ!!怜奈ちゃん怖がってるよ
〜タンタカターン♪〜
ん!!みぃちゃんから…
〔あの子可愛くない?でも、あたしは茜の方がかわいいと思ぅ〕
…(笑)みぃちゃんは本当に面白いなぁ(´-ω-`)
ー休み時間ー
『さっきの子可愛かったねー(=・ω・)/』
「俺も思った!!」
『きゅるんってしてる子だよね♪』
本当に可愛かったなぁ…
「あのぅ…。」
『はい?』
そこには怜奈ちゃんがいた。
「私もこのグループにいれてもらって良いですか…?」
キャー//こんなにかわいい子が///
『うん!!いーよいーよ!!』「っ…!!!」
『どうしたの?』
怜奈ちゃんは私の顔を見た瞬間、ビクッとした。
「いっ…いえ。」
『?』
「光くんと蒼くん…って呼んでも良いですか?」
「いいよ。」
「勝手にすれば。」
「//ありがとうございます///楓ちゃんも、茜ちゃんも、よろしくです!」
かぁわいいなぁ!!
事件があったのはその3日後のこと。
すっかり怜奈ちゃんとも、仲良くなった私たち。
そんなある日。
「!!!!キャアァッ!!」
怜奈ちゃんが机に座ったとたん叫びだした。
『どうしたの?』
「教科書に虫が何匹も!!」
「うわっ。誰の仕業だこれ。」
『ひかりんっ。』
「幼稚なことするやつもいるもんだ。」
『あおっ。この虫っ。』
「あぁ。おい怜奈。教科書かしてやるから。」
「ぐずっ…あっ。ありがとう…」
ついには泣き出してしまう怜奈ちゃん。
「最悪だね。怜奈。大丈夫?なんかあったらあたし達に言いなよ?」
「っ…ひくっ……うん。」
『あんなことする人誰だろう…。最低だよ。』
「うん。あたしも同感。」
この日は家に帰ってからも、ずっとこの話題で持ちきりだった。
次の日も、その次の日も。怜奈ちゃんへの嫌がらせは止まらなかった。
「もう…いやっっ…」
それから一週間たった今日。教室にはいると黒板には[岬怜奈キモいんだよ。]
[光と蒼からはなれろ]
と書かれてあった。
「最悪っ。誰よ。こんなことするのは!!出てきなさいよぅ!!っ。」
声を荒げる怜奈ちゃん。
しーーん。
ザワザワ
「一旦教室から出るぞ。」
『あおっ!?これ、消さないの?』
「まずいいから。」
消さなくて良いのかな。
誰かが消してくれることを祈って。
「まじで、最低。」
みぃちゃんはボソッとそう言ってあたしの頭を撫でてくれた。
それから屋上に行った。
「…落ち着いた…?」
「うん。ありがとう光くん。」
怜奈ちゃんはだいぶ落ち着いたようで…。
良かった。
「今日は皆で早退すっか。」『っ。またそういうこと言って。駄目だよあおは。』いつもサボってばっかで。
「はっ。授業なんてでなくて良いんだよこういう時は」
そっか…。あお、怜奈ちゃんの事思って…。よしっ。
『皆でサボろ?』
「…茜がそういうなら、あたしは良いけど?」
「なーに人の意見に合わせてんだよ楓。」
「あわせてないっつの!!」
「じゃあ。俺らでこいつ(怜奈)送るから」
『うん。じゃあね』
「おぅ。」
どうか明日にはこの嫌がらせがなくなりますように。
あたしに出来ることはそうしてただ願うだけだった。
『おはようー!』
ザワザワ
なんだろう?なんかざわついてる…?怜奈ちゃんの周りみたいだけど…。
『どうしたの?』
「茜ちゃん…だよね?あたしに嫌がらせしてきたの!!」
『え?あたし…!?』
「あたしが茜ちゃん達のグループに入ったことが嫌だったんでしょ!?」
『あのー…何の話で?』
「とぼけないで!!!!茜ちゃん、昔、私にしたこと覚えてないの!?中学2年の時。」
『?何の事ー?』
「私の彼氏、寝取って!!」
彼氏…!?
あたし何の自慢でもないですが、彼氏いない歴16年ですけど!
「蒼くんや光くんや楓ちゃんもがいないところでも散々私に言ってきたじゃない!!」
何をですか!??
「早く消えろとか…ぐずっ…」
泣き出す怜奈ちゃん。
「茜ちゃん最低じゃない?」
「三日月ってそういう奴だったんだ。」
ザワザワ
「家にまで押し掛けてきて!!もうやめて!!」
そんなぁ…
あたしが何をしたの!?
「…っ…ひくっ…」
えーっと…?
あたしはなぜこんな仕打ちを受けているんだろう?
「本当に最低な奴だな。」
「ここまでするとはね…正直あり得ないよ。」
あお…?ひかりん…?
信じてくれないの?
どうして…?ずっと…
「岬怜奈。お前が。」
えっ…?あお?
「っ…え?なんであたしなの?蒼くん聞いてた?今の話…」
「聞いてたさ。最初から最後までずっと。でも君はおかしい事を言っている。
「光くんまで…」
「中2の時彼氏寝取った?なぁ、光。茜にそんなこと出来るような頭があったか?」
「ない。っね…」
「なに言って!?何でそこまでして茜ちゃんをかばうの!?ずっと一緒だった訳じゃないんだからそんなことわかるはずないじゃない!!」
あぁ。そういう事。やっとわかった。
「それが。ずっと一緒だったんだよ。」
「言ってなかった?俺ら4人とも幼なじみなの。」
「嘘ッッ!!!」
『本当だよ。怜奈ちゃん、知らなかったからあたしの事利用したんだね?』
「知らない…私、知らないわ…」
大きく首をふる怜奈ちゃんの顔はどんどん青ざめていく。
「知らねぇわけないだろ?怜奈。あんたあたしに言ったじゃん。茜ちゃんって調子乗ってると思わない?って…」
「楓ちゃん…」
「陰でお前に消えろとか言ったってのも嘘だろ?皆は騙せても俺らは騙せねぇぜ。」
「そんなっ…っ…。…あたしの計画は完璧なはずだったのに…」
「っ。須貝ぃぃぃ!!あんた私に嘘ついたっての!?幼なじみは居ないって言ったのあんたでしょうがぁぁ!!」
須貝…?
「嘘ですよ。そんな簡単に三日月さんの情報を教えるわけないじゃないですか。信用できない人に。」
須貝郁くん…。
あたしに告白してくれた人だ…
「もうわかったろ?早く茜に謝れよ!!」
怜奈ちゃんはうつむいたまま顔を上げない。
「…」
『謝らなくていいよ。…でも私の大切な人を巻き込むのだけはやめて。』
「茜…」
「おいおい?何の騒ぎだこりゃあ?なんかあったのか?」
先生が教室に入ってきた。『何でもありません!ちょっとあたしがトラブっちゃっただけです』
「それならいいんだか…」
グイッ
「行くぞ。先生。俺らサボります」
あおがあたしの腕を引っ張る。
「ちょっと!!!?お前ら!!待て!!」
『あおっ。良いの!?』
あおはあたしの声が聞こえてないのか何も喋らない。
「大丈夫だよ。ほら走って走って!」
『ひかりん!!おわっ!!』
後ろから背中を押してくるひかりん。
「あたしが後で何とかしようか?」
『みぃちゃん!!』
なんとかって…
なんか怖いなぁ(笑)
走ってついた場所は。
バンッ
屋上
『皆、ありがとね?』
「別に、」
「いーえー」
「あたしはいつでも茜の味方だからさっ。」
みんな…
『ありがとう。それにしても、あたし達が幼なじみって言ってなかったんだね?』
「そうみたい…だね?言った気がするような…。」
ホントに。気付かないうちに人って誰かを憎んだり親しんだりしてるんだなぁって。すごい実感したなぁ。
「明日からは平和だな?」
あおの言った一言。果たして、明日は平和なのか。
平和であってほしいと。願う。
土日を挟み、月曜日の今日。
岬怜奈ちゃんが転校したと知らせがあった。皆は、金曜日の事が原因だと言っているけど、本当はどうなのか誰にも分かるはずがない。
ただ、ひとつだけ嬉しかったのは、
[悪かったわ。もう絶対しないから。怜奈。]
と手紙が入っていたこと。
『よしっ。今日も1日頑張るぞー』
「何言ってんだかっ。」
あおがあたしのテンションを下げるようなことを言ってきた。
もう、みんなあの事には触れてこない。
それは多分あおの考えだと思う。
『フフっ♪いいでしょ♪別に、あ。そうだ』
「…?」
送信っと♪
〜チャラチャラチャラ♪〜
パカッ
「…?何だ…?」
「!?」
やられたと言う顔で見るあお。
「今頃遅いっつーの!!」
『顔真っ赤っか〜』
「そんなに俺に殴ってほしいのか?」
『キャア!!嘘だよぅ!!』
〔あお。ありがとうね。あおが優しい人で本当に良かった。ありがとう。大好きです…。愛がこもったメール嬉しい?茜より〕
ー夏休み5日前ー
「もうすぐ休みだな」
『うん!!肝試ししようね』
「フッ(笑」
「おい光今あたしの事見て笑っただろ」
「別に?誰かさんが、実はお化けが大の苦手で、昔肝試しで強がって1人で行って、なかなか帰らないから迎えに行ったら気絶したことなんて思い出してないから」ニコッ
「光…思いっきりあたしの事じゃねぇか!!」
そう。みぃちゃんはこう見えてお化けが大の苦手。
「その点、茜は好きだよね?」
『…ひかりん。あお程じゃないけどね?』
昔、肝試しがしたくてたまらなかったのか、あおは1人で夜の学校に絞り混んだりお墓の前で寝たり…。
ある意味…怖いもの知らず?
「確かに(笑)俺なんか、何度あいつの肝試しに付き合わされた事か…」
「怖いのが好きな意味がわからん。あたしは無理!!」
みぃちゃんは本当に怖いのが嫌いだなぁ。でも、ちょっと可愛いかも…!
あ…。
「わっっっ!!」
「キャァァ!!」バチン!!
『あお!!!』
「…え?…キャアァァ!!蒼悪い!!!」
あおはみぃちゃんを脅かしたかったのか、後ろから大きい声を出した。が、みぃちゃんはビックリしすぎてあおのほっぺをバチン!!
「いってぇ。」
「わ…悪い!」
「罰として肝試し強制参加!!!」
ニヤッと笑うあお。
「あ…あたしはやらん。どうしてもと言うなら自力で風邪を引くからな!!」
みぃちゃん…。そこまでして行きたくないのね…。
「じゃー…見舞いがてらみぃの家で怖い話し大会すっぞ?」
あおも…。どうしても肝試し系やりたいんだ…。
「っ…!!!」
『みぃちゃん。大丈夫だよ?』
「茜がいるなら行くが…。」
「じゃあ都合のいい日連絡する。な、光。」
ものすごい笑みでひかりんを見るあお。
「俺もかよ…。ま、いーけど。」
「よし!決まり!!」
〜夏休み突入から3日〜
とかなんとか言ってたくせに。何の連絡もないじゃん!!
あーもう!!!あたしから連絡しちゃうもんね!
携帯を開くと受信BOXにメールが。
『誰?』
知らないアドレスから。
『!!』
プルルルルル
《あ?何。》
『あお!!今、メール来て、龍が帰ってきてる!!』
《あー?知らなかったの?昨日から俺んち居るんだわ。》
『ちょ!!何で言ってくれなかったの?今から行くから!!』
ブチッッ
龍はあたしたちの幼なじみ!!いつも5人で遊んでたなぁ(´ω`)
でも、中1の時パリに引っ越しちゃったんだよね!
とかなんとか思ってたらもうあおの家。
ーピンポーンー
ガチャ
『龍は!?』
「早い…。俺、まだ寝てたし。あがれば?」
『お邪魔しまーす』
あおの部屋にいるのかなぁ?ってか、いつ見てもでっかいなぁ。
ーガチャー
「龍。起きろ。」
「….zzZZ」
あおの部屋には龍が布団を被って寝ていた。
「おい。起きろって。」
『あれ?あお部屋着のままじゃん。着替えないの?』
「だから!さっきまで寝てたんだって」
あ。そっか。あたしってば人の話ちゃんと聞いてんのかな?
「蒼?うるさいよ。人の眠りは妨げちゃいけませんって習ったでしょ!!」
「習ってねぇよ。茜居るぞ。」
ガバッ
「茜!?」
『龍ー!久しぶり!!おはよ』
「おはよ…って何で蒼の家に居んの!?まさか俺がいない間にそういう関係に…」
「ちげぇわ。さっき来たんだよ」
『龍メールくれたでしょ?だからねあおに電話したんだ!!』
「わー。茜変わってないな!!」
龍は昔と同じ笑い方で笑う。
『龍も変わってないよー!!わー。本当に久しぶり!』
「あ。明日肝試し行くんだけど行こうぜ!!久しぶりに皆で!」
『うん!!行く!!ってー!何で言わなかったのよあお!!』
もう!ずっと待ってたのに!と私はあおの腕を掴む。
「今日言うつもりだったんだよ」
『ふーん』
明らかに嘘っぽい。ま、いっか。
「俺、観覧車乗りたい!!」
「…。肝試しで観覧車の訳わからん。」
ま、そんなこんなで!明日は懐かしの龍と肝試し!!
楽しみー!
龍。本名【青木龍】
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