悲恋 * NL *

...?よく見えねぇ...。
(僅かな隙間からは外の様子を窺い知る事が出来なかったのか、先程より少し大き目にﾄﾞｱを開ければ、ﾄﾞｱから顔を出し外をはっきり確認しようとして。

......（ 大きく開かれたﾄﾞｱから顔を出している人影見捉えてﾊｯｷﾘと確認した少女。慌ててﾊﾞﾀﾊﾞﾀと駆け寄っては、｢あの...！｣と、顔だけﾋｮｯｺﾘ覗かせている相手に、意を決して声をかけ、

!!.........何?
(足音のする方に顔を向ければ、既に消えた少女が駆け寄って来るのが見えた様子。一瞬ﾊﾟﾆｯｸに陥った為ﾄﾞｱを閉める事が出来ず、咄嗟にﾄﾞｱの後ろに隠れれば声だけで相手に応対し。

..私...道に迷ってしまって..（ ﾄﾞｱの後ろに隠れている相手を少々不思議そうに思いながらも、何だか申し訳無さそうに恐る恐る相手にそう告げて、

...あっ、そう。...てかどうやったらこんな山奥まで来れるんだよｯ...。
(夜も更け森も真っ暗な為外に放り出すのは忍びないという気持ちと人間はどうしても家に入れたくないという気持ちのせめぎ合いの為しばし沈黙し。後半はどこか呆れも含んだ様子で本人は独り言のつもりでﾎﾞｿｯと呟き。

...気づいたら..というか..偶然..というか..（ 己の方向音痴さには本当に嫌になってくると、自己嫌悪をしつつもｱﾊﾊと苦笑い浮かべては、はぁ、とため息をついて。｢どうやったら帰れますかね...｣と、己じゃ帰れないと判断したのか呟くように尋ねてみては、

...今からその森通って帰れんの?そのかなりの方向音痴で。
(目だけで後ろの闇しかない森を促せば、質問しておきながらこの女では絶対に迷うと心の中で断言し。ﾁｯと軽く舌打ちをすればﾄﾞｱを完全に開け｢入れば｣とぶっきらぼうに呟き。

....? あ、あの...（ 入れば、と言われたと同時に己の目の前で開かれたﾄﾞｱに、戸惑いを隠せずにいて。｢いや..えっと...そういうつもりじゃ..｣と、戸惑いながらも相手にそう呟いては、決して中に入ろうとはせず、

...何?言っとくけど一人で夜にこの森出るなんて無理だよ。
(動こうとしない相手に焦れ、苛立ちを隠さずｳﾝｻﾞﾘした様子で相手を見下ろせば、先程心の中で呟いた事を相手に告げ

......（ 不可能と己自身が思っていたことを、ｷｯﾊﾟﾘと相手に指摘されてしまい押し黙る。無い知恵を必死に絞り出してどうにか帰れる方法はないか、と考えるが結局思いつかずに、｢お邪魔します...｣と、遠慮がちに玄関に足を踏み入れる始末、

はいはい。...朝になったら帰り道教えるから、すぐ出てって。
(自分で入れと言った割に大層不機嫌で。ﾄﾞｱを閉め前述の様に言えば、相手の方を振り向きもせず先に立って歩き出し、数歩歩めば｢ついてきて｣と愛想の欠片も無い冷たい声で呟きまた歩き出し。

.......（ 建物内に入れて貰ったにもかかわらず、一言も口を開かずに無言なままの少女。辺りをｷｮﾛｷｮﾛと好奇な眼差しで見渡しながら何れも黙ったまま相手について行き、

...此処に居て。何かあったら...極力無ぇようにして欲しいけど...まぁ、呼べば来るから。
(2階に上がれば一つの部屋のﾄﾞｱを開け中に入り、側にあったﾛｳｿｸに息を吹きかけ火をつけ。中はどうやら応接室のようで、古びてはいるがｿﾌｧｰ等の家具が幾つか置いてあり。廊下にいた女を中に入るよう促せば、自分は部屋のﾄﾞｱ近くで必要な事だけを述べれば足早に部屋を出て行こうとし。

...あ、あの..！（ 部屋を出て行こうとする相手を慌てて呼び止めて。｢失礼ですけど...貴方はどうやって此処に住んでいるんですか..？｣素直に疑問に思ったこと。何故こんな山奥に家が建てられていて、不自由なく住めているのか、少女の頭の中は疑問だらけで、

...どうやってって...別に普通に住んでるけど?
(呼び止められれば面倒そうに振り向き。問い掛けられれば質問の意図が分からないと言った感じでﾊｯと嘲笑気味に笑えば、視線を相手に合わせ答えになっていないような回答を返し。

あのですね...なんと言いますか..山奥だし..住むには不自由かと..それにそもそもこんな所に家なんか...ましてや洋館だし...（ 相手の返答が己には不思議で仕方なく、まるで説明をするかのようにﾎﾟﾂﾘﾎﾟﾂﾘと長ったらしく呟けば苦笑いを浮かべて、

あー、そういう事。...俺、人間嫌いなの。...だから人ごみに住むよりこんな山奥に住んでた方がマシってわけ。
(相手の要領を得ない説明から何となく言いたい事を掴みとり、自分が吸血鬼とばれないようにどう言えば良いかを少し考えた結果、思いついた半分真実でもある理由をｻﾗﾘと告げ。

.....?人間嫌い...?（ 眉を顰めては、更に謎が深まり不思議で仕方ない様子。｢人間嫌いって貴方も人間じゃないですか...｣苦笑いを浮かべては、相手の発言したことがどうやら理解できないのか呆れた表情で、

((今日は落ちます!お相手有難うございましたー/、

（ 了解致しました、此方こそお相手感謝ﾉｼ