ハク 2013-03-14 23:58:24 |
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もういいだろ?
おれは もう苦しんだよ。だからねえ、助けて。
何度もタヒのうと思ったし、何度もコロそうと思った。
それでもまだ、足りない?
「僕」が典型的なイジメっこ、とかならよかったのに。
ラインとかで、俺の悪口を言ってくれればいいのに。
そうすれば、それをネタに退学にさせてやるのに。
好きな天気がなくなったぐらいで、俺はタヒなないけど、
「僕」とこのまま会い続けたら、きっと俺はタヒんでしまう。
それが精神的にか、肉体的にかはわからないけど。
何で黙っていられないの?
何で話しかけてくるの?
ねえ、それって必要なことなのかな。
話さなくちゃタヒんじゃうの?
黙ってたら消えちゃうの?
静かにしてよ。
別に話に興味ないし、
遠出に心踊らないし、
楽しさも物珍しさも感じないし、
何が見えたとか何があったとかどうでもいい。
別に俺だって寝たいわけじゃない。
好きなことをやっていたい。自由にしたいよ。
だって、せっかくの遠足でしょ?
いいじゃん、好きにしたって。
本を読むことの何がいけないの?
教えてよ。
何で読書をしている人に話しかけるの?
ウザい。
鬱陶しがっているのが伝わらないのかな。
俺の伝え方が悪いのかな。接し方が悪いのかな。
どうすれば伝わるんだろう。
俺が、嫌いだって。鬱陶しく思っているって。わずらわしく思っているって。
ねえ、どうすれば伝わるの?
別に「君」に限った話じゃなくて、
別に「僕」に限った話じゃなくて、
別に「彼」に限った話じゃなくて、
別に「先輩」に限った話じゃなくて、
別に「彼女」に限った話じゃなくて、
別に「貴方」に限った話じゃなくて、
名前を呼ばれただけで寒気がする。
触られただけで鳥肌が立つ。
姿を見ただけで吐き気がする。
声を聞いただけで頭痛がする。
顔をあわせただけで胃が痛む。
あだ名も名前もニックネームも名字も、何一つ許した覚えはないよ?
だから、名前を呼ばないで。吐き気がするんだ。
それに応じなくちゃならない状況を、精いっぱい呪うんだ。
気付いてないの? 俺はいまだに一度も「僕」を名前で呼んでないんだよ?
だって、視界に入れるのもキモチワルイから。
出来るだけ、認識しないようにしているから。
もしかしたら「許すとかそういうのじゃない。コミュニケーションの一種だ」とかなんとか、屁理屈でもこねたりするのかな?
まあそれでも構わないけど。
一度たりとも口で俺に勝ったことがない「僕」がどんな詭弁を弄するのか、見ものだね。
いいだろう、それを見るためなら俺は気持ち悪さを我慢して「僕」と対面してあげるよ。
吐き気をこらえながら、「僕」と話しをしてあげよう。
ああでも、その後にわざとらしく「いやあ、やっぱりむりだったか」みたいに話しかけるのはやめてくれ。
ウザいから。
コロしたくなるから。
そうやることでしか会話を始められないボキャブラリーの少なさを、むしろ憐れんだりするぐらい。
そうやってしか人の興味を引けない「僕」の話術の薄さを、ひそかにあざ笑ったりするぐらい。
それらをしてでも話さないとやっていけないメンタルの弱さを、のんびりと軽蔑するぐらい。
毎度毎度同じ言葉を口にする記憶力のなさを、そっと楽しんであげるくらい。
こちらがそういった感情を持っているのに気付かない、ゴキブリとか雑草並みの無神経さを、軽く卑下するぐらい。って、これはさすがにゴキブリと雑草に失礼か。
まあとにかくそれぐらい、
俺は「僕」を認識している。
だいたい、それだって結局得意科目一つだけじゃん。
それで笑っていられるのが不思議でしょうがない。
まあ確かに、他の子はもっと点数低かったけどさ。
でも「彼」ならまだ許せる。
だって本当に頭いいんだし。
良い点数とって、人に見せたくなるのはムカツクけど仕方がないと思う。
俺は絶対特定の人以外にはしたくないけど。
だってテスト結果は、間違えたところがわかるんだよ?
間違えたところって、要するに自分の弱点だよ?
弱点を人に見せるの? 人に教えるの?
弱みなんて、見せて何の得にもならないのに。
利用されて、悪用されて、使い古されて。
弱みって、そういうものだよ?
弱点って、確かに自分の弱い部分ではあるけどさ、
俺的には、ちょっと違う。
「自分を弱くする部分」だと思う。
相手につつかれればあっけなく崩れるし、
利用されればどうにもならなくなる。
そうなって初めて「弱点」は「弱点」になるものだから。
なのに、何で?
弱点を弱点にしてるのは、自分自身じゃん。
防ごうと思えばいくらでも防げるものを何でわざわざ作りだすの?
理解できない。
正直「僕」はどうでもいいからスルーだけど、
「彼」には、本気で問いたいかな。
弱点を作って、楽しい? って。
まあたぶん、「彼」がそれで困ってても助けないだろうけど。
どう接してみても、「僕」からは嫌悪感しか感じられないから。
だからせめて、認められる何かをしてくれ。
まあもっとも、良い点数をとっても、たぶん認めないけど。
勇気付けたり、元気づけたりっていう似合わないことはするつもりはないけど、
まあ、「僕」なら大丈夫だと思うよ。
俺より点数が上の奴は、いっぱいいるから。
ほら俺、勉強しない上に馬鹿だから。
いくら語彙力がなくてメンタル激弱で超絶馬鹿な「僕」でも、学年で五位ぐらいには入れるでしょ?
だってたった600人じゃん。
テスト結果を人に見せるぐらい余裕があるんでしょ?
弱点を作って笑っていられるほど、まだまだ上にいけるんでしょ?
早く俺を追い抜いてみてよ。
ねえ、俺を馬鹿にしているんでしょ?
俺を下に見ているんでしょ? そうやって馬鹿みたいに「僕」がプライドを保っているのを知っているよ。
「「僕」よりも点数低いから ^^」って俺の言葉に馬鹿みたいに騙されてくれてありがとう。
俺は「僕」のプライドの浅はかさを知っているよ。それがいかにニセモノじみたものかってことも。
ニンゲンは基本的に嘘つきなんだから、仕方がないよね。
せっかくの休みを、何で「僕」に縛られないといけないの?
意味がわからない。
俺が「僕」のことを嫌いだって、わからないの?
俺が「僕」のことを不要だって、わからないの?
俺は知ってるよ。
「僕」の級友さんが「僕」と話すときの目の色とか。醸し出す雰囲気とか。
そういうの、俺は割と敏感だから。
「あ、こいつ面倒くせぇな」って色、している。
いろんな可能性を考えてみなよ。
「僕」が好かれている可能性。
「僕」が嫌われている可能性。
「僕」が愛されている可能性。
「僕」が拒絶されている可能性。
「僕」が必要とされている可能性。
「僕」が不要とされている可能性。
「僕」が大切にされている可能性。
「僕」が鬱陶しがられている可能性。
いろんな可能性を考えて、どれが一番正しいか検証してみなよ。
よく人と絡みたがる馬鹿は近づいてこない。
自分の情報を提示しなくてもいい。
話を適当に流しても怒られない。
ある程度の自分勝手が許される。
一人でいても誰も気にしない。
同情もされないし、好奇の目もない。
この上なく、最適な環境じゃん。
普通、血液型を忘れると思う? 調べてない、ならまだしも。
ねえ、誕生日って分らなくなるものなの? しかも月だけ。
小学生じゃああるまいし、自分の星座すらわからないって、そんな人存在するのかな。
「誕生日かぁ……。……いつだっけ? あー、20日? 8日かな。あれ、10代だったっけ? うん? 混乱してきちゃった。ごめん、わかんないや」
「月? …………何だっけ。あははー(わざとらしい片言の笑い)」
この世で真実を知っていなきゃならないのは、二人のニンゲンなんだよ?
一人は正直者。
もう一人は嘘つき。
正直者の言葉は、全てを信じればいい。
嘘つきの言葉は、全部を疑えば、それは正しい情報になる。
俺はたぶん、嘘つきだろうけど。
嘘って、あり得ないと思われるから嘘だとばれるんだよ。
ほんの少し、真実を混ぜてあげれば、とたんにばれにくくなる。
真実を少し捻じ曲げて、そこからゆっくりと加工していけばいい。
一回の嘘なら、きっと直感でどうにかなるだろうけど、
俺は今まで、数えきれない嘘をついたよ?
息をするかのように嘘を吐き、体を動かすかのように虚像を作った。
それを全部、見破れる?
「僕」が嫌い。これは本当。
世界が嫌い。これも本当。
自分が嫌い。これも本当。
「彼」が嫌い。これは、たぶん本当。
「君」が嫌い。これも本当。
「彼女」が嫌い、「先輩」が嫌い、その他大勢が嫌い。これも本当。
この世にあるもの、全てが嫌い。これも本当。
さて問題。この中で一つ(一文)だけ、嘘が混ざっている。どれ?
「人の気持ちが考えられないから、平気でそれを踏みにじる真似が出来るんだ」だってさ。
うん。その通りだけど、何か? ってカンジ。
どんな答えを期待していたのかな。
はじめから答えなんてないものに、答えを見出そうとして何になるの?
俺への利点は? メリットは?
時間を消費する、神経をすり減らす、っていうこの上ないデメリットに代わる何かがあるの?
教えてよ。
腕に抱きつかれるんだよ?
手を握られるんだよ?
酷い時には、指を絡ませられるんだよ?
頬ずりだってされるし、
妙に顔を近づけられたりするんだよ?
キモチワルイ。
でもさ、考えても見てよ。
人の話を聞かない。
自分だけ一方的に話す。
内容はたいてい自慢話に聞こえる。
戸惑った声がわざとらしい。
自分勝手に動く。
相手を考えない。
構ってちゃん。
失敗すると言い訳ばっかり。
いつも抱きついてくる。(俺限定)←キモチワルイ。
ねえ、誰が「僕」を愛するの?
今日はマシな一日だったのに。
「私」にも会えたのに。うれしかったのに。楽しかったのに。
「僕」のせいで台無し。
プラスがマイナスになっちゃった。
「私」、ごめんね。
君との時間は、すっごく楽しかったよ。
進学して、いやもしかしたら生まれて初めてかもしれない。人と話すのを楽しいと感じたんだ。
うん、たぶん「楽しい」でこの感情はあっている。
楽しかった。楽しかった。楽しかった。
その後の時間も、ずっとふわふわして、心地よかった。
ありがとう。
本当にありがとう。
生きてきてよかったと、すごく、すごく感じたよ。
「私」のおかげだ。
あの時間のことは、もう忘れない。ずっと覚えてる。
初めての「楽しい」時間として。
ねえ、次はいつ会える?
「私」と次に会うのが、楽しみでしょうがない。
わくわく、ふわふわ、どきどき。効果音はそんな感じ。
この感情は「楽しみ」で、たぶん合ってるはず。
でも次は、俺の部活がない時に会いたいな。
「私」との思い出を、「僕」で汚したくないから。
少なくとも、後二回。
「私」に会える機会がある。
楽しみ。うん、すごく楽しみ。
早く来ればいいのに。
高望みはしないけど、少しでも長くいられますように。
ゼイタクしすぎかな。
「私」と同じクラスになりたかった。
「私」と同じ部活になりたかった。
「私」と、せめてレベル別授業ぐらいは一緒になりたかった。
選択科目が同じなら、忘れ物を借りに行く、会いに行く口実が出来たのに。
全部高望みだって、わかってる。
クラス編成は男女別なんだし、
部活入部期間はすでに終わってるし、
レベル別はそもそも、クラス単位のグループ外だし、
選択科目は入学前に決定するんだから。
「僕」に抱きつかれて、つい顔に嫌悪感が出そうになったときとか。
トモダチwww が出来なくて孤独ってるときとか。←今も絶賛継続中だけど。
他にも、たくさん。
助けて、って思った時。本当にたまに、だけど。
いや、ちょっと違う。
「私」と会ったから、俺は自分がこんなに救助要請していたんだ、って気付く感じ。
寂しいとか悲しいとか、よくわからないけど、もしかしたらそんな言葉が当てはまるのかもしれない。
でも「私」のおかげで気付けたことはいっぱいある。
ありがとう。
総体なんてのがあるから、俺が「私」と会えなくなるんだ。
総体のせいで、俺と「僕」の遭遇率が上がるんだ。
全部、総体のせい。
責任転嫁だって、八つ当たりだってわかってるけど。
触られた部分は、石鹸で洗いすぎて溶けかけてるし、
制服も消毒液をかけすぎたせいで逆に醜くなってるし、
最近ではもう、表情筋がうまく扱えなくなってる。
なあ、どうすればいい?
おおよその人間味が欠落してきた。
部活のある日の夜は眠れない。頭が痛い。体がだるい。吐き気がする。
食事も、ほとんど食べられない。
ご飯を一口、二口。朝、昼って、そんな感じ。
もともとあんまり食べる方じゃなくてよく心配されるけど、流石にこれは、ああ少ないな、って思う。
でも、食べたくない。というか、入らない。体調不良で。
俺を心配してくれるのは、「私」と「彼」と例外的にプラス二人だけでいいよ。
でもそのうちの一人は、心配をかけたくない。っていうか、迷惑をかけたくない。
「母」達も、「君」も「彼女」もその他大勢も要らない。
群れないでよ、キモチワルイ。心配するぐらいなら、俺の前からいなくなって。「僕」と一緒に。
何なんだよもうなれなれしくするなよそもそもあだ名で呼ぶんじゃねえよキモチワルイなぁ本当に本当に本当にキモチワルイ距離感狂ってるのか狂ってるんだななんだよ精神異常者かそれにかこつけて介護でも望んでんのかよキモチワルイから離れろマジで何されたって優しくなんて誰がするか淡い期待でも抱いてるんじゃねえよあり得ないから信用とか信頼とか絶対しないから心を許したことなんて一度もないし許すつもりもないしっていうか前提として大っ嫌いだし心の中ではいつもタヒんでって叫んでるし呪ってやろうかと思ったことも少なくないし家じゃプリントにある名前をカッターで切り刻んでいるし触れられたところは石鹸手洗い→消毒→石鹸手洗い→消毒を五回以上繰り返しているしああもう本当マジ消えてよてかいつ消えてくれんのだって俺のこと好きなんだろ恋しちゃってるんだろなあだったら早く俺のためにタヒんでよ大丈夫嬉し泣きぐらいはしてあげるからあれ俺嬉しいなんて体験したこともないやじゃあきっとそれが初めての体験になるねやったね俺の記憶に残れるチャンスじゃんほら早くタヒねばいいじゃん安心しなよもし仮に俺が嬉しさを感じられなかったとしたら嘘泣きするから俺演技うまいからさぁまあ自慢じゃないけど演劇部に個人的に勧誘されるぐらいにはというより嘘泣きは得意なんだ泣けって言われたらたぶん十秒かからずに泣ける自信はあるしねまあ「僕」のために貴重な体液と塩分と水分を使うのかと思うと反吐が出るけどそれぐらいは仕方がないと思って俺も諦めるよほらなあ俺は十分譲歩しただろ十分耐え忍んできただろもう充分だろこれ以上俺に迷惑をかけんなよ本気で邪魔なんだウザいんだ冗談抜きで相手するのがしんどくて割かしマジで泣きたくなってくるし頭痛いし吐き気するし食欲ないしいつも疲労感が付きまとってくるしなあ俺科学部大好きなんだよ先輩方は優しいしかっこいいし同学年の男子は子供だなぁと思うけどそれなりに楽しめる気がするしだけど「僕」ともう一人のせいで台無しになってく気がするいや気がするじゃなくてなっていってるんだよ現状として頼むから俺の好きな場所を汚さないで穢さないで壊さないでくれこのままじゃ俺は科学部まで嫌いになるかもしれないそれは嫌だ学校なんて大嫌いだけどその中でやっと自分から作れた居場所なんだ必ずしも居心地がいいとはいえないけどそれでも大切な場所だと思っているからでも「僕」のせいでその場所が酷く歪んだものに見えてきて目眩がして空気が淀んでいるように見えてくるんだ何でだろうね「僕」がいるのかと思うと来るのかと思うと楽しいはずの時間がすごく憂鬱に思えてくるんだけど楽しいはずの時間が来なければいいと思うんだけど部活に出たくないと思うんだけどねえ何でかな俺の存在が許されている場所のはずなのになんで俺が拒絶されてるみたいなのなんで俺の体が拒絶反応を起こすのわけわかんないなんで何で何で何で何で何でなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
ごめんなさい、
俺が全部悪かったです、
心を入れ替えます、
ちゃんとニンゲンらしく生きていきます、
だからもう許して。
ねえ、もう十分に罰は受けたでしょう?
これ以上は俺の心が耐えきれないんだ。
「僕」と接するだけで、何度死にたくなったかわかる? 分らないだろうけど。
確かに「僕」は俺への制裁にはぴったりだ。
これ以上効果的かつ効率的な方法は他にはそうそう見当たらない。
なあほら、俺は反省しているよ。
お願いします、許してください。
「僕」と同じ惑星上にいることすら、もう耐えられそうにないんです。
俺を勝手に分類わけする「僕」が嫌い。
勝手に俺の友達面する「僕」が嫌い。
勝手に俺にべたべたしてくる「僕」が嫌い。
得意げに話す「僕」が嫌い。
頬ずりしてくる「僕」が嫌い。
やたらと指を触りたがる「僕」が嫌い。
教室まで押し掛けてくる「僕」が嫌い。
何かっていうと話しかけてくる「僕」が嫌い。
気分も何もぶち壊しにする「僕」が嫌い。
適当に話を合わせていることに気付かない「僕」が嫌い。
俺の演技に気付かない「僕」が嫌い。
なれなれしくする「僕」が嫌い。
偉そうに自己満足な優越感に浸る「僕」が嫌い。
自分勝手に相手のことを考えない「僕」が嫌い。
許してもいない呼び方をする「僕」が嫌い。
ゲームと現実の区別がつかない「僕」が嫌い。
俺が「僕」のことを悪しからず思っていると思い込んでいる「僕」が嫌い。
中途半端に不安げな「僕」が嫌い。
腹の中を全開にする「僕」が嫌い。
つまらない興味本位の知識をひけらかす「僕」が嫌い。
無知で無価値な「僕」が嫌い。
わざとらしい態度の「僕」が嫌い。
自分の心情を教えなければ気が済まない「僕」が嫌い。
人の話を聞かない「僕」が嫌い。
「僕」の全てが嫌い。
大嫌い。
「僕」が俺のことをたぶん大好きで、
俺が「僕」のことが大っ嫌いなこの関係が
一生、続く。
出来れば今すぐにでも「僕」を消してしまいたいけど。
「気まぐれ」だなんて誰が信じるの?
部活がなくて俺に会えないから、「気まぐれ」ってことにして会いに来てるって知ってる。
残念なことに、それが俺の自意識過剰じゃないってことも。
キモチワルイね。ストーカーみたい。
握られた手の感触が、
振り回された腕の感覚が、
寄せられた頬の骨の形が、
キモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイキモチワルイ
いやだ、
みみなりがする、
いやだ、
やめて、
「ぼく」のこえ、
いやだいやだいやだ、
うるさい、
だまれ、
はなれない、
こないで、
「ぼく」、
きらい、
あたまにひびく、
こえ、
きらい、
いやだ、
めまいがする、
しかいがゆがむ
きもちわる、い
たすけて、
「ぼく」のことがあたまからはなれない
きょうされた、きもちわるいこと
ぜんぶ、
いやだおもいだしたくない
なんでかんしょくきえないの
いやだ
いやだいやだ
「ぼく」のことを
かんがえたくないよ
きもちわるい
ずつ うがする、きがする
「僕」にまた聞かれた。
「誕生日はいつ?」って。
答えたくない。
前誤魔化したのに、まだ聞いてくる。しつこい。
答えたくないのがわからないの?
分らないんだね、だって馬鹿だもん。
教えたくない理由。
余計な情報を与えるのは嫌っていうのもあるけど、
「僕」がキモチワルイからだってどうして気付かないの?
自業自得じゃん。身から出た錆じゃん。
ああそっか、プライド高いもんね、認めたくないよねそうだよね。
でもそれが事実なんだ。
「「愛している」ってところまでは、まだ言えないんだろうけど…………」
ねえ、どう反応すればよかったの?
俺には聞こえなかったふりしかできなかったんだけど、
どうこたえるのがベストだった?
しかもそのあとに誕生日とか。
マジやめてくれ。キモチワルイ。
「だって正しい誕生日教えてくれないと、相性診断もできないじゃん」
キモチワルイ。てかアリエナイ。
「トモダチなんとか」ってゲームで俺を作るとか、
その中で「俺」が何をしたとか、どうなったとか逐一報告してくるとか、
内容もキモチワルイし、「僕」もキモチワルイ。
「ゲームなんだけど、ハク、結婚したよ!」
「ハクが出産したんだ。子供が割と可愛かったぜぃ」
「昨日はね…………」
なにこれストーカー? 何の拷問?
しかも毎日って辛い。
「彼」が間違えるはずはないから、たぶん俺が悪いんだろうけど、
どこが悪いのか分らない。
どうしよう。
それとも俺があまりにもウザくて、避けられたのかな。
どうやって謝ったら許してくれる?
たぶん俺の勘違いなんだろうから。
俺が時間を間違えちゃったんだろうから。
それで勝手に勘違いして、勝手に一人で帰っちゃったんだろうから。
怒ってもいいし、恨んでもいいし、憎んでくれても構わない。
許さなくてもいいから、
謝ることだけはさせてほしい。
「彼」に二日会えないぐらいで、
こんなに不安になる。
人生の一辺がかけた気分になる。
これだから、「彼」は嫌いだ。「彼」が苦手だ。
会えた、っていってもちょっと窓から見かけただけで、
声をかけるとかそんなことは全然出来なくて、
歩いて行く横顔を、十秒にも満たない間だけ、見てただけ。
それでも、楽しかった。
「彼」に謝らなきゃ、って思っていたはずなのに。
「彼」に会えないことが、借りていたものを返せないことがたまらなく不安だったのに。
「時間、間違えてごめんね。本、今日返せなくなっちゃった。ごめんね」って謝ろうと考えていたのに。
授業中ぐらい静かにすればいいのに。
ひそひそ、ざわざわ、ってうるさい。
それで話していることがばれないとでも思ってるの? 馬鹿みたい。
そのくせ、テストが近いーやばい勉強してないーって休み時間も騒ぐ。うるさい、黙れ。
話きけばそんなもん覚えられるだろ馬鹿どもが。静かに授業ぐらい受けろ。
もーいーじゃん。
勉強なんてしなくてもテストで点ぐらい勝手に入ってくるよ。そーだよ今までだってそうだったでしょ勉強なんてしなかったんだしそれで男女別二位とか割と取れていたし。
小テストとかだって合格点を余裕クリアしているんだし先生に刺されても問題なく答えられているし親に問題出してもらっても特別出来ないところはないしさぁ。
学校行く意味あるの?
あんなうるさい所に行きたくないよ。
あんな騒がしい所に行きたくないよ。
あんな低レベルなところに行きたくないよ。
あんな面倒くさい所に行きたくないよ。
あんな億劫なところに行きたくないよ。
あんなところに行きたくないよ。
頭がいいやつが偉いとか、
仲間が多い奴が偉いとか、
人望が厚い奴が偉いとか、
知名度が高い奴が偉いとか、
そんなこと言うつもりはないけど、
じゃあ何が偉くて何が凄くて何のために行ってるの?
キモチワルイ人間がいるし、
鬱陶しい人間がいるし、
面白みのない人間がいるし、
付き合いにくい人間がいるし、
苦手な人間がいるし、
嫌いな人間がいるし、
何より仮面をかぶるのが面倒くさい。
先生の話を聞かなくても、教科書を見れば大丈夫だし、
教科書を見なくても、先生の話を聞けばいい。
簡単な話じゃん。必死こいて一時間勉強しましたーなんて時間の無駄でしょ。
あー、でも世界史とかはやばいかも。
教科書見る気になれない。そして前提として先生の話を話半分にしか聞いてない。
→50点コースの可能性あり。
まあ、赤点回避すれば授業態度は悪くないから進級には問題ないだろうけど。
十教科とか多すぎでしょ。
何で授業態度とか小テストとかから成績出せないのかなー効率悪いでしょ。
テスト前の授業とか内容の密度差が半端ないし、それに乗じて先生への愚痴も増えるし。
てか先生は授業始まる五分前に教室来ればいいんだよ。そうすれば宿題やってない人とか一発でわかるじゃん。それで平常点引けばテスト必要ないのに。
それとも授業態度悪い人への救済的な意味が入ってる? 必要ないよ。授業態度悪い人はテストも悪いから。仮に頭がいい人がいたとしても、授業態度悪ければ社会に出て通用しないから結果的にダメ人間ルートだし。結論。テストは要らない。学校も要らない。よし完璧。
そんなことを言っても、たぶん俺は学校に行くんだろうけど。
「私」に会うためだけに。
それだけのために、ウザい人と話して、
嫌いな人と談笑して、
面倒くさがりながらも勉強を教えたり、
適当な冗談を言ったり、
正直一秒たりとも同じ地球上に居たくない部類の人と一緒にご飯を食べたりする。
自分でも嫌になる。
でも「私」に会いたいから仕方ない。
「私」に会って話すことは全部決まってる。
「私」に会いたい。
「彼」は、まあ、ついででいいや。
会えたらいいなー、ぐらいの気持ち。
会えないことに慣れすぎたかな。「彼」の本が手元にあるのに、何ら違和感がなくなってきた。
寝ていたらごめん、それと、乱入ごめなさい。いまごろなのかもしれませんが。自分と「僕」が同じ人間と考えるとタヒにたいといったね。じゃあ、自分を生物(なまもの)と考えればどうかな??そしたら人間かどうか分からなくても生物でまとめられる。嘘はつきの生物。存在していい場所が分からない生物。でもって、「僕」にすこしでも関わると腐れてタヒにかける。いや、もうタヒんじゃってるかもね。まぁ、こんな考えどうでしょう(・∞・)
あ、あと乱入は別に構いませんので。
覗かれるのも構いませんが、あまり気分のいい話はしませんよ?
そこのところは自己管理でお願いします。念のため。
うぁ、ごめんなさい!言い方が意味不明でした。長すぎて発言は、全て読んで無いから、変な所があるかもです。──えぇ、前の書き込みで、「僕」と同じ人間だと考えるとシニタクなると言っていたし、自分が人間か分からないとかも書き込みであったので、トピ主は、人間じゃなくて、ただの肉の塊と思えば、と思ったのです。ただ、それだけ
テスト失敗したし…………。
もうヤダ。なんであんな簡単な問題を間違えるんだよ馬鹿。
もうほんと俺は何学習してきたんだよ。
俺の馬鹿。
二問も間違えるなんてほんとに自分の頭の中身を見てみたい。どんなばかみたいな構造しているんだろう。あーもうぐちゃぐちゃにかき回して頭の中身を総取り換えしたい。
馬鹿みたい。ほんと馬鹿みたい。
こんな俺はたぶんタヒんだほうがいい。
得意分野で満点取らなかったら何で点数稼ぐ気だったんだよ馬鹿。そんな単純なこともわからないの俺の頭は。俺の成績が壊滅的なのを俺自身が知らなくてどうするんだよ少しでも得意分野で点を稼ぐのが普通だろ何やってんだよ俺。マジで馬鹿だな。桁が一つ変わっちゃうじゃねーか。三桁と二桁って実はかなり違うことをえ何理解していないの?そこまで俺の頭は馬鹿なの?ねえどんだけ馬鹿なら気が済むのさマジで。しかも問題数が少ない=一問の配点がでかいってことだろ一問落としただけで点数ヤベくなるじゃん。どうするんだよ最低二問間違えてるじゃんか。八十点代覚悟必須じゃねーか。俺の通知表どうなるんだよ本当。ねえ馬鹿なの?解答時間が三十分以上余らせておいて、そこで文章の意味とかまで深く考えて文法わけして出題者の意図とかそれを伝わりやすくするためにはこう書くべきっていう例題とかまで考える時間があって何で間違えるの?馬鹿でしょ。まあわかっていたけどさ。どうせ俺なんかが満点狙うとか無謀だって分っていたけどさ!俺ってば本当に馬鹿。自分の実力を正しく把握できない馬鹿。自己過信しすぎの馬鹿。テストで失敗とか馬鹿の極みじゃんあなんか涙出た。
なに俺のこと知った風に語ってるの? 馬鹿じゃない?
いつ、どこで、誰が、「彼女」に「俺」を見せたんだよ? 間違った知識を振りかざして、優越感に浸って、それで満足? 見苦しいね。下手な嘘ついたほうがまだ恰好がついたのにさ。
キャラづくりに気付かない「彼女」を、嘲笑いたくなった。こらえた俺は正直偉いと思う。
「キャラづくり」してるって言ってあるし。
で、そんなことを明かすのは「彼女」にだけだよ、みたいなこといってあるし。
まあ、嘘だけど。
そんなわけないじゃん。
俺が本音を漏らせる相手、をせいぜい気取っていてください。
でも今回みたいに俺の邪魔したら、かなりガチに手ひどい目に合わせるけど。
そんな考えなしだから俺に成績で勝てないんじゃないの?
一度くらい頭を使ってみればいいじゃん。だってまだ一度もまともに使ってないんでしょ? だから俺に勝てないんだよね?
口でも、頭でも、体力でも、さ。
「彼女」のせいでキャラづくりミスった。
「彼女」のせいだ「彼女」のせいだ「彼女」のせいだ。許さない。
第一印象が大切なのに。勝手に記憶を埋め込みやがった。俺が「彼女」の前でふるまってた嘘の俺を相手に教えやがった。タヒね。
おかげでフォローのひと手間がかかったじゃねぇか。面倒ごとをさせやがって。
相変わらず「母」の言葉が意味不明過ぎて笑えた。
ぐちぐちぐちぐち煩い。俺は不満や文句のはき口じゃないんだよ。
ねえ、理解してる? 分ってる? 分っててやってるの? メイワクなんだけど。
不満があるなら無理やりにでも強行すればよかったじゃん。
反対とかしなかったくせに、今更何言ってんの? ふざけんな。
いつもみたいに「とにかくダメ!」の一点張りなら、希望どおりになったはずだよ。
今更自分の判断ミスをこっちにぶつけないでよ、鬱陶しい。
俺が「母」の「とにかくダメ!」に抵抗とか反抗とかするわけないじゃん。そんなことも分らないの?
今までどんな俺を見てきたのさ?
「とにかくダメ!」でいくつのものを諦めてきたと思ってんの?
いくつのものを手放してきたと思ってんの?
全部素直に従ったでしょ。結局思い通りに動いたでしょ。
文句を言うぐらいなら、最初からそれをすればよかったんだよ。
第一志望校だって諦めたでしょ?
第二志望校だって諦めたでしょ?
第三志望校だって諦めたでしょ?
行く気のなかった高校の受験だって受けたでしょ?
滑り止めに受けた高校の第一希望だって諦めたじゃん。
結局行ったのは、受ける気も行く気もなかった滑り止めの私立で、受けることを決めたのも「母」だった。
受験だけだって、こんなに「とにかくダメ!」で動いてるのに、今更何?
文句を言われる筋合いはないよ。
自分の不機嫌を、不都合を、不具合を、俺に押し付けるな。
久しぶりです。覚えてますか?
今、すっごく思った。あなたって天才肌の人?なんとなく圧倒された。
「私」「彼」「俺」「僕」全部あなたの一人称?
???
すみません、>777の意味がわからないです。馬鹿な俺を笑ってください。
「私」も「彼」も「僕」も、違う人を表しています。
「彼女」とか「先生」とか「母」とか「先輩」とか「兄」とか、いろいろ使っていますが、基本的に名称一つにつき、一人の人だけを示すようにしています。
自分のことは、「俺」ですね。
まあ、現実世界じゃあ三つぐらい一人称を使い分けているんですがwww
あと、俺は全然天才肌とかじゃないです。
むしろそんなこと言ったら天才に失礼だろ、ぐらいな馬鹿です。
馬鹿です。(大事なので二回言いました。)
ケアレスミス多すぎなんだよ馬鹿。
問題を写し間違えるとか、え、何小学生レベルにも達してないの?
頭大丈夫? って、真面目に考えた。
すっごい馬鹿。
符号ミスとか、写し間違えるとか、ゼロを一つ書き忘れるとか、
先生に書かれた「おしい!」と「やり方はあってます!」の数が過去最多を記録したらしい……。
どんだけ注意力散漫なんだよ俺。もうマジ滅びろ。
あーもう、なんであんなテストも取れないんだよ馬鹿が。
写し間違えと符号ミスがなければ、90点代後半は確実だっただろこの馬鹿頭が!
頭悪いのもいい加減にしろ。tk50点代とか、マジ笑うしかない。どんだけ問題をしっかり認識できてないの俺。
化学もポカやらかしたし。
もー化学嫌だ。というより、国語が出来ないだけか。記述の減点が痛い。
いや、だからって95以上を行かなかった言い訳にはならないけど。
俺って本当に馬鹿。生きる価値ないね。
日本語理解してる?
俺は「悪かった」って言ったはずなんだけど。誰も「よかった」なんて言ってないよ。
人のテストの点数を知らないくせに、勝手に基準を設けて振り分けないでくれ。
一人になるのは苦じゃないし、
一人でいることはむしろ楽だし、
人と群れるのなんて御免こうむりたいし、
テストの点数でばか騒ぎするほど落ちぶれたくないし、
人に点数を教えるほど思考能力はマイナスに向かっていないはずだけど、
勝手な分類は、我慢ならない。
今日も抱きつかれた。
腕もからめられた。
すっと制服の裾をつかんで離さない。
肩を組んでくる(抱いてくる?)し、
後ろから覆いかぶさるようにも抱きつくし、
普通に体を密着させてくるし、
(たぶん意識的に)胸部とか腹部とか足とかをくっつけてくる。
キモチワルイ。
なんか、ともこれ(←ゲームの名前らしいけど、詳しくないので知らない)で俺そっくりのキャラクターを作ったらしい。
で、毎日毎日毎日毎日、その中の「俺」が何をしたとかどんな夢見たとかどこに行ったとかどんな服着たとか誰と結婚したとかどんな子供を産んだとかいま何をしてるとかどんな風に過ごしているとか、逐一報告される。
ウザいし、キモチワルイ。
人に触れるなんて気持ちが悪いことを平気で出来るあの神経が分らない。理解できない。
しかも俺のこの後の予定を考えもせずに突っ込んできて抱きついて話さないあの思考回路が分らない。
マジで分らない。
こっちは分単位で予定を頭の中で組み立ててるのに、全部ぶち壊していく。
これだから「僕」は嫌いだ。これだけじゃなくても嫌いだ。
どうしよう、演技ができない。
仮面がかぶれない。
全部ボロボロになって崩れていく感覚がする。
何もかもがもう、ぐちゃぐちゃでごちゃごちゃ。もうやだ。
正直、学校に手袋をしていきたい。
じかに人に触れたくない。というか、じかに空気にすら触れたくない。
気持ち悪い。なんでみんな、こんな汚れて穢れた世界で生きていけるのかな?
先生は、手袋許可してくれるかな。
もうすぐ夏だから、やっぱり手袋はきついだろうけど、でも人に触れる不快さを考えたら十分すぎて涙出る。
本当にもう、精神的に限界。
真面目に体調不良を起こしてきた。
眠れないし、頭痛い。学校行くのに、なんだからだが重たい。行きたくない。
「ハクに会いたかったからだよ!」って、馬鹿みたい。
そういえば俺が喜ぶと思った? 浅はか過ぎるでしょ、認めればいいじゃん、さびしかっただけです、って。自分が寂しがり屋で人の迷惑も考えられない馬鹿だからハクに全部背負わせて自らの欲求を満たすためだけに行動した結果です、ってはっきり言えばいいじゃん。
そうすれば俺だって、はっきりと言ってあげるよ。
「迷惑だからこれ以上近寄らないで。俺は「僕」のことこれ以上なく嫌いだから」ってさ。
まぎれもない本音で。
会いたかったから? それは結構なことだけど、
俺は会いたくなかったよ。出来れば一生。
雨の日は半分諦めているけど、晴れの日ぐらい安心させて。安らぎを頂戴。
初めてであった時のこと、覚えてる?
初めてした会話を、覚えてる?
仮入部期間の一日目、「僕」が先に来てて、校舎内を少し迷った俺がその次に来て、二人だけで見学したときのこと、覚えてる?
あの時俺は「僕」の姿を見て、生理的嫌悪感を覚えたんだ。
たぶん一生わかりあえないだろうから、出来るだけかかわらないようにしようと思ったのははっきりと覚えてる。
「炎色反応はわかる?」って先輩が聞いて、
俺は概要は知っていたけど特別詳しくもなかったから曖昧に笑ったんだ。
「金属が燃えて色を出す反応のことですよね!?」って「僕」は俺でも知っているようなことをさも得意げに、自慢げに話してた。
知識をひけらかすのは楽しいかい?
感心されるのは快楽かい?
羨望のまなざしは気持ちいいかい?
ちっとも理解できないね。あのときから、初めに抱いた嫌悪感に、「僕」への不信感がわきあがったんだ。
それから「僕」は仮入部に来なくなって、
ああ科学部には入らないのか、って思って、
だから俺は科学部に入った。
裏切られた、と思ったよ。
だって科学部に「僕」がいたから。
一度しか見学しなかったのに、科学部の何もかもを知っているような態度が正直嫌いだった。
まだ新入部員なのに、触らないように言い渡されたものをこっそり触っている姿が正直嫌いだった。
ホールピペットの練習で、
俺が先輩にOKをもらったのをわざとらしい笑顔で「お~」と言ったのがムカついた。
先輩にようやくOKをもらって(その時すでに俺は10回以上OKされてた)わざとらしく喜ぶ姿がイラついた。喜んだはずみにホールピペットの扱いにおいてやってはいけないことをいくつか犯したのが許せなかった。
だって、
知 識 は あ る ん で し ょ ?
再結晶の実験で、
失敗して泣く姿が、「泣けば許される。優しくしてもらえる」って思ってるのがわかってコロしたくなった。
俺が成功したのを褒めることで助言を”さりげなく”聞き出そうとする姿があまりに浅はかで笑えた。
最初のころの、あの自慢げな知識はどこに行ったの?
常識でしょ? だって中学生の知識でしょ? 何にも知らない、特別詳しい知識もない俺だって知ってたよ? 何で出来ないの?
万能視役を使った実験で、
ちゃんと染まりきらなかったから、さてどうしようかということになった。
「僕」が一度塩基性に戻そうって言って、俺はそれが間違ってはいないけど効率が悪いってわかってたから、普通に実験を続けた。その時、俺からの賛同が得られなくて、自分の意見の通りに行動できない「僕」にたまらなく嫌悪した。
いいじゃん、実験なんだから。失敗したって、そこから学ぶのが実験でしょう?
目的を間違えてるんだよ。
成功させるのが目的じゃないだろ。それはあくまでも終着点。
本来求めるべきものは、どうやって成功させるか。その過程を調べること、知ることが目的なんだろ。
何勘違いしてるんだよ。
そんなん、知識以前に少し考えればわかることだろ。
小学生だってわかるよ。幼稚園生だって知ってるよ。
何でわからないんだよ。
それで結局、俺が成功して、俺のやり方をパクって成功させて、無駄に大喜び。
「こうしたらこうなってわぁきれいだね」が実験じゃないんだよふざけるな。
どうせ何を何ミリリットル入れたから何モルパーリットルで、それをどの順番にどうやって入れて、ってメモってないんだろ?
何で馬鹿しかいないの? ワケわかんない。
俺だって紙にメモってあるわけじゃないけど、
俺の場合はそれは、一度見て少し考えれば後はほぼ完全に覚えられるからで、
「僕」達はそうじゃないだろ?
自分の能力も把握できず、
言葉の意味も理解できず、
加えてお得意の知識も、俺みたいな馬鹿でも知ってるただの常識。
ねえ、「僕」の存在意義って何なの? 俺には皆目見当もつかないんだけど。
ねえ、話を聞かない奴は嫌いなんだよ?
一度言っただけで正確に内容を理解しろよ単細胞。
こっちはちゃんと順序立てて理論的に話を進めようとしているんだけど。
俺の言葉が不適切だった、とかその展開はオカシイとかなら別に構わないし俺だって反省して改善するよ?
でも話を聞いてなくて頓珍漢な発言をするのはマジやめろ。
ふざけんなって思う。
話を聞いてないなら発言するな。ひとり言のほうがまだマシなんだけど。
「僕」のテストの点数なんて聞いてないし。
俺が知りたくないことを勝手に話そうとしてないでくれる?
無駄なものは嫌いなんだ。
必要ないもの、が不要、って書き換えられるのを知らないの?
「僕」の情報なんて必要ないんだ。それを知ったところで、どれだけ利用できるの? ねえ。
人を使うのにテストの点なんていらないんだよ。そんなこともわからない?
俺は頭のいい人が好きなんだ。「僕」じゃあ間違っても慣れないだろうけど。
成績なんてどうでもいい。どんなに壊滅的な成績だろうと、頭が良ければその人は好きだ。
あれ? 好きってなんだろう?
とりあえずこの場では、一緒にいても決して不快じゃない(かもしれない)人、と定義する。
知識があっても、その下地ができてないんだよ。
言葉を絵で覚えている感じ。
単語を知ってるよ。その言葉が示す意味を言えるよ。理解してないよ。って感じ。
すごくバカっぽい。あ、「っぽい」じゃないんだっけ。
言葉が表面上過ぎて笑えて来る。ほんとは理解してないでしょ、知ったかぶりと同じじゃん、て言いたくなる。
アイデンティティーも、ボキャブラリーも、表面上でしか見ていないから意味を間違えるんだよ。
確かに「僕」が言った意味も広義的には間違いではないかもしれないけど、
若干の意味の差、を考えていないでしょう? 適当に覚えて、自分勝手に理解したふりをしてるからそうなるんだ。
言葉を覚えるのはいいよ? そういった知識も必要だと思う。
でも間違っていたら何の意味もない。
無駄なものは、嫌いなんだ。
俺が思ったこと。
1、うわぁキモチワルイなぁ。
2、え、何、叶うと思ってんの?
3、言葉選びがバカっぽいなぁー知性の底が見えるわぁー。
4、何それ引く。
5、この展開マジ面倒くさい。
6、ああはいそうですか。で?
7、うわ、考えなしの発言ですか理屈じゃないとかいうつもりですかごめんそういうのマジ嫌い。
僕「同性愛者になってもいいですか」
俺「え? それは別にいいんじゃない? 俺は別に個人のそういう感情を否定するつもりとかないけど」
僕「対象はアンタなんだけど」
ふ ざ け る な よ
好きなら好きでいいんだよ。
「僕」に言った言葉は、俺にしては珍しく本心で、
個人の感情をどうとかいうつもりはないし、
たとえそれが俺に対して向けられたものであってもそれは変わらない。
答えるかどうかは別として、その感情自体を否定するつもりはないんだ。
好きなら好きでいい。愛してるとかでも別に構わない。
告白だろうが独白だろうが自白だろうが、聞いてほしいならその旨を伝えれば聞いてやる。
だけど発言にはそれなりに責任を持ちなよ。
さっきの発言はたぶん遠まわしに好きだーて言ってるんだと思う。
でも俺そういうの嫌い。マジ嫌い。無駄じゃん。
好きならはっきり言えばいい。
告白には最低限、「気持ち」と「願望」と「展望」を決して押し付ける形ではなく提示しろよ。
そうすればまだマシな返答が出来るから。
好きだからなんだっていうの?
好きだからどうしろっていうの?
自分のことを好きな人を好きになることを強要しないでよ。
押しつけがましい。おこがましい。
ふざけなるなよ。
それで、俺のことが好きだとか、俺のことは割とよく観察しているとか、よく言えるね。
何にも知らないで、なんでも知ってます、てすごく笑えるからやめてほしい。
何にも知らない人の「知ってます」は知らないって言っているようなものなんだよ?
あ、こういったほうがわかりやすいかな。
嘘つきの「知ってる」は、知らないって公言してるのと同義なんだよ?
何であんな単純な話も理解できないの?
何で言葉の綾が通じないの?
ねえ、俺は外国人と話しているのかな? 違うよね?
馬鹿なのも大概にしてよ。
トモダチ、だなんてどの口が言うの?
俺は一度だって友達だと思ったことがないよ。
ただの惰性がつくった関係でしょ? 夢を見るはいい加減にしろよ。
「僕」のことを「君」に愚痴るけど、
それは反転して「君」に向けた言葉だって気付かないの?
そうじゃなかったら「君」になんて相談するわけないだろ。
そうじゃなかったら「君」と話なんてするわけないだろ。
「僕」と「君」はよく似ているね。うん、気持ち悪いところ、押しつけがましい所、一方的なところとかそっくりだ。
「僕」がキモチワルイ。そういうとき、俺の頭に浮かんでいるのは「君」の姿なんだよ。
何で気付かないの?
「僕」と「君」の行動や考え方は、すごくよく似てるって。
「僕」があまりにも付きまとうから、
「なにあれストーカー?」って冗談めかして言った時、「君」は同意してくれたけど、
「君」だって俺にずっと付きまとっていただろ。
俺が一人でいたいときや、課題を仕上げたいときや、「彼」と話している時なんかに、無理やり割り込んできて、邪魔をしただろ。
同じなんだよ、「僕」も「君」も。
俺が大嫌いな二人だ。
くだらない友情ごっこに夢を見るなよ。
つまらない仲間ごっこに憧れるなよ。
平坦なグループごっこにうぬぼれるなよ。
窮屈な仲良しごっこに陶酔するなよ。
迷惑なんだ。
優しい人は、根っから優しいんだと思ってるでしょ?
優しい人になら、愛してもらえると思ってるでしょ?
優しい人だったら、受け入れてくれると思ってるでしょ?
優しい人なら、拒絶しないと思ってるでしょ?
ねえ、ふざけないでよ。
自分のイメージを勝手に押し付けないでよ。
「優しい」俺は、心の中では軽蔑してるし、
「優しい」俺は、愛するつもりなんてないし、
「優しい」俺は、何も受け入れないし、
「優しい」俺は、拒絶しかしない。
これが現実。これが真実。これが正解。
俺が「優しい」のはあくまで、仮面をかぶったときだけだから。
役の一つとして「優しい」があるだけだから。
勝手な幻想。傲慢な空想。欲まみれの妄想。全部お断りだよ。キモチワルイ。
友人同士の嫉妬なんて、馬鹿みたいだし、
恋心があったら本当にキモチワルイ。
え、なに、「嫉妬してるんだけど」とか言ってるけど、
なんて言ってほしかったの?
責任をとらない発言は嫌いなんだ。
嫉妬している。ふうんなるほどよしそれは理解した。
で、「僕」はどうして欲しいの? 俺に何を求めてその発言をしたの?
思いつきや寂しさを埋めるためのものじゃないでしょ? そんな無責任な発言じゃないでしょ?
そんなくだらない理由なら、俺は心の底から軽蔑するけど。
そもそもそんな感情をさらけ出す意味がわからない。
嫉妬って、醜いものだろ? 汚らしいものだし、穢れたものだろ?
それを人に伝えて、「自分は醜いです、汚いです、穢れています」って主張しているの? で、だから俺にどうしろと?
憐れんでほしいの? 蔑んでほしいの? 罵ってほしいの? 構ってほしいの? 傍にいてほしいの? それとも自分を卑下にすることでくだらない自己満足をしてるの?
人に嫉妬するのは自由だと思う。
俺は人に無関心な自覚があるし、自分にも無関心だとよく理解している。
自分に「感情(おもにプラス方面への)」があるのかすらわからなくて、当然のように他人の心なんてわかるはずもない。
だからってわけでもないけど、人がどう思ってどう行動しようと、どうぞご自由にっ感じに生きてきた。
「僕」が俺に恋心を抱いても、まあそれも自由だろう。
「僕」が俺達に嫉妬しようと、まあそれも自由なんだろう。
「僕」が自由で身勝手でいい加減で客観的に物事がみられなくて未来の展望があり得ないぐらい出来なくて理想主義で希望的観測ばっかりで何の根拠にも基づかない発言しか出来なくて俺が非常に嫌いかつ苦手な性格をしているのも、自由である。
正直、軽蔑はしている。嫌悪感もある。
が、否定するつもりはない。自由だから。
俺にそれを強要しない限り、それは「僕」個人の責任であり、一切の意思決定は「僕」に委ねられる。
そこに俺の感情は及ばないし、何者にも犯されない領域だろう。
だが、俺にも同じように領域があるのを忘れるな。
感情がないが意思はある。だれかになにかを任せるなんてありえないし、自分の行動に伴ってくる責任も理解している。それ相応の行動はしてきたと思うし、「俺」を演じる上で必要であろうことはそれなりにこなしてきた。自分が完璧だなんて自惚れは一切ないと断言できる。だが、繰り返しになるが俺にも領域がある。
嫉妬、という行為について、俺の解釈を述べておきたい。
念のためではあるが、これはあくまで俺の感情の整理をつけるための行為であり、このせいで誰かが不快になるとか前の発言と矛盾しているとか人を傷つけることになるとかは一切考慮していない。
人には領域が伴う。人間的に未完成、不完全な俺にも領域があるのは前述した。
嫉妬はそれを穢す行為である、と俺は思う。
その人の領域、つまり意思があるもとでの行動にケチをつける、といったほうが適切かもしれない。もちろん嫉妬する側にも意思があり、それは一向に構わない。俺がここで言いたいのは、嫉妬している、ということをその本人に言うということについてである。
「嫉妬しているんだけど」 この言葉だけであれば、もしかしたら可愛げがある発言なのかもしれない。だが言い方を変えてみようか。「君の行動、すごく不快だよ」「ホント、そうゆうのやめてくれない? マジ嫌なんだけど」「人の気持ち考えて行動してよ」「何でそういうことするの? 私が嫌がってるのがわからない?」 多少の過剰表現はあるかもしれないが、正直俺にはこう聞こえる。男女の差は一切考慮していない。
それで、俺はどうすればいい? むしろ俺はこれを問いたい。
嫉妬しているのはわかった。不快なのも理解しよう。嫌だということもまあ、納得できないこともない。ある程度生き方のアドバイスとして受け止めることも可能だろう。
だが、どうすればいい、ということが何にも言われていないのは無責任だ。
怒るだけ怒っておいて、どうすればいいかは自分で考えて、ということだ。たとえるなら、養子縁組によって子供をもらってきたのに、一切の育児をしないのと同義だと俺は考えている。
「嫉妬しているんだけど。もう少し私とも仲良くしてよ」とか「二人だけで会話を盛り上がっててずるい! 私の気持ちを考えてよ。私にもわかる話をして」とか、発言の仕方ならいろいろあるだろう。
たとえそれに対して俺が「うぜぇ」って思っていたとしても、たぶん俺はそれを顔に出すようなまねはしないし、俺の領域内に抑え込んで表面上は笑っているように思う。
もしそれが表面に出るようになった場合、それは今度は「俺」に問題があり、非は俺にある。
俺としても、他人の心中まで否定するつもりはない。
まとめると、嫉妬とは他人の領域の否定であり、非常に不愉快である。が、そこに未来の展望、または改善を求められていると認められる発言があった場合、それはアドバイスであり、結果として不快感は個人の管理下に置かれるため、それによってさらなる火種をまき散らすことはできない。
繰り返すがこれはあくまで俺の領域に基づく意見であり、この発言に対する俺への責任は発生する。が、他人がどう思うか、どう感じるかはその人自身の領域内のことと判断し、俺は一切の責任を拒否する。
まあ、結論として、
「僕」はもうしゃべるなよ、ってことかな。
もしくは、
ちゃんとどうしてほしいかを言ってくれ、だな。
察してほしいとか気付いてほしいとか、
無駄な期待を俺に抱くのはやめたほうがいい。時間の無駄だから。
何も言わなければ何も改善しないと思ったほうがいい。
さらに、アドバイス形式かつ俺の納得できる論の展開が出来なければさらに悪化すると考えられることを注意しろ。
もういいじゃん。
惰性の付き合いなんて面倒くさいだけだよ。
ねえ、俺が嫌いなんでしょ?
俺の性格を面倒くさいと思ってるし、
付き合うのは億劫だと思ってる。態度からわかるんだよ、そういうの。
それに俺は一人でいい。必要ない時に人と話す必要はなから。
「友」が優しいのは知ってるよ。ちゃんと気を使える人だってわかってる。
でもさ、もういいじゃん。何で無理して一緒にいるの?
俺は面白い話なんてできないし、
基本的に人と話さないし、
口下手だし、
うまく笑えないし、
困っていても手助けできないし、
安っぽいポリシーとか、
くだらないプライドとか、
嘘めいたモットーとかを振りかざしてばっかだし、
人の否定とか、
アイディアの拒否とか、
発想の否定とか、
できるのはマイナスなことだけなんだよ?
初めて話しかけてくれたことは感謝してる。
一緒に昼食を食べてくれることも感謝してる。
おかげで困っても誰にも相談できない、なんて自体には陥らなかった。
たぶん「友」にはいくら感謝しても足りないんだろうね。
でも、だからって「友」が俺に縛られる必要はない。
ダメなんだよ、俺は。
斜め後ろ、が気持ちよすぎるんだ。
「彼」の影響かな。それとももっと根本的な問題なのかもしれない。
誰かの斜め後ろ、話もせずに並び立つこともなく歩く、その関係が一番心地いいんだ。
だから「友」とはたぶん一生わかりあえない人種なんだと思う。
大丈夫、わかってくれなんて思わないし、言わないから。
ただ黙って、俺から離れてくれればいい。
もう俺よりも仲がいい人がいるんだろ? 楽しく笑いあえる奴を見つけたんだろ?
気にしなくていいから、その人のところに行きなよ。
ぼっち同士のくだらない傷のなめ合いはもう終わったんだ。
残り何カ月あるかわからない学校生活を、オトモダチと満喫しな。
別に絶交したわけじゃないから、必要な時は俺から話しかけるよ。
どうしてもって時は声をかけてくれて構わない。
だけど、ただの雑談の相手が、俺である必要性はないだろ?
「最近「友」と一緒にいない」って、クラスメートから言われたけど、
そんなことどうでもいいじゃん。
俺と「友」はわかりあえない存在だった。
話をしてても噛み合わないし、
互いの趣味を理解できないし、
俺の毒舌と、「友」の天然も、
俺の素の知識量と、「友」の紙面上での成績も、
たぶん、認めあえないものだった。
俺は一人でも平気だけど、
「友」はきっと、一人では生きられない。
俺といたら、「友」は一人になる。
俺は、二人でいても三人でいても、たぶん百人のニンゲンといても、
一人と同じ存在だから。
「友」はやさしくて、賢くて、聡くて、愛らしい人間だ。
別に俺じゃなくても、他の誰とだって、仲良く楽しくいられる。
早く、離れろ。
「友」のことを嫌ったことはそんなにないけど、
苦手だな、っていつも感じてる。
扱いには困るし、
発言は注意しなきゃだし、
行動も会わせなきゃだし、
不快に思われないようにとか、
嫌な気持ちにさせないようにとか、
邪魔にならないようにとか、
迷惑がられないようにとか、
気を使ってばっかり。嫌になる。
「彼」が苦手なのとはまた別。
「友」は本気で嫌になる。
疲れるし、酷く億劫だ。
「友」のため、なんてばかげた自己満足なセリフは言うつもりはないけど、
俺のために、どうか「友」が一日でも早く俺から離れてくれればいい。
早く目を覚ませばいい。
こんなヒトデナシのところに、ニンゲンならともかく人間がいていいはずがない。
ねえ、居心地が悪いだろ?
自分だけ仲間外れにされてるような、除外感があるだろ?
みんなで話していても、一人ぼっちだー、って感じるだろ?
何となく、鬱陶しがられてるような雰囲気を肌で感じるだろ?
だってそうなるように俺が動いてるから。
部活なんて早く辞めて、
俺との接点が消えてはい終了、ってなってほしい。
もう二度と、「僕」の顔も気配も雰囲気も存在も感じたくない。
気持ち悪いから。
自己陶酔なんてくだらない。
自己満足なんてつまらない。
つまり「僕」はくだらないしつまらない。
少なくとも、積極的に傍にいようとは思わないね。
部外者にはわからないことも、「そうですよね」
「君」には絶対に理解できないことも、「そうですね」
ふざけてるの? ふざけてるんでしょ?
俺がわざと「君」にはわからない話をしているって、どうして気付かないの?
なんで意見を持たないの? なんで意見を持てないの?
自己がないの? 自我がないの?
「君」のとってつけたような愚痴も、本当に嫌い。
毎回毎回、話しているのは全部同じことじゃん。
人づきあいが苦手ですー。
何話していいかわかりませんー。
どーすればいーんですかー?
ふざけるなよ。
いつもおんなじ形容詞で、
いつもおんなじ語り方で、
違うのは、対象になったニンゲンぐらいじゃん。
毎回違う人が同じ理由で嫌いなら、
もう、人類すべてが嫌いです、って言っちゃえばいいのに。
例示を求めたら、答えられなかっただろ?
それ以上の説明ができなかっただろ?
何となくの感情論で、わかってるんですよ、って感じの印象を与えようとしてただろ?
すごく、見苦しかった。
すごく、醜かった。
馬鹿の一点張りみたいに、同意しかしない。
ねえ俺は、オウムと話しているんじゃないんだよ?
オウムと話すのに、貴重な電気代や電話代を使いたくはないんだけど。
俺は意見を言っているでしょ?
アドバイスをしているでしょ?
「君」が悪いところは指摘して、
「君」の良いところはたとえ思っていなくても褒めて、
未来の展望と、考え方を示したうえで、
ちゃんと行動に「君」の思いが反映されるようにしているでしょ?
なのに、何なの? ねえ、「君」はなんなのさ?
こっちが質問しても、アドバイスを求めても、
「わたしにはわかりません」って態度とって。
その割に、貴方の言いたいことは理解しています、って感じの発言をしていて。
俺が本当に困った時も、
俺が本当に泣きそうな時も、
何にもわかってない「君」の発言で、どれだけの怒りが芽生えたと思う?
知ってるよ。逃げたいんでしょ?
自分の発言のせいで、俺が行動して、
失敗するのが怖いんでしょ?
言及されるのが恐ろしいんでしょ?
非難されるるのが嫌なんでしょ?
なのに、わからない、って言って軽蔑されるのも嫌で、
単なるわがままだって、わかってる?
臆病者。それで許される、って思っている「君」は、オクビョウモノじゃないよ。
人の行動を全部吸い上げて、一番甘い所だけを搾取する、寄生虫と同じだ。
責任の重みは、俺だって知っているつもりだし、
それに伴う恐怖も、人ほどではないにしろそれなりに感じている。
だって、「君」は意見を有さないもんね。
俺が言った発言を全部鵜呑みにして、
俺が言った発言が全て正しいと信じ込んで、
ばっかじゃない? ウザいんだけど。
だけどそれは自己責任なんだよ。
自分で俺の発言が正しいと思ったなら、そう行動すればいい。
俺は何にも咎めない。
そして俺が咎められるいわれもない。
でもね、「君」は単に考えていないだけだろ?
だからムカツクんだよ。だからイラつくんだよ。だからウザいんだよ。だから嫌いなんだよ。
「君」のそれは、オクビョウモノじゃない。
ただの、七つの大罪の一つ、怠惰だ。
ねえ、罪なんだよ? 少しは自覚してよ。
あからさまな嘘もあっただろ?
はっきりわかる誤魔化しもあっただろ?
馬鹿を気取るのも大概にしろ。
ねじが五十本ぐらい足りない子を見て、あー可愛いなーなんて、ねぇんだよ。
俺はこんな性格だし、
俺はこんな思考だし、
ヒトデナシだし、
ニンゲンかどうかも怪しいし、
どうにもならないぐらいに生意気で、
わがままで、
意地悪で、
醜い地球上生命体。それはわかってる。
いたいぐらいに、自分自身が誰よりもわかってるんだ。
うん、本当に初めてだった。
金槌で殴られたみたい、って言えばいいのかな。
頭ががん、ってして、くらくらして、平衡感覚とかがなくなった。
なんでだろう、ってぐるぐると同じことしか考えられなくなった。
こういうのを人は、ショックというんだ、ってわかったんだ。
辞書とかを引かなくても、感覚的に。
何で自分がショックを受けているのか、わからない。
だってそうじゃん。
ショックを受ける理由なんてないし、
俺がショックを受けるいわれはないんだから。
今まで人に嫌われた経験しかなくて、
どんなに感情がわからなくても、嫌悪、だけはわかった。
というか、肌で覚えていた。から、「僕」や「彼」に俺が向けるべき感情もわかった。
嫌いなんだよねー、とか、
扱いにくいよねー、とか、
邪魔なんだよねー、とか、
話したくないよー、よか、
散々言われてきて、でもショックなんて受けなかった。
俺が「私」に嫌われる理由は数えきれなくて、
でも俺がショックを受ける理由は一つもなくて、
なのに俺はショックだった。
嫌われているかもしれない、って思ったら、なんか嫌だった。
すごく久しぶりだ、このカンジ。
自分を持て余してる、とでも言うのかな。
あるはずのない感情に振り回されてる感じ。
ずっと、「嫌い」の一言で済んでいたから。
ねえ、「私」
俺の何が嫌いなの?
いや、わかってるけどね。大丈夫、俺のマイナスポイントなんてわかってるから。
今更なおせるものじゃないって、知ってるけど。
嫌いでもいいよ。
うん、嫌いでもいい。
たぶんそのうち慣れると思うから。
他の、俺が嫌いだった人たちみたいに、何とも思わなくなると思うから。
でも出来れば、あからさまに避けるのはやめてほしい。かもしれない。
何でかわかんないけど、何となく、息苦しくなるから。
「私」を見かけても声をかけないし、
手を振ったりもしないし、
見えてないふりを通すから。
ねえ、それで満足なんだろ?
「私」はシアワセなんだろ?
それなら、俺は構わない。
でもなんか、なんていうか、心?胸?が黒い気がする。
なんて 表現したらいいかわからないけど、
首の付け根のあたりが重くなって、
息をするのが億劫で、
胸部が水を吸ったタオル見ないにずぶずぶ言ってる気がする。
なんだろう、これ。
ちゃんと見ないふり出来るかな。
無意識に見つけようとしないかな。
ああ、嫌だな。ただでさえ宿題が多くて先生が嫌いで疲れてて学校行きたくないのに、
自分の無意識化の行動まで制限を加えなきゃなんねぇのかよ。面倒くさい。
俺のことは、俺すらもわからなくて、
でも他の人と比べたらかろうじて俺自身のほうが俺を知っているはずだったのに。
俺も俺がわからない。どうしちゃったんだろう?
「私」と話す理由を、必死に考えている自分がいる。
何で? 話さないって、決めたのに。
離れようって、決めたのに。
自分がわからない。
本気でわからなくて、時々自分が怖くなる。
こいつは何を考えているんだ? って。
まあ、何にも考えていないんんだろうけど。
そんな自慢みたいな、くだらない自己陶酔感をこっちに押し付けるなよ。
無理やりにでも話題を合わせようとするなよ、吐き気がする。
全て同意される会話に意味はない。
全部同じ内容に進歩はない。
意見が一切含まれない話に興味はない。
シナリオ通りの展開はつまらない。
「君」がやってるのは、そういうこと。
気付いてください、ってわがままな意見だと思う。
人間なんて、思い通りにならないことばっかりなのに、それでも期待するって何様なんだろうね?
それも、気付かないならいいです、じゃなくて、気付かなきゃ嫌だ、でしょ?
押しつけがましいにもほどがある。
全部人に押し付けて、私は悪くない、気付かない奴が悪いんだって責任転嫁して、
その割に気付いて気付いて、ってわざとらしくふるまって、
こっちから離れたがる癖に、視線とか、耳とかはいつもこっちに向いていて、
面倒くさい。ウザったい。
「私」が予定を教えてくれたのに。
一緒に帰ろうって、言ってくれたのに。
ある程度善処するよって言ってくれたのに。
嫌われてないって、希望が少しだけ持てたのに。
「私」ともっと話したかった。
嫌われているであろうところを改善して、避けられないようになりたかった。
そのためにも、夏期講習滅びろ。マジで。
っていうかいらないじゃん、夏期講習。
問題を機械的に解いているだけでしょ?
いいよ、解説とか。なくても出来るから。
プリントだけもらえれば、あとは勝手にやってくるから。
必要ないんだ、別に。だから、もういいでしょ?
やってることが中途半端なんだよな。
人との付き合い方も雑だし、要らないときに絡んでくるし。
もう疲れた。いつまで先輩方に合わせればいいのかな。
別にうざいわけじゃないけどさ、
ただ面倒くさいだけなんだよ。
ウザいわけじゃない。
嫌いなわけじゃない。
苦手なだけだよ。だけどすごく面倒くさい。
だって、中途半端。
何もかも。もっとはっきりしてくれればいいのに。
実験も、人づきあいも、遊びも、思考も、やり方も、説明も、時間も、
何もかも。
要らない人間は消えるのが鉄則だろ?
いつまでも居座ってるなんて、ウザいし鬱陶しい。
ねえ、なのに何で行かなくちゃいけないの?
「忘れていました」は許されるのに、「やることないんで休みます」はなんで許されないの?
ほら、やっぱり中途半端。
妥協の付き合いなんていらないし。
俺は一人で平気だし。
群れなきゃやだー、なんてばかみたいな仲間意識もないし、
くだらない「学校」「部活」に縛られた義務感情があるだけ。
wow 行き先はどうしよう ちょっと私服じゃマズイかな
あぁ、何もかも 放り出しちゃった午後
wow 背伸びしたヒールじゃ ちょっと踏みだしにくいからさ
少しラフにフード付けて バレないように行こう
商店街 路地裏へ抜けて
あぁ、なんだか ドキドキしちゃいそうだ
ふいに 風が吹いたら フードが脱げて すぐさま観衆目線だ
「・・・やっぱ いつも通りの週末になっちゃいそうです」
散々だなぁ 辞めたいなぁ 満員御礼! なんて言うけど
その実ブルーなので 困っちゃうよ 目立っちゃうな
散々だなぁ 逃げたいなぁ 期待しちゃうよ。
「もう私を見ないで!!」 ・・・なんて言葉も ポケットにしまおう。
wow 昔からなんでか ちょっと人目を惹くんだよなぁ
それもまぁ、もう慣れ始めてしまいそう
wow 聞いたことあるんだ ちょっと思い出せないけど
「あぁもう!いやな体質だなぁ」 そんなこと言えもしないけれど
大通りがパニックに変わる
もうアイドルなんて辞めちゃいたいよ
「こんな事になるとは・・・」 あの日の馬鹿な私は単純思考で
ちょっとステージライトに 夢を描いちゃったんです・・・
散々だよ 言えないよ 歓声が溢れちゃうけど
「これそんな良いですか・・・?」 つまんないよ 解らないよ
散々だなぁ 消えたいなぁ 声にならずに
「嫌だ。涙が出ちゃうよ」 そんな言葉で ポケットを埋めた
・・・こんなんじゃもういけないね 歓声が聞こえてるでしょ?
夢見てた風景に 気付いたらもう出会っていて
「散々」なら変えたいな 一人じゃないよ
さぁ かっこつけないような言葉で
あぁ、なんだかいけそうだ! 心臓が弾けちゃうほど
溢れ出しそうなので 奪っちゃうよ!? 奪っちゃうよ!?
伝えたいこと詰め込んだ そんな「夢」から
もう目を離さないで さぁさぁ、明日も スキップで進もう!!
もう科学部なんて辞めちゃいたいよ
「こんな事になるとは・・・」 あの日の馬鹿な私は単純思考で
ちょっと学校生活に 夢を描いちゃったんです・・・
いいでしょ? 邪魔はしないよ。
別に「学校」自体に苦痛はないんだから。
ただ「学校生活」が苦痛なだけで。
「人間関係」が面倒なだけで。
「部活動」が嫌いなだけで。
俺にとって、
「学校に行く」のも、
「部活をする」のも、
「人と会話する」のも、
「集団に属する」のも、
「食事する」のも、
「生きている」のも、
全部義務だから。
「義務」に俺の意思は介入しない。
そうしなければならない、って決まり。規則。
だから、それを破ることはできない。
「部活に入る」ことも当然義務。
だから、どんなに嫌でも辞めない。
どんなに苦痛でも学校に行く。
そんな自分がたまらなく嫌い。
人を全て理解できるなんて不可能なのを知ってるのに、
何で知ろうとするの?
踏み込んでくるの?
入ろうとするの?
無駄なことするなよ。イライラする。
努力してるよね。勉強とかさ。
一生懸命やってると思うよ。
毎日学校来て、勉強しているみたいだし。
ちゃんと宿題とかやってるし。
そういう姿勢は、純粋に尊敬できるものだと思う。
一人じゃ寂しいだけでしょ?
努力、なんて言っても一人でやる覚悟もないんだろ?
仲間見つけて、「一緒に頑張ろうね!」とかくだらなすぎない?
誰もわかってくれない、なんて不幸ぶるつもりはないけど。
だって俺にもわからないし。
でも、誰もわかってくれないよね。
俺自身も含めてだけど。
暗に「君」のことを言ってるって何で伝わらないのかな?
話を適当に合わせて、
何にも知らない癖に知ったかぶって、
わかったふりして、
それでいて押しつけがましくて、
頭が悪くて、何にも自分では判断できなくて、
そのくせ人には求めてもらいたくて、
すっごくつまらない人間。
ねえ、「君」以外にいるの?
もしかしたら「君」は、俺と同じ部活に入って、
もしかしなくても「君」は、俺に教えを請うんだ。
話を理解できない低能な頭で、教わる資格もないような意思のない考えで、
「君」は俺を訪ねてくるんだ。
もう、目に見えた未来。
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