俺mutter
ハク 2013-03-14 23:58:24 |
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人に触れるなんて気持ちが悪いことを平気で出来るあの神経が分らない。理解できない。
しかも俺のこの後の予定を考えもせずに突っ込んできて抱きついて話さないあの思考回路が分らない。
マジで分らない。
こっちは分単位で予定を頭の中で組み立ててるのに、全部ぶち壊していく。
これだから「僕」は嫌いだ。これだけじゃなくても嫌いだ。
どうしよう、演技ができない。
仮面がかぶれない。
全部ボロボロになって崩れていく感覚がする。
何もかもがもう、ぐちゃぐちゃでごちゃごちゃ。もうやだ。
正直、学校に手袋をしていきたい。
じかに人に触れたくない。というか、じかに空気にすら触れたくない。
気持ち悪い。なんでみんな、こんな汚れて穢れた世界で生きていけるのかな？
先生は、手袋許可してくれるかな。
もうすぐ夏だから、やっぱり手袋はきついだろうけど、でも人に触れる不快さを考えたら十分すぎて涙出る。
本当にもう、精神的に限界。
真面目に体調不良を起こしてきた。
眠れないし、頭痛い。学校行くのに、なんだからだが重たい。行きたくない。
「ハクに会いたかったからだよ！」って、馬鹿みたい。
そういえば俺が喜ぶと思った？ 浅はか過ぎるでしょ、認めればいいじゃん、さびしかっただけです、って。自分が寂しがり屋で人の迷惑も考えられない馬鹿だからハクに全部背負わせて自らの欲求を満たすためだけに行動した結果です、ってはっきり言えばいいじゃん。
そうすれば俺だって、はっきりと言ってあげるよ。
「迷惑だからこれ以上近寄らないで。俺は「僕」のことこれ以上なく嫌いだから」ってさ。
まぎれもない本音で。
会いたかったから？ それは結構なことだけど、
俺は会いたくなかったよ。出来れば一生。
雨の日は半分諦めているけど、晴れの日ぐらい安心させて。安らぎを頂戴。
初めてであった時のこと、覚えてる？
初めてした会話を、覚えてる？
仮入部期間の一日目、「僕」が先に来てて、校舎内を少し迷った俺がその次に来て、二人だけで見学したときのこと、覚えてる？
あの時俺は「僕」の姿を見て、生理的嫌悪感を覚えたんだ。
たぶん一生わかりあえないだろうから、出来るだけかかわらないようにしようと思ったのははっきりと覚えてる。
「炎色反応はわかる？」って先輩が聞いて、
俺は概要は知っていたけど特別詳しくもなかったから曖昧に笑ったんだ。
「金属が燃えて色を出す反応のことですよね!?」って「僕」は俺でも知っているようなことをさも得意げに、自慢げに話してた。
知識をひけらかすのは楽しいかい？
感心されるのは快楽かい？
羨望のまなざしは気持ちいいかい？
ちっとも理解できないね。あのときから、初めに抱いた嫌悪感に、「僕」への不信感がわきあがったんだ。
それから「僕」は仮入部に来なくなって、
ああ科学部には入らないのか、って思って、
だから俺は科学部に入った。
裏切られた、と思ったよ。
だって科学部に「僕」がいたから。
一度しか見学しなかったのに、科学部の何もかもを知っているような態度が正直嫌いだった。
まだ新入部員なのに、触らないように言い渡されたものをこっそり触っている姿が正直嫌いだった。
ホールピペットの練習で、
俺が先輩にOKをもらったのをわざとらしい笑顔で「お～」と言ったのがムカついた。
先輩にようやくOKをもらって（その時すでに俺は１０回以上OKされてた）わざとらしく喜ぶ姿がイラついた。喜んだはずみにホールピペットの扱いにおいてやってはいけないことをいくつか犯したのが許せなかった。
だって、
知 識 は あ る ん で し ょ ？
再結晶の実験で、
失敗して泣く姿が、「泣けば許される。優しくしてもらえる」って思ってるのがわかってコロしたくなった。
俺が成功したのを褒めることで助言を”さりげなく”聞き出そうとする姿があまりに浅はかで笑えた。
最初のころの、あの自慢げな知識はどこに行ったの？
常識でしょ？ だって中学生の知識でしょ？ 何にも知らない、特別詳しい知識もない俺だって知ってたよ？ 何で出来ないの？
万能視役を使った実験で、
ちゃんと染まりきらなかったから、さてどうしようかということになった。
「僕」が一度塩基性に戻そうって言って、俺はそれが間違ってはいないけど効率が悪いってわかってたから、普通に実験を続けた。その時、俺からの賛同が得られなくて、自分の意見の通りに行動できない「僕」にたまらなく嫌悪した。
いいじゃん、実験なんだから。失敗したって、そこから学ぶのが実験でしょう？
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