俺mutter

勇気付けたり、元気づけたりっていう似合わないことはするつもりはないけど、
まあ、「僕」なら大丈夫だと思うよ。
俺より点数が上の奴は、いっぱいいるから。
ほら俺、勉強しない上に馬鹿だから。

いくら語彙力がなくてメンタル激弱で超絶馬鹿な「僕」でも、学年で五位ぐらいには入れるでしょ？
だってたった６００人じゃん。

テスト結果を人に見せるぐらい余裕があるんでしょ？
弱点を作って笑っていられるほど、まだまだ上にいけるんでしょ？
早く俺を追い抜いてみてよ。

ちなみに、俺は順位が一桁だよ。
得意教科でいいなら、五位以内にいるから。その中でも下に人がいるレベルの点数を取っているけど。

ねえ、俺を馬鹿にしているんでしょ？
俺を下に見ているんでしょ？　そうやって馬鹿みたいに「僕」がプライドを保っているのを知っているよ。

「「僕」よりも点数低いから　＾＾」って俺の言葉に馬鹿みたいに騙されてくれてありがとう。

俺は「僕」のプライドの浅はかさを知っているよ。それがいかにニセモノじみたものかってことも。
ニンゲンは基本的に嘘つきなんだから、仕方がないよね。

人は騙す。そして何もかもを奪っていく。
「僕」も「彼」も「君」も「貴方」も。

だったらせめて、俺より「上」になってよ。

完膚無きままに打ちのめして、俺を納得させてよ。

「彼」みたいに。

だけど「彼」も不十分。

あと少し。

消えてなくなれたら、楽なのに。

消し去ってしまえたら、よかったのに。

せっかくの休みを、何で「僕」に縛られないといけないの？
意味がわからない。

俺が「僕」のことを嫌いだって、わからないの？
俺が「僕」のことを不要だって、わからないの？

分らないよね。だって馬鹿だもん。

俺のことを「変な人」って言ってたけど、
どっちが本当の「変な人」か、考えたことはある？

「変な人」を演じている時点で、確かに俺も変だけど、



「僕」以上の変人なんて、いるわけないじゃん。

みんなが気遣ってやってるのに気付かないんだよね。
みんなが拒絶しないでやってるのがわからないんだよね。

俺は知ってるよ。
「僕」の級友さんが「僕」と話すときの目の色とか。醸し出す雰囲気とか。
そういうの、俺は割と敏感だから。




「あ、こいつ面倒くせぇな」って色、している。

いろんな可能性を考えてみなよ。

「僕」が好かれている可能性。
「僕」が嫌われている可能性。
「僕」が愛されている可能性。
「僕」が拒絶されている可能性。
「僕」が必要とされている可能性。
「僕」が不要とされている可能性。
「僕」が大切にされている可能性。
「僕」が鬱陶しがられている可能性。

いろんな可能性を考えて、どれが一番正しいか検証してみなよ。