疲榁 雪 2013-03-06 02:14:56 |
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(一瞬、目を疑った。煩いリズム音が耳に付くと体温計を取った。表された体温は、32.5。故障な訳が無い。取り敢えず、白衣をなびかせて、暖房を強くした。厚手の毛布を取り出し、彼女に被せる。どうしようか、簡易に考えるのならば、低体温症か。紫になった唇、ぽんぽん、と頭を撫でた。)/
せんせ … なんか 疲れちゃった … ( 体温の低さは予想していたため驚くこともなく 。 毛布を被せられるも身体の震えは止まらない 。 人に撫でられるのは何年ぶりだろう 。 毛布を握りしめながら相手を見上げ 、 へらり として言葉を紡ぐ 其の瞳は なにもうつしていないかのように 暗い 。 )
(そうだ、彼女を見た事があるのは、家庭捜査で異常家庭だったという捜査報告で見たのだった。虐待されているのか、いやまさか、一人暮らしなら虐待なんて、と思ったが、そうなのかもしれない。スト-ブの電源を付けて彼女に近くに置いた。「...大丈夫だ。すぐに暖まる。...もう少し頑張ろうな。」背中をゆっくりとさすり、彼女をゆっくりと抱きしめた。許されない事かもしれないけど、まるで保冷剤のように冷たい彼女の体を抱きしめ、どうか俺の体温を奪ってくれと只強く抱きしめた。)
… ん … ( 頑張れ 。 その言葉に 、 乾いた笑みをはりつけて頷き 。今までだって頑張ってきた 。 だけど 、 その結果がこれだ 。 もういっそ 、 全てを終わりにしてしまおうか 。 そんなことを考えていると 、 暖かい体温に包まれる 。 びくっ 、 大きく身体を震わせるも 、 その温度が心地よくて 。 今だけでいいから 、 このままで 、 )
(暖まらないのは何故だ、確実にどんどん熱は下がっていってる、もしかしたら...なんていう汚い思考も浮かんだ。取り敢えず、俺までこんな気持ちになってはいけない。ふるり、と首を降れば、「ほーら、あったかいだろー?、多分、一時的な物だから、安心しなさい。」と続けて、背中をさすった。彼女の冷たい体は、何かを訴えてきているように思えた。何があったのか、聞かせてくれ。ふと見えたのは首筋の痣。やはり、本当の事実を信じるしかないのだろうか、ゆっくりと息を吸い込み、彼女に問いかけるように続けた、ごめんな、辛いかもしれない、「両親に連絡しといて大丈夫か?」少しでも、教えてくれ。/)
ん … せんせ - あったかい 、 ( 人の温もりなんて 、 ここ何年か感じていなかった 。 自分よりも大きな背中に手を回し 、 胸元に顔をうずめる 。 ああ 、 暖かい 。 人はこんなにも 、 暖かいのか 。
っ … やだ 、 やだ 、 ( 両親 その言葉を聞いた瞬間 、 思い出す 、 あの人を 。 嫌だ 、 その言葉を繰り返しながら相手を突き飛ばすと 震え 、 自分を守るように抱きしめて うずくまり 。 )
(突如の小さな力に眉を寄せた。彼女から離れて、小さく溜め息。それは困惑なんかじゃない、やはりか、という過程の溜め息だった。離れた途端に分かった、おびただしい痣。何をしているんだ。という自身の怒りが込み上げた。これ以上ストレスを与えてしまうと、心臓にも負担がかかる。相変わらずな顔をしつつ、こくり、と頷けば、「分かった、連絡しない。」とだけを続けて、彼女の背中を再びさすった。なあ、彼女の苦しみを取ってあげたいと思うのは、駄目なことなのか、彼女は今にも潰れそうな位に弱い。どうしたらいいか、なんていう答えなんて、当に出ていた。「連絡はしないから、安心しなさい。」安心させるように続けた。偽善なんて思うな、これが、俺の本心だから。/)
… ほんと ? ( 連絡ををしないという言葉に安心したように顔をあげ 。 よかった 。 あんな思いをするのは 、 もう嫌だ 、 絶対に 。 ああ 、 傷が疼く 。 あの人のことを考えると 、 震えが止まらない 。
背中をさする相手を ちらり 見上げれば 、 ごめんなさい と小声で呟いて瞳を伏せ 。 自分のせいで 、 この人に迷惑をかけている 。 ごめんなさい 、 心の中で何回も 、 呟いた 。 )
(この弱い彼女を助けてあげることは出来るのだろうか、彼女の体はどんどんと冷たくなっていた。無意識にか、虚ろになった瞳。彼女を見つめて、小さく微笑んだ。「..大丈夫、..俺も、其処迄無神経な男じゃないからな。」と続けて、へらり、と微笑むと、彼女の体に湯たんぽを当てた、暖かくなってくれ、頼むから。)
… ありがとう … ( 何故自分に此処まで優しくしてくれるのだろう 。 疑問に思うも 、 相手から伝わる暖かさには偽りはないとわかったようで 。 微笑みを浮かべる 。 暖かくなってくる身体 。 でも疲労が限界なのか 、 意識を失うように眠りについて 。 )
(少し安堵に頬を緩めた。彼女の崩れる体を受け止めるように抱きしめると、その細さに驚いた。そして眉を寄せた。「おやすみ。」ふと呟いた言葉は其れだった。お休み、ゆっくり休んでくれ。/)
… おとうさん … ( 相手の腕の中 、 小さく呟いて 。 首筋にある 青紫の痣はまだ新しく 。 泣きそうな声で父の名を呼び 、 相手の服の胸元を握り 、 体温を求めるように相手に擦り寄り 、 )
(ゆっくりと小さな体を抱きしめた。安心しろ、大丈夫。徐々に荒くなる呼吸を落ち着かせるように、背中を撫でた。「..大丈夫、大丈夫だからな。」ふ、と頬を緩めては、彼女の背中をさする。大丈夫、という言葉は偽善だとしても、この本心は嘘じゃない。)
ん … ( 段々と落ち着いてくる呼吸 。 暫くするとゆっくりと瞳を開き 、 ぼう 、 と相手を見つめ 。 まだ寝ぼけているのか 、 思考が上手くまわらない 。 )
(少し暖かさは戻った、大分暖かくなってきただろう。彼女の寝ぼけた様子を見ると、ふ、と頬を緩めて、またゆっくりと抱きしめた。「おはよう、体調はどうだ?」と続けては、ゆっくりと頭を撫でて。)
元気 - ( 来たときの眩暈や怠さがなくなっている 。 へらり 、 笑ってそう答えれば 、 相手の温もりが気に入ったのか ぎゅむ 、 と身体を寄せて 。 )
(これで少しは安心だ。彼女をゆっくりと抱きしめて、背中をぽん、と撫でた。「ん、良かった、」と続けては、くわあ、と大きい欠伸を、/)
… せんせ - 眠い ? ( 心地よさそうに瞳を細めるも 、 相手の眠そうな様子に首を こてり 。 「 寝ていいよ - 」 相手の髪を軽く撫で微笑み 。 )
(確かに眠い、体は眠気をそそるが、病人を放っておく訳にはいかない、「大丈夫だー、病人をおいて、寝る趣味は無いんでな」と続けては、くす、と微笑み。/)
( / 遅れました 、 すいません"
じゃあ 、 一緒に寝よ ? ( 自分も寝れば問題ない 。 というように微笑み 、 首 こてん 。 保健室のベッドで寝る 、 と立ち上がって 相手の手を 軽く引っ張る 。 )
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