如月 蓮斗 2013-03-02 16:10:48 |
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だっさいな-、 私 ..。 ( 目を擦れば紅くなった目を細めて自嘲的に詞を紡ぎ、自虐的な笑みを零す。まさか彼が自分を想っているなんて気付く筈も無く、彼に身体を預ける。心地好い。ゆっくりと目を閉じて撫で受ける。「もう大丈夫だよ、...心配させて御免ね、」と詞を続け、苦笑交じりの笑みを浮かべる。だが、感情など無いようだ。どれだけ相手の事が好きだったんだろうか。表情は笑っていても、未だに泣いてるようにも見える。彼女は相手の肩に、顎を乗せて何と無く、窓の外に視線を移す。雪自体は嫌いでは無いが、今の気候は彼女の気分と重なって最悪だ。思わず表情を消してしまう、 /、
(思わず唇を噛み締める、どんどん溢れる気持ちに蓋をすると、彼女の頭を撫でつつ、自虐的な彼女を慰めるように、安心させる様に強く抱きしめる。「...ださくなんか、全然ないし、、、あーあ、うっらやましーな、そいつ。」とか続けては、小さく溜め息。本音が口を突き破って出てしまった。
相変わらず頭を撫でつつ、背中をさする。慣れてしまった所為だけれど、何か、違う感情が籠もっていて。そう、湧き上がる嫉妬。
嫌になる、なんて悲観的に考えては、どれだけ彼女が好きだったか、なんて一目瞭然に分かってしまうだろう。
酷くなる猛吹雪は、止む事を知らない。
泣き止んでいる彼女の心の中の様だ。)
.. 羨ましいって、 何が ?、 ( 相手の発言を不思議に思い、訊き返す。感情など籠っていない声で、だ。ぎゅう、と珍しく、自分から彼に腕を回し、抱き締める。彼の胸に顔を埋めると、肺一杯に空気を取り込むと同時に、匂いに酔いしれる。久し振りの感じに、思わず頬を緩めてしまう。
「蓮斗、ありがと。」とか言って顔を上げる、満面の笑みだ。だが、無理に作ったようにも見えてしまう。ふと、彼の表情を見て首を捻る。..何で、そんな表情してるの、等思考をめぐらしては、 /、
(伝えて満足出来る、なんて言う欲望の無い男ではない。告白して、付き合って、キスをしてー..、なんて色んな欲望が溢れてくるのは、男だから、仕方ない。そう、彼女を愛しているから。相変わらず、唇を噛み締めたまま、少し自傷気味に微笑むと、「んー、何もないよ。落ち着いたなら、良かった。」と続けて彼女の頭を撫でる。
有難う、という感謝の言葉に、小さく頷けば、彼女の背中をさする。「...無理して、笑わないで。...辛いんでしょ?」と続けて、彼女を強く抱きしめた。悪天候は次第に酷く。湧き上がる嫉妬心の様に。嗚呼、抜け出せないね、抜け出せないよ。もう、彼女が好きになってしまったのだから。/)
.. 蓮斗、 嘘吐いちゃだめ、 だよ。 ( む、と眉寄せて彼に顔近づけると頬に手をそっと添えた。「私には分かるし、..何年一緒だと思ってるの、」と言い乍くすり、と小さく笑みを漏らす。次いで教室の時計に視線を遣る、...7時、か。そろそろ帰らなきゃな、とか考え乍相手の頬をゆっくりと撫でてみる。
「辛い、けど。..強く、ならないとね、」と言って、また笑う。強く何てなれないと、分かっているのに。笑っている彼女の表情は自信に満ち溢れ、そして脆くて儚いものにも見える。彼の優しさに身を委ね乍、此の人に思われてる仔は幸せだろうなぁ、なんて考えて、 / 御飯食べてきます、ノ。
(彼女の言葉に、小さく苦笑を漏らせば、頬にある、彼女の手の平を強く握る。恋愛なんか、したくなかった。好きになっても叶わないから、なのに、諦めれないのは、その分、感情が重たいから。大好き、愛してる。自分とは程遠い言葉が脳によぎる。特に言えそうな言葉なんか、脳には出てこなくて。結果的に出てしまった言葉、「本当に、何もないよ?、ほら、もう遅くなる、帰ろっか。」と続けて彼女の手を握る。彼女の強がりは本当に分かり易い。ふ、と小さく苦笑を込めると、「...んーとさ、今日、俺の家、誰もいないんだよねー、」と続けて、どうせなら、励ましを手伝いたい。彼女の手を握り、立ち上がれば、良かったら、ご飯作ってくんないかなー、とか続けて、にへら、と頬を緩めた。風音を鳴らし、猛吹雪が降り積もる校庭、それと同時に嫉妬が積もって。何がしたいのか、なんて意図、今じゃあもう掴めない。/行ってらっしゃいノシ。)
.. 何かあれば、 私に相談していいからね。 ( 目を細めれば、にこ、と口許を緩める。彼女の中で彼は、大事な人だ。きっと恋愛感情を抜きにして、だろうけど、大切には変わりない。自分に出来る事を、彼の為にしてあげたい。そんな気持ちで一杯になる。此の距離が、一番心地好い物だ。壊したくない。一生このままなら好いのに、この関係が、彼とは丁度いい。なんて、思う。
思考をめぐらしている途中、彼の言葉にはっ、と意識戻し。「..大変じゃん、私行こうか?、」と、首を傾けるも次の彼の発言に数度目を瞬かせる。料理なんて出来ないのだけど。どうしよう。と内心汗をだらだらと流すも表面上では任せて、と云わんばかりに胸を張る。何処まで見栄をはるつもりだろうか、 / 只今です。 ノ、
(縮まりたい距離、縮まらない距離。幼なじみという肩書きは、一番近くて、一番遠い。それなら、幼なじみになんかなりたくなんかなかった。溢れる嫉妬、溢れる好感。どんどんと暗闇に飲み込まれていくような感じだ。鈍い頭痛が続く中、ゆっくりと貼り付けた笑みを浮かべる。「うん、有難う、」アリガトウ、何に対して、なのか自分でも良く分からない、明けない暗闇は身を滅ぼす。「うん、御飯作ってくれないかな、」と続けては、一際、自分より小さな手を握る。この重ねた手の様に、彼女の心を読み取りたい。なんて、願いが大き過ぎる。しんしんと降り積もる雪は、彼の心さえも溶かして。/お帰り-)
... いっつも助けてくれる、お礼。 ( 御礼、...御礼なんて、出来ていないだろう。何を言っているんだ自分は。ふ、と小さく息を吐くとにこり、頬を無理矢理に緩めさせる。我侭を言って、嫌われたくない。今迄もそう思って強がったけど、全部彼には分かってしまう。悔しい。こんな醜い自分を彼が知っているのが、気にくわない。嫌われる?、怖い、壊れてしまうような気がして。此れが何という感情なのかは彼女には分からない。けど、嫌われる事を一番恐れる。そんな自分を客観的に見て、一人、思わず苦笑を零してしまう。「御飯、...、」小さく声を漏らすと頬を引き攣らせる。料理なんて、生きていて自分一人でした記憶が無い。亦役に立てないのか自分は。情けない。ふと、彼と自分の手に視線を移す。小さい頃は一緒くらいだったのに、と思い乍彼女は手を握り返す。冷たい彼の手を、温めてあげられないだろうか、なんて考え乍。...何て自分は、汚い人間なんだろう。/、
(ほら、また辛そうに笑う、そんな所がいけない、駄目、でも、其処が大好きで、離したくなくなる、嗚呼、依存しているんだな、彼女に、彼女自身に。心身共に全てが。今すぐ唇を重ねたい、彼女にキスをしたい、なんて事、思ってしまう、暴走してしまう。駄目だ、一瞬の感情に身をとらわれては、「助けれてるのかな、僕は。」ふと呟いた言葉、口で留める事を知らず空気に吐き出した。嗚呼、もう嫌になる。何故、何故、こんなに嫉妬深い男になったのだろう、青いマフラーに顔を埋めつつ、小さくため息を吐く。いまここで言っても、何も変わらない。彼女を、困らせて、泣かせてしまうだけ。繋がれた左手は、何よりも暖かくて、温まらない手の平を、少し嘲笑って、「...嘘、ご飯作れないの、僕知ってるから、」ふ、と顔を緩めて、頭を撫でる。御飯を作って、なんていう口実は駄目だったかもしれない、なんていう後悔はもう無くなった。嗚呼、冷たい、この心も、雪も、そして、世界も。/)
助けてくれてるよ、 ... 昔から 。 ( そう言って繋がれた手の指を絡める。狡い、卑怯だ、何でこんな卑怯なんだ自分は。何処かで期待とかしているのだろうか。馬鹿じゃね-の、って思う。笑いたくても、嗤う事しか出来ない、醜い醜い醜い。何でこんなに汚い人間が、彼のような綺麗な人間と関わっていられるのだろう。不思議に思う。高校に入って、苛められる事も減って、彼と話す事も極端に減ったのに、其れでも助けてくれる。何でなの、不思議で堪らない。だがそんな事を考えるのすら、馬鹿らしいと思う。「..やっぱり?、御免、」苦笑する。この表情をするのは何度目だろう。下らない。指を絡めて繋がれた己の右手は暖かい筈なのに、彼の左手は冷たいままだ。其の事実に少し悲しくなって、誤魔化す様に視線を落とした。 /、
(校舎を出て、何時も通りの通学路を歩く、繋がれた手は暖かい、のになんで、己の心はこんなにも醜い。最低だ。最低な人間だ。彼女に恋をしてしまって、それが過ちなのか分からない、だって、こんなにも愛してるから、好きという感情が大きいから。「....有難う、俺も、...いっぱい助けられてるよ、」助けられているのは己ばかり、何もない、純白な笑顔が、俺を、救ってくれた。なのに、そんな綺麗な彼女に、こんな醜い思い、最低だ、消えて、俺が消えてしまいたい。降り積もる雪は、どこまでも白くて、全て、音もたてずに追いつくす。「気にしないで、」ゆっくりと吐き出した息は真っ白く、息を止めてしまいたかった。舌を噛み千切って消えてしまいたい、なんて、汚い自身の思考さえも、消してくれるだろうか。/)
.... 、 ( さくさくと、降り積もった雪を踏んで歩く。此の時期にこんなに降るのは珍しいのだろうか、如何でもいいな。...恋をしたのが、今日告白をしようとした人が、自分を苛めていた人だと知ったら、彼はどんな反応をするのだろうか。言うつもりは無いが、何と無くそんな事を思った。「...嘘は、吐かなくていいよ。」彼を助けた事があっただろうか。何時も助けられてばかりの自分が、どうやって彼を助けてあげたのだろう。記憶を辿る限り其れは零なのだが。彼を横目にぼんやりと眺め乍想うのは、今日想いを伝える筈だったあの人の事。同じクラスか、...学校に行く気失せてしまうな、とか物思いにふける。そんな事を考えていると、亦じわ、と目の奥が熱くなってきた。慌てて空いている方の手でぐしぐしと目を拭う。やだ、見られたくない、見ないで。こんなにあの人が好きだったのだろうか、と改めて実感する。どうして恋というものは、自分を惨めな気持ちにさせるんだろう。 /、
(夜空か降る雪は、白く、冷たい。それと同時に温まらない体温、小さく目を伏せた。
青いマフラーから香る、自分の家の匂い、隣から伝わる、小さな熱。もう、自分の醜い心なんか、あっと言う間に分かるじゃないか。こんな事になるなら、幼なじみという別の存在で生まれたかった。なら、嫌悪感なんか放っておいて、彼女を奪えるのだから。「いや、僕は助かったよ、君に、..凛音の笑顔が、僕の一番だから。」小さな頃を少し思い出した、りんちゃん、りんちゃん、と彼女を呼びかけていた名前は、いつしか呼び捨てに変わって、見た事の無い心に気付いて、恋だと確信した。小学生の時から、ずっと口癖のように囁いていた。おれのいちばんはりんねのえがおだよ。まるで、平仮名埋まりの様に、ゆっくりと呟いていた言葉。目をごしごしと擦る彼女を見ると、小さく白い息を吐き出して、「泣きたいとき、一人で泣かないで?、俺の腕、いつでも貸すから。」頭を軽く撫でて、にへら、と作り笑いを貼り付ける、どうせはそうなんだ、好きになってほしいから、優しくする、嗚呼、醜い、醜いよ。/)
.. 私の笑顔、 ... こう ?、 ( ふ、と頬緩まして相手を見る。一番、..本当に一番?、本当なら、いいのに。何だか心配で、不安で、ぎゅっと相手の手を握る。小さい頃にもこんな事があったな、懐かしい。あの時の自分には、彼が全てで、彼さえ居れば周りなんか如何でもよかった。確かに苛めは怖かったし、沢山傷付いた。だけど、彼の笑顔と優しさで、自分も不思議と笑顔になれた。其の時から、彼に知らないうちに依存していたのかもしれない。そんな昔話を思い出し乍、彼の横顔を見上げる。少し前までは、同じ目線だったのに。何時の間にこんな変わってしまったんだろう。其の時、彼の作り笑いに気付いてしまった。...何時も、気づいてしまう。でも、気づかないふり。彼の作り笑いは、自分の事が嫌いだからなんだ、っていう風に考えてしまいそうになるから。私も、笑い返す。「有難う。蓮斗のそういうところ、好きだよ。」なんて言ってみる。好きだ。好きだけど、...今気になるのはやっぱり、あの人の事で、 /、
(彼女の笑顔が、今すぐ彼女を抱きしめたい。なのに、それは叶わない願い、好きだよ、愛してる、なんて言う言葉はいとも簡単に口出せる、けれど、その感情を表すのは簡単な言葉じゃない。嗚呼、憂鬱だ。どうして、こう彼女の一番になりたいのだろうか。彼女の小さな手を握り、微笑む。勿論、本心からではない笑みを。「有難う、凛音、俺は、凛音に笑っていて欲しいから、」にこり、と微笑み、彼女の手を強く握る、そして、ふと思い出した。りんね、なかないで、いじめなんか、よくないよね。落ち着きも無かった頃、泣いている彼女の周りを歩き回っていた。そんな、ゆったりとした雰囲気なんか、もう造れない。相手を異性と感知した時から。「俺も、凛音の優しい所、好きだよ。」彼女に伝えたいのに、一番になれない自分が嫌いだ。好き、すき、スキ。溢れ出す感情は、彼女を制御しようと、動き回っていて、/)
... 私を笑顔に出来るのは、蓮斗くらいだよ。 ( 目を細めて、小さく笑う。嘘だけど。本当はもう一人、居るんだけど。其れは口には出さず、喉の奥に引っ込める。彼の表情を見て、思う。今日だけで、彼に暗い処があるのを知った。前までの彼なら、誰とでも笑っている、何かの主人公のような人という印象が強かったのに。こんな表情を見せるのが、自分にだけなら。そんな最低な事を考えてしまう。そんな自分が嫌いで、心から憎くて、そして何よりも大事だった。こうして手を繋いでいると、昔を思い出す。何時も隣には彼が居て、ずっと一緒だった。「あたし、おっきくなったられんとのおよめさんになるの!」、其れが口癖だった。そんな自分に、彼は何時でも優しく笑いかけてくれた。今ではどう思われてるのかなんて、分からないけれど。
「ありがと。...照れる、」なんて冗談っぽく言って、頬を掻く。ねぇ、私、あの時みたいに笑えてるのかな。 /、
(もう、俺には彼女を愛せる義務なんか、ない。只、彼女が笑える様に、近くに、傍に寄り添うだけ。嗚呼、神は残酷だ。最低だ。何なんだ。一番になりたいと思うのはいけないのか、もう、もうやめて。心の中で渦巻く変な感情。「...そっか、」少し苦し紛れに呟いて、目を伏せる。片時も離れない、大切な存在だった。夜中も、良く、窓から彼女の部屋を覗けば、彼女も起きていて、よく話した。ねえ、りんね、きょうはほしがきれいだね、あれ、ふたござだって!!、まるで、恋人のようだった。幸せだった、なのに、それ以上を求めるようになったのはいつからだろう。中学三年の時の冬、彼女が水で濡れていて、痛々しく震える姿が目に入った。ふるりと首を降った瞬間、目前に現れたのは、そう、大きな人影。見た所、女子高生。そして同じ学校。馬鹿じゃねぇの、こいつ、調子乗ってやがんの、けらけら、と響い罵倒と笑い声に、一瞬、思考が止まった。ぐ、と足に力を踏み入れては、「どいて、邪魔。」と突き放す笑みを続けて、彼女等を押しのけると、「行こう、凛音。」と続けて、少し足早に過ぎ去った。嗚呼、また、悲劇の幕があがった。)
.. っ、え、 ..、 ( 彼女から表情が消える、そして同時に顔から色を失くす。何で此の人たちが、怖い。やだ、逃げたい。何で、足、動かない。やだやだやだ、蓮斗が、やだ、もう巻き込みたくない。やめて。
見覚えのある少女たちの顔に、吐き気を覚えた。目を大きく見開く、足ががたがた震える。...彼女等の中に、あの人の恋人が、居る。何を言いに来たんだ、私に用なのか。何ですか、帰らせて下さい。彼の手を握る己の手に、自然と力がこもる。でも手が震える、如何すればいいの、怖い。
ぐい、と引っ張られた。彼が、彼女等を押しのけて早歩きで道を歩く。ただ、其れを呆然と眺め乍ついて行く。後ろからは汚い罵倒の言葉が聞こえる。相手の後ろ姿と、段々遠くなっていく彼女等を交互に見る。此の幼馴染は亦、助けてくれたのだろうか。思考がめぐりきらない、涙が溢れそうになる。思わず、唇を噛み締めて我慢した、 /、
(道路を曲がり、路地の薄い路地裏に入り込む。彼女達は追いかける事も出来ない弱虫だ。ゆっくりと足を止めては、震える彼女の体中を見た。また、俺は守れなかった。なんで、近くにいるのに守れない、やっぱり、近くにいても存在価値なんかない。小さく溜め息を吐き出し、にへら、と頬緩めて、頭を撫でた。「大丈夫、?、手、痛かったでしょ、ごめんね?」とゆっくりと続けては、彼女の手首を優しく撫でて、落ち着かせるように、背中をさする。嗚呼、また始まってしまった。残虐な悲劇が。守らなくては、彼女をん彼女を一番に /)
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