鈴仙・優曇華院・イナバ 2013-01-29 21:02:17 |
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というか貼っちゃうねー
或いは空を舞う小鳥のように
河城にとりは河童であるからしてつまるところ禿頭である、という妄言を彼女に放つと「これは皿なんだよ!」と手持ちの草でさんざんひっぱたかれるであろうことは想像に難くない。ちなみに、叩かれた後の皮膚はかぶれる。
帽子を取っても皿はないじゃないのかと問えば、ごにょごにょとお茶を濁す。しばらく蒲の穂と草を絡ませたり指を突付き合わせたりして思い悩み、最後には「まあいいじゃない」と開き直る。なんとなくもやもやとした気分を晴らすために帽子を奪うと、遥かな昔に「ハゲを隠すために帽子を被っている」「ちがうよそうじゃないよ」という問答の果てに掻っ攫われた帽子を泣きながら追いかけ続けた淡い心的外傷が思い出されるため、のびーるアームで鼻にキューカンバーを突っ込まーれる。
そんなお茶目なにとりであるが、昨今は人里と魔法の森の境目にあるという、香霖堂に興味津々であった。なんといっても、外の世界からにょろりんとやってきた謎グッズがあらかた揃っているという暇人ぷりが良い。エンジニア気質のにとりは、明らかに複雑そうなものをバラして晒して並べて元に戻すのが大好きだ。下手すると猟奇殺人者になりそうな気もするが、人工物じゃないからやんないもんとは彼女の弁である。まあある意味では人工物なのだと気付いたときのにとりの態度ときたら以下略である。
ただひとつ問題があるとすれば、店主が一応人間であるということだ。噂によれば半分妖怪の血が混ざっているらしいが、だからと言って四足で店番をしているわけでもなし。光学迷彩スーツにも耐久性に不備があるみたいだから、ここは徒手空拳で行くしかない。
「いざとなったら、牙突零式でもお見舞いすればいいし……」
刀の代わりはキューカンバーである。
「ふう……」
店舗を前に、陸の上で呼吸を整える。
深呼吸しんこきゅう。
……あれ、河童って両生類だったっけ……?
「ああ……水分が……」
緊張すると、喉のみならず頭もかわく。
霧吹きで髪の毛に潤いを与え、意気込みも新たに香霖堂の古めかしい扉を叩く。
手の甲と亀の甲って響き似てるよなあ、とか思った。
特に意味はない。
「こんちはー……」
こわくないこわくない、だって河童は人間の盟友なんだし。
ああでも相手は人間と妖怪の合い挽きみたいだからどうなのかなあ、「貴様に売るようなキュウリはない!」とか言われたらヤだなあ、てかキュウリなんぞそこらにうぞうぞ生えてるから別に改めて買わんでも……。
「いらっしゃい」
「うあぁっ!?」
びっくりした。
びっくりついでに、声のした方に甲羅かばんを押しつけ、「うごっ」みたいな悲鳴が聞こえたか否かという刹那に、牙突オブキューカンバーを雄々しく繰り出した。
「ぐぼっ」と鈍い声が漏れた。
ってな感じ…w前に少し書いたやつ何だけど…
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