笹咲 娃於 2012-10-30 18:11:33 |
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パラレルワールドの帝光中には娃於が転入していたという話
4月上旬『新学期とクラス替えと隣の席の笹咲ちゃん』(1)<黄瀬side>
黄「今日から新学期ッスねー。」
そんなことをつぶやきながら、久しぶりの通学路を歩いて行く。
春休みって長いッスね。
3週間弱って聞くとピンとこないスけど、
それが終わっていつもの生活に戻ると、懐かしい感じがするッス。
?「あれ…?黄瀬君……?」
黄「…?」
ふと、声が聞こえて振り返った。
すると、少し遠くに笹咲ちゃんがいた。
黄「あ!笹咲ちゃんじゃないッスか!久しぶりッス!」
娃「やっぱり黄瀬君だ!久しぶりー!」
笹咲ちゃんが笑顔でこっちに駆け寄る。
黄「それにしても、随分帝光に馴染んだんじゃないッスか?」
娃「そうだね。もう結構友達できたし。」
笹咲ちゃんは、あの2ヶ月間でここに馴染みきっていた。
最初はちょっとおどおどしたりしてた印象もあったけど、
3月終盤あたりからは、とてもどうどうと過ごしていた。…気がする。
”気がする”というのも、俺と笹咲ちゃんはクラスが違ったから、
お互いあまり会う機会がなかったのだ。
俺がわかることといえば、”タメ口になったこと””通学路や校内の道を覚えた”くらいッスかね。
娃「そういえば、黄瀬君がこの時間帯に登校って、珍しいね。」
黄「え?あぁ、今日始業式だから。朝練ないんスよ。」
娃「なるほどね。」
それからしばらく雑談をして、学校に着いた。
心理的な現象なのか、いつもより時間が短く感じられた。
帝光中は、学年が変わると同時に毎年クラス替えするシステムになっている。
だから、俺も毎年楽しみにしていた。
そして今年は………
娃「あ……。」
黄「?見つかったッスか?」
娃「うん、見つかったんだけど………。」
黄「”けど”?」
娃「私と黄瀬君と、あの時のバスケ部のみんな、同じ3年1組だ………。」
は?いくらなんでも、そんな奇跡あるはずない。
そうわかっていても、反射的に3年1組の名簿を見てしまう。
そこには、確かにキセキのメンバーと黒子っちの名前、それから、笹咲ちゃんの名前があった。
黄「ほ、本当だ……。」
娃「うわ……な、なんか……
なんかめっちゃすごい!!これが奇跡体験かな!?」
緑「何を騒いでいる。周りに迷惑なのだよ。」
娃「あ、緑間君!!3の1だよ!3の1!」
青「もうとっくに見たっつの。静かにしろ。」
娃「ちょっ、Aカップだからってぇ~!」
赤「いや、本気で黙れ。」
娃「………はい。」
紫「赤ちん、女の子なんだから、もうちょっと優しく言わないとー。」
黒「同感です。彼女が可哀想ですよ。」
娃「っていうか…みんな来てたし……。」
それからは、なんだかんだで無事に始業式も終えた。
のんびり3年1組の教室へ行くと、すでに笹咲ちゃんが座っていた。
笹咲ちゃんは俺を見るなり手を振ってくれた。
かるく振り返して、自分の席を確認する。
俺の席は………
笹咲ちゃんの、隣……!?
パラレルワールドの帝光中には娃於が転入していたという話
4月上旬『新学期とクラス替えと隣の席の笹咲ちゃん』(2)<黄瀬side>
い、いやいやいや!ありえないスわ!
なんで笹咲ちゃんなんスか!?すごい偶然!
やばい…超嬉しいッス……!
黄「隣の席だったんスね。よろしくッス。」
娃「うん、よろしくね!」
ちょっと微笑んでみれば、その倍の笑顔を見せてくれる笹咲ちゃん。
新しい環境に少し舞い上がっているのかな?
それとも…元からそういう子なんだろうか……。
ガラッ―――――――
先生「みんな席座ってー。」
生徒達「はーい。」
娃「今時”はーい”なんて言う人残ってたんだぁ……
興味深い。」
笹咲ちゃんがニヤつきながらなにか言っていたけど、俺は気にしないことにした。
放課後、俺は先生に呼び出されて職員室に行った。
するとそこには、笹咲ちゃんがいた。
え、えええええ?ちょっとまって?なんスかこれ?
なんで今日はこんなに笹咲ちゃんと会うんスか?
娃「あ、黄瀬君……。今日はよく会うね。」
黄「そうッスね。」
娃「あっははっ。なんかこういうのってさ、運命みたいだよね。」
黄「!?…う…運命ッスか……?」
娃「そう。何かしらの運命かも。そうじゃなかったら、偶然か奇跡か……
黄瀬君がストーカーしてるか。」
黄「ちょっ、真顔で言わないで!!」
娃「うん、もちろん冗談だけど、言ってしまえば、そういう黄瀬くんもありだと思うよ。」
は?笹咲ちゃんは、何を言ってるんだ?
”そういう俺もあり”?…よくわからない。
黄「あの、笹咲ちゃん?」
娃「なにかな?」
黄「”そういう俺もあり”って、どういう意味ッスか?」
娃「だから、
黄瀬君がストーカーしようがなにしようが、大概のことは受け入れられるよ。ってこと。」
黄「……ほんとッスか…?」
娃「ほんと。でも、黄瀬君限定じゃないからね?」
黄「それでも、なんか嬉しい気がするッス。」
娃「それはどうも。私の場合、単に人間が好きなだけだけどね。」
黄「そうなんスか?
…でも、そういう笹咲ちゃんもありなんじゃないッスか?」
娃「おぉ、初めて他の人から言われた。」
黄「でも、笹咲ちゃんには敵わないッスわ。だから決めたッス。」
娃「?”決めた”って、なにを?」
黄「今日から俺、君のことを”笹咲っち”って呼ぶことに決めたんス。」
娃「え?それって、どういうこと…?」
黄「俺は、”認めた相手”や”気に入った相手”を”~っち”って呼ぶんスよ。
だから、笹咲ちゃんが嫌じゃなかったら、そう呼ばせてくださいッス。」
娃「……もちろん、いいよ。」
そういって、今までで一番いい笑顔で笑った彼女を、俺は忘れない。
たぶんずっと、忘れられないッス。
(4月上旬 end)
パラレルワールドの帝光中には娃於が転入していたという話
4月下旬『「学力テスト…面倒だな。昼寝しよう。」』(2)<青峰side>
それは、ある日の休み時間での出来事だった。
娃「あ……。」
黄「どうしたんスか?」
笹咲がプリントを見て少し嫌そうな顔をした。
隣の黄瀬は、気になったのかそれを覗き込む。
娃「学力テストぉぉぉ……。」
黄「あ、懐かしいッスねー。」
娃「そんな悠長なもんじゃないって。あの塗りつぶせないとこってすごい腹立つんだよ。」
黄「え…?なんか微妙ッスね…。」
娃「黄瀬君にはわからないか~。あ、青峰く~ん。」
突然笹咲に呼ばれた。
青「…なんだ?」
娃「青峰君ならわかってくれるかと。」
青「なにが?」
娃「この学力テストという苦行だ!塗りつぶせないとことか嫌じゃない!?」
青「俺は勉強自体嫌だ。」
娃「あ、やっぱりー。半分くらい意見が統合したー。」
そう言ってへらっと笑う笹咲。
こいつは、感情の起伏が激しいのかもしれない。
娃「ま、テストってすぐ終わるけどさ。
でもだからこそ、テスト勉強っていらないよね。」
青「俺はもともと勉強なんてしてない。」
黄「あれ?なんか話変わった?」
緑「テスト勉強をしない…か。良い度胸なのだよ。」
赤「まったくだ。お前ら2人、そんなことじゃ平均以下になるぞ。」
娃「べつにいいよ。社会と英語はもう駄目だし、他はそこそこいいし。」
青「テストなんて受ければそれでいいだろ。」
緑「2人とも全然よくないのだよ。」
赤「これはもう、俺が何とかするしか……。」
娃「え?ちょ、いいってべつに……。」
笹咲が焦って苦笑いを浮かべる。
こいつ、バカだ。
赤「今日の放課後、学校に残ってテスト勉強をする。」
緑「ついでだから、他の奴等も呼ぶのだよ。」
娃「うわぁ……。」
この2人に火がついたら、こうなるに決まってんのに。
えーっと、このたび私の勝手な理由で・・・というか、単に腐向けを載せるのをやめただけなのですが
少し前に新しくトピを建て替えました。よかったらそっちに来てください。
http://www.saychat.jp/bbs/thread/289560/
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