鳴海 優 2012-08-17 19:00:05 |
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ユ「まだ、まともな闘いが無い気がする…」
言われた通り、マヨイ達の所へ向かった。向かった所には格闘ゲームの機体が沢山並んでいた
マ「よし!これやろ~!」
マヨイが指で示したのはあの懐かしい格闘ゲームだ。名前は伏せておこう
カ「頑張れ~…お姉ちゃん♪」
…仕方ないな…
~2分後~
マ「負けたーー!?」
ユ「まだまだ甘いな」
実のところを言うと、俺はクレハ達と何回もこのゲーセンに来ているベテランなのだ
昨日今日始めたような奴に負ける事は無い
マ「なんて強いんだ…でも、まだ負けて「あ…もう時間だよ…」
マ「ホント!?え~…わかった…ユウト!!次は負けないからね!」
カ「では、また~…」
マヨイは上から目線で、カグヤは手を振ってその場から消えていった
ノ・クロ・クレ「今回ほとんど出番なし…」
ゲーセンの事件については、ノアが警察を上手く言いくるめたおかげで、とくに事情聴取等はされなかった
そして日が過ぎ、ノアも学校に打ち解けて、あっと言う間に金曜日の下校時間だ
今日はクロナ・クレハ共に用事、ノアはあるバラエティ番組にハマッたから先に家に帰ったので久しぶりに一人で帰る
俺も普通に家に帰れば良いのだが、この明日が休みと思う気持ちのせいでとても寄り道をしたい気分だった
ユ「こんな時に何かあったりするんだよなぁ…」
そして、その予感は的中した。銀髪でポニーテールの女が道に倒れていた
ユ「…おいっ!…大丈夫か…!」
返事は無いが息はしているから生きてはいるな…
とりあえず、家に…グゥゥウゥゥ…
何の音だ?…グゥゥウ…
「おなか…減ったよぅ~…」
小さな声だが腹が減ったと聞こえた、この音は腹の音なのか!?
「何か…食べたいです…」
俺は近くにあったファミレスまで、さっきの女をおぶり連れてきた
「君は…モグモグ…とても…ゴクゴク…優しい…プハァー!美味しかった!」
ユ「よく食うな…」
ファミレスの机が埋まる量を余裕で一人で平らげやがった…
「一週間ぐらい食べてなかったからな~!ホント、ありがとう♪」
ユ「あはは…気にしないでくれ…」
バイトやってて良かった…
全て食べ終わった女は笑顔で自己紹介をした
「私の名前は峰岡 ハクア!ご恩を返すためにあなたのお供になります!」
ユ「…本音は?」
ハ「タダでご飯が食べられそうだから…」
ユ「さて…金払って帰るか」
ハ「あ!?無視らないでよ~!」
ユ「…住む所は…?」
ハ「ありません!」
ユ「家では働かざる者食うべからずだからな…」
ハ「やったー!君は優しいな~♪」
ユ「そりゃどうも…」
明日から…いや、今日の夜から大変な事になりそうだな…
自宅~
ノ「…という成り行きで、ハクアが来たと…」
何故こうなっているかと言うと、俺は帰ってきて、ノアがハクアを見つけ、理由を言ったらこうだ
ノ「無理矢理連れて来るのは犯罪ですよ?」
ハ「キャー!助けてー」
ユ「そっちが来たいって言ったんだろ!」
ノアは俺を睨みつつ言った
ノ「まあ、お互いの承諾があるのなら文句はありません」
ハ「お邪魔しちゃうぜぇ!」
何だか急に賑やかになってきたな…
土曜日~
今日はとても良いきも…
マ「ユウト!また来たー!」
カ「おはよう…ございます…」
ち…だったら良かった
ユ「何で敵の奴等が堂々と俺んちに来てるんだ!?」
何故か玄関には、ゲーセンで出会ったマヨイとカグヤがいた
マ「うるせーなー!それよりゲームしに行くぞ!」
カ「楽しみ…です♪」
こいつらは自分達がデストラクターって事を忘れているんじゃないかと思う
ユ「……またあのゲーセンか?」
マ「違う!とかいってとこの大きいゲーセンに行くぞ!」
カ「行きましょう~…」
何故ゲーセンなんだ…一応女の子だろ?
まあ暇だったし…ハクアとノアには置き手紙を書いとかないとな…
そして何故か俺は敵さんとゲーセンに行くことになった…
東響都~
しかし便利な力だ
デストラクター達がよく使う瞬間移動であっと言う間に着いた
ちなみにマヨイとカグヤは今日は私服だったのであまり目立たないが二人とも素直に言えば可愛いので多少の視線は感じる
マ「おおー!これがとかいってやつか!」
カ「人が…いっぱいだね」
二人は初めて来たようで、見るもの全てに興味津々だ
マ「あ、勘違いしないでよ!前のリベンジの為に呼んだんだから!」
カ「私は…楽しいですよ~♪」
こうやって見るとただの仲良し姉妹なんだがなぁ…
デストラクターってやつはカズマみたいなガキだけじゃ無いようだ
そうこうしている間に目的地のゲーセンについたらしい
マ「よっしゃぁ!やるぞ~!」
カ「あ…待ってよ~…」
なんてほのぼのとした話になっているんだろうか… 続く
さすが都会のゲーセン…大きい。知らないゲームの機体まである
さっきまで乗り気でなかった俺もいつの間にか楽しんでいた
しかし、気になるので一応、聞いてみた
ユ「なあ…一応さ、俺の敵だろ?一緒に遊んでて良いのか?」
マ「こ、これはアンタの…力を試してるの!遊んでないの!」
カ「…楽しく腕試しです~…」
なんともマイペースな姉妹なんだろうか…デストラクターこれで良いのか?
マ「よし!次はあれ!」
カ「は~い…♪」
~2時間後~
マ「つ、次は…あ…れ…」
カ「お姉ちゃん…大丈夫?」
どうやらはしゃぎ過ぎたらしい…
ユ「さすがに休憩しろよ…」
マ「し…仕方ないな…」
仕方ないと言いつつもいち早くベンチに腰掛けたマヨイは疲れの溜まった息を吐いた
マ「大きいだけあって制覇は難しい…」
カ「お姉ちゃんならいけるよ♪」
ユ「…ん?あれは…何してんだ?」
この和やかな雰囲気に水を注すように、俗に不良と呼ばれる三人組を見つけた
なぜ不良と言うかは見た目と態度でだが…カツアゲをしているっぽいな…
標的はどうやら気弱そうな少年だ
不1「おい、そこの坊主」
少年「な…なんですか…?」
あれは見過ごせないな…ちょっとボコしてくるか…
しかし、気づいた時には既に誰かが立ち向かっていた…
てか、あれマヨイとカグヤじゃねぇか!?
マ「アンタ達止めなよ!」
カ「か…カラアゲ?は良くないですよ…」
相変わらずマイペースながら相手を説得しようとしている
不1「うるせ…うぐっ!」
訂正…説得じゃなかった、暴力だった、もろパンチだ
不2「テメェ!いきなり何しや…ぐはっ!」
やり方が無茶苦茶だ…
不3「…グヘェッ!」
三人目は唯一の台詞だったのに可愛そうだ…
不全員「くそっ!覚えてろよ!」
そんな在り来たりの台詞を言いながら三人とも帰っていった
どうやら少年は今の間に逃げてしまったらしく、その場にはもう居なかった
ユ「デストラクターがこんなに優しいことをするなんてな…」
すると、マヨイはやっと今の状況を理解したようで
マ「はっ!!違うの!ああゆう奴等は私達の理想郷にはいらないからなの!」
カ「お姉ちゃん、目的バラしてる…」
マ「誘導尋問されたーーっ!?」
理想郷?デストラクターの目的が?
マ「まあいいや…ありがとっ!今日は楽しかった!またね!」
カ「ご迷惑おかけしました~…♪」
二人はまたどこかに行ってしまった…
あれ?俺、どうやって帰れば…!?
デストラクターがああゆう奴等ばかりなら良いと思った今日この頃
帰れないと家に電話をして、ノアが来てくれました
土曜日終了~
日曜日~
今日はさすがにマヨイ達が来ることもなく、ようやくのん…
ノ・ハ「ショッピング行こう(行きましょう)!」
…びりできたら良かったなぁ…
ユ「おまえ等に俺を休ませると言う素晴らしい選択肢は無いのか!」
ノ・ハ「無い」 ユ「白状者!」
しかし、俺の抵抗も虚しく、ノアも行きたがっていたのでこうして仕方無くショッピング中である
ノ「今日はハクアが最近のふぁっしょんと言うものを教えてくれると…」
ハ「ノアちゃんは可愛いんだから、もっとオシャレとかしなきゃ♪」
ハクアはノアの手を引き、人混みの中へと…あ!ちょ待てよ!
あ~あ…行っちまった…あっちにも俺にも金はあるから良いが、どうしようか…
そんな事を思っていると後ろから不意に声をかけられた
ク「あ、ユウトくん?」
その声はクロナのものだった
ク「やっぱりユウトだ!何してるの?」
ユ「実はな…-そして俺は今の状況に至るまでを話した
ク「え?何も話されてな…「出番減るぞ」うん!わかった!」
どうやら理解してくれたらしい
しかし困った…ノア達にケータイはまだ無い 連絡手段はあちら次第
しかもアイツ等の事だ、気の済むまで遊び尽くすだろう…いつになるか分からないが
ユ「なんやかんやで…知らない間に家に居たりしてな…」
なら思い切って俺も遊ぶか!
ク「じゃあ…ユウト今一人?」
クロナは俯き加減で聞いてきた
ユ「ああ、一人だぞ…」
すると、たった一言でクロナの笑顔が一気に輝き始めた
ク「ほ、本当!?な…なら、一緒に行っても…良い?」
ユ「別に良いけど…」
ク「やったぁ…!」
クロナは喜んだがそこまで嬉しいのか?
まさか…友達が俺ら以外にいないのか…?まさかな
ク「じゃ、行こう!」
クロナは俺の手を引き、無理矢理連れて行かれた…
今日こそは、平和な一日になりそうだ-
実を言うと、最近は食料やゲームぐらいしか買ってなく、洋服類なんて洗濯しての使い回しだ。
別に金はあるから久しぶりに新しい服でも買うか。ちょうどファッションに詳しい女子も居るしな
ユ「クロナは何しに来たんだ?」
ク「へ!?それはその…えーと…暇潰し?」
一人で…やはり友達がいないのだろうか…?
ユ「暇ならさ…俺の買い物に付き合ってくれないか?」
ク「…!…うん!喜んでだよ!」
何故嬉しそうなのかは分からないが、まあ良かった
さて…早速だが服選びとでも…あ、どこに行けば良いんだ?
ユ「なあ…服売ってるところってどこ?」
ク「なら、男女どっちの服も売ってる良いところがあるんだ!行こ?」
俺はクロナに腕を捕まれ引っ張っていかれた…何買おうかな…
◆◆◆◆◆◆◆◆
クロナに連れて行かれた先の店は意外と大きいが、俺は知らない店だ…まあ詳しくないし…
ク「ここだよ!あのね…!…いいや!行こう!」
テンションの上がったクロナは俺の手を引いて店の中へ入った
…あれ?このシチュエーション前にもどこかで…
しかしさっきから、何かがおかしい…何なのかは分からないが…
まあ、気にしても仕方が無い。服でも買うとするか
ユ「なあ、クロ…ナ…?あれ、居ない…」
そういえば、さっきから人を見ていないな…店員すら居ない
その時、突然笑い声とともにクロナが戻ってきた
ク「…まんまと騙されたな、霧崎 ユウト!!」
ユ「クロナ…?どうしたんだ!?」
いつもとは全く違うクロナの雰囲気に気押されながら聞く
ク「おっと…この姿のままでも十分だったが…元に戻るか」
すると、クロナの姿は崩れ始め、徐々に違う人物へと変化している
「初めまして…でも無いですねぇ…なんせ、ここで会ったクロナさんはずーっと…俺だったんだからなぁ…ヒヒッ」
ユ「今の状況もオマエの仕業なのか?」
コイツはまた不適に笑いながら言った
「ご名答です!…ちなみに俺の名前はマルス…お気づきの通りデストラクターですよ…」
…まさか、2日連続でデストラクターに会うとはな… 昨日の方が数万倍良いけどな
マルスは鎖鎌を構えた
マ「いきなりですが命令ですので…アナタの命、貰いますよ!」
風を斬り裂きながら、マルスの放った鎖鎌は俺をめがけて宙を移動する
変身はまだ3回目…でもコツは掴んだ!
俺は素早く変身し、剣で鎖鎌を弾き落とした
マ「今のは小手調べですよ…」
マルスは不適に笑うと姿を消し、一瞬で目の前に現れ、蹴りを放つ
俺はとっさの判断で防御し、相手を弾き隙を作らせた
ユ「今だ!」
魔術の使い方だって分かっている。俺は剣を強化させ、衝撃波を放…しまった!洋服が引っかかった…
マ「惜しかったな…そらァ!!」
再び放たれた強烈な蹴りに反撃出来ず吹っ飛び、洋服の中に突っ込んだ
くそ、ダメだ…大振りの技じゃ、また服に引っかかる…
クロナの姿の時に喜び気味だったのはこれを見通してだったのか?
俺の剣でも魔術強化が無いと……魔術で強化…魔術はイメージ……なるほどな…
よし…一か罰か…やるしかないよな
マ「アナタも災難ですよねぇ…こんな洋服だらけで通路が狭いのに、そんな大きな剣でさぁ!」
マルスは小刀を取り出し投げつけてきた
俺は剣で防ぎ、反撃の機会を窺う
どちらかと言えばアイツは遠距離型だな…なら隙を作るなんて簡単だ
俺はマルスに向かって突っ込んでいった
ユ「ハァァアア!」
俺は剣を振るう、もちろん大振りだから洋服に引っかかる…が
マ「またかよ…!そらよッ!」
予想通り、蹴りを放ってきた……よし、今だ!
俺は魔術によって剣を一瞬小さく変化させ、次は片手剣へと変化させた
ユ「何もかも…予想通りだ!!」
蹴りによって体勢の崩れたマルスに向かって一気に間合いを詰め、片手剣と化した剣を強化させ、マルスを貫いた
マ「剣の形を…変えるだとっ!グっ…!クソォォオオ!!……」
マルスの姿は塵となり消えていった
はは…勝ったんだよな…
マルスが消えたことにより結界が解け、辺りに賑やかさが戻った
そういえば俺、変身後の衣装だ…これ、意外に恥ずかしいんだぞ
素早く試着室に入り変身を解除した。外へ出るとそこにはノアがいた
ノ「デストラクター撃破、お疲れさまです」
ノアは何もかも分かっているように俺にそう言った
ノ「魔術をああやって使うとは、さすが私のマスターです。では、ハクアを待たせているので行きましょう」
ノアは俺の手を引き、ハクアの元へと向かった
これからもこんな日が来るのか…まあ、今を楽しむか!
日曜日終了~
月曜日~
もちろんハクアを家に放置する訳にはいかない(何されるか分からない)ので学校へ転入させた
もちろん即答OK…きっとテロリスト来ても即答OKだろうがな
ハクアもノアの時と同様、別室へ移動。俺とノアは教室へ入る
ク「なあ、聞いたか!今日転入(割愛)
またもやノアの時と同様にクレハが話しかけてくる…
すると先生が来る…どうせ
先「転入生が居るが…省りゃ…」
省略と言おうとしたところで、周りの生徒の視線に気づき、先生は紹介をする
先「ちっ…分かった…入ってこい」
やっぱり扉の前までは来させておくのか…
ハ「はい!…………えーと、名前は…ハクアです!」
先「名字は…?」
ヤバい…アイツに名字は無いんだった。ハクアは考えていた様子も無く、只慌てている
すると、ノアがカンペのように何か書いた紙をハクアに見えるようにした
…あれ、霧崎ってどこかで…俺の名字じゃん!?
ハクアはそれに気づいたらしく
ハ「あ…霧崎!霧崎 ハクアです!よろしくね♪」
…1クラスに霧崎が3人、なかなか凄いな
ちなみに休み時間はまたこの話題で持ちきりとなり、クレハは同じ事を聞いてきたので省略
学校生活は退屈だ…毎日同じ事を繰り返す
そしてまた金曜になり一週間たったと自覚するのだ
ノ「何を悟っているのですか?」
ハ「将来は作家さんかな?」
ユ「何故心の中を読んでいるんだ!?」
こいつらは、たまにホント神業レベルの事をする
今日はクレハは妹の看病、クロナはまた家の用事で結局、今はノアとハクアしかいない
ユ「今日の夕食は何が良い?」
ノ「何でも良いです」
それが一番困ったりする
ノ「では、テレビを見るのでお先に失礼します」
ハ「じゃあ、私が付いていくよ!ノア、待っててね!」
ノアは軽く頷き家へ帰っていった
ユ「…じゃあ行くか」
ハ「りょうか~い♪」
まあ…この時には何かが起こるなんて知る由も無かった…いや、本当に知らないけどさ
※ユウト目線ではありません
~その日の夜中~
真夜中の住宅街を走る少女がいた。
少女は赤と黒がモチーフの本を携えて、何人もの男達に追いかけられていた
-少女の名前はユウカ、親に見捨てられた挙げ句、借金さえ押しつけられ、現在は借金取りから逃げ回る日々
ユ「いつか絶対…報われる日が来る…来る…!」
ユウカは祈る事しか希望が見えず、祈り、逃げている
ちっとも嬉しくは無いが、逃げ回ったおかげでここ付近の裏道は知っている
◆◆◆◆◆◆◆◆
どうやら撒けたらしい…
ふぅとため息をつき、抱えていた本をめくった
しかし、この本は全て白紙のページ、タイトルすら分からない
何故大事なのかと言うと、この本は亡くなってしまった、大好きだった祖母の唯一の形見だからだ
何故かめくると祖母と一緒だった時間が脳裏に蘇るのだ
本を閉じ、空腹を抑えるために食料を探しに行く
しかし真夜中だ、店どころか家すらも明かりが無い
ふらふらと重い足取りで道路を渡る
ユ「いっ…!!」
車道を渡る途中、突然の頭痛がユウカを襲った。
そこに二筋の光が見えた。しかし幻なんかではない
光はこちらへと迫ってくるトラックのヘッドライトのものだ
トラックはスピードを変える事なく、迫ってくる
運転手は居眠りをしていて気づく素振りも見せない
ユウカは必死に逃げようとした。しかし、頭痛に空腹、疲労によって逃げる力すら無くなっていた
ユウカは悟った…このまま楽になってしまおうかと
その反面で必死に生きようとする自分もいる
自分自身と葛藤している間にも迫るトラック
あと20m程、運転手はやっと気づき、とっさにブレーキを踏む。しかし時既に遅く、ユウカへと突っ込んでいく
ユウカには、もう目を瞑る事ぐらいしか出来なかった
トラックは轟音をたてて止まろうとする。そして、ユウカを通り過ぎ壁へと激突する
しかし、ユウカは痛みを感じなかった
おそるおそる目を開けると、真後ろには何故か真っ二つになったトラックがあるだけ
自分には怪我一つ無い。もう一度前を見ると、そこには居なかったはずの6人の人影があった
?1「輪廻の書、契約確認」
よく分からない単語を聞く中、名前らしき言葉が聞こえる
?1「我、修羅道なり…」
?2「我、天道…」
?3「我、餓鬼道…」
?4「我、畜生道…」
?5「我、人間道…」
?6「我、地獄道…」
修「我ら、輪廻の狭間に潜む六道の守護者なり」
◆◆◆◆◆◆
ユ「り、輪廻…?六道…」
修「主の携えている本、それこそが輪廻の書です」
やはり聞いたことの無い言葉に少し戸惑う
修「きっと、今まで開かれた時には白紙だったでしょう…しかし、今は違います。開いてみて下さい」
ユウカは言われたままに本をめくる。すると白紙だったページに見たことのない字がびっしりと書かれていた
天「これらは主が輪廻の書との契約によって生まれた絶対的な力です」
ユ「絶対的…」
天「主が望めば、この世界の理すら変えることもできますよ♪」
修「いつも書の中から、主の生活を見守る事しか出来ませんでした…しかし今からは主を護る守護者として…忠誠を誓います」
しかし、ユウカは話の展開についていけず、さらに日々の疲労によって眠っていた
修「今日はごゆっくりして下さい…」
~土曜日夜中~終了
※上の訂正…土曜日× 金曜日○
※ユウト目線に戻ります
日曜日・朝~
TV『昨日の深夜、トラックが壁に激突し、運転主の……』
ユ「あ、この場所近いな…」
朝食を食べながら、朝のニュースを見て言った
ノ「しかし不自然ですね」
ノアがそう思うのも無理はない…トラックが半分に裂けてるからだ
ハクア「刀でスパーッとみたいな?」
確かにそうとも言えるが、普通の人間には無理だろう、ならば…
ユ「またデストラクター…か?」
それぐらいしか思いつかないからな
ノ「可能性は高いです、しかし現場へ行った訳では無いので断言はできません」
ハ「まあ良いじゃん♪ねぇ、休みだしどっか行こうよ!!」
えぇ~、また~?ダルいな…
ユ「今日は遠慮し「行きましょう、私も楽しみです」
久々に来たぞ、言葉かぶせ…
ハ「よっしゃー!じゃ、支度してくる~」
既に決定事項だったらしい。ノアはニヤニヤしながら俺を見ていた
どうやら勝ち誇っているようだ…クレハだったら迷わず殴ってしまうぐらいイラッとした
そんなこんなでデパートに着いた俺らだが…
ユ「あ、財布忘れた…」
ノ「マヌ…災難ですね」
ハ「どうするの?」
ユ「仕方ない…ある程度近いし取ってくる。その間、お前等で楽しんでおいてくてくれ」
ノ「もちろんです」
コイツ…俺をいじるのに慣れてきやがった…
ユ「んじゃ…」
軽く手を振り、家へと戻る。でも、そんなに行こうと思ってなかったから急ごうとは思わなかった
たまには景色でも眺めて疲れ、傷ついた心を癒そう
景色を眺めながら歩く俺。…なんて見慣れた風景なんだ…
…ん?…橋の下に…人が…あ、倒れてる。俺は橋の下まで行き、無事を確かめに行った
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