モン雑ファミリー集まれ!2

モン雑ファミリー集まれ!2

ゼロ  2012-08-12 16:50:55 
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キャスフィが除外されてしまったので改めて造りました。
まあモン雑ファミリーの人じゃなくても良いですけど、皆でチャットを楽しみましょう!!
それでははじめ!!

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  • No.22681 by Green-eyed monster  2013-11-30 17:32:08 

ブラッドクロス第二章
第五話 王都に帰る主

空が割れた日から四日が過ぎた日。
貧しい地域では想像もつかないほどに美しく洗練された王都でも、多少ながら戦闘の跡が見られる。
空を引き裂いた亀裂は依然として黒く禍々しい光を漏らしていたが…
薄い虹色の膜が王都全体をドーム状に包み込み、光を遮っていた。

ゼピュロ王都 城下町
教団職員の僕に、住民の皆さんが興奮気味に詰め寄って来ているのは、ある報せのためでした。
「視察に出ていらした教主様がお帰りになられるというのは本当ですか!?」
教えを守る我が国の民の生活を確かめ、その秩序と幸福に尽力するため、教主様は本部のある王都を離れて自ら視察に出られる事があります。
教主様が本日お帰りになられるのは本当は内密なのですが、不安を抱える皆さんにとって最上のこの報せを隠すに忍びなく、誰かが漏らしてしまったのでしょう。
僕も恐らくその人と同じ気持ちですし、既に噂が広がっている以上、隠す必要も無いかな、と思ってます。

「私達『血族』の為に戻って来て下さるのですよね!?そうなのでしょう!?」
王都に住まう僕達は神の血を引く神聖な存在で、それゆえ神の寵愛を享受する選ばれた存在なのです。
こんなに高雅で豊かなに生きられている事自体がその証拠、疑う事など何もありません。

「本当は内緒なんですけど…
実は今日到着されるとの事です」
「何時!?何時お帰りになられるの!?
皆でお迎えをさせて!」
「そうだ、どうかぜひ一目お目にかかりたい!」
「あっ、でもそれはだめですよ…
教主様は政府の方々と会談をなさるので時間に余裕が無いのです…」
申し訳なく思いつつもそう答えると、皆さんは残念そうではありましたが、仕方がないというようにすぐに納得してくれました。
多忙な教主様を理解してもらえているのでしょう。
「でも戻って来て下さるだけでも安心だよな!」
「ああ、こう言っちゃなんだが王都守護隊よりも教団の方が身近で頼りになるし」
「もう他所へなんか行かず、ずっと王都に居て下さればいいのに!」
「そうはいきませんよ、教主様はいくら血が薄まろうともこの国の人間は皆血族、そしてその親族として愛していらっしゃるのですから」
「やはり教主様は今の代も立派なお方だ
教主様の手腕とこの空の結界があれば………」
「どうかしましたか?」
男性にならって僕も空を見上げました。

結界で守られているはずの空には小さな穴が数ヶ所、そこからあの赤黒い光が入り込んで…
光の膜の内側の空に、渦を巻くような空間の歪みがいくつも発生し…
『マリス』は再び、この王都に侵入した。

上空から落下してくる黒いヒトガタ。あちこちから恐怖の悲鳴が聞こえてくる。
そしてそれは僕の目の前にも。
誰かが叫び声をあげるよりも先に、僕は魔法石から剣を引き抜き、着地の瞬間の隙に敵の首を切り裂く。
「皆さん、敵は僕が倒すから冷静に!」
「あ、ああ…どこに逃げればいい!?」
よし、パニックにはなってない。今ので少しは安心感を与えられたみたいだ。
「えと、穴の位置から見て…時計塔広場の方へ逃げてください!
それから家の中に隠れている人にも逃げるように声をかけて!」

服の内側に鎖で吊るした本を取り出して魔法陣が描かれたページを破り取る。
剣で左手の手のひらを軽く切り、地面に置いた紙に傷口を押し付ける。
「王都に住まう精霊よ、我が敵を退けたまえ!」
そこから光の壁が広がって建物を結び、通りを封鎖した。僕を敵側に残して。
「お、おい、あんたは一緒に来ないのか!?」
「あなた方の方には敵は現れません
でもこっちから先には、まだ助けを必要とする人がいますから!」
襲い来る敵を斬りながら続ける。
「大丈夫ッ、ですよ!こっちにも、仲間がいます!早く行ってッ!」
「わかった、あんたも死なないでくれよ!」
逃げていく皆の背中を一目見て、敵に向き直る。
膜の穴はまだ塞がらない。
「こっからがあいつらの本隊か…」
遠くに次々と降りてくる影が見えた…


「時計塔を中心に包囲網を展開されてる、皆殺されるぞ!
絶対にここで食い止めるんだ!」
「応援部隊はまだ来ないのかッ!?」
「あいつら、家を壊してガレキで足止めしてやがるんだ…!」
「おいお前、大丈夫か!?
…ちくしょう…まただ、また殺られた!」

戦闘訓練はみんなまじめに受けていたし、みんなと合流すればなんとかなるって思ってた。
でも敵の動きは的確で、何より容赦がなかった。
実戦経験の無い僕らは、ものの十五分程度で追い詰められてしまった…
「僕のミスだ…あの時、別の逃げ場を見極めていれば戦況も違ったはずなのに…」
自責と悔しさの涙で視界が霞む。
絶望に沈みゆくその最中だった。

風…いや、意味は同じだけど風というよりももっと…
そう、まさに『大気の流れ』を感じた。
涙を拭うと、鋭利な刃物で切り刻まれたかのようなマリスの残骸…
それが遠方からずっと続いていた。
「俺がここに来るまで…民の亡骸を見なかった
命懸けの働きぶり、称賛するぜ…我が同胞達よ
そして、英霊達の名を我々の歴史に刻もう」
背後からの声に振り向く。
そこには薄紫の衣装に身を包む、白い髪の青年。
その姿に華美さはないけど、それでいながら十二分に威厳を感じさせる。
誰もが名前を知っている…『ルシル・ゼフ・エオリア』、この方こそ…
「…教主様…!」
「既に帰還した十字軍がマリス殲滅を開始している
お前らが時計塔の方に逃がした奴等も死なさねぇよ」

第五話 王都に帰る主 終

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