ゼロ 2012-08-12 16:50:55 |
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「タイトル」修羅の道
「第○話」第17話
「サブタイトル」割れない岩
「内容」
「ぐッ…ぐおおお…」
ものすごく重い腕を何とかコントロールしようと光星は
腕を持ち上げる。が、
ドズン…
すぐに地面に刀が落ちてしまう。
「ハァ…ハァ…くっそー…どうすればいいんだ…」
「お?もうギブか?こんなんじゃあ終わりだな。狼上にも勝てずに死んで終わりだね」
光星をおちょくるクロード。だが光星は
「バカヤロー。今は無理でも…すぐに…割って見せらあ。いよいしょっ!!」
気合で刀を持ち上げる。何と頭上まで刀を振り上げていた。
「ほう…!」
「くらえ…!オラァッ!」
そこから勢いよく振り下ろす。
ガキッ!!
刀身が岩に触れた。だが、割れない。
「うっ…!くそっ…何で…」
「そらあそうだろ。お前が重いと思い込んでるだけなんだから。実際は重くはねーんだよ」
(まあ…その岩は誰にも割れない究極の岩だしな…。割れるわけがねえ)
クロードは心の中で思った。
(確か…その岩の名前は「不滅岩」〈ふめつがん〉とか言ったっけか。この修羅の世界
で最強の硬さを誇る究極の岩。実際、この岩を使った鎧や防具を作ってる奴もいるし…
とにかく、今の光星じゃそいつを割れやしねえ。うん。)
そう思っていると何かがクロードの頬をピシッと打った。
それは光星のほうから飛んできていた。
見ると、光星は相変わらず、必死に刀を振り上げ、岩に振り下ろしている。
刀と岩が打ち合っている。一見、何も変化がないように見えるが、クロードの目には
ちゃんと見えていた。刀と岩が打ち合うたびに僅かではあるが小さい小さいカケラが飛び散って
いる。
(…ま、この岩を割るのもそう遠くはないかもな…)
僅かに微笑み、光星を見つめる。
「ぶはーっ!ダメだ、全然割れる気配すらしねえ!あーちくしょー!」
髪を掻き回し、悔しがる。
途端、
光星の目の前が、真っ暗になった。
(うっ…何だこりゃ…)
暫くして、
目が覚めるとクロードがいた。
なぜか息が荒い。全力疾走でもしたのかと思うほどに。
「クロード…」
「おお、光星…目が…覚めたか…ハァ…ハァ…うっ」
「どうしたんだ?何があった?」
光星は心配そうに尋ねた。
「大丈夫だ…これくらい…。フッ!」
クロードが気合をこめると息が整い、呼吸も落ち着いた。
「オメーが寝てる間に俺も自分なりの特訓をしてたんだよ」
「ああ…そういうことか…」
(てか、俺、寝てたのか…。いつつ…)
むくりと起き上がり、再び修行にとりかかる。
そんな光星をクロードはほっとした表情で見つめていた。
次回に続く!
修羅の世界日記
「じゃ、いくぞ。第一問。デーデン」
「よし、来い」
「好きなスポーツは?」
「足が痛いですね」
「いいぞ。第二問。デーデン」
「うし」
「趣味は?」
「あーこないだね。そこで財布拾ったんすよ。ハイ」
「よしよし。じゃあ連続で行くぞ」
「おう」
「無人島に行きたい?」
「ぬいぐるみが欲しいネ」
「ジュース飲むなら?」
「塾の合宿、楽しみだなあ」
「夏休みはどこ行く?」
「鹿児島。…あ!」
「残念~。でもいいペースだったぞ」
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