ゼロ 2012-08-12 16:50:55 |
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ブラッドクロス外伝 守護者達の軌跡
第零話 裏切り者の哲学
没頭した。充実していた。
自分が切り捨てたものを忘れるほど。
でも、ある時気づいてしまった。
簡単に他人を見捨ててしまえる自分。
その事に罪悪感すら抱かなかった自分。
そして、そんな自分から抜け出せない事に。
私はきっとまた、容易く他人を見捨てる。
ならば、 誰かに期待される資格なんて無いだろう。
誰かと仲良くなりたいと思う資格も、私には無いんだ。
こんな私は、ここに閉ざそう。
分かって下さい、私の本質を。
私は貴方達より自分の事が大事な人間なんです。
貴方達を喜ばせてあげる事なんて何もないんです。
だから私に関わらないで下さい。
失望してほしい。
見限ってほしい。
期待しないでほしい。
そうやって振る舞うのが、せめてもの罪滅ぼし。
それでも貴方は、こんな私を必要だと言った。
こんな私を求めてくれた。
堕落しきった私を救い上げてくれようとさえした。
私は戻れるの?
一人では無理でも、貴方と『二人』なら…
ブラッドクロス外伝 守護者達の軌跡
第一話 二年A組一番、欠席
146期の一学期の始業式が終わり、俺達生徒はそれぞれの新しい教室へ戻ってきていた。
俺が新しい席から新しいクラスを見回していると、一人の男子が声をかけてきた。
「二年も同じクラスだな、キュリオ」
「ああ、しかも都合良く隣の席だしな
またよろしく頼むぜ、ガラージ」
一年の時のクラスメイト、ガラージ・ゾグジー。
コイツは『スクール』に入ってからの最初の友人で、なかなか気のいい奴だ。
「しっかしお前、相変わらず濁点の多い名前してんなー」
「うるせぇ、たかだか春休みの間なんぞに名前変わってたまるかww」
環境が変わるってのは期待と同時に不安もはらむもんだが、どうやら今年も楽しく過ごせそうだ。
教室の前の扉が開いた。
「はーい皆さん、席に着いてくださーい」
担任の先生が入って来た。新学年始まったばかりとあってか、皆素直に着席する。
「わたくし、今日から皆さんの担任を務めさせて頂く、ラシウス・エンペリオンと申します」
女子達が黄色い歓声をあげる。
「全く、女どもは …若くてちょいとルックスの良い教師だと、すぐこんな反応をする
なぁガラージよ」
「フッ…その通りだな
だが確かにこの先生、長い髪が中性的な印象で、男の男から見ても、なんつーか爽やかな雰囲気だ」
「おいおい、よく見ろよ
メガネなんかかけてインテリ気取りか、しかも完璧に似合ってる」
「先生はここの卒業生で、今年から教師として戻ってきたんですよ~」
「聞いたか、あの経歴を
これでコネじゃなかったら、母校を慕う良い先輩だぞ?」
「つまりあの人の良さそうな笑顔も後輩想いの素敵先輩」
「ああ、そして俺は限界だ
あの先生カッコいい…」
「俺はキュリオみたいにひねてないから普通にそう思ってるけどなww」
「という事でこんな未熟な若輩者ですが、皆さんの担任として誠心誠意努めさせて頂きますので、一年間どうかよろしくお願いいたします」
声を揃えて返事を返す。
「よろしくお願いします!」
「さて、皆さんも一人ずつ簡単な自己紹介をして、今日は終わりましょう
一番の方からどうぞ」
しぃ~~~ん………
「ん?あれ?一番の方、どこ行ったんですか?」
「最初からいないみたいでしたー」
女子が答えた。
「え!?気が付きませんでした…
メガネの枠の外側、全然見えないんですけど、ずっと正面向いてたもので」
一番の席は最前列右端、確かに位置的に意外と見えづらいのかも。
「おい、どこがインテリ気取りだ~?
完全に目が悪いだけの人じゃないか」
「やめろよぉ、俺ヤな奴みたいじゃんかぁ…」
「うん、お前割とそうだよ」
「ちょっと名簿確認しますね~………
ン!なるほど、一番はオリアートさんでしたか」
ガタッ!
先生が名前を言った途端、二番目の席の女子が立ち上がった。
「オリアート…アルメリィ・オリアート!?
まさか同じクラスになっていたとは気が付かなかったわ…」
「あえ?お知り合いですか?」
「はい、五秒くらいの付き合いです」
「フムフムなるほど、五秒ですか!
じゃあちょうど二番なので、貴女から自己紹介お願いします」
「あ、はい、私はアヴィス・グロゥリアス
目標はひとまず打倒アルメリィ・オリアート
その後は『ガーディアン』、よろしく」
「おぉ~!大きな目標ですね、応援しますよ」
「今時ガーディアン持ち出すなんて珍しい
それよりオリアートって何者だ?ガラージ、知ってるか?」
「いや全然、他の人達も知らないみたいだし」
「あのアヴィスって娘もよく分からんなぁ~」
「アヴィスさんが二番でオリアートさんが一番だろ?
て事は新しいクラスの掲示見たらすぐ気付くはずだが、あの反応のしようだ」
「つまり欠席なのをいいことに、勝手な設定を作ってる遊んでる悪質な変人の可能性が…」
「いや、天然なのかも知れん
あるいは目が悪いとか」
「もうそれでつっつくのやめてくれよ」
その後は滞りなく自己紹介は終わり、先生からの明日の連絡も聞いて、教室を出て帰ろうとした時。
アヴィスが俺達の隣を通り過ぎて行った。
「フフフ…アルメリィ、明日貴女は自分の足で私の元へ来る訳ね…フフ…フフフ…」
「………聞いたか、今の?
やっぱりヤバい奴なんじゃねぇか…?」
「あれは流石に目よりもっと深い処が悪いのかも」
「この先一年間、だいじょぶかなぁ…」
翌日
「皆さん、お早うございます」
「お早うございま~す」
声を揃えて挨拶を返す俺達。
「じゃ、出席取りますね
えっと、アヴィス・グロゥリアスさん」
アヴィスがピンと手を上げる。
「はい元気です、がッ!」
「どうしました?」
「アルメリィはどうしたのよ?」
「そこにいないって事は…欠席でしょう」
「くっ、よくも卑怯な手段を!」
この日、オリアートさんとの試合で五秒で負けたなどという荒唐無稽な謎設定を披露したアヴィスは、そこそこクラスにウケた。
他人事ではあるが訳のわからない話が広まっていると、本人が来た時にどんな扱いをされるか心配になるな。
さらに翌日
「出席取ります
アヴィス・グロゥリアスさん」
「はい元気です、がッ!
当然のようにアルメリィを飛ばすのは何故なの?」
またそれやるのかww、と笑いが起こる。
「欠席なのはもう分かってますから」
「あの娘、病気とかそういう連絡があったのかしら?」
しかしアヴィスは真剣な様子。
どうもふざけてやってるようには思えない。
「いえ、連絡は何も
もし彼女の事を知りたいのであれば、後で少し話をしましょうか」
先生の対応も何か訳ありな感じだった。
放課後
「先生、オリアートさんって何者なんですか?」
新学年の始業式から三日連続欠席。
誰に訊いても情報を掴めない謎の生徒、アルメリィ・オリアート。
今朝のやりとりから推察して、彼女には何か複雑な事情があるはず。
アヴィスの不可解な行動も好奇心を煽っていた。
普通なら俺が首を突っ込む事ではないのだが、気になった事はほっとけない性質なんだ。
「キュリオ君も気になりますか、いいでしょう」
「えっ?そんな簡単に教えてもらっちゃっていいんですか」
「いえ、私は直接は教えませんよ
貴方が自分の目で確かめるのです
『賢者の海』、彼女はそこにいます
そして個人的な願いですが、出来れば彼女の友達になって欲しい」
第一話 二年A組一番、欠席 終
次回 意識の海へ潜行せよ
ブラッドクロス 設定解説
・外伝 守護者達の軌跡
気分転換で唐突に開始したシリーズ。
舞台はサイド・ルミナスのどこか。
・スクール
元々は魔法戦士を養成するための専門の機関。
数多くの優れた実績から養成機関の代表として、単に『スクール』と呼ばれるようになった。
現在では幅広い教育を行う機関として再構築され、一般の生徒を多く受け入れている。
本来の役割もコースとして残っている。
また兵役訓練を兼ねて模擬戦闘を行い、成績評価に含めている。
・ガーディアン
『無縫天衣』を身に付けるに値する戦士を指す。
無縫天衣は十二着存在し、対応してガーディアンも最大十二人。
ここ百数十年は『敵』の襲来が激減しており、戦士自体必要とされる事も減った。
そのため、わざわざ厳しい修行を積んでガーディアンを目指す者はほとんどいない。
現時点でガーディアンは四人。
実は途中でブラッドはいいけどcrossは出来てない事に気付いてclothでごまかす事になった
だから、戦艦建造すんなつってるだろ・・・お前には日本語通じねぇのか・・・。
其れと、伊勢も改造して航空戦艦になれば十分使えるわ。
戦艦開発→資源がない→出撃できない→待機→出撃→クリやられて大破→資源無い→待機
こんな悪循環にはなってはいけない。だから若いうちに駆逐艦を育てるんだ
いやとにかく金剛型が…
ってか、俺はビジュアル求めてるっていうか…
クエストで稼いだ燃料もそこを尽きかけ…
今日はもう休みます…
金剛型ぁ?
アレは改二になるまでは長門でいいんだよ!(金剛型もってない奴のセリフ。
でもまぁ、若いうちは
駆逐艦>戦艦
だからな。北方領域のために育てた方がいい
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