ゼロ 2012-08-12 16:50:55 |
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ブラッドクロス第一章 黒き翼の悪魔
第一話 黒き翼の悪魔 >21755 >21756
第二話 氷創のルキュ >21766 >21767
第三話 ザランとルキュ、二人の思惑 >21773 >21774
第四話 名も知らぬ盟友 >21869 >21870
第五話 黒き翼と白き狼 >22027 >22028
第六話 凍てつく刃 >22148 >22149
第七話 紅蓮の花よりも紅く >22151 >22152
第八話 氷の足跡 >22166 >22167
第九話 途絶える道を >22168 >22169
ブラッドクロス第二章 血塗られた交差
第一話 青と赤の光
地を埋め尽くす高層建築物群。
その中央に、遥か天上にも届くかのような一際巨大な塔がそびえ立っている。
夜にも関わらずその塔の周りには一欠片の闇も影も存在していない。
空に浮かぶ金色の月さえ霞む程に照らされている。
継ぎ目の無い純白の外壁に九つのスリットが縦に走り、そこから青い光が漏れだしている。
美しくも冷たい無機質な輝き。
塔の隣に月の光が集束していき、柱となって地上に突き刺さる。
光の柱から翼を持つ獣が無数に現れる。
獣達はまるで天の遣いの如き神々しい光を纏っている。
そして塔に鉄槌を下さんと羽ばたいてゆく。
壁。塔から数キロ、青い光の膜に阻まれ獣達は近づけない。
水面を打つ雨粒のように波紋を広げるだけ。
光の矢が塔の周囲から何百と放たれる。
射抜かれた獣達は幻のように消えていく。
やがて塔から漏れ出る光が赤黒く変わっていき…
昼、ゼピュロ王都・異界観測室
床、壁、天井が一体となった大きな球体状の部屋。
そこには大まかな世界地図が描かれている。
そして中心に球体が浮かんでいる。
球体はオレンジ色の光を放って地図上の世界を照らしているが、
黒い靄が球体を覆って光の大部分を遮断している。
まるで太陽が浮かぶ暗黒の宇宙を、地上が包み込むような構造。
西の大陸の位置に入口があり、中心に向かって足場が伸びている。
そこに二人の人間がいた。
「今日も変わらず安定してるなぁ…」
同僚とトランプ遊びをしながら職員が呟いた。
「そりゃそうだ、異界の扉なんて開く訳が無いんだから」
「でもさ、あっちの連中は研究してるんだろ、その方法を」
「扉を開けられるのなんて出来るとしても、精々『始祖の魔法使い』様ぐらいだろうよ」
「やっぱおとぎ話の域を出ねえのかな…」
この部屋の状態は交代で監視されるが、それは事実上の休憩時間と化していた。
「ずっと不思議に思ってる事があるんだけどさ」
「何だよ?」
「研究所と観測室、別々の建物だしさ、管轄も違うって変じゃないか
実はなんかヤバい研究でもしてんのかな?」
「そんな事言ってっとお前、消されちまうんじゃあねえのw?」
「やめてくれよ、向こうは教団だから現実味あるじゃん…」
「触らぬ神に祟りなし、だな」
突然、部屋の中が暗くなる。
「なんだ?」
球体を見ると、光がとても弱まっていた。
かと思えば今度は普段以上に明るくなる。
「この反応は…!?」
光の色がオレンジから青に変わり、東西南北の大陸を強く照らしていた。
「報告に行くぞっ!」
二人は部屋を飛び出し、通路を駆ける。
途中、一人が窓のそばで立ち止まった。
「こっち来い…空が…」
王都の上に広がる青空に亀裂が走っていた。
それは蜘蛛の巣のように広がっていく。
その亀裂の隙間からは赤黒い光が漏れ出していた…
一週間後、昼、ガストの外れ・南側
この日、この地域の空は雲が覆っていた。
「よーし皆、休憩だ、お昼御飯にしよう」
そこでは町を囲む防壁の拡張工事が行われていた。
「フラムロアさんも手伝ってくれて作業が捗るよ」
「いや…今日は暇だったからな」
吸血鬼も既に町の一員として馴染み始めていた。
「この工事が完成すれば農地を拡大できる。
自給自足の生活に一歩近づく」
「しかし、本当にいいのか?この俺と一蓮托生で
ますます外との繋がりが希薄になるぞ?」
「元々誰の眼中にも無いような町さ
だったらいっそ好き勝手やろうってね
あんたはここにいる事情があって、あんたを町の仲間みたいに思ってる人がいる
だからいいんだよ
でも、いざって時の事も考えとかないといけないな…」
「俺はいずれ町を出る用があるが、また戻ってくるかもな」
「もしかしてあの城、そんなに気に入ってるのかい?」
「あの城は…特別だからな
それに待ち合わせ場所でもあった
もともと、ここへ来たのはそのためだ」
「待ち合わせって、もしかして仲間が?」
「ああ、家族同然の仲だった…
三年待っても、会えなかったがな…」
「そう、だったのか…すまなかった…」
「謝るな
人間に対して全く憎しみが無い訳じゃないが、少なくともお前達は別だと思っている」
「まずいな、急に空が暗くなってきた、雨でも降ると困る」
薄暗かった空がますます暗くなってきた。
だが、この空がもたらすのは雨などではなかった…
第一話 青と赤の光 終
次回 生命を嘲笑う者
ブラッドクロス 設定解説
・異界サイド・ルミナス
サイド・シャドウと対なす、いわば光の世界。
遥か古の伝承より、自然の恩恵に溢れた美しい世界とされている。
教団は異界の扉を開く事を目標に研究が進めている。
しかし、あくまで伝説上の存在というのが一般の認識である。
・始祖の魔法使い
創世の物語に語られる魔法使い。
シャドウに存在する四つの大陸を造り出したといわれる。
サイド・ルミナスと同じように、その存在を信じる者はほとんどいない。
>22353
ボカロにハマッたのはぐるたんの天ノ弱がきっかけですな…
んでもってぐるたん歌ってるやつはかるらと同じくあらかた聞いたwww
大空さん
大空さんもか!!
ぐるたん、ついったー
フォローしちったよ←
かるらくん
それ!w
何かオススメあったら教えてなー
俺はなぜかこれにハマった↓
http://www.youtube.com/watch?v=ebA4zkpgLfk
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