ゼロ 2012-08-12 16:50:55 |
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「―――――!」
何処か(どこか)、遠くから声が聞こえる気がする。
しかし、そんな者がどうでもいいぐらいに、眼下に広がる光景はすさまじかった。
「――――い!」
子どもだろうか?血が、先程から止めどなく溢れている。
「―――-ぱい!」
そのこの前には、男が4人立っていた。
「――――んぱい!」
更に、男たちの中に、誰かいるようだった。しかし、囲まれているせいでよくは見えない。
「――――せんぱい!」
すると、男たちは突如姿をくらました。
「せんぱい!!!」
それと同時に、意識が一気に覚醒した。
☆
「あ、先輩・・・大丈夫ですか」
光が眩しく、目を細めつつゆっくりとあける。すると、目の前にはシャネル泣きそうな顔でいた。
「うっ・・・ゴメン、どれくらい倒れてた・・・?」
痛む頭を押さえながら、意地で起き上がる。するとシャネルは、泣きそうになりがら、説明を始める。
「本当に、本当に一瞬ですよ。たぶん、5秒もないです・・・」
「ゴメン、迷惑かけたね・・・」
謝りながら立ち上がる。軽くふらつくも安心させるためにも無理に動く。
幸い、部屋の中からは喧噪しか聞こえない。まだ、ばれていないようだ。
「ほ、本当に大丈夫ですか・・・?」
「うん。大丈夫だよ。ごめんね・・・」
「い、いえ、謝られるほど、私、特に何もしてないですし・・・先輩をただ支えていただけですし・・・それも一瞬」
申し訳なさそうに言って来るシャネルは、本当に倒れたのは自分のせいだと思っているようだった。そんなシャネルに、してあげることは今は無い。そう考え、とにかく話を変える。
「そっか・・・。そうだ。そういえば、俺の名前、まだ言ってなかったね。俺の名前は、神崎(かんざき) 瞬(しゅん)っていうんだ。瞬とでもよんで?」
そういうと、シャネルも理解したようで、頷いていた。
「わ、分かりました。じゃあ、瞬先輩。って、呼ばせてもらいますね」
涙を軽く溜めていた目を拭いてから笑顔を作った。その笑顔を見ると、自然と自分までもが笑顔になっていた。
「そうだ、それと、今俺が倒れたことは誰にも言わないでよ?心配されると大変だから。」
「そう、ですか?瞬先輩がそういうなら、そうしますけど。」
と、少し戸惑い気味に言って来る。そんなシャネルに笑顔で答える。
「うん。そうしてくれると助かるよ。それじゃ、そろそろいこっか。」
そう言いつつ、生徒会室のドアに手をかける。
「はい。行きましょう!」
勢いよく、生徒会室のドアを開ける。するとそこには―――
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