盟 2012-08-06 15:08:54 |
通報 |
(迅視点)
ー帰り道ー
はぁ・・・今日はいつも以上に疲れた・・・何故かと言うと、こいつのせいだ・・・
「迅ちゃん!明日も一緒に帰るぞっ!」
あぁ、また言いやがった・・・俺を迅ちゃん、と呼ぶのは颯しかいない。
「なんだよ!しつこいな!もう一緒に帰ってるから言うな!」
「えー・・・だってさー、先に予約しとかないと迅ちゃん人気だから一緒に帰れなくなるじゃん!」
人気ってどういうことだよ・・・あ、ちなみに俺が通ってる高校は男子校。
「はぁ?何言ってんだよ、俺は別に人気じゃないし、他の奴と帰ろうとか思ってねーぞ」
まぁ、奏は論外だけど・・・迅、奏と以外は一緒に帰る気なんて元々ない・・・
「そっか!ならいいやっ!・・・ところでさ、俺の事、恋愛感情で好き?」
は!?何言ってんだこいつ!?なんで!?なんで恋愛感情になるんだよ!?
「お前、何言ってんだよ。幼馴染としては好きだけど・・・恋愛感情では、なぁ・・・」
「俺、迅ちゃんの事恋愛感情で好きだよ?」
「・・・は?お前・・・俺男だぞ!?お前、そっちの趣味か!?」
本気で有り得ないんだが。まぁ、男子校に居ればこう言う事もあるのか・・・?
「別に男でもいーよー、俺そっちの趣味だしー」
「マジデスカ・・・」
「ってことで、俺と付き合え!迅ちゃんに否定権はないけど!」
「なんで否定権ないんだよ!うわー・・・俺、学校行きたくねー・・・」
俺はそっちの趣味じゃないんだけど・・・っつか、マジ学校行きたくなくなった・・・
「意味ないよ?俺ん家、迅ちゃんの家の隣だって事忘れたの?」
わああああ!そういえばそうだったー!俺終わったわー・・・!!
「・・・本気で言ってんの・・・?」
「本気。ふざけて男に告白とかないしっ♪」
まぁ、そりゃそうだが・・・俺、これからどうしよう!(汗
(奏視点)
ー教室ー
俺は幸崎 奏、17歳。見た目は普通の高校生。だけど、一つだけ普通じゃないところ・・・それは、
俺が死神であるということ。
まぁ、死神って言っても色々ある。死んだ者を案内する死神、人を殺る死神・・・と、他にも。
ちなみに、俺は生きている者の寿命を見ることができる。そして、人生に耐え切れなくなって
死んでしまおう、と考えている者の手助けをすることができる。勿論生きようとする方のだけど。
例えば、「もう生きるのが辛い、死んでしまおう」と考えている人がいたとする。その場合は俺が
その人の過去を読み取り、そしてこのせいでこんな風になったんだな、と言う記憶を消してあげる。
記憶を消したところに俺の存在を入れ、その人の心に直接触れる・・・みたいな感じだ。
「おい!幸崎!今は授業中だ、ちゃんと授業を聞け!!」
あーあー、曄ちゃんが怒った・・・
「すみませーん、授業がつまらなすぎてぇ~・・・」
「てんめっ・・・!・・・幸崎、後で生徒指導室に来なさい」
「ははっ!曄ちゃんの怒る攻撃!さぁ奏ちゃんはどうするっ!?」
笑いながら颯が言った。バカだ・・・まぁ、そこが面白いけどさ。
「私奏は、その誘いを遠慮致します!」
ノッてふざけてみた。いつものことだけど・・・そして教室が爆笑の渦に巻き込まれた。
「・・・はぁ、俺様が直接家庭訪問してやろうか?あ?」
一瞬で笑いが消えた。こいつが家庭訪問に来るとろくなことにならない・・・
「やめてください。先生が来るととんでもない事になるので(キリッ」
「お前なぁ・・・何でキメ顔まで作ってんだよ・・・」
呆れて言ったのは迅。まぁ呆れて当然だろうな
「・・・俺が疫病神みたいに言うなよ!折角通称イケメン教師の俺が行ってやるっつってんのに!」
・・・引いた。確かに顔はいいが・・・俺には負けてるだろ。
「ふぅん・・・?じゃ、この通称ミステリアスなイケメン王子様が行ってあげても構わないぜ・・?」
俺は歩きながらそう言い、教卓に手を付いた。
「な、なっ・・・!何言ってんだお前はー!!!」
曄ちゃんは真っ赤になって叫んだ。こいつ、もしかして俺のこと・・・?
(曄視点)
ー屋上ー
あー・・・さっきはあいつ(奏)のせいで恥かいた・・・。
最近奏の事になると俺必死なんだよなぁ・・・。・・・これってもしかして・・・。
恋!?は!?俺があいつにっ!?ないない!うん、ないよ!!ある訳ない!
そもそもなんで俺が奏に恋するんだよ!ないに決まってるっ!
「・・・曄ちゃん、何やってんの?」
ぬぉぉぉ!?奏ェェェ!!;
「それと、最近俺に厳しすぎ。俺何もやってないんだけど、授業は受けてないけどね」
「・・・それが原因に決まってんだろ。この熱血イケメン教師の名が廃(すた)る!」
「なんか増えてる・・・でもさー、なんであんな赤くなったの?」
げっ・・・俺にも分からん事を聞きやがった・・・。ここは話を変えて・・・
「お前、人じゃないだろ?」
単刀直入に聞いた方が早い。こいつは。
「・・・なんでそうなるんだよ、俺は人間だ」
「嘘つけ。ならなんで人に対してすぐ態度が変わる?」
俺が見る限り、奏は人に対しての接し方が極端に違う。
余り仲が良くなかった奴と急に恋仲、又は親友になっていたりする・・・。
「はぁ・・・なんで分かるんだよ、そう。俺は人間じゃないさ」
「・・・人の寿命が見える死神、そうだな?」
大体は察してる。奏が、あの人もうすぐ死ぬ、と言ったら数日後に本当に亡くなる。
「まぁ、簡単に言えばそうだね。・・・さてと、もうすぐ授業始まるから俺は行くね」
「おー珍しく授業にちゃんと受けるのか。それとも教室でまったりするのか?」
「授業は面倒臭い。まったりするのには声が煩い。・・・遊びに行くってことになるね」
「遊びに行く、か・・・まぁ、授業を受けなかったら俺が強制的にさせるだけだがな」
全く、成績は優秀なのに生活態度がだめなやつ・・・。
「ま、頑張ってみなさい。俺は行くから」
そう言うと奏は教室へ去っていった。
俺も行かないとな・・・あー、俺って(恋に)落ちたのかぁ?しかも奏にぃ・・・?
トピック検索 |