裕 2012-07-31 13:16:21 |
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魔魅が言葉通り早速質問を始めた。
すると、高橋は苦笑いをしながら言った。
「あぁ、仲悪かったなぁ。もみ合いになったときは悪かったと思ってるよ」
「そうですか…」
よくわからない、数秒の沈黙が流れる。恵美は俯いてしまった。
ふと魔魅たちの方を見ると、魔魅と高橋がにらみ合いをしていた。
(なっ、何…?)
恵美がそんな疑問を抱いていると、魔魅が話しかけてきた。
(こんな早くにばれるんだったら、恵美に事実を話しておけばよかったな…恵美、悪いな…)
その途端、高橋が笑い始めた。
「魔魅、ようやく気が付いたようだな…だが、悪魔女の力を持っているわりには遅すぎるぞ」
魔魅や恵美の姿が、いつの間にか悪魔女の時の姿になっていた。
「ただの悪魔のお前には言われたくないな、冬鬼…」
魔魅は高橋を一層強くにらんだ。
「ねぇ、魔魅…高橋さんは悪魔だったの?」
恵美はあわてて魔魅に聞いた。
「いや、高橋は冬鬼本人じゃない。操られてるんだ。きっと、幽火もそうだろ…」
魔魅はそういうと、部屋の扉に向かって声をかけた。
「お前もいるんだろ、幽火」
すると、魔魅の視線の先に人影が現れた。
「か、神山先生…」
そこには、いつもと変わらない姿の神山先生がいた。
怪しい笑みを浮かべている。
「魔魅、やっと会えたわね」
「お前みたいな魔女には会いたくなかったな…」
神山先生も魔女に操られてるなんて…
(信じられない)
恵美はそうとしか思えなかった。
「魔魅、両親に対してその言い方はないだろう」
「お前らが親なんて思いたくもないね」
魔魅が唇をかんでいる。
この二人が魔魅の親…精神だけだけど…
「魔魅…これって…どういうこと…」
恵美は声を出してしまった。
「あら、あなたが恵美ちゃんね。あなたも悪魔女にさせられたのよね。」
「それより、どういうことか説明して!」
恵美は、自分でも驚くほどの大声を出していた。
すると、幽火が恵美に向かってほほ笑んだ。
「いいわ、教えてあげる」
そういって、幽火は話を始めた。
「魔女がいる魔界や悪魔がいる地獄では、どちらの世界にも悪魔女はいないの。あったのは伝説だけ。そんな中、私たちは強い魔力を探し求めていた。ビジネスのボスとね」
「ビ、ビジネスのボスって誰だよ!」
魔魅が千華をすごい目でにらんでいる。
しかし、千華はそんなことに構うこともなく話を続けた。
「ビジネスを成功させて出世するためにね。そこで思いついたの。自分たちで、最強の悪魔女を作ればいいんじゃないかってね。それで出来上がったのが魔魅だったってこと。でも、魔魅はそれに賛成せずに、七歳のころ、魔界幼稚園を卒業したと同時にに逃げ出したの。連れ帰そうかと思ったけど、無理だったわ。魔力では勝てるわけがないんだから。」
千華はそういってため息をついた。
「だから、こんな手を使うしかなかったのよ。どうしても魔魅の遺伝子が必要だったから。でも、悪魔女が二人になってよかったわ。どっちを捕まえても同じ遺伝子が手に入る」
そういって千華は高らかに笑った。
「お前のお目当てはビジネスなんかじゃない。魔界と地獄の征服だろ!」
魔魅が言い返した途端、足元が光った。
床が焦げている。これは、魔法…?
「次は本当にあてるわよ、魔魅、恵美。いやだったらさっさとこっちに来なさい」
千華はにやりと笑った。
どこまでも冷酷で恐ろしい笑み…
恵美は千華を思いっきりにらんだ。
でも、それしかできない自分が悲しい…
「恵美、逃げるぞ」
魔魅が突然小さな声で話しかけてきた。
「逃げるって…どこに?」
「魔界だよ!魔界だったら友達が何人もいる。最初のころは友達の家に隠れさせてもらってたし、最近も話したりした。まぁ、心の中でだけどな」
ここまで来たら、やるしかない。すべては魔魅にかかっている。
「…わかった。いいよ」
恵美は魔魅に向かってうなずく。
「よし…行くぞ!あたしにつかまってろ!」
恵美はあわて魔魅にしがみついた。
それと同時に目の前が真っ暗になった…
4
「ここが…魔界?」
恵美はあたりを見回す。
家みたいな建物は、黒い壁や屋根に覆われていて、遠くの方には黒いビルらしきものがある。
「おい、何やってんだ。いくぞ」
後ろに立っていた魔魅に声をかけられた。
…そうだった。あたしたちは追いかけられているのだ。のんびり観光をしている場合じゃない。
「ちょっと待って…」
恵美は、先に行こうとしている魔魅の背中を追いかけた
「魔魅じゃない!助かってよかった…」
涙声で出迎えてくれたのは、魔魅の親友の闇夜だった。
淡い紫色のワンピースに銀色のサラサラロングヘアー。瞳は薄いピンク色で、爪は白いマニキュアで塗ってある。魔魅と違って大人びた雰囲気の人だ。
闇夜は、魔魅に向かってそういうと、恵美に話しかけてきた。
「私は魔女の闇夜。恵美ちゃんって呼んでいい?」
何も言ってないのに名前がわかったのは、魔魅が教えたか、心を読んだのだろう。
「はい、いいですよ。じゃあ、闇夜さんって呼ばせてください」
「いいわよ」
恵美と闇夜は、魔界に来た目的をすっかり忘れて話し込んでしまった。
「あのさぁ…盛り上がってるところに悪いが、とにかく部屋に入ろうぜ」
「…確かにそうね。取りあえず、部屋に入ってから、話しましょ」
恵美たちは、部屋に入ることにした。
「で、恵美ちゃんは魔魅に悪魔女にさせられちゃったってわけねぇ…」
闇夜は魔魅が、恵美が悪魔女になったいきさつを話し終わった途端にため息をついた。
「魔魅も、本当に昔から自分勝手なんだから…」
「誰が自分勝手だよ!あたしは恵美を助けてやったわけで…」
言い訳をする魔魅だが、闇夜は聞く耳を持たず…
「自覚なし、か」
そういって、にやりと笑った。
「まぁいいや。で、私に手伝えることってある?」
闇夜が急に話題を変えた。
「あぁ、あのな、お前あいつらのこと知ってるだろ?」
すると、闇夜は眉間にしわを寄せた。
「あぁ、あの二人のこと?いらないぐらい知ってるわよ…」
二人の言っている二人は、きっと武と千華のことだろう。
「でな、今回のことで、今までの仕返しに、いっそあいつらを魔界警察と地獄警察に突き出そうかって考えたんだ。そうすれば、またあいつらに攻められたりはしないだろ?」
魔魅がニヤリと笑う。
恵美もそれは愛い考えだと思った。しかし…
「ちょっと、魔魅!本気で言ってるの?裁判で無実になっちゃったら、魔魅が逮捕されちゃうのよ!」
「私はいいんだ。それに、あいつらの思い通りにさせちまったら魔界だけでなく人間界までも支配されるかもしれねぇ。それだったら私なんて小さいものだろ?」
「魔魅…でも、あなたが逮捕されたら悲しむ人はたくさんいるわ」
「そうだよ、魔魅にはお友達たくさんいるんでしょ?」
「私はいいんだ。それに、あいつらの思い通りにさせちまったら魔界だけでなく人間界までも支配されるかもしれねぇ。それだったら私なんて小さいものだろ?」
「魔魅…でも、あなたが逮捕されたら悲しむ人はたくさんいるわ」
「そうだよ、魔魅にはお友達たくさんいるんでしょ?」
恵美も一緒になって止めた。魔魅が逮捕されるなんて信じられない。
その時魔魅は、フッと不敵な笑みを浮かべた。
「私たちの周りに魔界警察がいるじゃないか」
そう言って闇夜と恵美をつれて家を出て行った。
(更新すごいおくれてますね、読んでくださっている方々、すみません&ありがとうございます!忙しい中書いているのでおくれるかもしれませんが、よろしくお願いします!あと、ミスも多いかもしれませんがその辺も許してください…)
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