小説1の話

単身赴任から帰って来た久しぶりの我が家は……
我が家ではなかった。

いや、家の中自体は変わっていないのだが…
何故か俺の目の前におっさんが見える…；
40…歳ぐらいのおっさんが確かに目の前に映るのだ。

「Σこっ…これは…！；」（一体どういう事なのだろうか…；俺の目はとうとうイカれ果てたのだろうか…？；）
と思考がまとまらないまま、俺はただただ目を擦る。

（いやいやいや！；あっていいはずないだろっ、こんな事！まだ、べっぴんさんの若い子が見えるのならまだしも！おっさんて…；全然嬉しかねぇよ！）
（誰だっ、こんな仕打ちをしたのは！）
…と若干恨めしい気持ちを押し込め、取り敢えずおっさんをガン視してみた。

おはようございます♪

幸い…？かはどうかは分からないが、おっさんはまだこちらに気付いていない。…つか冷蔵庫漁ってねぇか！？おいっ。
そう…、俺の目の前に映るおっさんは在ろう事か俺ん家の冷蔵庫を無断で漁っているのだ。
いや、逆に許可を求められても困るのだが…；

ルカさん>>
お早うございます！
起きるの早いですねっ

うんうん…起きてたんだよ!!

後ね、さんつけなくていいよ〜♪

…どうやら俺が見る限りおっさんは腹が減っているようだ。
…というか、俺は未だにおっさんが生きているのか死んでいるのかすら判別が出来ていない。
俺の目にはくっきりと見えるものだから判別の仕様がない。

ルカさん>>
Σ起きていたんですか！？…というか自分もなんですけどね^^；
分かりました！次から呼び捨てさせて頂きますm(__)m

うん♪

ってさん付いてるよ？(笑)

…足…は、付いてるんだよな…。
俺はおっさんの生死を判別する為、頭から爪先まで取り敢えず観察を試みる。
…と足を見て気が付いた。危ない事に俺はそのままスルーしようとしていたが…、Σおっさん靴履いてるぅ！？；
えっ！？何でっ、まさかの洋風スタイル！？えぇっ！？
…俺は腰が抜けそうになった。

ルカ>>
しっ失礼(汗
眠れないんですか…？
自分はそうなんですが^^；

今日はここまでにしときます…
つっ疲れた…←

ルカ>>
またお会い出来たら…！^^

あっバイバイ(^_^)/~

人様の家を土足だと！？つかどう見てもおっさん日本人だろっ！
つかいつからこの家いるの！？；
パニックする俺とそれを知ってか知らずか堂々と冷蔵庫を漁るおっさん。
奇妙過ぎる…。