ナルガEX 2012-03-27 18:10:33 |
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Xさんの詩の雰囲気を参考にして書いて見ました。
短編です。
「バーチャル」
俺はこの世界に降り立って何年立っただろうか。
草原に座り、桜を眺めながらビールを飲んだ。
握っていた手を開くと風が舞込み、花びらが渦の様に回る。
「この現象も偽り。この風景も偽り。この世界も偽りか………。」
そう言ってまたビールを飲んだ。
この世界……いや、この星の全ては嘘で出来たものだった。
たしかあれは26年前だった………。
◆◆◆
「バーチャルプラネット!?」
「そうだ、近年になって発見された未開の星だ。」
そう言うのは俺の上司
「仮想の惑星……。なんかのテストとかじゃなくて?」
「いや、今度のは実在するやつだ。」
上司の話によると、この星から5000光年離れた気体状の惑星、ちょうど太陽の様星らしい。
その星に決まった形状は無く、常に変化しているらしい。
霧状になったり、楕円形になったり、半円形になったりと形は様々。惑星に降り立っても同じで、風景も幻想的になったり、近代的になったりと少し不思議な惑星らしい。
「チケットはとってある。君は惑星観察機の乗組員と共に惑星に降りてもらう。いいな?」
「……はい。」
俺に選択の余地はなかった。どうせ、もう少しでもクビになるんだから。
俺は何をやっても今まで上手く行った試しがない。
だけど、例の惑星には魅力を感じた。
そこには、俺の居場所があるかもしれないと………。
◆◆◆
もしかしたら、この星も地球もさほど変わらないのかもしれない。
自分を守るため、他人を傷つけないため、周りから良く思われるため、人々は皆必ず自分に綺麗な偽りを被って生きている。
汚いものは地下の奥深くにほっぽり投げ、綺麗なものはより磨き上げる。今の国はみんなこんなことばっかりやっていて、汚いものの掃除すらしようとしない。
昔のことわざで「嘘つきは泥棒の始まり」と言う物があるが、それを誤魔化すように「嘘も方便」と言うものもある。
あまりこの星と変わらない。
バーチャルプラネットには雨が降らない。
雨と言う薄暗いイメージを表に出さない。
そして、食物連鎖がこの星では確立してない。
星の動物は、幻想的な生き物が多数いるが、捕食をしている姿は確認されていない。
それに、風景が綺麗なものしか出てこない。
これには正直、嫌気がさした。
しかも、それらのものに触れようとすると消えてしまう。
偽りとはそんなものだ。
俺は高台に一本の桜の木を植えた。
物であるれていそうで何もないこの星に、一つの事実というものを植えた。
時がすぎて、地球に帰還する日に桜の木は満開になった。
俺は木に触れた。
これは消えない。
俺は座り込み、ビールを開けた。
◆◆◆
「もう船に乗り込め。帰るぞ!」
振り返ると上司が立っていた。
俺はしばらく黙った。
「………俺は………ここに残る。」
それは俺の一つの結論だった。
それは、事実から逃れることだったのかもしれないが、ここで過ごしていると何か答えが見出せそうな気がした。
「…………そうか……お前ならそう言うと思ったよ。」
俺は上司の言葉に少し疑問を感じたが、だいたい理解した。
「俺たちは先に帰る。お前はここでじっくり考えて、お前自身を見つけとけ。来年になったらまた迎えにくる。」
そう言って上司は俺のもとから離れて行った。
俺はあの人が上司で良かったと思っている。
きっと、帰ったら部下を置いてきたという理由でクビになってるだろう。
座ってると動物がよってくる。
俺は頭を撫でようとするが、触ると消えてしまう。
やはり、ここが俺の居場所だった。
炎系攻撃呪文ネタ
①エゴコブセィット・ファラマ(炎よ・燃えろ・Ego Combustio-flamma )
②アルデンテゥ・オルギンス(火よ・燃えろ:Ardent-O Ignis)
③オルギンス・ディリゲンテスカウラ(火よ・射撃せよ:O Ignis-dirigentes causa)
④エゴファラマ・ディリゲンテステゥカウザ(炎よ・射撃せよ:Ego flamma-dirigentes causa)
物語執筆中に出てきたオリジナル呪文ネタ
①エマヴェベラーレ・イッヌメッラブレス(無数の弾幕:Eam verberare innumerabiles)
②エッフェセィモ・チェイルギャム(術式吸収:Effusio chirurgicam)
③スペルソニック・ブレッテゥ(音速弾:Supersonic bullet)
④グラッシェ(相殺:オリジナル)
⑤ファラゴラ(爆発:FRAGOR)
小説を書くのに参考になるサイトを見つけたのでURLをうpします。
http://www.raitonoveru.jp/howto/d01.htm
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