鐐乱 2012-01-25 23:01:14 |
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...部屋を出たのはいいものの、さて...何処へ行こう...。
僕は部屋を出て早速躓いていた。
廊下をキョロキョロと見渡し、そして一歩、一歩、止まっていても仕方がないので歩みを進めることにした。
廊下を歩く―
無音、無音―。
嗚呼、そうだ。
思い出した。
この家には―
誰もいないんだっけ。
嗚呼、そうだ、そうだ。
思い出した。
そういえばそうだったなぁ...。
何処か懐かしくて楽しい思い出を思い返すかの如く、うっとりとした表情で遠くを見てみる。
あははっ...。
もう消していたと思っていたのに。
まだ残っているなんて。
嗚呼、本当に鬱陶しい記憶だこと。
『記憶、の、先』
嗚呼...、本当に...。
僕はその瞬間、うっとりとした表情から一変、
どうでも良さそうに、
それこそ死体が側に転がっているのを見て見ぬふりをするような―
そんな、冷たい眼差し。
嗚呼、
キモチガワルイナ。
その日僕は、学校から戻って来て早々、母共々父に呼ばれた。
また...か。
僕はこの後何が待っているのか分かっていた。
いや、『僕も』...と言った方がいいのか...。
母は何時ものように全身を震わせながら、僕へと目をやった。
いやいや、僕の方向かれても...。
僕は困ったような、呆れたような瞳で母を見た。
そして小声で一言、
「助けなんて来ないよ。」
僕は、もう諦めろ。とでも言うように母に絶望を味わせた。
母はその言葉を聞き、諦めたのか、どうでも良くなったのか、瞳に精気を宿すのを止めた。
その様子を僕は横目で見やりながら、
いい加減諦めろよ、この人は...。
と、実の母に対して溜息を洩らした。
「はぁ...。」
不意に天井へと目を向ける。
さてさて、今日は何時間なんだろう...。
〜少し休憩〜
今読み返すと結構イタイですね…。
何かこう…、狂った、情緒不安定な主人公が出来上がってしまった…。
まぁ…それでも続行しますね…。
…パチッ。
嗚呼...、僕は何時の間に気絶したんだっけ。
僕は辺りを見回し、ぼんやりとした頭で無理矢理脳を機能させた。
...が、気絶するのは何時ものことなのであまり深くは追究しなかった。
それこそ脳の無駄遣いだ...。
僕はぽつりとそんなことを思いつつ、吊された状態で、隣へと目をやる。
母さんは...と思ったが、そこに居ない理由は脳を働かす手間もなく、自ずと出ていた。
嗚呼、また延長戦か。
左程興味もなさげに、僕は冷たい眼差しで隣を見やった。
そう...、その冷たさを表現するならば、子供が興味本位で買って貰った生き物に飽きて、その生き物に目も向けないような...
そんな眼差し...。
隣を見つめているのに、何処か遠くを見ているような―
別の何かを求めているような―
そんな不思議な瞳―。
嗚呼、今回は何処まで記憶が保ったっけ...。
僕はうなだれながら、頭の隅で薄らそんなことを考えていた―。
ん、ありがとなぁ…(ニコッ
つか俺『1日5通』を最初しか守れてない…
これからはもっと書くようにしますー…
見てるかわかんないけど…
〜遡ること数時間前〜
頭の隅の記憶の回想*
僕が学校から戻るなり、『あの人』は玄関先に立って、僕を待ち兼ねていた―。
そう...ごく自然な顔で―
僕は一瞬、何だ?と、不愉快な表情で父を見上げたが、父の表情から察するにこの後父が何を言うのか僕は答えが出ていた。
まるで相手の心が分かるように―。
頭の中で父の表情に呆れつつ、僕は父が僕目がけて言葉を発するのを期待もせずに待っていた。
『さぁ、行こうか!』
にこっ!
『母さんもお前に待ちくたびれていたところだ!』
にこにこっ!
『さぁ、行く準備して…ねっ!』
にこにこにこにこにこにこにこにこっ...!
僕はその言葉を軽く聞き流しながら、心の中で父に向かって哀れんだ口調で言い募った。
「嗚呼、またあんたは自分を止められなかったか。」
父は狂っている。
その事実が判明したのはずっとずっと前のこと―。
当時から父には可笑しな可笑しな癖のようなものがあった。
それは一般家庭の父親が取る行動としては余りにも可笑しな―。
いや、その行動を『癖』という単語で一まとめしてもいいものだろうかと躊躇うような―。
狂気すら感じる―。
その頃はまだ良かったんだ。そりゃあ物凄く変わっている趣味だと思ったが、それはまぁ...個人の自由だし...。
僕に止める権利はないと思って見過ごしていた―。
喩えそれが...
裸の人形を小型のナイフで切り刻んでいても―。
止める権利は
なかったんだ。
嗚呼...本当にいつから父の線は切れていたんだろう...。
そう―
音も無くあれは―。
「はぁ...。」
僕は段々腕が痺れる痛みを感じ、怪訝そうな顔で腕を見ようとする。
だが、どう藻掻いても腕を上に縛られて吊された状態では見ることは不可能だ。
それこそ首を180度回さないと
そんな超人がいたらお目に掛かりたいぐらいだ。
僕は一人で冗談混じりにそんなことを思ってみると同時に、腕の痛みで、そんなことを思えるのもあとほんの数分だなと脳の何処かで感じていた。
はぁ...、
怠いけどあと少し、
本当に痛みに気を紛らわせときたいから、
本当は嫌だけど、
本当に嫌だけど、
『さぁ〜て、回想を再開するとしましょうか。』
怠くて、
憎らしいけど、
皮肉だけど、今この状態で遊べるゲームがこれしか思い浮かばない。
思い浮かばなかった。
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