優月 2012-01-07 23:58:28 |
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_______プロローグ__________
幼いころ
何もかも失った
家族も
地位も
自分という存在も
私は あの時死んだ人
皆は彼女をこう呼ぶ
「月色の姫」と・・・・・
第1話_________________
「大変っ、早く帰らないと!」
叔父と叔母が待つ家に、花畑に座り込んでいた少女は急ぎ足で駆け出した。
薄ピンク色の「フェルス」の花を籠いっぱいに持ち、小道を走る。
彼女の名はフェリシア。
亜麻色の髪に、空を映したかのような水色の瞳。
小さな顔に、華奢で小柄な体。
ある一点を除けば、まるで人形のように可愛らしい。
そう、ある一点を除けば・・・可愛らしいのだ。
遅くなってすみません!続きです・・・
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家への道のりの途中、小走りだったフェリシアはふと歩みをとめた。
道の真ん中で、大柄な男2人とが、幼い少年を脅していたのだ。
「おら、金だせよ」
「早く出さないと・・・殺すよー?」
小さなナイフを片手に、男は意地の悪い笑みをうかべていた。
少年は、おそろしくて声も出ないのか震えている。
(許せない・・・・!)
フェリシアは籠を足元に置くと、少年のもとへ駆けつけた。
「あ?なんだこの女?」
「かわいい顔してんじゃん・・・なぁ、こいつ売ったほうが儲からね?」
「いーな、そーしよw」
少年をかばうように立ちはだかったフェリシアに、男たちは舌なめずりをした。
そんな男に、フェリシアは顔をしかめながらはき捨てる。
「黙れカス」
空気が一瞬・・・・凍った。
男が呆気にとられている隙をねらい、フェリシアは隠し持っていた短剣で男をきりつける。
シオリさん>読んでくれてありがとうございます♪w
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「ぐっ・・・?!」
うめき声をあげて倒れる男を見て、フェリシアは小さく息をもらした。
「なーんだ・・・もっと強いかと思ったのに・・残念」
その冷たい瞳を見て、残りの男は震え上がった。
だが、急に何かを思いついたように、そばにいた男の子を引き寄せる。
(しまった・・・!)
「こ、このガキの命がほしかったら剣を捨てろ・・・!!」
「・・・っ・・・」
しかたなく、フェリシアは愛剣を地面に捨てた。
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「いけ!」
少年を抱えている男が、剣を捨てた瞬間に叫んだ。
「タヒねぇぇっっ!!」
後ろから聞こえた声に、フェリシアは反射的に振り返る。
大きな剣を振りかざす男が目にはいる。
(しまった、まだ仲間が…!)
よけようとしたが、 もう剣は目の前まで迫っていた。
(…っ、きられるっ…)
とっさにフェリシアはぎゅ、と目を瞑った。
遅れてすみません(>_<)
遅れてすいませんっ
コメありがとです(*^_^*)
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…が、いつになっても痛みを感じない。
(…あ…れ…?)
フェリシアは、ゆっくりと瞳をあけた。
すると、自分の前には、一人の男が立っていた。
少し見える横顔は、この世のものではないみたいに美しく、神秘的だった。
その男が持っている剣に目を向けると、先が赤く濡れている。
(…血?)
フェリシアは、男の前に倒れている、さっきの男と剣を交互に見た。
(まさか…この短い時間に、男たち全員を…)
思わず男を見上げると、、
「なんだ?」
ゆっくりと、男が振り返った。
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