青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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円は、う~ん、と眠そうな声を出し僕と反対の方向に寝返りをうつ。
「円、出掛けよう。起きて。」
僕は円の身体を揺さぶり続ける。
ほどなくして円は覚醒した。
「何?お兄ちゃん。」
迷惑そうな声だ。
「これから二人で山に行こう。」
僕は立ち上がりながらそう答えた。
「何しに?」
「いいから。」
僕が立ち上がっても円は起き上がろうとしない。
「無理だよ、お兄ちゃん。お母さんから今日は出掛けないように言われてるもん。」
「だから、お母さんに内緒で行くんだよ。」
円は上半身を起こす。
「内緒で行くの?じゃあ、円は行かない。後でお母さんに怒らるの嫌だもん。」
上半身を起こしたが行く気にはなっていない様だ。僕は説得する。
「心配ないよ。お母さんに怒らるのはお兄ちゃんだけだよ。円は、お兄ちゃんに無理矢理連れていかれたと言えばそれで大丈夫。怒られないよ。」
円は僕の言葉を聞いて頷く。そして伸びをすると、
「わかった。じゃあ一緒に行ってあげる。でもお母さんに怒られたら、お兄ちゃんに無理矢理連れていかれたって本当に言うからね。」
と言った。
「いいよ。実際にそうなんだから。さあ、立って。直ぐに行こう。」
促すと円は動きだした。
「ヤス君も連れていく?起こす?」
円は立ち上がると、隣でヤス君が寝ていたことを思い出し、そう訊いてきた。
夢の中で小桃はヤス君については何も言わなかった。しかし円と二人で来るように条件をつけていた。
「ヤス君はそのまま寝せておこうよ。二人で行こう。」
僕と円は玄関に向かった。大人達に、特にお母さんに会わないように僕達は早足で廊下を移動する。
幸い誰にも会わずに玄関に着くことができた。素早く靴を履くと玄関を出た。家の中から大人達の話し声や笑い声が聞こえた。一際大きな声を出しているのは僕のお母さんだった。
誰も僕と円が家を出たことはきづいていない。
僕は円の手をとって小走りで門を抜けた。
大人達は全員一階にいる。ここまで来てしまえば家の塀が僕達を隠してくれる。見つかることはない。
「さあ、行くよ。」
円に声を掛ける。
円は悪戯が成功したというような楽しげな顔をしていた。
僕は小桃が出した条件を守って行動している。次は小桃が正体を僕に教える番だ。もちろん夢はただの夢なのだとも思う。だが、それならばそれでいい。何故なら、やはり小桃とは僕の夢の中だけに存在するということがそれで分かる。
僕は円の手を引いて歩き出す。と、その瞬間に僕は感じた。
見られている。
そんな気がして足を止める。
反射的に僕は家の方を見る。塀の上方。二階を見る。
二階の一室に人影があり僕達を見ている人がいる。
ユズちゃんだ。
3,000全て読んでみた。
いろんな人が来てくれてた。
もう一度話してみたい人ばかり。
でも、難しいね。来なくなって、また来るようになる人は稀。
だけど楽しかった。
物語を作るより話が出来て楽しかったな。
3000おめでとうございます!
色んな歴史が詰まってるんですね
家の事でバタバタして中々来れませんでしたが
お話がすすんでいてうれしいです
駅の話も面白そうですね
次は4000目指して下さい‼︎
まだ寒い日が
続いているけれども
青葉さんは
体調を崩されては
いないかな..(><)
久方振りに自分も
上げさせて頂きます..*
やしろ殿、
いつも気にかけてくれて、ありがとう。
izmさん、
izmさんは、どういう関係だと予測してくれただろう。興味があるよ。
>>3010 青葉さん
何故、殿付けになって
しまったのですかΣ('';)
敬称を付けて
頂けるのであれば
せめて、さん付けで
お願いしますよ~(///)
過去レスを拝見しましたw
麦チョコの噺と三面鏡の噺が特に読んでいて楽しかったです。
螺旋の噺も不思議で良かったです。
最新作も続きをお待ちしています。
やしろさん、
やしろさんの小説を楽しみにしています。
izmさん、
桜の季節。桜は散り急ぐなんて言うけど、日本の桜は散り際が一番。そろそろだね。
匿名さん、
三面鏡のはなしを気に入ってくれて、ありがとう。あの頃が一番楽しく書いていたような気がする。
また、そんな気持ちになれるかな……
こういう場で小説を書くなら楽しく書きたいですよね。
いる限り待っているので、気が向いた時に続けてほしいなw
重圧に思わず、自分なりにねw
このトピックは雑談の内容も面白かったんだね。
今はセイチャに人が少なくなってしまったから、淋しいものだな。汗
桜は確かに散り際が見事ですね
今も様々な花が咲いてて
生命をこうも育む季節の力はすごいです
青葉さんも気持ちよい時間を^ ^
違うお話でもお話以外でも何でも
青葉さんが楽しめるといいですね
3,000まで引っ張って行く為に、勢いで書き始めて、3,000に来たら途端にモチベーションが無くなった。
最初から3,000までのモチベーションしか無かったんだね。
しっかりと書いていくモチベーションがないので、
どんな話を考えていたのか、あらすじだけ書いていこう。
これならば終わりまで書けそう。
そして、どんな話を考えていたのか忘れるくらいになってしまった。
過去のスレを読んでみた。
懐かしかったな。
みんなどうしてるだろう。
楽しかった過去が思い出される。
「私は夢の中から出られないのです。」
そう彼女は言った。可笑しなことを言うものだ。
彼女は、ずっと覚醒することなく眠っていて、長い間、夢の中をさ迷っている。そう思っているようだ。
「夢の中?でも僕とこうして話しているではありませんか。」
僕は彼女に同情しながら、優しく声を掛けた。
彼女は少し精神が病んでいるようだ。
妄想にとりつかれているのだ。
「ええ、話しています。でも、それが何だと言うのです?至極当然のことです。夢の中だって会話はするでしょう。ここは夢の中です。」
彼女はこの現実を、夢の世界だと頑なに信じている。
まあ、それが妄想というものだろう。
「もちろんそうですね。夢を見た時に会話することはあります。しかし、僕らは現実にいます。ここは夢の中ではありません。」
何を言っても無駄なことは分かっている。が、だからといってこんなとき何を言えばいいのだろう。
彼女は言う。
「ここが現実だと言いますが、本当にそうだと証明出来ますか?出来るならばやってみせて下さい。そうしたら、あなたの言うことを信じます。……出来ないでしょうね。何せここは夢の中ですから。」
何だか小馬鹿にされた気分がした。
が、彼女は病気なのだから仕方ない。それに彼女は馬鹿にしたつもりはなかっただろう。彼女にとって現状を理解してないのは僕の方なのだから。
「ここが貴方の夢の中ならば、どうして僕はここに居るのです?僕はどうやって貴方の夢の中に入り込んだのですか?人の夢の中に入るなんて不可能なことですよ。」
さて、彼女はこの至極まっとうな話を理解出来るだろうか。普通の人ならば反論はできないだろう。しかし、妄想の中にいる彼女にとってはどうだろうか。きっと抗ってくるだろう。
そう思いながらも、期待することはある。
彼女はどんな言葉を出すだろう。どう反論してくるのだろう。きっと、突拍子もない面白いことを言い出すはずだ。
そんな期待は失礼だとは思う。妄想を面白がるなど飛んでもないことだ。
だが、そう考えてしまったのだから仕方がない。要は彼女に僕の心の内が悟られなければいい。彼女に不愉快な思いをさせなければいいのだ。
「ごめんなさいね。」
彼女はそう言った。出だしは謝罪だった。そして言葉を続ける。
「いつだったか思いだせないけど、あたし、誤って階段を踏み外してしまったの。それは覚えている……。それで頭を強く打ったんでしょうね。それから、目覚めてないのよ。おそらく今は病院のベッドの上ね。ずっと夢を見続けているの。いえ、見続けているとは言えないかしら。深い眠りの時は夢をみていない。浅い眠りになると夢をみている。きっとね。頭を打ったあの日以来たくさんの夢をみたわ。そして夢の中でたくさんの人と会ってきたの。あなたは、その内の一人ということね。」
なるほど、と思う。
彼女の妄想がどんな設定なのかが理解出来た。
「ごめんなさいね。」
そして彼女はもう一度そう謝罪した。
だから僕は訊く。
「何を謝っているのですか?」
彼女は本当に済まなそうな顔をした。
「だって、あなたは自分の存在を何の疑いもなく信じてるもの。未来があると思っているもの。なのに、あなたはもう消えなければならない運命。この夢が終わったら、あなたを無に帰さなければならない。」
まあまあかな。
そう思った。
期待したほどではないが、そこそこの面白さはある。
「夢が終わると僕の存在を消すことになる。それを謝罪していたのですね。」
妄想は彼女にとっての現実だ。彼女は真剣に謝っているのだろう。
「 夢なんて無意識に作るでしょう。だから、あなたを作り出したのも無意識なのよ。 赦してね。」
彼女は真剣に申し訳なさそうな表情をしている。
その顔を見ると、何とも可哀想になってくる。
何もしていないのに僕に対しての罪悪感を背負ってしまっている。
「あなたは何も悪くないです。気にしないで下さい。」
とにかく彼女を安心させようと、そう言った。が、 僕の言葉など意味はなかった様で、彼女の表情は全く変わらなかった。
「そろそろね。この夢が終わるのも……、わかるものね。つまり、あなたの命も尽きるわ。」
何故か彼女は上を見上げて目を瞑っているいる。
「…………。」
何を言えばいいのか分からず沈黙してしまう。
どうやら、この夢終わりが近づいているようだ。
しかし、彼女はどうするのだろうか?
ここは現実だ。だから、彼女の言うような夢の終りは来ない。
終わりが来ないことをどう説明するのだろうか。どう理由をつけるのだろうか。
暫く彼女もそのままの姿勢を保ちながら口を開かなかった。
目を瞑っているのは無意識に理由を考えているのだろうか?
「夢が終わるのが分かるのですか?深い眠りが来そうなのですか?」
沈黙が嫌でそう声を掛けた。
「いいえ、どうやら目覚めるみたい。現実の音が……、声が聴こえるの。あたしを呼んでる。あたしの名前を誰かが……。あたしの名前を呼ぶ声が微かに聴こえるの。現実に帰れる。」
目を瞑っているのは、耳を澄ましているかららしい。
その時、僕の背筋が凍る。
名前!
名前!名前!
名前!名前!名前!
自分の名前が思い出せない!
僕は僕の名前が思い出せない。
「もう、目覚めるみたい……」
彼女の言葉に恐怖する。
待って!!
名前が思い出せない!!
彼女の言ってることは本当?
だとしたら僕の存在の方が……
そんな訳がない!!
待って!!
いま思い出すから……
「サヨウナラ」
辺りが暗くなる。
待って!!
完全なる闇が来た。
そこで、目覚めた。
物語風に書くとこんな感じの夢。
夢だから確かじゃない所は作ったけど。
記憶をなくしたのは青葉の方。
夢の中で自分の名前が思い出せなかった。自分が誰かも解らなかったかもしれない。
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