青葉 2012-01-06 22:03:27 |
|
通報 |
「………。」
「お前が産まれた日、お母さんは結婚式以上に泣いた。お父さんは、お前に負けたなと思ったなあ。あの日、お父さんは仕事で、お前が産まれてから夜に病院に行ったけど、お母さんに付き添っていた、お祖母ちゃんの話ではな、お前が産まれた後にな産婦人科の看護婦さんがお前を抱えて、お母さんに見せた。つまりお母さんとお前の初対面の時だけど、お母さんはお前を見るなり、『ああ、間違いない、この子だ~!良かった!また会えた!また会えた!』そう言って、わんわん泣いた。まあ号泣したんだな。母親が子供と対面して泣いるのを見て看護婦さんも感動のもらい泣きしをたが、お母さんが、いつまでもいつまでも泣いていたので、人間こんなに泣けるものかと、看護婦さんはびっくりしたそうだ。体も疲れていただろうになあ。体に良くないから泣き止むよう看護婦さんに説得されていたそうだ。」
「………。」
「お前が産まれて、尋常じゃない程に喜んだんだ、それだけでも、もう孝行じゃないか?」
「………。」
「それに、お前は頭が良い。お母さんの期待に応えている。お前が産まれた時に、お母さんは言ってた。この子は頭のいい子だから、今度は、嫌だと言っても勉強させてあげるの。とな。」
僕は失敗していなかった。前世の母さんの記憶を忘れようが、覚えていようが、あまり関係ないことを知った。
目の前のテーブルに、ボタボタと涙が落ちる。僕が泣いているのに気がつくと、もう父は何も言わなくなった。
母親は、その後意識を取り戻したが、後遺症が残った。しかし、リハビリを続け、10年近く経った今は事故前と変わらない生活を送っている。
| トピック検索 |