青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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友達は暫く罵倒を続けたが、友達の姉は罵倒に対しては無反応。三面鏡の左右の鏡を両手で動かしていた。
「くっそー!」
と友達は大声をあげた。それは泣き声だった。
そして突然玄関に行き、泣きながら出て行ってしまった。走り去る音が聞こえる。
見事に置き去りにされてしまい、困った状況になってしまった。
罵倒していた方が泣き出しその場の居場所を失った。
無言にも力があることを少年青葉は知った。無論、友達の姉は、友達を追い出そうとしたつもりはないだろうし、自分も傷ついていただろう。
友達が帰ってくるのを待つか?帰るか?
少し考え、帰ることにした。
無言で玄関の方に動き出すと、
「青ちゃん、まだ転校のことは言わないあげてね。」
と友達の姉は話し掛けてきた。
この人は、感情を露にする友達の家族にあって、とても落ち着いた優しい人だった。なので名前は失念したけど、今後「優子さん」とする。
「弟がお父さんに怒られたら可哀想だから。」
罵倒されても弟を気づかう優子さん。
「うん。」
うなずく少年青葉。
「青ちゃん、ゴメンね。」
と謝る静子さん。
何を謝られたのか解らない少年青葉。
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