青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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青葉:おばあさん、ナイトメア、貘。
三者とも長い間辛い思いをしたね。
でも、ナイトメアは、エネルギー不足だったんでしょう?ならば、何故君を狩るつもりがなかったんだろう。それどころか、この国では狩りをしないと言ってたんだよね?普通に考えると、エネルギー補給のために直ぐにでも狩りをしたがるんじゃないかな。生命維持が難しくなってたくらいだし。
木山:出来なかったんだよ。貘はナイトメアを脅していたんだ。
青葉:へえ、どんな脅し。
木山:縄張りで狩りをするのならまた邪魔をする、と。次に邪魔されて、自分の能力で閉じ込められることになったらナイトメアはおしまいだからな。
青葉:それは脅しになるの?貘だって危険な状態だったんでしょう。貘はハッタリを言ったの?ナイトメアは貘も限界だったことに気付かなかったということ?
木山:気付いていたのかもしれない。でも脅しは成立する。何故なら貘は横の繋がりがあるんだ。つまり、邪魔するのは他の貘ということさ。
青葉:丸々と太ってしまった貘から選手交替してナイトメアに対するということか。ということは、貘っていうのは仲間意識が強くあるんだね。
木山:そうかもな。
そうだ、
ここで貘のことについて、少し話そうか。貘がどんな奴なのか、どんな奴らなのかが解るように。
これから話すことは後でおばあさんから聞いた話だ。貘は、おばあさんの中に20年以上いて長い時間を一緒に過ごしたから、おばあさんは色々と知っていたんだ。
青葉:おばあさんから話を聞いたということは、おばあさんは健在だったんだね。
木山:勝ったのは貘だからな。
青葉:そうだけど、おばあさんは何十年も寝たままだったんだから、色々と支障があったんじゃないかと思って。
木山:とにかく、おばあさんの知っている貘のことについてだ。
貘はこの国に散らばっていて、お互いに接触することはほとんどなく基本は独りで行動を取っている。ただ、離れていてもお互いの考えは何となく解り、何かがあれば全体の意思統一が出来るんだ。ただ、何かが起こることなんて本当に稀らしいけどな。でも、それが起きた。貘の「縄張り」に西洋の魔物が入って来た。この国の全ての貘がそれを感じ取ったらしい。
相手はナイトメア。貘達は警戒心を持った。西洋の魔物がただ縄張りに入ってきたとしても特に騒がないが、何せナイトメアは人の夢がなければ飯の種がないという、貘とは共通性のある奴だ。縄張りを荒らされないか不安が貘達にあった。でも、相手は単独。大挙して押し寄せた訳ではない。大した影響はないと思い、良い気はしなかったが、放っておくことにした。この国にいる貘、全体でそう決めたんだ。
青葉:貘はテレパシーが使えるの?
木山:そういった能力を持っているんだろうな。
おばあさんの知り合いの貘もナイトメアに干渉するつもりはなかった。だが、ナイトメアの所在地は気にしていた。貘は、ナイトメアが何処にいようと縄張りの中なら分かるんだ。
ナイトメアが俺のおばあさんが住む山に入ったのが分かり、とても気になったらしい。
そして、その山の中でナイトメアが狩りを始めた。貘は俺のおばあさんが狩られて命を落とすのではないかと危惧した。
青葉:貘はナイトメアが離れた所で狩りをしたことも分かるんだ。
木山:分かる。だから貘は山村に来たんだから。
貘は俺のおばあさんが狩られる前に山村に駆けつけた。俺のおじいさんは間に合わなかったが、とにかく、おばあさんが狩られる前に山村に辿り着くことができた。
貘は、おばあさんに会うより先にナイトメアを探しあて、お願いをした。
青葉:お願い?どんな?
木山:俺のおばあさんを狩らないでほしい。そして、これ以上おばあさんの家族を狩らないでほしい。と。
青葉:ナイトメアは何て答えたの?
木山:ナイトメアは貘の言葉に驚き、そして笑い出した。笑った後に、
この国の魔物は人の味方をするのね。驚いたわ。
と言った。そして、少しも考えることなくナイトメアは、
あたしは好きなようにするわ。
と続けた。
「セイチャの小説、なりチャを紹介するトピ」というトピックができてたんだけど、そこでここを紹介しても良いかな??
おすすめを教えてってことだったので、紹介したいと思ったんですが、勝手に別トピで名前をあげるのはどうかと思って←
青葉には嬉しい話だよ。
ありがとう。「目的ない潜考」も気に入ってくれて。
全く読者がつかなかった「目的ない潜考」も日の目をみられるかもね。
今の話が終わったら、続けてみる。
宣伝してきましたv
>今の話が終わったら、続けてみる
本当ですか!? 気になるところで止まっていたので…それなら、とても楽しみにしています!w
こちらもクライマックスの展開に期待していますね♪
宣伝、ありがとう!後で見てみる。
読んでくれる人が増えるといいな。
続きを書いてみるよ。
その前に、こっちを終わらせないとね。
青葉:貘は断られたんだね。
木山:そう。断られた。
貘は、
別に全ての人間の味方をしているわけではない。ただ、見逃してほしい人間がいるだけ。それに、短期間で5人も連続で人間を狩っている。人間もバカじゃない。存在を人間に知られると厄介になる。駆逐されてしまう危険が生じる。移動して他の狩り場を探した方が賢明だ。そして、これからは狩りを派手にしない方がいい。続けざまに人が死ぬと目立つ。それは自分の首を締めることに繋がる。
と、山村を離れるべきであることとナイトメアにとっての利になることを説いて気持ちを変えようとした。
が、
何故あたしが、あなたの様な長鼻の四本足の醜い東洋の魔物の言うことを聞かなければならないのよ?
だいたい、あなた偉そうよ。あたしだって長居してはいけないことは解ってる。
心配しなくても直ぐに去るわ。この山にいる人間を狩り尽くしたらね。そんなに時間は掛けないわ。
と、冷たくいい放たれてしまった。
青葉:長鼻に四本足か。ナイトメアは、人間の男の姿ではなく、貘を本来の形で見ているんだね。
木山:と言うよりは、貘は人間に姿を見せる時だけカモフラージュしているんだろうな。ナイトメアだってそうかもしれない。本来はどんな外見か分かったもんじゃないさ。
青葉:それで?
木山:貘はナイトメアに、
一人を喰うだけで精気は充分に吸収されるはずなのに、5人も喰っている。当面は狩りをしなくても問題ないのだから、この山を去ってほしい。どうしても、それがダメなら、俺のおばあさんと二人の娘だけは狩らないでほしい、と説得を続ける。
だけど、
好きにすると言ったでしょう。 次は、その女を狩ることにしたわ。あなたが大事にしているその人間をね。どうせ、この山にいる人間は全員狩るつもりだったから順番が変わるだけだけの話だけど。
と、頑なになってしまう。
何とか俺のおばあさんを守ろうとした貘は、
そんなことをしたら、この国の貘全てに宣戦布告したことになる。自分が負けても他の貘がやって来る。貘全体で阻止する。
と警告をした。
青葉:君のおばあさんを守りたいのは、その貘だけでしょう?それでも貘全体が戦ってくれるの?
木山:他の貘は、俺のおばあさんの為には動かないだろう。でも、仲間に何かがあれば黙ってはいない。つまり、その貘がナイトメアと戦うことイコール全ての貘を敵に回すということさ。
青葉:貘とはそういうもんなんだね。
木山:だけど、ナイトメアは全く怯む様子を見せずに、
人間から全く恐れられることのない、あなた達にあたしを止められるかしら。
まあ、せいぜい頑張って。
と余裕を見せて去ってしまったんだ。
青葉:余裕を見せてるけど、結果は単独の貘といい勝負をして、しかも負けたんだね。
木山:貘を見下してたけど、案外強かったんだろうな。まあ、今迄は接触がなかった相手だから力量が掴めなかったのも仕方ない。それと自分の力に自信もあったんだと思う。
青葉:過信じゃないかな。一対一で負たのに、全体を相手にするつもりだったなんて。
木山:そうかもしれない……
ナイトメアが去った後、貘は直ぐに俺のおばあさんのところに出向いた。ナイトメアは眠った人間にしか狩りを仕掛けない。まだ日は高い時間だったが、グズグズしてはいられない。おばあさんが眠ったらナイトメアは確実に狩りにくる。それまでに貘にはやることがあったんだ。
追記
当方、本日はほぼ快晴の海沿いの地に生息していますw
穏やかな波間に明かりを落とすスーパームーン…
それはそれは綺麗です。羨んでも良いですよ…?w
青葉:どんなこと?
木山:戦いの前の準備だよ。おばあさんが眠りについたら勝負が開始される。そして、いつになったら終わるのか見当もつかない。だから、貘ではなく、おばあさんに準備が必要だったんだ。
貘は先ず、おばあさんに事情を話し、これからおばあさんの身がどうなるかを説明した。今度眠ったらナイトメアが狩りに来ることを。だけど、貘がそれを阻むことを。
青葉:事情を話しても信じてもらえないと思うけど。
木山:簡単にはいかなかっただろうな。でも、信じたんだ。
青葉:簡単とかどうとかではなく、どうやっても信じてもらえないような気がするんだけど。
木山:確かに普通に話したらそうだっただろう。ナイトメアが襲ってくるなんて話。
でも、おばさんは信じたんだ。もしかしたら貘は本来の姿をおばあさんに見せたのかもしれない。
青葉:本来の姿を見せたらパニックに陥りそうだけど、その手もあるか。それくらいのインパクトがないとね。
それで、おばあさんにどんな準備が必要なの?
木山:いつ終わるかもしれない戦いだからな、長期になった場合の準備をしなければならなかった。
先ずは、おばあさんの身の置き所だ。
青葉:身の置き所?
木山:自らが勝つにせよ、貘は長期戦を覚悟していた。その間、ナイトメアの結界に入るおばあさんは眠り続けることになる。そして、結界の範囲は誰も入れない。おばあさんには家族がいるから、家の中に結界を張られるのは迷惑なこと。でも、幸い家の地下に部屋があった。貘はそこで、おばあさんを眠りに就かせることにした。
青葉:結界の影響を最小限にする場所を先ず選んだわけか。
木山:次に貘は、おばあさんのお母さんを家に呼び寄せるよう提案をした。
青葉:君の曾祖母だね。何故そんな提案を?
木山:おばあさんには二人の娘がいたからさ。伯母と母のことだけど。二人は、父親をナイトメアに狩られている。そのうえ母親も次に眠りに就いたらいつ目覚めるか分からない状況。二人はまだ子供だったから保護者が必要だったんだ。
青葉:二人がおばあさんの実家に行くという方法もあったんじゃない?
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