小説　本当の友達

第一話　　絶交宣言


新しい制服・・・
ぶかぶかの制服に腕をとおす
今日から中学生
私は中野歩未来（なかのふみき）
くつをはき、家を出ようとした時
「ちょっと待って！」
と優希ちゃんが言う
「先行くよ！」
私は優希ちゃんをおいて学校へ向かう
「ちょっ！待ってよ歩未来ちゃん！」
私は聞こえない振りをした
優希ちゃんは私の妹・・・
と言っても血はつながっていない
私が生まれた時、お父さんは生と死の狭間にいた
私の顔を見るなり、息を引き取ったらしい
一週間前にここに引っ越してきた
私と、お母さんと、血のつながっていないお父さんと、優希ちゃんと四人で
優希ちゃんのお母さんは、交通事故で五年前に亡くなったらしい
お母さんとお父さんは、一ヶ月前に結婚した・・・
私と優希ちゃんは反対だった
私は本当は津角歩未来（つつのふみき）中野なんて・・・いやだ

学校につく、クラスの表を見た時、小さな絶望があった
もちろん知っている人はいない
優希ちゃんはいっぱい友達がいるのだろう
なんと言っても、優希ちゃんは前までここに住んでいたんだから
ひとりぼっちの生活が、またはじまるのではないかと思った

そんな時優希ちゃんの声が聞こえる
「三組か〜」
優希ちゃんも三組！
少し希望がみえたけど
また消えそうだった
私なんか見てもらえないに決まってる
そんな時、後ろで、
「だから〜、絶交宣言するの！」
と声が聞こえた
またあの空気にかわりそうな気がして・・・
私は何もできなかった

第二話　　　ごめんね優希

どうしよう
どうしよう
絶交宣言ってどういうことだろう
誰かが、きずつくの！？
どうして！？
絶交宣言・・・この言葉は、最近はやっている言葉

＜絶交宣言・・・誰かをターゲットにして、いじめをする、絶交宣言をされた人はとことんターゲットにされる＞

「今度は誰に絶交宣言するの！？」
「え〜、誰だと思う？」
「前は優希だったでしょう！」
「そう！あの時は楽しかった！でも、あの日はビビったわ！」
あの日！？何のことだろう？
って、待ってよ、優希って、もしかして・・・
ウソだ！優希ちゃんが・・・
だって！教科書もきれいだったし
そんな話聞いたこと・・・
もし本当なら、私、あの時、・・・なんてことしてしまったんだろう・・・
ごめんね・・・優希ちゃん
私・・・自分だけつらいと思ってた
「あっいた！歩未来！」
「優希ちゃん・・・」
「優希でいいよ！」
「優希・・・」
私はなんて言えばいい？
いつも通りも振りをして
本当は大事なこと黙ってる
罪悪感
そして・・・
本当なの？