黎貴 2011-11-25 19:32:29 |
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いつもと変わらぬ朝。
騒々しい学校。
みんながみんな、揃いも揃って平和**したこの“公共の場”に嫌悪感を覚えながら、私はいつもの通路を通り教室へと辿り着く。
そして早速視界の端に映った敵を見上げた。もう、見慣れたヤツだ。しかし敢えて何も知らぬかの如く歩み寄る。
…暫くの間深呼吸をしていると、“今だっ!!”
と心のどこかで響いた合図。
私はそれに合わせ、ガラッと教室の扉を開け放った。(慎重に、かつスピーディーに。)
計算の通りに頭上に落下してきた黒板消しを私は1秒の無駄もなく薙払う。
クラスの中では尊敬の拍手。
…なんてものはなく、嘯く声や、舌打ちが耳に届く。(いや、実際尊敬の拍手なんていらないけどね。)
さぁ、今日の戦の始まりだ………
…なななQ、わざわざ感想をありがとう。
私も、君の執筆している小説は好きだぞ。
………友人視点ってことは題材になった奴がいるんだな。面白そうな人だ…。
あと、キョンとイトコ、続きが上がり次第読ませてもらう…。
楽しみにしてるからな。
では、失礼する。
理恵子。蓮。二人の恋の話の一部である。
理〉蓮…。
蓮〉あ…?
理〉私ね…
蓮〉おぅ…
理〉蓮が好きっ!
蓮は驚いたような顔をしていた。無理もない。私たちは小さい頃から一緒にいる幼なじみってだけであるから…。
蓮〉…
理〉…
キーンコーンカーンコーン
始業の鐘が鳴った。
理〉行かなきゃ…返上…待ってるね…。
そう言って私は教室へ向かった。
次の日
私は蓮に呼ばれていた。
理〉なっ…何?
蓮〉返事なんだけど…
理〉…
蓮〉俺は、今までどおりの関係でいたい。
理〉…そっ!そぉだよっねっ!ゴメンネ…
蓮〉ごめん…
理〉…
私は黙って家に帰った。次の日、親友の莉子にはこっぴどく叱られた…。
私たちは…もう、もとの関係には戻れない…。
科学的帰省。
………………
……………………
今年の正月、実家に帰ろうと思う。
街は11月。これからのイベントに向けての飾り付けがちらほらと見られる。
仕事を手に就けてから4年経つ。
幼心に抱いていた「じっけんがしたい」と言う女子らしからぬ発言を小学校の全校集会でぶっぱなしてからは19年経つ。
さぞや先生方も驚いた事だろう。
一人で放課後の理解室で試験管を持て遊ぶ小学1年生。
端から見て普通に怖い。
今思うと私のあの暴挙を許した学校が不安だ。
崩壊学級などが出来上がっていない事を偶然目の前を通り過ぎたリムジンに願う。
誰乗ってんだろ。
そんな下らない事を悶々と考えながら乗っていた電車はもう終点が間近だ。
(帰ったら、小学校にも寄ってみるかな…)
4年ぶりの実家へと進む私の足取りは軽い。
科学的帰省。
………………
…………………
緩やかな坂道を意味なく駆けあがりながら私の家を目指す。
走るの何ていつぶりだろうか。
きっと昼頃なら人通りもまばらにあるだろう道も、夜半に通る人はほぼ無いに等しい。
途中、トレンチコートに素足というステキなスタイルのおじ様を見掛けたが、急いでいたのでスルーした。
女が誰もでも叫ぶと思うな。
認識が甘いぞ。
これは私の持論だが、やるなら徹底的に。
いっそそのスタイルで警察庁に突入するのはどうだろう?
うん。なかなかに前衛的だ。
途中にあるガードレールを飛び越える。
とても知り合いには見られたくないな。
…………ガッ
鈍い音がして転んだ。
ああ、膝小僧がヒリヒリする。
さっきおじ様の呪いかな?
そして、宿敵ガードレールに掴まりながらゆるゆるとたち上がる。
あれ?どこかのドキュメンタリーとデジャウ~。
そうだ、子鹿の誕生シーンと似てるんだ。
ヒョコヒョコと歩く。
痛い。
頑張れ自分!!
エールを送る。
悲しいな。
もう、癒やしを貰おう。
いつの間にか付いた家の玄関先で寝ている
しば犬のゴンの鼻をさする。
可愛い。
家についた安心感からか睡魔が襲う。
うぅ、眠い。
ゴンの暖かい体温を感じながら、ひりひりと痛む膝をかかえ。
泥のように夢の中へと私は引き込まれていった。
#opening…
…………………………。
しとしとと柔らかい五月雨が降り続いている今日この頃。
僕は、そんな雨のなか傘もささずに一人佇んでいる。
“ニャ-…”
目の前のダンボール中から聞こえるか細い、かき消されそうな声。小さいながらも、必死に出しているような、少し掠れた声。
…僕はそれから逃げるために少し大袈裟に被りを振った。そして無意識のうちに呟く。
「お前が…お前が悪いんだ……だから…僕は悪くない……」
もはやそれはダンボールの中の小さな命に語りかけているのではない。
自分を納得させようとしているんだ…
僕は自分でそれを分かっている。
だからこんなにも余分な虚しさを感じなければならないんだ。
…チラッと視線を投げかけてみる。
すると、その視線に気付いたのか、気付いてないのか、またか細く“ニャ-…”と鳴く声が聞こえた。
昨日までとは違い、五月雨を今は凄く冷たく感じる………
キョンとイトコの手記
ver.2<イトコ>
……………
…………………
長年、書き綴ってきた日記。
私は、ルーズリーフに記してきた。
黄色く変色した初めのページをめくる。
冷えた紙の感触が少しだけ時間を過去へと巻き戻す。
今は、もう部屋が別々になってしまったが、幼い頃の私と弟が見える。
弟はノート、私はルーズリーフの束を持って、机にかじりついている。
蝉の鳴く声と、鉛筆をはしらせるガリガリという音だけが部屋に響いている。
その頃伸ばしていた髪が頬や顎に貼り付いて鬱陶しい。
さて、私は何を書いたのだろう。
どんな字で、どんな事を思ったのだろう。
紙が、鉛のように重く感じた。
捲る。
“わたしは、きょうからにっきをつけようとおもいます”
濃い筆圧の、汚い字で大きく記された言葉は、いたくありきたりなものだった。
物足りない。
その後のページも捲り続ける。
すると、ある一束が抜け落ちている事に気がついた。
丁度クリスマスからその前の一週間。
束が無いと言う事は私が書いていないのだろうか??
それとも、なくしてしまったのだろうか?
一通り部屋を散策したが、見つけることは出来なかった。
何せ部屋が汚い。
私は行方不明の日記の捜索を諦め、ベッドへと倒れ込む。
今日はクリスマス。
そうだ、明石家サ●タを録画しておこう。
彼氏の居ない私は今年も家族と、テレビを見て過ごす。
その後、チャンネル権取得のため一騒動起こるのは別の話しだ。
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