十六夜 2011-10-30 23:38:07 |
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「ん…ふぁ…」
目覚まし時計よりも早く目が覚めた…。
カーテンをシャーッと勢いよく開けると朝の光が顔に当たり目を細めた。
起き上がり着替えて部屋を出た。
家の中は俺の足音だけが静かに響いた。
朝食を作り静かに食べ始めた。
ここらで自己紹介をしようと思う。
俺は神谷 葎(かみや りつ)
今日からめでたく高校生になる。
容姿は髪は長い…。
色は茶髪。
身長はわりと普通。
家族は母親は妹を生むと同時になくなった…。
親父は外国に出張中…。
妹も親父と一緒に行き留学中。
俺は特に行く気もなかったのでここに残った。
皿を流し場に出した後…
俺は制服の胸ポケットから煙草を取り出した…。
珈琲をカップに入れテーブルに座って、時間になるのを待っていた。
煙草を一本吸い終った所で丁度いい時間になったので珈琲を飲みほし学校に向けて足を進めた…。
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※多分1日に一回書きます。
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ガチャ・・。
家に鍵を閉めて歩き出した。
そこら辺一体に同じ制服を来た奴らが沢山居る…。
周りで挨拶が飛びかう中…俺とすれ違う奴の中には偏見らしき目を向ける奴も居た…。
恐らくこの髪が原因だと思う。
前髪で顔は隠れ殆んど口しか見えていないと思うし…
後ろ髪は肩下まである髪を一本に結んでいる。
これを見て気持ち悪く思わないのも多少可笑しいと感じたし
むしろ好都合だ…。
葎「…うおっ…」
いきなり後ろからバシッと叩かれて後ろを向くと…
昌「ぅいっす!相変わらず世の中ダルイみたいな顔してるな(笑」
葎「…昌か…おはよう」
今俺に話しかけてきたのは
相川 昌(あいかわ まさ)だ…。
野球をやる爽やか系の奴…そして俺に自分から関わってくるおかしな奴。
昌は中1の頃から一緒に居る。
この学校には昌はスポーツ推薦ではいってきた。
昌「り~つ~…今年こそお前は彼女+友達つくれよ~?俺は彼女をつくる!(笑」
葎「そんなのはごめんだ…。めんどくさい」
などと笑いながら話していると前に学校の門が見えてき始めた。
近づくにつれて校門前に人だかりが出来ていた。
校門から先に入れない…そんな感じだ。
何かもめてる様な声がしている。
それのせいで入れないのだろう。
俺と昌はその人だかりの中央地点に到達した。
やはり喧嘩らしい。
昌「ちょと…!あんたら…」
昌が止めに行こうとするのを俺が止めた。
昌キレやすいから喧嘩でもしたら終わりだ。
葎「俺が行く…これよろしく。」
と…鞄を昌に預け俺は喧嘩してる2人に近づいた。
周りは俺が近づいた事でざわつきが生じたが大した問題じゃない。
2人はまだ俺に気づいても居ない。
そして俺は…
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2人の近くを通り軽く足をかけて倒した後そのまま昌に合図して 校舎に向かった。
2人は何が起きたか分からず呆然としていたと昌が言っていた。
俺と昌の入ったこの学園は普通のところより大きめに作られている。
学生寮などの施設もしっかりしている。
クラスは入試によって決められ最低クラスがE組
最高クラスがA組…とゆう様にされているらしい…。
俺と昌はC組…まぁ…良くもなく悪くもないって感じだ。
今日は入学式とクラスでのホームルームだけらしい…。
葎「俺はホームルームはパス…」
昌「またかよ~…お前いい加減出ろよなぁ」
俺たちはクラス表に目を通し体育館に向かった。
体育館での入学式は順調に進み先生などの紹介など聞く気もない為音楽を聞くだけ。
また…つまらない3年間が始まる…。
そう思いながら、外で儚げに散る桜吹雪と桜の木をただ呆然と眺めた…。
俺はまた桜が咲く時…どうなっているのか…
少しでも…
変わっているのか、それともこのままか…。
そんな…淡い期待を胸に残して入学式を終えた体育館から教室に向けて足を進めた…。
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俺は…人によく冷血だ…オタク…無表情だとか色々言われるが…
ただ…安易に人を信用しないだけ…。
昌は自分から何度も話しかけてきた。
俺は最初は拒絶の態度をとった…。
それにも懲りず何度も話しかけてきたから俺が折れてしまった。
今では唯一の友達だ。
基本は昌の方から俺のところに来る。
それ以外は野球で急がしかったから…。
俺の教室…1年C組につき荷物を置いて昌に一声かけてから俺は教室を抜けた。
この学校は大まかに
1階は下駄箱や物置、資料室
2階は1年の教室
3階に2年の教室
4階に挟んで職員室
5階に3年の教室
そして、屋上と言う構造になっているらしい…。
俺は屋上に行くことにした…。
階段を上がる途中上から声が聞こえて見て見ると女子生徒が荷物を運んで階段から足を滑らせ今にも落ちそうになっていた…。
葎「あぶな…っ…!」
ドンッ…!
女子生徒は受け止める事が出来たが頭を強く打ちつけた。
葎「いっつ~…」
どうやら生徒は無事らしい…。
葎(無事なら…良かった…)
何か女子生徒が俺に向かって言ってるみたいだけど俺の意識が遠のいていき聞き取ることが出来なく…
俺はそこで意識を失った…。
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今度から
「」は台詞
()は心の声
その「」の前に書いてあるのが言ったり思ったりしてる人の名前です。
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上は名前を間違えました。
十六夜は小説を書く時のネーム
燐は普段のネームです。
何か小説に間違いや気づいた点がありましたらよろしく。
まぁ自己満足の小説なんでそんなに読む人も居ないと思うので心配要りませんね。(微笑
ではまた。
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葎「ん…」
目が覚めた。
葎「いてて…」
後頭部に痛みとタンコブが残ってる。
あたりを見回すと保健室らしい…。
軽く薬品の匂いが鼻についた。
どうやらあの後俺は保健室に運ばれたみたいだ。
?「スー…スー…」
葎「ん…?」
横で椅子に座りながら寝ている少女が居る…。
さっき助けた子だと思う…。
整った顔、髪をセミロングにしている軽く赤毛の綺麗な子だ…。
俺は起こさない様に自分の伊達メガネをかけて、布団から出てそのまま下校した…。
今考えればこの子を助けたときから俺の季節は巡りだしていたのかもしれない…。
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次の日の朝まだ頭が痛かったが大した事もないと俺は学校に行った…。
昌「お~い!り~~つ~~!」
通学路で昌が俺を呼んでいる…叫びながら…。
葎(はぁ…もっと周りを見ろアイツは…)
もちろん通学中の生徒が周りに居る為注目の的だ…。
昌「おはよっ!」
葎「おはよ…。とゆうか叫ぶな…。頭に響く。」
昌「そういえば…葎珍しく人助けしたらしいじゃねーか!」
と言いながら眩しい程の笑顔をこちらに向けてくる…。
葎「たまたまだ…。昨日な……」
などと…昨日の事を軽く説明していると、校門前に見たことがある奴が立っていた…。
そう…昨日助けたあの綺麗な子だ…。
昌「あっ!今日制服とか髪のチェックあるんだった!」
葎「ほぅ…そうゆうのは学校に着く前に教えろ…。教科書持ってないっーのに…。」
昌「普通持ってるのが当たり前だっつの!」
俺は授業に出る気は更々ないので教科書などの類は中学から持っていない…。
昌「因みにあそこに立って検査してんのが生徒会長だ。美人だよなぁ…。」
と…うっとり語られても分からないことこの上ない。
葎「じゃあ…俺も因みに昨日助けたのあの人だ…。」
昌「なにっ!?じゃあ紹介してくれ!」
葎(紹介も何も…。)
そう…紹介するもしないも、俺はあの子と一言たりとも話していないから関わりがない。
葎「先行くぞ…。」
昌「あっ…おい!」
ため息混じりに昌をおいて歩き始めた。
少し遅れて昌も俺についてきた…。
その時…軽く生徒会長と目が合った…気がした。
葎(あっ…何かめんどくさそう…。)
そう思った俺は他に居た生徒会役員の検査を受け鞄は見せずにとっと校舎に入った…。
と思ったが…
葎(ん…?何だ前に進まない様な…。)
俺は歩いても進まない様な気がして…後ろを見ると
…肩を掴まれていた…。
例の生徒会長さんに…。
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美央「お前…昨日なぜいなくなったのだ…?」
葎(髪じゃなく…昨日のことか…。)
美央「おい!私の話を聞いているのか!?」
葎「え…あ、はい。」
真央「では、もう一度聞こう。なぜいなくなった…。」
葎(ここは人違いと言っとくのが妥当だな。)
葎「人違いですよ…。それでは。」
そう言って校舎の中に入り…屋上に向かった。
屋上でさっきの昌の話を思い出してみた。
確か昌の話じゃ…あの人は
無月 美央(むずき みお)。
成績は3年間Aクラス…。
剣道部部長…。
この学園の現生徒会長…。
まさに容姿端麗・頭脳明晰…。
葎(いるんだな…やっぱりそうゆう人が…。)
あれこれ考えてるうちに眠くなってきたので少し寝ることにし…目蓋を閉じた。
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「お前何ていらないんだよ!」
「消えろよ。」
「お前のせいだ!」
「お前が悪いんだ!全部。」
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葎「……っ…!」
目覚めは最悪だった…。
葎(俺はまだ…あれに囚われるんだな…。)
少し気持ちが悪くなるようなそんな気がした。
俺の中に今も存在している昔の記憶…。
少し物思いに耽っていると屋上の扉が開く音がした。
ガチャッ--
美央「あぁ。起きたんだな。」
最悪の組み合わせだ…。
俺はズボンのポケットからケータイを取り出し時間を見た。
葎(なるほど…。丁度昼休みか…。)
美央「朝はいきなりすまなかった。」
といきなり頭を下げてきた。
こっちからすれば?が浮かぶばかりだ。
葎「何が?」
美央「質問したことだ。強引過ぎたかと。」
葎「別に良いよ。それじゃ。」
昼食を買いに行こうとしたら、
美央「やはり昨日助けてくれたのお前なのだろう?」
葎「またか…。まぁ良いか…。そうだ俺だ。」
美央「何で急に居なくなってしまったんだ…?」
葎「他人と関わる気はないし…助けたつもりもないからな。落ちてきた者を受け止めた。ただそれだけだ。」
美央「だが結局お前に私は助けられている…。」
葎「だからなんだって言うんだ…?」
美央「何かお礼をさせてくれ。」
葎「遠慮する。」
美央「それじゃあ私の気が…あっ!ちょっと待て。」
バタン--
俺は無月の静止は聞かず屋上から出ていった…。
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取りあえず購買に向かった。
1階まで降りなきゃならないから面倒だ。
購買で取りあえずパンと2つと飲み物のお茶を購入し教室に行った。
昌「り~~つ~~!ぐへ!」
葎「煩い…。叫ぶな。」
教室に入ると直ぐ昌が叫んだから取りあえず殴っておいた。
自分の席に座ると昌が弁当を持って俺の席に来た。
昌「どこ行ってたんだ?」
葎「中学から俺のサボり場所は変わらないぞ…。」
昌「じゃあ次は俺も行こうかな~♪」
葎「やめとけよ優等生。」
などといつもと変わらぬ話を2人でしているところに誰かが近づいてきた。
?「どうもこんにちわ。君が噂の葎くんだね?」
めんどくさそうなので取りあえず無視してみたが、
?「君?よ~く聞きたまえ。この蔵前 帯河こそが無月さんにはふさわしいんだよ。分かるだろ?」
葎「昌…誰こいつ?」
昌「蔵前 帯河(くらまえ たいが)。このクラスの中で一番カッコいいと自称するキザ男だよ。」
なるほど…どうりでさっきっから微妙にこっちに目線が集まりつつあるのか…。
まぁナルシストか…。嫌われてるって訳だ。
葎「はぁ…。俺は他人に興味はない。俺は知らないし好きにしろ。でも…1つ教えてやる。お前に無月はふさわしくねぇよ。」
帯河「オタクの君に言われたくないね。どうせ僕よりも劣ってるからって言う嫌味だろう?」
昌「お前いい加減に…。」
葎「やめろ昌…。良いか?そこのナルシスト…。劣ってるかは知らないが俺はオタクじゃない…。外見で判断するな。」
帯河「見かけじゃないよ。本当のことだろう?それに君のお友達もバカそう…」
グイッ!
俺は蔵前の胸倉を掴んだ。
昌「おっ…おい!葎!」
葎「俺は構わない…バカにされるのは慣れてるからな。…高校にはいってまで暴力沙汰は起こしたくない…。次コイツをバカにしてみろ…。その自慢してる顔を外に出れなくしてやる。」
俺は殺気を込めて髪の毛の隙間から睨み付けた。
帯河「ひっ…。」
俺は手を離し、また席に着くとナルシストは蛇に睨まれた蛙の様にただ立ち尽くしていた。
帯河「な…何だ…。その赤い瞳は…。」
俺に向けて畏怖の表情をだし…
そう言い放ち。
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葎「………。」
昌「葎…。お前…。」
昌は悟った様に俺に問いかけた。
葎「カラコンはしてない…。」
………
この近辺で不良と呼ばれる連中では3人有名なのが存在している。
1人目が【赤き死神】。自分からは喧嘩を売らず来た者だけを叩きのめし自分より弱い者には一切手は出さないらしい。
2人目が【黒い悪魔】。いつも黒ずくめな服を着ていて喧嘩が好きでただ強いものを求めて喧嘩をする喧嘩屋。
3人魔は【謎の鬼神】。何から何まで不明な男。分かっているのは男だと言うことと喧嘩が強いそれだけである。
その3人は不良の中でずば抜けた強さを持っていた為そう呼ばれる様になっている。
黒い悪魔…謎の鬼神はそれぞれ健在しているが…
唯一、赤き死神だけがある日を境にして突然現れなくなった…。
その【赤き死神】こそ…葎そのもの…。
帯河「その目は…まるで【赤き死神】じゃないか!」
葎(やっぱ…怖がられるか…。)
クラス内はただ静粛に包まれ目線がこっちに向けられている。
葎「あぁ…そのとうりだ…。」
昌「り…葎…。」
昌は俺が暴露した事に驚きを隠せないといった表情だ。
そして予鈴が鳴ると共に…俺は教室を抜けた。
居心地が悪かった。
後ろから昌が呼んでいたが気にしなかった…。
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結局、行き着く場所が屋上しかなかった。
昼休みが終わり、生徒達が校舎に入っていっている。
そして、何か揉めてる様な声が下から聞こえてきた。
葎(また騒ぎか…。この学園は揉め事が好きなのか…?)
と、フェンスから上半身だけを出し下を見てみた。
どうやら校舎裏のようだ。
暗がりでよく見えない。
が、分かるのは…人が4・5人ほどいる事だ。
1人を囲んでいるらしい。
美央「ちょ…やめろ!離せ!」
そして聞こえてきたのは
またしても…アイツの声だ。
まぁ、大体の状況は理解できた。
正直…助けに行くのは面倒だが…
ここで見てみぬ振りをするのは後味が悪い。
葎「はぁ…。俺もお人好しだな…。」
屋上にある非常階段からそのまま下に下りられるのでそれで行こうとすると、
葎「鍵か…。」
そう。鍵が閉まっていた。
葎「面倒だ…。」
バキッッ!!
旧型の南京錠だったので脆く壊れた。
そのまま扉をこじ開け3階まで降りるとそこから一気に下に飛び降りた。
ドスッ!
生徒A「な…何だ!?」
生徒B「何か降って来たぞ!?」
葎「いってて…。やっぱりこの高さじゃ…痛いか。」
美央「お…お前…。」
葎「人助けは趣味じゃないんだけど…。まぁたまには良いか。」
生徒A「ふざけんじゃねぇぞ!」
ブンッ
葎「ふざけんなはこっちの台詞…。」
ドスッ!
生徒A・生徒B「ぐほっ!」
1人ぶっ飛ばしたらもう1人も巻き込まれた。
葎「普通にしてれば俺も手は出さなかったのにな…。」
シュッ!
生徒C「グ八ッ!」
生徒D「くたばれ!」
ゴンッッ!
葎「イッタ…。鈍い音したし…早く済ませるか。」
グイッ!
ドンッ!
最後の1人に背負い投げを与え俺の周りは4人と無月だけ…。
頭から・・軽く血が出ている。
無月はどうやら無事らしいが多少まだ怯えてる。
半分ほど服が脱がされかけていた。
葎「ほらよ…。これ着て保健室でも行ってこいよ…。」
と、無月に制服をかけて声をかけた。
美央「なんで…お前は私の危ない時にいつもくるんだ…。」
葎「しらねぇよ…。助けないとスッキリしなかっただけ…。」
美央「その…また助けてくれたな…。ありがとう…//」
葎「別に気にしなくていいから…。」
美央「な…名前は?」
葎「葎…。」
美央「そうか…。では葎…ほんとにありがとう…。」
そう言って微笑んだ。
葎「どういたしまして…。それじゃあな、無月美央…。」
と、珍しく返事をしてから立ち去った。
美央(葎…。葎か…。)
美央は嬉しそうに借りた制服を眺めていた。
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次の日、俺はインターホンの音で目が覚めた。
葎(誰だ…。こんな朝っぱらから…。)
と、多少不機嫌ながらも玄関に来て見ると…
昌「り~つ~君。遊びましょ。」
葎(小学生か…こいつの頭は…。)
などと思いながらもドアを開けた。
昌「よっ葎!お…お前…包帯が解れてる上所々血が付いてて怖いんだけど…。」
葎「包帯は…まぁ後で良い…。入れよ。」
と、昌を家に上げリビングに行った。
葎「ふぅ…。」
家の中に煙が広がっている。
昌に珈琲を出して煙草を吸い始めた。
昌「今日は土曜だし暇なんだよな~。ところで葎!また人助けでもしたか?」
葎「別に助けるつもりはなかった…。」
昨日の事は俺が職員室にいた先生に伝えておいた。
この学校の数名の男子が無月美央を襲っていた…と。
その話をした後、教師は俺を病院に送り帰って来た…。
昌「葎…。今度さ、遠足があるんだけどさ…どうする?」
葎「遠足か…。」
軽く珈琲を飲み少し考える。
昌「何でも1~3年合同らしくて…好きな子と組みなさ~い、って言ってた。」
葎「遠足…面倒だな…。」
昌「そう言わないで行こうぜ遠足~!」
葎「だからお前は小学生かっての…。」
昌「んで…どうする?」
葎「そうだな…。たまには行くか。そうゆう行事に…。」
昌は叫びながら喜んでいる。
俺は煙草を吸い尽くし、灰皿に入れ着替えに向かった。
着替えた後…髪を結んで顔がさらけ出された。
目立つのは額から右目を通って頬についている傷だ。
右目は開くがあんまり見えない。
昌「久しぶりだな。その顔拝むの。」
葎「まぁ…そうだな。」
昌「その傷は…悪かったな…。」
思いつめた様に謝る昌に、
葎「気にするな…。お前のせいじゃない…。」
この傷が俺が【赤き死神】をやめる原因となったものだ…。
確か俺と昌が中学2年になったばっかりの時だ…。
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その頃ちょうど俺は【赤き死神】と呼ばれ始めた頃だった…。
昌とは仲良くなり始めた頃だった…。
そして…俺を潰すために不良グループが昌を捕まえて俺に喧嘩を仕掛けてきた…。
その時に俺はナイフでザックリ切られた…。
その不良たちはナイフで切った事に驚いたらしくて逃げて行ったらしい。
直ぐに病院に搬送されたが目は失明寸前だったらしい。
その不良たちは見つかり銃刀法違反で少年院行きになったそうだ。
昌「そんじゃあな~!」
夕方になり昌は帰っていった。
暇になってしまった。
部屋に戻りベッドの上で本を読み始めた。
葎「ん……。」
どうやら寝てしまったらしい。
時間はデジタル時計は22:15を示していた。
葎「夕食…作るの面倒だな…。」
俺は立ち上がり軽く伸びをし、ケータイと財布を持ち結んでいた髪を戻してパーカーを羽織り近くのファミレスに向かって歩いた。
夜の道は静かで良い…。
電灯の明かりが点々と付いている。
ドンッ!
葎「うっ!?」
前から誰かがぶつかって来た…。
葎「いって…。」
?「いった~い!」
葎「悪いな・・前見てなかったから避けられなかった…。」
?「あっ!すっ…すいません!私の方こそ不注意で!」
制服姿だ…。よく見ればうちの制服…どうやら同い年らしい…。
葎「うちの高校か…。」
不良A「やっと見つけたぜ!」
不良B「やれやれだ。よく逃げる女だ…。」
?「ひっ…。」
急いでいたわけはこれか…。
葎「はぁ…こんなのばっかりだ…。」
俺はため息をつきながら怯え気味の女の子の前に立った。
不良A「何だテメェ!」
不良B「邪魔すんなら消すぞ!」
と笑いながら俺に行ってきた。
葎「グダグダ言ってないで来いよ。」
不良A「この野郎…なめてんじゃねぇぞ!」
ブンッ!
葎「ナイフを持ってたって…そんなに大振りじゃあたらないし…。」
ドゴッ!
不良A「ゲホッ…ゴホッ…。」
葎「そこのアンタ…こいつ連れて逃げてくれない…?」
不良B「クソッ!覚えてろ!」
と、もう1人を抱えて逃げていった。
葎「今時覚えてろって…古いな。」
?「あの~…。」
葎「あぁ…悪い。大丈夫か?」
?「はい!あの…ありがとうございました!」
葎「いいけど…あんまり夜に歩き回るなよ…。それじゃあな。」
?「はい!それでは!」
ベチッ!
?「ふぐっ!」
何かが潰れるような音と呻き声が聞こえてくる。
振り向くと…少女がこけて倒れていた。
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葎「お…おい…。大丈夫か?」
?「だ…大丈夫です!それでは!」
と、起き上がり走って行ってしまった。
葎(元気な奴だったな…。)
と思いながら足を進めた。
ファミレスで適当に夕食を済ませて家に帰った。
次の日の朝…またもインターホンで起こされる羽目になった。
思いもよらぬ人物の訪問だったが…。
ガチャ--
美央「その…お、おはよう…。」
バタン…。
葎(まだ夢か…。変な夢見たな。)
ドンドンッ。
葎(夢であって欲しかった…。)
ガチャ--
葎「あの…何で家を?」
美央「あぁ。普段お前と一緒に居る奴に聞いたのだ。」
俺と一緒って言ったら昌しか出てこない…。
あのバカ一回殺す…。
葎「それで…何の用…?」
美央「その…これを返しに…。」
渡されたのはこないだ貸した制服。
葎「あぁ…。すっかり忘れてた。」
美央「それと朝ご飯は済ませたのだろうか?」
いきなり何だ…?と思ったが、
葎「いや…まだ…。」
美央「そうかそうか!」
と、嬉しそうに頷いているが…。
一体何なんだ…?
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美央「私が朝ご飯を作ってやろう!」
葎「まにあってるので…。」
ドアを閉めようとすると、
美央「ちょ…ちょっと待った!作らせてくれ!」
葎「はぁ…じゃあ頼むよ。」
美央「あぁ!わかった!」
取りあえず無月を家に上げた。
葎「台所は勝手に使っていいから…。」
美央「そうか!では作るとしよう。」
台所は無月に任せて俺は部屋に戻った。
部屋でケータイを見るとメールが来ていた。
送り主は昌か…。
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無月先輩に家の場所を教えたから!
多分今日来ると思うぜ!
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葎(おせぇよ…。もう来てるし…。)
返信するのが面倒だったので放置した。
コンコン
美央「朝ご飯が出来たぞ。」
葎「分かった。今行く。」
ドアを開けるとエプロンを付けた無月が立っていた。
美央「そう言えば好き嫌いはあるか?」
葎「それ…作ってから言う台詞じゃないし…。特にないけど。」
などと質問に答えながらリビングに入ると朝食とは思えない豪華な食事が用意されていた。
葎「これ…全部作ったのか?」
美央「当たり前だ!」
と…胸を張りながら答えた。
席に座り食べ始めると…凄い顔を見られてる。
葎「ん…うまい。」
美央「そうかぁ…。よかった。」
と、安堵の表情を浮かべた。
全てを食べ終わり無月は皿を洗っていた。
美央「それではまたな!」
葎「あぁ。ありがとな…。」
お礼は言って無月を送り出した。
美央「そうだ…携帯を貸してくれ。」
葎「は…?」
美央「携帯だ。け・い・た・い。」
ケータイを出すと捕られなにやら操作している…。
美央「よし!」
と、ケータイを俺に渡した。
美央「私のアドレスと番号を入れておいた。だから消すなよ!」
と…言い残し歩いていった…。
葎(何なんだ…。)
考えても全く分からなく、そのまま少し呆然としてた。
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