愛で満ちる 〆

先輩以外に言うわけない。
(照れた様子も可愛い、と完全に目は覚めて。ぼそっと呟くと早足で先にゆき始めた貴方を追うように自分も歩みを進めて。)

──篠宮ー、この資料のデータまとめといて欲しいんだけどお願いしててもいいか？

( 会社に着くと気を取り直して仕事をはじめ、数枚の資料を片手にデスクへ座る相手の元へ。)

わかりました。いつまでに必要ですか。
(貴方から仕事の依頼に、快く引き受けれは。期限を聞いて。メモを取り。)

んー、コレは急ぎじゃないから、来週中にできてればありがたい！
…なんか、いつも思うけど、篠宮が座ってると目線が低くなるから新鮮だよな！
(腕を組んで期限について考え伝えていると、ふと、目の前にいる相手の顔を見て頭をぽんぽん、と撫でてみる。)

(/すみません。今日お返事出来そうにありません…！明日返します！)

(/わざわざご連絡ありがとうございます！私もお返事出来ないことが多々あるかと思いますので、お時間ある時で全然大丈夫ですよ！ゆっくりとお待ちしていますね！)

わかりました。
…先輩って、ほんとなんていうか…。
(機嫌について頷くと、ふと感じる視線と頭の上の手に一瞬驚いたような表情になって。その後でいつもの表情に戻ると、こちらの気持ちも知らないで、とため息をつき。すくっと立ち上がると逆に貴方の頭に手を置いて)

俺はこっちの方がしっくりきます。

…なｯ、お前は毎日俺のこと見下ろしてるんだからたまにはいいだろー！
( 立ち上がり高くなっていく相手の視線を追っていると、頭に置かれた手の体温に再び頬を染め、誤魔化すように上記を述べる。
通りすがりの同期に『蓮、照れてんのかー？』なんて冷やかされると、悪いかよ！なんて笑って返して)

…可愛い先輩を見られるのやなんで。ここらへんでやめときます。
(手を置き満足気に貴方を見下ろしていたが、ふと他の人の視線に気づき。可愛い貴方の顔を見られるのは困ると言った様子ですんなりと手を離して、何事も無かったかのように椅子に座って)

……あ、なぁなぁ篠宮！
そんな可愛い先輩と、今日晩ご飯でもどうですか？
( 離された手に少し名残惜しさを感じながら、どこか不満気な後輩の姿にどうしたものかと首を傾げる。
すると、行きつけの居酒屋からクーポンを貰っていたことを思い出し、少し屈んで相手の耳に口を寄せると、へへ、と笑いながら提案してみて)

…。いきます。
先輩、今日は残業なしですよ。
(耳元で貴方の声が近くなれば、この人はほんとに…と無意識はこわいと思いながら、静かに了承。内心はテンション上がりまくりだが顔には出さず、その代わり楽しみにしているとわかるような内容であなたに伝えて)

分かってるってー！まかせろー！

──……。

( 残業なしだと言われると、当たり前だと言わんばかりに腰に手を当てて胸を張り自分のデスクへと帰って行った、のだが。
─朝の勢いはどこへやら、、定時になってもパソコンの画面にかぶりついて頭を抱えていた。)

先輩…。
(こちらはというとそれから俄然やる気で仕事を猛スピードでしあげ、スッキリとした様子で席を立つも向こうで沈んでいる貴方を見つけて近付き。まだ終わっていないことを察すると、そっと小声で)
手伝いますか。

し、篠宮ー！ごめんな…そしてありがとう！！
このデータの入力だけお願いしてもよろしいでしょうか…。
あとは先方にメール送って、書類の再チェックしたら終わるから！！

( 手伝いを申し出てくれた後輩の声にガバッと顔を上げると、救世主、と言わんばかりに腰に抱きついて。致し方なく申し訳なさそうに1枚の書類を手渡すと、再度自分のパソコンへと向き直った。)

いえ、任せてください。
(腰に抱きつかれては、ほんとに、ともう深くは思わないことにして。渡された紙を見て、横に座れば空いたデスクのパソコンでそれらを入力し始め)

──………、よし。問題なしだな。
無事終わったー！
( 暫く真剣な表情でパソコンや書類に目を通し、気が付けば30分ほどが経過して。最後の書類に目を通し終えると、両手を上にあげて伸びをしながら息を吐いた。)

お疲れ様でした。先輩。何食べたいですか？
(作業を無事に終えた貴方に少しばかり微笑むと、そろそろ行くかと貴方を見て。どこに行きたいかをたずねてみては)

篠宮も手伝ってくれてありがとうな！同期がトラブってたから引き継いだんだけど、意外と時間かかっちゃって…。
んー、そうだなー、お腹すいたから肉食いたいな、肉！篠宮はなんか食べたいのある？
( こちらも微笑み返すのと当時に手伝ってくれたことへのお礼もきちんと述べ、食べたいものを問われると、少し悩んだ末に肉が食べたいと言い。)

いいえ。先輩の助けになったならよかったです。

肉いいですね。焼肉でもいきますか？
(貴方からの提案には自分も肉は好きだし、たまにはいいかもしれないと焼肉を。会社の近くに美味しい所があると確か同期が言っていたのを思い出して。)


(/おくれてごめんなさい！！)

焼肉賛成！なんか、一気にお腹空いてきたなぁ！
あ、そういえば、篠宮って酒飲むの？

( お前は良い奴だなーなんてしみじみ呟きつつ、焼肉と聞けばいきつけの居酒屋に行こうかなんて考えがすっかり焼肉気分になり頷いて。
そしてふと、相手はこういう時飲酒はするのかと気になって尋ねてみる。)