黒岩晶 2024-10-22 21:37:13 |
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(その言葉を聞き、一瞬躊躇った隙に相手は腕からすり抜けていき。一緒にいたい、でも困らせたくない、そんな思いがぐるぐる脳内を巡り、混乱したまま相手の後を追って) 先生、待ってください!もう暗いし、僕も途中まで──…、(せめて相手が車を停めた場所まで送り届けようと、その辺に置きっぱなしの自転車を慌てて押して追いかけようとするが、焦っていた為か自転車ごとガシャンと派手に転んで)
(/はい、遠慮なくグイグイいくんで覚悟してください(笑)そして早速怪我して自宅訪問ルートにしちゃいました…かなり無理矢理ですみません!このまま聖ちゃん宅に行けたら嬉しいです。こちらも蹴ってくださって構いません。)
──えっ。黒岩くん、大丈夫?立てる?痛いところない?(自転車が倒れた音で足を止め振り返ると倒れた相手を見て心配そうに慌てて駆け寄り相手の身体を起こすと怪我の有無を尋ねながら衣服に付いた土を優しく払い)
大丈夫です。(なんだかんだ言ってもこんな風に心配してくれる相手を前にまた抱きしめたくなるものの、ぐっと堪えて。立ち上がり自転車を押して歩こうとするが、足に怪我をしたようで少し引きずり)
黒岩くん待って…!大丈夫じゃないでしょ?早く手当てしないと。私の家この近くだから着いて来て。(立ち上がり足を引き摺っている事に気が付くと早く手当てをしないと、と思い自分の部屋へ来る様に告げ「歩ける?」と聞きながら肩を貸そうとして)
え…でも…(人目を気にしていた筈の相手の言葉に驚き、何か言いたそうな顔をするが、痛みと共に血が伝っていく感覚が不快で。ここは従うべきだと思い、素直に頷き)自分で歩けるから大丈夫です。自転車、あるし…(相手の気遣いは嬉しいものの、相手にこれ以上格好悪い所を見せたくない思いもあり、自転車を押しながら相手の自宅へと歩き出し)
わかった…。じゃあ待ってるから。無理しないで何かあったら連絡して?(相手に自宅の住所と連絡先を書いた紙を渡すと車で先に自宅へと戻り相手が来るのをマンションの前で待っていて)
(思いがけず入手した相手の連絡先。驚きを隠せずただ立ち尽くし、相手が去る姿をぼんやり見送り。我に返り、渡された紙に目を落として) …聖ちゃんの…連絡先…(綺麗な文字で綴られたそれを見てぽつりと呟くと、じわじわと嬉しさが込み上げ頬が緩みそうになり。怪我をして良かった…なんて不謹慎な事を思いながら痛む足を庇い、ゆっくりと彼女の自宅へと向かい。マンションに辿り着くと、相手の姿を探して)
(マンションの前で待っていると相手の姿を見付け“黒岩くん…!”と名前を呼び片手を振りながら場所を知らせ)大丈夫?遠くなかった?自転車はそこの駐輪場に置いて良いから。(駐輪場の場所を指差すと足を庇いながら痛そうに歩く相手を心配して)
(相手の声が聞こえ、姿が視界に入ると嬉しさと安堵が胸に広がり。指定された場所に自転車を置きながら答え)大丈夫です。先生のこと考えてたらあっという間でした。…先生の住んでるマンション、ここだったんですね。(近くを通った事は何度かあるが相手の自宅だとは知らず、何となく悔しさ覚えつつマンションを見上げ)
黒岩くん…?(何かを呟きながらマンションを見上げる相手を不思議そうに見詰めながら「喉乾いてない?コンビニで何か買ってく?お茶くらいならうちにあるけど。」とマンションの下にあるコンビニを指差し必要な物がないか尋ね)
黒岩くんを待ってる間に黒岩くんのお母さんに連絡したんだけど繋がらなくて…。連絡が来るまではうちに居て良いから。
(相手の気遣いは嬉しく、コンビニと言えど一緒に買い物ができるなんてとても贅沢な話だが、誰かに見られて相手の立場が悪くなる事を危惧し)いえ、いいです。先生に迷惑をかけるのは嫌です。…もうかけてるけど。
そうだね、早く手当てしないといけないし行こっか。(相手の言葉に諭され怪我をしている相手のスピードに合わせてゆっくり階段を登るとマンションの部屋の前まで来ると鍵を開け相手を中へと誘導し「黒岩くんはまずお風呂で傷口洗って来て。そこがお風呂場だから。」と場所を相手に伝え)
(誘導されるがまま部屋に入ると仄かに良い香りに包まれ。好きな人の部屋に入る事への緊張と期待で胸がいっぱいになり、部屋に入る際の挨拶すらすっかり忘れてしまい。言われるがまま浴室へと入ると、シャワーで傷口を洗い流し)
タオル、ここに置いておくから使って。(タオルを持ってお風呂場に来ると浴室に居る相手を見て今更ながら生徒とはいえ家にあげてしまった事への罪悪感が込み上げ意識しない様にと平常心で告げると部屋に戻り救急箱の用意をして相手を待ち)
(軽く頭を下げながらタオルを受け取ると、傷口を綺麗に流してから拭き取り。床を濡らさないように気を付けながら相手が居る部屋へと控えめに入り、どうしていいかわからず少しそわそわした様子で)
黒岩くん、ここ座って?(用意した椅子に相手を座らせズボンの裾を捲り上げ「ちょっとしみるかもしれないけど我慢してね」と前置きすると消毒液を染み込ませたガーゼを傷口にぽんぽん当てながら消毒し大きめの絆創膏を貼り終えると相手を見上げ)応急処置だから痛むようならちゃんと病院に行ってね?
(言われるがまま椅子に座り、大人しく処置をを受け。消毒液が染みて一瞬ぴくっと反応するが、情けない声は出したくなくて堪えて。その後も手際よくテキパキと処置を進める相手を見つめていたが、思ったことを口にし)…ありがとうございます。先生、なんだか慣れてますね。保健室の先生みたい。
ふふ。これくらい普通だよ。(処置を済ませた相手からの中学生らしい感想に思わず笑顔を見せ救急箱を片付けながら「お茶でも飲む…?」と尋ね)
ありがとうございます。…先生、なんだか急に優しいですね。僕、先生の笑顔好きです。(最近は突き放すような態度を取られる事が多かった為、笑って貰えるのが嬉しくて、ほっとしたように本音を口にして)
勘違いしないで。私は黒岩くんの担任として接してるだけだから。(相手の言葉に心が揺れ緩んでしまっていた気持ちを引き締めるかの様に先生として接していると口に出し自分に言い聞かせながら冷蔵庫からお茶を取り出しコップに注ぐと相手に手渡し軽く触れた指先にすら意識してしまい)
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