匿名さん 2024-07-19 21:09:56 |
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ふーん、そりゃどーも?…ほら、着いたぜ。
(眉を下げて悪戯っぽく笑ってはぐしゃぐしゃになった髪を直しつつ、辿り着いた自室のドアをがちゃりと開ける。付けっぱなしだった冷房の冷えた風に、一瞬だけ身を震わせて─部屋の隅に置いてある冷蔵庫に近付き)
ま、好きなとこ座っとけよ。…えーっと、ダッツダッツ…
お邪魔しまーすってなにこれ、天国じゃん?俺の部屋より冷えてんかも。ここに住んでいい?
( 入った瞬間、エアコンの冷えた風がじわりと滲んでいた汗を撫でて身体を冷ましていく感覚が心地よく、思わず口元を緩ますと冗談ひとつ。無遠慮にベッドに腰を下ろせば冷蔵庫を覗き込んでる背中に声を掛け )
あ、俺2つね。
2つな、了解。住んでもいいけどよ、こき使うぞ?
(乾いた笑い声を上げながら─相手の冗談を軽くあしらい、無造作に放り込まれていたアイスを救出する。相手の分のストロベリーとバニラ、自分の分のグリーンティー─を両手に抱え、苦笑いを浮かべながらフラッペの容器を投げ渡し)
…兄貴、お前と趣味合うかもな。ゴディバのフラッペだってよ。
最強の俺をこき使うとか出来ると思ってんの?逆にこき使ってやるよ。
…っと、え、最高なんだけど。幸人の兄貴のセンス良すぎねぇ?聞いた事無かったけど兄貴の方は呪力とかあんの?
( 軽く笑って更に冗談を重ねると投げられたフラッペを受け取り、相手の説明を聞いた後に少し目を輝かせて上機嫌に容器を揺らしながら訊ね )
っは、舐めてると痛い目見るぞ?
(言葉よりは楽しげにふん、と鼻を鳴らして笑った後─抱えていたアイスの容器をテーブルにことんと置いた。足でクッションを引き寄せて腰を下ろし、蓋を開けながら相手の質問に首を傾げて)
ん、兄貴?補助監督だけど。相手の動きを一瞬止める術式?かなんか持ってっから…って聞いたことあんな。
へーえ?この俺に、お前が痛い目みさせてくれんの?
補助監か、ならあんま記憶にないかも。
な、それ一口ちょーだい。
( テーブルに置かれるアイスを見つめていたがフラッペに口を付けつつ話しながらそちらに視線を移せばグリーンティーのダッツに興味を持ち、強請りながら拒否権はないようにフラッペのストローを離して口を開き )
はは、冗談だっての。…ま、確かにそうかもな?お前、夏油とか家入とか以外の顔覚える気なさそうだし。
(本気にすんなよ、と眉を下げて笑いながらも手元のアイスを一匙掬い、口に運ぶと─冷えた食感に目が細まった。暫くそうしてアイスを食べていたが、ふと口を開けている相手の様子に気付くと─子供を相手にする時のように息を吐きながら、アイスの乗ったスプーンを相手の口へ運んでやり)
はいはい、しょーがねえな…ほれ。
雑魚の顔覚えたって損でしょ、どうせ弱い奴らはすぐ消えるんだし?…ただ、まー…幸人の兄弟なら守ってやらないことも無い。
( 相手が笑う姿に釣られて笑みを浮かべそうになりつつ運ばれたアイスを口にして、口に広がる甘さに微かに頬を緩めれば微かに上を見て考えた後に言葉を口にする。フラッペを飲みきり、自分のアイスを手に取ろうとした瞬間、胸ポケットに入れていたガラケーが振動すれば怠そうに取り出して画面を開き、それを確認して心底嫌そうに顔を歪め )
……ッはー、なーんか任務入ったんだけど。先に任務行ってた2級術師が撤退、至急現場にって…ブラック過ぎね?
はは、相変わらず酷え言い草。
(言葉の割にはそう思っていなさそうな声を上げ、至極のんびりとアイスを食べていたが─相手の携帯が震えるのを目に留めたらしく、スプーンを行儀悪く口に咥えたまま、テーブルに頬杖をついており)
…おー、そりゃ大変だな。お前の分のアイス取っといてやるから、頑張ってこいよ。
幸人も来いよ、トレーニングになるんじゃね?
お前が対処出来なくて悲惨な状況になったら助けてやるよ
…あ、それとも自信ない?
( ベッドから立ち、相手の咥えたままのスプーンを手に取ると自分のアイスを開け一掬いして口にし、今から悪戯でもしに行きそうな笑みを浮かべて相手を見遣れば挑発的な言葉を吐いて )
え~…暑ぃし面倒臭ぇんだけどな…まあいいか。
(相手の口から飛び出した言葉に眉を顰めはしたものの、煽られた苛立ちよりも灼熱の外にわざわざ出向く、という面倒さが勝つのか─面倒そうにため息を吐き出す。暫くうんうんと唸っていたが、仕方無しに立ち上がると─そのまま、アイスをまとめて冷蔵庫に戻した。そこでようやく煽られたことに対する反応を返して)
…誰に言ってんだか。殴り合いなら夏油相手でも負ける気しねえな。
そう来なくっちゃ。俺に任務来たって事は一級以上確定、いい相手になりそうじゃん?
( 相手がこちらの望んでいる返答をするのを待っていたが漸く返ってきた反応に鼻で笑いつつコキっと軽く首を鳴らせばまた送られてきたメールに目を通して、少し考えるも顔を上げ )
補助監、もう車回してくれてるらしい。
すっげぇ近くだから俺らが直接行った方が早そうだけどどうする?
あー…そうだな…とっとと行って、とっとと終わらそうぜ。
(面倒さを掻き消すように大きな伸びと欠伸を一つ、相手の言葉に少し考え込んだ後─答えを決めたらしく、暑さでだらしない着方をしていた制服の襟を正す。シャツをまとめて肘辺りまで捲り、第一ボタンをぷちりと外した。クールビズスタイルを取った後、先導するように部屋のドアノブへ手を掛けて)
分かる。…なーんか、見た感じ特級案件なんだけど…ま、どうにかなるっしょ。
…てか、先行っとく。早く来ないと俺が祓うから。競争なー
( ガラケーを眺めながら相手について行って玄関までいき、欠伸を噛み殺す。こちらも軽い伸びをした後にドアノブへと手をかける相手を見ていたが一度目を伏せると声を上げて肩を叩きそう告げるとスっと姿を消す。その後すぐ近くの廃校へと移りサングラスを少し下げて様子を伺い )
やっぱ特級じゃん。
はいはい。…ったく、ガキだな…ホント。
(返事を返そうと振り返る頃には、相手の姿は既に無く─寮の中はひっそりと静まり返っていた。疲れたようなため息と共にそんな言葉を吐き出し、ドアの外に足を踏み出す。時短のために木や建造物の上を飛び移り、現場の廃校へと向かっては─相手の隣に並び)
待たせて悪ぃな。…ふうん、中々骨ありそうじゃねえか。
思ったより早かったじゃん。
( 校庭から見上げた廃校の屋上にいたのは頭は蜘蛛の人型呪霊で廃校全体に呪力を纏った蜘蛛の糸のようなものが巻きついている。間を通れば近接に持ち込めそうだが、相手はどうだろうかとサングラスを下げたまま悪戯っ子な笑みでそちらを見て )
俺にとって特級の中でも下の下。瞬殺できるレベルなんだけど、準一級のオマエはしんどいだろうな。手助けしてあげよっか?
…バカにすんじゃねえよ。水ってのはな、お前が思ってるより強えんだぜ?
(相手に応えるかのように不敵な笑みを浮かべながら術式を発動したかと思えば、自身の腕辺りから─水圧カッターのように、極限まで細く圧縮した水流を噴出した。その状態のまま身軽に校庭の木々を飛び移り、窓の外縁に足を掛け、糸を切断しつつも─時折呪霊から飛んでくる糸の攻撃を避けてその糸も切断するものの、避け切れなかった小さな切り傷を顔に作りながら呪霊との距離を詰めていき)
ほれ、頭。
(屋上にすとん、と足を付いた後は校庭にいる相手を一瞬だけ振り返り、腕の代わりにふくらはぎ辺りから噴出させた水圧カッターで呪霊の頭を切断─したものの、途端に子蜘蛛がわらわらと湧いてきて)
げっ、最悪…気持ち悪ぃ。
ヘーえ?死ぬなよ。
( 臨戦態勢になった相手の様子を見つつ軽く笑うと冗談混じりに言葉を放ち、呪霊を追い詰めていく見事な様を見守っていたが子蜘蛛が散っていくのを見てさっと蜘蛛の巣を避けて屋上まで上がれば相手の腕を引いて抱き寄せ、耳元に唇を寄せて )
このまま離れんなよ、少しでも動くと死ぬぞ
( 相手を自分の無下限に入れた直後、散った子蜘蛛達が光を放ったと思えば大爆発を起こし校舎が瞬く間に崩れていく。数秒後には瓦礫の中にほぼ無傷の2人が立っている状況で、そんな中呑気に声を上げて )
…あ、帳下ろすの忘れてた。
…おう。
(相手の言葉にはろくに反応する時間もなく、腕を引かれるがままに相手の側へと大人しく引き寄せられる。その後は目の前で爆発する蜘蛛にも特に構うことなく、呑気に自身の術式を解除し)
…あーあ、こりゃまたお叱りコースだな。
(先程まで廃校舎"だった"ものの残骸を一瞥し、疲れたようなため息を吐き出して肩を竦める。脳裏には自身と相手を怒り散らす夜蛾の顔がありありと浮かび、もう一つ─面倒臭げなため息を吐いた。頬に刻まれた掠り傷から垂れる血をぴっ、と親指で軽く拭った後、その指先を当たり前のように舐めて)
叱られんの嫌すぎるんだけど…夜蛾センしつこいじゃん。俺関係なしに幸人が勝手に祓いに来て、帳も下ろさなかったって事にしない?
( はー、とこちらも深い溜息を吐くと抱き寄せていた相手の身体を離して校舎の残骸を見るも知らぬ振りをするように目を逸らすとわざとらしく肩を落とし、擦り傷のついていない方の頬を人差し指でつついて )
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