治安悪めな少女 2024-04-14 18:47:18 |
通報 |
ふーん、…麗ちゃんはそのアパレルのバイト、楽しい?
(彼女に今何のバイトをしているかを教えられると、ふーん、と相槌を打ちながら、ふとそのバイトは楽しいのかと聞いてみて。相手がコンビニの袋を受け取り、店を後にしようとするのが見えると、対応してくれた店員さんに、ありがとうございましたー、と、本来は店員側が言う台詞を言うと、また公園へと戻ろうとする彼女の背中を追いかけて。公園へと向かう途中、薫は私にビビらないね、と前を歩く相手から言われると頭にハテナを浮かべながら下記を述べて。)
ん?なんでビビるの?麗ちゃん優しいし、カッコいいし、…あっ、勿論可愛いし。怖がる要素一個もないでしょ。
……服を見るのは楽しいけど、人と喋るのは、あんまり。
( バイトが楽しいか聞かれると、少し間を開けて呟くように返答する。人付き合いは得意じゃないし、店の先輩とかから好かれるような性格でもないので、それなりに苦渋はあるようで。
そして、素直な言葉をくれる相手には少し呆気にとられたようで、それでいて気恥ずかしくなりふいと視線を逸らす。よく見ると耳元だけほのかに赤らんでいるが、口からでる言葉は素直じゃないらしい。)
かッ、可愛くないし、かっこよくない!それに、いきなり話しかけたやつが優しいとか、お人好しすぎじゃん。
…そっか。
(自身の何となく聞いた問いに答えられると、そっか、と少し俯いて。自分が思ったことをただ言っただけなのに慌てる彼女はやっぱり可愛いなぁ、と思いつつ、お人よしすぎ、と言われるとそう?と首を傾げて。彼女がそうやって話しかけてくれたからこそ、今ここで僕たちはお花見をしようとしているのだ。それを思い返すと感謝とともにいいんじゃないかな、と元気よく言い。慌てて言葉を発した彼女の耳元は、少し赤らめていたような気もするが、まあ気のせいであろう。)
えー?そうかなぁ。でも麗ちゃんがいきなり僕に話しかけてくれたから、今一緒にいれてるわけだし、いいんじゃないかな!
いや、それは、薫が可愛いから、つい声を──…。
(照れ隠しのつもりで言った言葉だが、逆ナンしてしまったことを白状しているようで、ハッとなって口を噤み咳払いをする。
再度公園につくと、桜近くに設置されたベンチにどさりと腰を下ろして足を組み、コンビニの袋からいちごみるくとプリンを取り出して相手へ差し出す。自分の分の酒も取り出し缶を開けながら、付け加えるように言葉を発して。)
…まぁ、人と話すのはあんま好きじゃないけど、薫は、話しやすい、かも。
んん?
(彼女は何かを言いかけたようだが、よく聞こえないまま、相手の咳払いで終わってしまった。さほど重要なことではなかったのであろうか、と思い、桜の近くに置かれたベンチへと座る彼女の隣にさっと座って。ベンチで足をパタパタと動かしていると相手からいちごみるくとプリンを渡され、ありがとー!とふわりとした、まるで桜のような笑顔で言い。いちごみるくの紙パックにストローを刺すと彼女からの言葉に驚きを隠せない様子で。自分とは話しやすい(かも)という発言は、薫にとって一番嬉しいもので。嬉しさ半分、安心半分に下記の言葉を発して。)
あっ、よかったぁ。僕さぁ、麗ちゃんに人と喋るのはあんまり、って言われたとき、「えっ!?僕と話すの無理してたのかな!?」って勝手に焦っちゃッてぇ……よかったぁ………
…興味無い人と無理して話すほど、私はお人好しじゃないから。
(酒を一口飲みつつぶっきらぼうにそう言うが、要するに『あなたには興味があります』と言っている様なものだ。しかし、本人はそこに気が付いてはいないようで。
むしろ一目惚れしました、なんて余計に言えることではないし、本人的にはこうして一緒に座って居るだけでも実は精一杯だったりするらしい。もちろん表情には出ないが。しかし、それ以前に重要な事を聞いていなかったと気がつくと、もう一つ質問をして)
……付き合ってる奴いたりしない?…薫、優しそうだし、恋人いんのに花見に付いてきてくれてたりすんのかなって。
そうだねぇ
(ぶっきらぼうに放たれたその言葉は、自分に少しは興味を持ってくれている、という解釈もできるもの。それが嬉しく、また足をパタパタ動かして。いちごみるくを一旦置いておき、もう一つのプリンのふたを開け、店員さんにもらったスプーンを取り出して。ぱくりと一口食べるとうまぁ、と頬に手を当てて。)
付き合ってる人?…いないなぁ…別に作ろうとも思わないし。…あーでも、恋人がいたら楽しかったりするのかな。…麗ちゃんは?恋人、好きな人とか!
(恋人はいるのか、という質問にいないなぁ、と答えるとやはりいたら楽しいのだろうか、と想像してみて。友達は結構恋人がいる人が多いが、みんな幸せそうで。作ったこともない、作ろうとも思っていない薫には程遠い話なのだが。自分に聞かれた質問を相手にも問うと、一瞬『いないと答えてほしい』と思ってしまう。なんでそんなことを思ったのかは不明であるが。)
…い、居るわけないでしょ。そんな色恋沙汰はお断り。恋愛とか、私に似合わないし。
(相手に恋人がいないと知り、少し安堵してしまう自分に溜息をつきそうだ。やはり自分は目前にいる彼が好きらしい。続けて質問を返されると、好きな人は居るにも関わらず首を横に振りながら全否定して。そもそも、恋愛なんて小柄で可愛らしい女の子が成就することであって、自分とは無縁だと思っている。それに、こんな無愛想な大女に好かれているなんて知ったら絶対ドン引かれる。と胸の中で考える。そして、酒を煽ってヒラヒラと舞う桜の花びらを見上げると、独り言を呟くようにぽつりと言葉を発して。)
……まぁでも、確かに、居たら楽しい、のかなぁ。
ふーん…
(居るわけないでしょ、という言葉に少し安心したが、その後の言葉からして、今は自分を彼女は異性として見てはいないのであろう、と感じて。そう思ってしまう自分は、彼女のことが好きなのだろうか。それは恋愛未経験な薫にとってはわからないもので。自分に恋愛は似合わない、という彼女に「似合う似合わないは関係ないと思うな。麗ちゃんは麗ちゃんらしく、恋していいと思うし。」と励ましの言葉、とまではいかないがただ思ったことを言ってみて。
独り言のようにぽつりと彼女から発された言葉に楽しいかどうかはわからないが、と続けて。)
わかんないけど、僕の周りにいる人達はみんなキラキラしてるよ。
(自分らしい恋愛を、と言葉をかけてくれた相手に瞬きを数回繰り返し、言い返すわけでも励ましの言葉に礼を述べる訳でもなくて、ただ、なんだか嬉しくて小さく口元が綻んだ。恋愛してる人達がキラキラしているというのは、何となく分かるし、そのキラキラが自分にあるところなんて想像できないけど、もう一か八かで言ってしまおうかと思った。まだ出会ったばかりだけど…いや、出会ってばかりだからこそ、もし脈が無いなら関わらなければいいじゃん、と残りの酒を一気飲みして立ち上がった。)
…わ、私、本当は初めて一目惚れ、的なことした。自分とは正反対で、可愛くて、優しそうな人!
桜がめっちゃ似合うし、今もプリン美味しそうに食べてるのまじ可愛いし、だから、とりあえず、連絡先…交換したい、かも、とか……思ってて…。
(勢い任せに言葉を並べるものの、視線は俯いたままで段々と羞恥心がせり上がってくるものだから語気の勢いは弱まり、それに比例して顔の熱が熱くなる一方で。なんとか言い終わると、ちらりと相手の顔を見る。)
(――彼女から告白をされた。いや、告白的なものをされた。顔を赤らめていう彼女はきっと勇気を振り絞って自分に伝えてくれたのであろう。正直彼女とは出会ったばかりだし、まだ数時間しか一緒にいてはいないけれど、彼女といるのは楽しい、ということだけは明確だ。ぱちくりと瞳を大きくし、彼女を見つめる。やはり褒められるというのは嬉しい。きっと自分も彼女のことが好き。だが中途半端に伝えるのもあれだ。ふぅ、と一息ついてから下記を述べて。)
僕も今日、生まれて初めて人を好きになったんだ。女の子だけど僕よりも背が高くて、カッコ良くて、勿論可愛いところもあって!出会ってまだ少ししか経っていないはずなのにあっ、なんか好きだなぁなんて思っちゃって。今も一生懸命気持ちを伝えてくれているところとか、すっごく好きだなぁ!
(にこり、と笑うものも、真剣な眼差しで。すべていい終わるとふっ、と笑みがこぼれて。改めて真正面から伝えるのはやはり恥ずかしい。少し頬を桃色に染めつつも、すっ、とバッグから桜色の少しデコレーションされたスマートフォンを取り出して。はい、と相手のほうへ向けると「じゃあ連絡先、交換しよっか。」と笑顔で言って。)
(大きな瞳でこちらを見上げていた相手から出た言葉は、まるで此方が想像していたものとは全く違くて。まさか好きと言われるとは思っていなかったらしく、顔に更なる熱がこもるのを感じる。少し頬を赤くしながらも堂々と返事を返してくれる相手を見ると、何となく男気を感じてカッコイイと思ってしまう。かっこよくて可愛いのはアンタだろ、と胸の中でぼやきつつ、此方もスマートフォンを取り出して画面を操作した。)
……私が可愛いとか、やっぱ変な奴。
(連絡先を交換し終え、その画面を暫く見つめながらそんなことを呟く。しかし、その表情はなんとなく嬉しそうで)
でも僕のこと好きなんでしょ~?
(連絡先を交換し合うと、彼女から変な奴、という言葉が聞こえて。少し嬉しそうにも見えるその表情は、やはり可愛くて。上記を言うと、薫は改めて思った。僕と彼女は今、恋人同士、という関係ではない。ただ好きと伝えあい、連絡先を交換しただけの両想い同士だ。付き合うのにはきっとまだ早い。もう少しお互いを知ってから、今度は自分から――なんて思ったりもして。スマートフォンのたくさんの連絡先が書いてある、その画面内に「 麗ちゃん 」という大好きな人の名前がある。それを眺めるとるんるん、と上機嫌に。)
…う、うるさい!
(好きなんでしょ、と言われると、照れ隠しなのか視線を外しつつそんなことを返して。やっとのこともう一度ベンチに腰を落ち着けると、顔の熱を逃がすために水でも飲もうと酒と一緒に買っておいたペットボトルを取り出して口を付ける。そして、何やら思いついたのかもう一度スマホを取り出すと画面を操作し、彼の連絡先へ早速1つのメッセージを。)
……ここ、私のバイト先。薫にも似合いそうな服たくさんあるし、暇な時にでも来れば?
(ブー、というスマホの着信音と共に聞こえた彼女の声。暇な時にでも来れば?と言われて送られてきたのは彼女のバイト先のホームページらしきもの。その貼られたリンク先へと飛ぶとその画面には可愛い服や、自分好みの服の写真がたくさん載っていて。「うん!じゃあ今度行ってみるね!」と元気よく言えば、「 よろしくね 」という文字が添えられた可愛らしいうさぎのスタンプを彼女へと送信して。スマホ画面から彼女へと目を移し、下記を桜の花弁が舞う中満面の笑みで言い。)
改めて、これからよろしくね!麗ちゃん!
……ん。
(よろしくね、と笑顔を向ける彼は送られてきたスタンプのうさぎのように愛らしくて思わず見とれてしまう。しかし、すぐに“写真撮ればよかった”と胸の中で後悔しつつ、「よろしく」と小さく返答した。そして、振動を感じてちらりとスマホの画面に目を向けると、タイミング悪くバイトの緊急要請らしきメッセージが。心底嫌そうな表情を浮かべると溜息を1つ吐いた。正直別れ難いのだが、写真を撮った時のように桜の花を拾って相手の頭にそっと乗せると、ひらりと手を振った。)
ごめん、バイト先から連絡来た…。
またね、薫。
そっか…
…バイト頑張ってね!
(彼女からよろしく、という言葉が帰ってくるとまたにこにこと笑って。彼女がスマホ画面を見て、凄く嫌そうな表情をするのを見るとどうかしたのだろうか、と少し心配を。バイト先が連絡が来た、と聞けばそっか、と返す。たった三文字の言葉だが、その「そっか」という言葉には、もっと一緒にいれたら、離れたくない、という思いが詰まっていて。一人悲しげな笑顔を浮かべると桜の花びらを頭へ乗せられる。ハッと相手のほうを見て、バイトを頑張ってね、と一言言い、手をふり返し。)
(頑張ってね、の言葉には1つ頷いて、手を振り返してくれる相手の姿をちらっと見ると次には前を向いて歩き出して。道中、コンビニで買っていたチョコ菓子を開けて一粒口の中に放り込めば「…あま。」と呟いて。たった一言で…単純だなぁと我ながら思うが、いつもより軽い足取りでバイト先へと向かった。
──バイト先は普段着とは違って可愛らしく甘めな服装を取り扱う店で、女性物が多い中で男女兼用で使えるアイテムも置いてあった。私服ではなんだか気が引けて着用しないが、バイトとなれば着ない訳にも行かなくて、長い黒髪をツインテールに結うと、他の店員よりは大人しめだが可愛らしいワンピースに着替える。…というのも、バイトを口実に普段は恥ずかしくて着れないかわいい服を着ているに過ぎないのだが。)
……ぁ、はーい…。
(彼に暇な時に来たらと言ったはいいものの、こんな格好を見られると思うとやっぱ言わなきゃ良かったか…なんて考えて頭を抱える。すると、店頭にいた先輩に準備を急かされ、なんとも無愛想に返事をしてしぶしぶ接客へ。
今度はいつ会おう、こっちから誘った方がいいのかな…でもな、なんてそんな事を考えながらあっという間に時間が過ぎていくようだった。)
(自分の言葉に彼女は一つ頷いて去ってしまった。彼女の背中が見えなくなるまでじぃっと彼女を見つめていると、一つため息をつき、いちごみるくを一口飲み干して。甘く、まろやかな味のいちごみるくはいつもおいしい。ベンチから腰を上げ、自宅のアパートへと帰ることに。
──アパートへとつくと、ベットへそのままダイブして、ふぅ、と息を吐く。麗ちゃんは今何してるかなー、と考えていると、薫は無意識にスマホの「 麗ちゃん 」と書かれたメール画面を眺めていて。「あっ、ヤバッ」とスマホをおき、体を起こす。無意識にメール画面眺めてるとかキモいか、と思い返す。)
……はぁー…今すぐ会いたい………あ、あー、これ、
相当重症だなぁ
――――――
ここ、だよね?
(スマホの画面に書いてある住所を確認し、「うん。ここだ。」と頷きながら。現在、花井 薫は昨日会ったばかりの彼女のバイト先へと足を運んでいる。暇な時にでも来れば?といわれたので来てみたが、いくら何でも早すぎか?そう思いつつ、店の前へと立ち、扉を開け、、ようとした。いやこれはさすがに来るの早すぎだし、彼女にはサプライズしたいから、なんて馬鹿な理由で来ること伝えてないし、なんなら今日彼女がバイトの日なのかもわかっていないんだ。どうしよう、と悩みながら薫は扉の前を行ったり来たりとオドオドして。)
(平日は特にやることも無いしバイト三昧。好きな可愛い服を眺めてられるのはいいのだがやはり接客するのは億劫で、毎日のように愛想を良くしろだの笑顔を作れだの先輩方からのお叱りを受けてばかり。できるならとっくにやってるっつーの、と心の中で毒づきながら、緩くパーマを巻いた髪の毛が可笑しくないか、店内で服を畳むついでにちらりと鏡を見てチェックする。
今週はセールを開催していて店員の服装にも気合いを入れなければいけなくて、バイト中はツインにしている髪を巻いたり、白のシアートップスに花柄のベストを着て、レースがあしらわれたロングスカートを履いたりしている。…服単体を見れば可愛らしくて大いに満足なのだが、自分が着ているのは違和感しか感じなくて、髪の毛をチェックし終わるとさっと鏡から視線を外す。
セール中だけあって多くのお客さんが訪れており、中にはカップルらしき人達の姿も。いいなぁ、なんて柄にも無いことを考えていると、客引きのために店頭へ出ようとしていた先輩が「あ、どうぞどうぞー」と甘ったるい接客ボイスで店前にいたらしい客を中へ促す声が聞こえ顔を上げる。
いらっしゃいませ、と声を出そうとしたその時、店に入ってきたのは見覚えのある顔で、思わず、え、と声が漏れた。)
…か、薫……。
トピック検索 |