常連さん 2023-09-17 16:51:56 |
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ええって。
俺の友達やったら、なーんも気にせんと一緒におってくれると思うけどな。ほんなら、今度は周りの奴らも誘ってみるわ。
( 相手はどうやら自分が友人を連れてきても気にしないらしい。いつもつるんでいる連中は見た目こそ派手な奴らが多いが、性格はいいやつばかり。多分そこに彼が加わったとしても何ら気を遣うこともないだろうと提案を。
混み合う食堂の中を進んでいくと、不意に肩を抱かれたことにまた目を丸くして。また公衆の面前で自然とそんなことをして、と頬を赤く染めつつ不満げに相手を見ると。ひとまず空いた場所を見つけて座って。)
あんな…佐倉。さっきも思ってたんやけど、普通の男友達はこういうとき肩抱かんし、再会のハグをしたりもせんで?距離感変。
( 彼からの提案には、少し口角を上げて頷き肯定の意を示す。今朝の講義で少し話をした際も明るく楽しい様子は伝わってきたし、きっと彼の言うとおり優しい友達に違いはないと思ったのだ。
続いて自分も向かい合うように席を確保し腰掛けると、何やら不満そうな発言に最初こそ首を傾げて聞いていたが、全て聞き終えるとフッと小さく笑って頬杖を着いた。)
“普通”の友達ならそうかもな。でも、俺は名取が好きだから、普通とは少し違うかも、な?
まぁでも、どうしても嫌だっていうならもうしないけど。
まぁ、そうなんやけど……。
ほら人前やし?いや、人前じゃなかったらええんかっていうと違うけど……、と、とりあえず!急にやられると心臓に悪い!
( 確かに自分と相手は普通の友だちとは違う。そこはぐうの音もでない。人前だという理由を出してみては、それもなんだか違うし結局のところ、そういう風な触れ合いをしたことがない自分の経験のなさも問題なのかとぐるぐる考えを巡らせ。そのあげく、心臓に悪いだなんて曖昧な言葉を告げて。)
…分かった、気をつける。
( あれこれ言葉を並べる彼の姿が可愛くて、ついつい笑みが溢れてしまう。どうやら拒絶している訳ではないようだと悟ると、本当に分かったのかどうか怪しいが上記を返して肩を竦める。
そして、学食のメニューを手に取ると、見やすいように相手の方へと向けて「 「何にする?」と言葉を添えた。実を言うと学食に入ったのは初めてで、メニューを眺めながらどれを食べるべきか と静かに悩み出す。)
おう、わかったならええねん。
( 相手からの言葉を聞くとうんうんと頷いて。しかしながら自分が男でなければ、こんなイケメンすぐコロッと落ちてしまうのだろうな、なんて改めて彼の顔を見ながら思い。
メニューを見ると、来慣れているのか特に悩む暇なく日替わり定食を選択し。)
俺は日替わり定食。
…もしかしてあんまここ使ったことない?
俺は普段1人でいるから、適当に購買で買って、いつも中庭か共有スペースで食べてる。
( 来たことないのか、という問いには頷いて、未だメニューに目を落としながら続けた。
友達同士などで食べるならば食堂はいい所だが、わざわざ1人で利用するとなるとなんだか気が引けるし、購買で買うだけでも事足りていた。
相手の頼んだ日替わり定食の文字を見ると、「俺も、それ頼んでみようかな」と呟いて。)
そうなんや。
日替わりはおすすめやで?安いし、日替わりでフライ系が変わって飽きひんからな。
( 確かに1人でいればあまり食堂を利用することは少ないかもしれない。自分もそうだが。相手も自分と同じ日替わりをと選択すると、日替わり定食が好きな理由を嬉しそうに話してから注文を。)
確かに、写真だけでも美味しそう。
これから学食に来る時は頼むようにするよ。
( 嬉しそうに話す彼の顔を、再度頬杖をつきながら目を細めて眺めると、適度に相槌を打ちつつ返答を。笑顔で話す彼の姿はやはりキラキラと眩しくて、それでも、まだ知り合ったばかりとはいえ心地良ささえ感じてしまうのは自分でも不思議に感じるところだ。
注文を終え、暫くじーっと相手を見つめ、ふと褐色肌である自分の手元に視線を移すと、徐に話し始め。)
……俺、本当は、派手な服装とか、騒がしいところって苦手なんだ。俺と正反対で、眩しすぎるぐらい明るくて、なかなか目を向けられなくて。
…そうなん?
( 相手の話を聞けば聞くほど、相手の苦手なものは自分に当てはまるものだがと思うも、話しかけているそれを遮ることはせず、相槌を打ち。何かそう思うようになった背景が彼にもあるのだろう。)
だけど、なんて言うか…、名取も、眩しいけど、でも、それ以上にとっても綺麗で。
俺、一目惚れも、好きな人が出来たのも、好きな人が友達になってくれたのも初めてだから…きっと色々間違えると思う。
ただ…
( 自分の言いたいことをどう上手く説明していいのか分からず、しどろもどろになりながらも何とか言葉を繋いでいく。
彼のようなタイプは苦手、でも、彼の事は好きで、だけどその“好き”も産まれたばかり故に、自分でも育て方が分からない。何もかもが手探りで、おまけに、先程のハグといい…自分はこの感情において遠慮があまり効かないらしい。
右手で自身の首筋を擦りながら、尚も言葉を選びつつ続けるが、結局のところは話がまとまらず、締まり悪くも首を傾げたまま疑問文で括ることとなり。)
やっぱり、名取が1番好きで、これだけは嘘じゃないし、隠すつもりも無い。……から、覚悟して、ほしい、?
あー!もう、ようそんな恥ずかしいこと言えるな…!
…俺さ、今迄そんな風に言ってもらったこともあらへんし、恋愛とか正直あんま分からへんけど…、佐倉の気持ちは分かった。やけど、ほんまに慣れんからそこそこにしてほしい…。
( 相手の続く言葉を聞き、またみるみる内に恥ずかしさが募り頬を赤くして。自分の今の気持ちを正直に相手にもう一度伝え、言葉をまた探して紡ぎ。無理なのかもしれないが容赦して欲しいと目線を逸らして伝えて。 )
( てっきり、自分のチグハグな発言を笑われるかと思っていたが、意外にもしっかり返事をくれる彼が可愛くて仕方がなかった。おまけに、彼は何度も恋愛を経験しているものだと思っていたし、目線を逸らしながら赤面するその頬に手を伸ばしそうにはなったが、先程の約束もある為そこはぐっと堪え。
しかし、これほどまでに好きなのにその気持ちを表さずにほどほどにしまい込む等、自分はそこまで器用ではないし、清々しいほど正直に、そして何だか楽しそうにしながらこう返した。)
無理。
急に触れるのは気を付けるけど、ほどほどにするのは、無理。
名取が可愛いから。
か、かわいいって…言われても嬉しくあらへんし。
( 「かわいい」だなんて男の自分が言われてもちっとも嬉しくないはずなのに、胸が高鳴っている自分がいて。気まずそうに未だ視線を泳がせていると、運良く頼んだ定食が2つ届き。それを見て、「た、食べよか」と手を合わせていただきますの挨拶を。)
……ん、うまい。
( なんだか気まづそうに視線を泳がせる姿に、また困らせてしまっただろうかと思いつつも小さく笑って。
定食が運ばれてくると、相手の言葉に続いて自分も手を合わせ、さっそく箸を動かして口へと運ぶ。
夕飯などは自ら作ることも多いが、先程も言ったように昼食は購買で買ってばかりなので、出来たての定食を食べるというのも久しく、その美味しさが身に染みる。
その美味しさに僅かながらも目を輝かせながら、どんどんと箸が進んでいく。)
やろ!
んー、うまいなぁ。ここの学食、この定食以外もほんまに美味しいんやで。
( 先程の気まずさから視線を泳がせていたが、彼が定食を食べた感想を口にすると、こちらも目を輝かせ嬉しそうに笑い。自分もだんだんと食べ進めていきながら満足そうな声を時折漏らして。)
へぇ…種類もたくさんあって、確かに毎日来ても飽きなさそうだな。
( 相手の言葉に頷きながら、再度テーブルの端に片付けられたメニュー表にちらりと目を向ける。日替わりだけでも飽き知らずだが、メニューも豊富でみんながよく利用しているのも納得だ。
暫くして最後の一口を終えた頃、携帯の振動に気付き画面を開くと、バイト先の先輩からシフト変更の打診メッセージが。
素早く指を動かして返信を送ると、そういえば、と相手に質問をした。)
……名取はバイトとかしてんの?
してるで。
今は引越しとアパレルショップのバイト掛け持ちしててな。もう一個くらい余裕できたら増やしてもええかな思てるんやけど、さすがに遊ぶ時間なくなってまうし。佐倉は?
( 学食のメニューを眺める相手を見て、今日紹介できてよかったと笑って。ふと相手がスマホを眺めたのを皮切りにバイトの話題が出てくると頷いて答える。自分は服屋と最近始めた引越しの2つを掛け持ちしており、週でいえば6日ほどバイトに埋めつくされている。相手はどうだろうと聞き返し。)
…掛け持ちまでしてるのか、えらいな。
俺はレストランでバイトしてるけど、シフトはそんなに多くない。色々補助金も貰ってるから、勉強もしっかりやらないといけなくて。
( 相手のバイト事情を聞けば、その多忙さに驚きつつ返答を。それに比べれば週3程度で働いている自分は小遣い稼ぎ程にしかならない。しかし、元々がシングルの家庭でもある為、大学へ進学するために様々な補助を使っている。勉学にあてた時間や成績もきっちりと補助対象の欄に記載しなければならず、そこはちゃんと守っているらしい。)
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