匿名さん 2023-08-11 23:24:56 |
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( 思い通りに事が進んだ状況をお気に召したのか微かに笑い声が聞こえると、萎縮させた身体はその侭にちらりと主人の顔を一瞥する。率直な褒め言葉と共にばちりと視線が交錯すると、反射的に態とらしい程に直ぐさま目を逸らし。可愛い、その言葉はどう考えても自身には似合わない表現だろうとバツが悪そうに無言を保つが、恐らく愛玩動物に抱く可愛いと同義だと勝手に解釈し。尚も注がれる視線は段々と気恥ずかしさを湧き起こし、それに拍車をかけるような発言をされては顔を真正面に向けた侭やんわりと窘めて。 )
…お戯れを。桜の花弁を見ていた方が何倍も良いと思いますが。従獣など見ていても、何も面白くないですよ。
はっ、素直じゃねぇな。
そんなとこも、可愛いんだけど。
( やはり、予想通りの反応にくすくすとまた面白そうに笑みを漏らす。ふと、着流しの中に隠し持っていた菓子があったと小さなそれを取り出せば相手に見せて。どちらも同じ味の砂糖を固めた甘い菓子、落雁と呼ばれるものなのだが、見た目は違っており蓮の花の形と桜の花の形に丁寧に作られている。桜の花の方を彼女へと渡せば、「言っとくけどこれ食うのも命令だからな」と付け加え、素直に貰わなさそうな彼女に先手を打ち。「花見には食い物がねぇとな」と愉しげに笑って。なんなら酒も持ってくればよかったかと、考えると今日の夜にでも酒盛りをするかと思案し。 )
っ、…いただきます。
( 主人の減らず口にはもう慣れたもので、尚も続いた可愛いという単語には耳を傾けずに流して。定まらない視線は花弁に注がれていたが、唐突に菓子を差し出されると其方を向いて琥珀色の双眸をぱちりと瞬かせる。意匠の美しいこの菓子は、確か落雁という名だったか。肩を並べて食べ物を含むなどこれも従獣らしからぬ行為、受け取りさえしても衣服に忍ばせて置こうと考えていた矢先、再び命令という名目で食べることを勧められ。堪忍したように恐る恐る細い指先で菓子を摘むと、一言添えてからゆっくりと口に含み。淡い甘味がじわりと口内に広がり、僅かに瞳を煌めかせては素直に感想を零し。中々食べる機会のない菓子は、どうやら彼女の心を掴んだらしい。 )
…美味しい。
よかった。俺は甘いのそんな得意じゃねえから。
玉翠、かえったら茶でも入れてくれ。これは甘すぎた。
( 強引に渡したが、どうやら気に入ってくれたらしい。煌めいた琥珀色の瞳を逃すことはせず、今度はもう少し持ってきてやろうと心に決めながら自分も口の中へ落雁をひとつ放り込む。想像以上の甘さに、若干眉間に皺を寄せるも案外すっと溶けていくそれにはすぐ慣れて。確かにこれは女が好きだというのも納得がいく。しかしやはり自分には甘すぎたと思うと、帰ったら茶でも入れてもらおうと彼女に頼み。)
( 口の中では甘味の余韻が消えることなく、大きな尾は喜びを示すかのように揺らりと動き。しかし主たる彼には少し甘過ぎたのか、顰められた表情がそれを如実に表していて。端的に頼み事を任されると、ふ、と微かに口元を綻ばせ「畏まりました。」と短く返答を。初めて彼に仕え始めた頃はお茶も満足に淹れられなかったが、今では慣れたものだと昔日に思いを馳せる。自身で淹れたお茶は特段美味しいとは感じていないが、主人は如何であろうか。そんなことが不意に気になると、ぽつりと小さい声量で疑問を投げ掛けて。 )
劉景様は、私の淹れたお茶を美味しいと感じますか?
ん?
まぁ、味は普通だろう。俺が味にこだわらない人間なのは知ってるだろ?…だけど、俺はお前の入れる茶が1番好きだ。
( ふと、彼女からの質問には不思議そうな顔をして。それこそ、自分についたばかりの頃は茶を入れるどころか、こんなに穏やかに会話をする余裕すらなく。そう思えば、茶も普通に入れられるようになったことには成長を感じるが、美味い、というよりかは彼女が自分のために入れるそれに価値があり。味は正直どうでもいい。元々、料理などの味にはそこまでこだわらない方だし、茶の美味い不味いもあまりわからない。彼女へ正直に話すと共に穏やかな笑みを浮かべて、距離はあるが彼女の表情をじっと見つめてそう言い。)
そう、ですか。
( 突発的に質問したはいいものの、若し不味い等と辛辣な意見を投げ掛けられたら如何しようか、そう心配げに彼の様子を窺っていたが、返って来たのは何とも主人らしい回答。味はともあれ、そう言ってくれたら従獣冥利に尽きるというもの。彼の性格を表している様な優しい言葉の数々に、胸中が温かく充たされていくのを感じ。合わさっていた視線をふいと下に逸らし、素っ気ない返しをしてはいるものの、尻尾は左右に揺れ動き嬉しさを表現していて。 )
と、いうわけで。
俺のお気に入りの茶でも飲みに行くとするか。
( 返事はいかにも彼女らしいものであったが、その表情と左右に揺れる尻尾を見てこれまた小さく笑みを漏らす。本当に見ていて飽きないな、と微笑ましく思うと同時に勢いよく立ち上がれば。今一度あの窮屈な部屋に戻り彼女の入れる茶を楽しもうと、相手に視線を送り部屋へ戻ることを伝えて。束の間の休息時間ではあったが、彼女のお陰で少し荒れた心も休まったように感じる。)
(/はじまってまだ僅かですが、今後の展開について御相談したく思います!せっかくなので、2人の距離が縮まる事件などを起こしたいと思っているのですが。例えば、
①玉翠ちゃんに何者かが媚薬の香をしこむ→辛そうな玉翠を看病する( 手はできるだけ出さない方向で← )
②兄弟の従獣によって劉景が囚われる→玉翠が助ける
など思いついたのですが、他になにか案があれば!! )
…疲れがとれるような物にしましょうか。
( 短い休息に終わりが訪れたようで、途端に立ち上がった主人に倣うように腰を上げ。本当はもっと長い休みを欲しているに違いないが、中々そうも行かないのが皇族というもの。従獣の自身は主人ありきの存在であり、主人の力になれるなら何を擲っても良い。そう再認識しては、彼の疲労が僅かにでも癒されることを願って茶葉の配合を変えようという趣旨の提案を一つ。口元は緩く弧を描き、その表情は主人を労るもので。 )
( /そうですね、こちらが思いついたのは、先程劉景さんが考えていたように夜にお酒を飲むとのことだったので、①劉景さんが余りに飲みすぎて珍しく酔う、もしくは誤って玉翠が酒を飲んでしまい慣れていない為酔ってしまう、といったものとか…!いずれにせよスキンシップが多少増えるかな、という想定です。また違ったものですと、また違う日にはなりますが②夜中主人の部屋の近くで怪しい人影を見つけ、その夜は主人の自室で護衛も兼ねて一夜を共にする。など…主様が上げてくださった①②も素敵ですので、全て順を追ってやっていければと思います。 )
お、いいな。そうしてくれ。
─あ、そうだ。玉翠。今日の夜、花見をしながら酒でも飲もうと思うんだが、付き合ってくれないか。
( 自室に戻ると自分の椅子に腰を下ろして一息。彼女の提案には中々気が利く、さすが俺の従獣だといわんばかりに満足気な氷上で頷き。茶葉を選ぶところから茶を入れるところまでの一挙一動をじっと眺める。これが全て自分のためにしてくれていることだと思うと嬉しくて頬が緩んでしまう。ふと先程考えていたことを相手に伝えれば、護衛も兼ねて自分の相手をして欲しいと頼み。こんなに従獣を振り回しているのはきっと自分だけかもしれない。しかし一時でも彼女と共にありたいと思うのは仕方がないことで。)
(/ご意見ありがとうございます!では、まずはお酒のくだりからやりましょう。玉翠ちゃんにお酒間違えて飲ませてしまってもいいでしょうか……!!←)
──本来であれば駄目だと言いたいところですが…分かりました。
( 室内へと戻り、様々な種類のある茶葉から疲労回復に効果のありそうなものを見繕っていると、横から不意に提案が。顔を其方へ向けてはやや眉を顰め、暫しの間逡巡のために黙り込む。これもまた従獣という身分で一緒に酒を飲んでもいいものか、という悩みゆえではあるが、護衛も兼ねていれば別段問題ないだろうと渋々了承し。彼が酒好きであることは仕え始めた頃から理解していたし、激務の中で数少ない娯楽なのだろう。とは言え傍にいる以上翌日に響く程飲ませる訳にもいかず、目を細めてじとりと睨むと今の内に注意を。 )
ですが、飲みすぎてはいけませんよ。二日酔いなどされては困ります。
( /畏まりました。全然構いません…!お酒の力でいつもよりは素直になると思います!笑 )
わかってる。
これで今からの仕事も頑張れそうだ。
( 相手に渋々ではあるが了承をしてもらうと、まるで子どものように嬉々とした表情を浮かべ。更に飲み過ぎないようにと、言われると分かってるとは言いつつも、自分は酒は強いからそう簡単に潰れたり、二日酔いになったりしないと内心高を括って。兎にも角にも、彼女の入れる茶と、夜の約束があれば今からの仕事にも力が入るというものだ。一度ぐっと両腕を上げ伸びをすると、机の上に溜まっている書き物を一瞥し。 )
(/楽しみです!次あたりで夜までとばそうとおもいます。では宜しくお願いします!)
( 自身が了承した途端に綻んでいく顔は、まるで幼子そのもの。二十後半に差し掛かっている顔立ちは精悍そのものだが、こういったふとした表情は稚い。機嫌良く執務に取り組み始めるであろう主人の顔を穏やかに見遣れば、丁度淹れ終わった茶を静かに机の端に置き。仕事に取り掛かるのであれば、自分は入口に佇んでいるより自室に戻った方が彼も集中出来るだろう。一度深深とお辞儀をすれば、一言添えて入口の外へと。)
では、私はこれで失礼致します。
( /了解致しました。宜しくお願い致します…! )
玉翠、また後でな。
( 机の上に置かれた茶を見て一言礼を伝える。いつもと違う茶葉の香りは不思議と心を落ち着かせ、一口それを口に含めばお茶特有のほのかな苦味、そしてすっとする後味が気に入った。恐らく仕事を始めた自分の邪魔をしてはならないと気を遣ったのであろう彼女が外へと出ていく様子を見て、去り際にひらひらと手を振り一言。それからはすっかり仕事に集中し、なんとか本日分のノルマをクリアすることができた。)
───
( 夕餉を終え、入浴を済ませた。着流しに羽織りといつものいで立ちと何ら変わりはないが、風呂上がりということもあり髪はまだ乾いておらず、それを結ばないままに夜風にあてる。昼間に訪れた中庭の長椅子の近くに小さなテーブルをひとつ用意させた。あとは従者に酒と簡単な摘みを運んでもらえば、小さな宴会場の完成だ。従者に下がるよう合図をし、居なくなったのを見計らって彼女に話しかける。)
そんじゃ、飲むか。
( すっかり夜も更け、宵闇に浮かぶ月は花を美しく照らしている。頬を撫ぜる夜風は心地好く、眼前で用意されていく小さな宴会場を時折手伝いながらも見つめていると、大して時間も掛からずに準備が整い。自身も食事と入浴は済ませているが、どうやら主人もそうらしい。しとどに濡れた髪が風邪を誘発しそうで気になるが、従者が下がったのを皮切りに宴の開始を告げられ。その場を共にはするが酒を嗜むことはなく、愉快そうに飲む姿が見られたらそれで充分である。小さなテーブルの傍らに姿勢良く立った侭、酒が入っているであろう瓶たちを横目に見て。 )
私はお酒は嗜まないので、劉景様はお好きな様に飲んで下さい。
おいおい、俺は付き合えって言ったろ?
そんなんじゃこれに酒も注げないじゃねぇか。ほら、横座れ。そんで早くいれてくれ。
( 従者がいなくなったというのに従獣としての姿勢を崩さずたっている様子を見て、流石というべきかなんというか肩を竦めれば、それじゃ酒の付き合いとは言えないと頬杖をついて。空のグラスを彼女に差し出せば、まさか自分で注いで飲めということか?と言わんばかりに不満げな視線を向けて。勿論酒を相手に強要することはしない。自分も相手も仕事があるし、ましてやこれまで酒を飲むところを見たことがないからもしかしたら酒に耐性がないかもしれない。)
酒じゃない飲み物も用意させたから、せっかくだしそれ飲めよ。
…仕方ありませんね。
( 不服そうに空の盃を差し出す様子と、酒以外にもあるとの情報に根負けしたように小さな溜息を一つ。緩慢に受け取りながら彼の一番手前にある瓶を開け、透明な液体をそこにゆっくりと注いで。昼間よりも若干近い距離に腰を下ろせば、どうぞ、と一声添えて彼に盃を手渡す。そして自分自身も先程言われた様に酒ではないものを拝借しようと数多の瓶をぐるりと見渡し。知識のない己には一体どれが酒でどれが酒ではないのか、皆目検討もつかない。首を傾げ横にいる主人に率直に尋ね。 )
どれが酒ではない飲み物でしょうか?
…、多分これだったか?
( 昼間とは違い大人しく隣に腰をかけた相手には、それでいいと頷き。盃に注がれた酒を眺め、いい花見だと口元に笑みを浮かべたところで、酒じゃないものについて聞かれると、自信がなく。自分の手前にある見たことの無い銘柄の瓶を指させば、まあこれで違っていても1口2口では差程酔うこともないだろうと思い。自らその瓶をとり、蓋を開けると相手の分の盃にそれを強引に注いで、瓶を置き盃を相手へ差し出せば、「乾杯」とひと言。)
( 主人が指し示した瓶を見遣れば、よもや間違う事はないだろうと大人しく其れに手を伸ばす。然し彼が既に持ってしまえば、如何やら注いでくれるようだとぴたりと動きを止め、端的な言葉と共に差し出されたそれを軽く会釈をして受け取り。盃の中で波々と揺れる馨しい液体を幾秒か見詰めたあと、「…頂きます」そう一言零して口元に含み。液体の色から何の飲み物か分からなかったが、口当たりは果実のような瑞々しいもの。それが果実酒だということに、度数の低さゆえに気付くことなく舌先で甘味を味わいつつ嚥下し。恐らく数分後、顔が赤くなってくるだろう事に今は未だ気付かず、 折角の宴なのだからと主人に会話を投げ掛け。 )
劉景様がお酒に強いのは知っていますが、何本くらい飲めるのですか?
そうだな…、かなり強いから、今ここに並べてある瓶ぐらいじゃ倒れたりはしねぇかな。玉翠は、酒は飲んだこと全くないのか?
( どうやら僅かに香る瓶からの香りに、果実をしぼって作った飲み物の類だと思えば、それなら飲みやすいだろうと安心し。自分も盃の酒をぐいっと一気に呷る。いつも飲んでいる酒だが、今日の酒は一段と美味い。ふと問われた彼女からの質問には、きょとんとした表情で、どうだったかなと過去を振り返る。目の前のテーブルに並ぶ5本の瓶を全て空けても自分は大丈夫だろうと顎に手を当てて答え、そういえば相手はどうなのだろうかと逆に問い返し。)
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