匿名さん 2023-04-01 20:23:56 |
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さすが、ここにくれば酒には困らないな。
俺はシャンパンの気分だ。リスは?
( 屈託なく笑う彼の笑顔は好きだ。自分より2歳ほど年上にも関わらず、そんなことをまるで感じさせないし、だからこそこうやって気を許した付き合いができる。さすが酒を普段から嗜む彼の酒のストックは充実しており、あげられた種類の中からシャンパンを選択すると此方も思わず口角があがり。普段彼ほどまで酒を飲む習慣はないが、弱いというわけでもない。ただ彼のようにどれだけ酒を煽っても要素ぶりを見せないわけでもないのだが。彼はどの酒を選択するのか気になり尋ねてみて。)
はは、酒がないと毎日の刺激も減るし、ちょいと心が寂しくなる。
折角だから俺も同じやつにしよう。…で、2杯目はウィスキーのソーダ割り。夜は長いが、まあ付き合ってくれよ。
(滅多に見かけることのない、油断するとその魅力に吸い込まれてしまうような相手の表情を目にして、一瞬胸の内に高揚感を覚えた気がした。いや紛れもなく俺はアレクの微笑に見惚れていた、この時はまだ自覚していなかったが。
普段は紳士らしくクールに立ち振る舞おうと自制しているつもりでも相方の前では良い意味で力が抜けて、年甲斐もなくはしゃいでしまう。我ながら子供じみているなと思って苦笑いを浮かべつつ、フリッジから冷え切った瓶を1本、そして2つのシャンパングラスを取り出してテーブルの真ん中へ置いてやった。)
おいおい、俺はお前みたいな酒豪じゃないからな。
酔い潰れたら介抱してくれよ?
( 上機嫌な様子の相手に何だか子供を見るような目を向け。中央に置かれたグラス。冷えたシャンパンの蓋が軽い音を立てて開くとグラスに注がれる。注いだ下から金色の泡が立ち上がり、それをじっと眺めて。シャンパンの次の予約までされてしまえば、そこまで自分が酒に負けずにいられるか保証はできないが、酔い潰れたら彼に助けてもらうとしよう。そっとグラスを持ち上げると彼の方へ向けて。)
ふ。半分冗談だ。こっちは好きで飲んでるだけだから俺に合わせないで。無理は禁物だからな。
……ああ、いざという時は助けてやるさ。
(続けてグラスにシャンパンを注ぎながら相手と語らう。こうして訪れる穏やかな夜の間は、日々の煩忙から逃れるのを許してくれそうで。これまで洒落たバーや乱雑した酒場、あらゆる場所で酒を嗜み、もちろん酔っ払いの介抱はされるよりもする方を多く経験してきた。此方の身にとっては相手の要望などお安い御用で、一層のこと、いつもより艶やかなアレクを見てみたいとさえ思った。これはいけないと情けない邪念を頭の中で打ち払ってニヤリと悪戯な笑みを浮かべたら、グラスを近づけて任務遂行のお祝いと今後の幸運を想って乾杯をする。グラスを軽く合わせれば、妖精が戸を叩くような音は余韻を残した後に消えた。)
ま、たまには誰かに合わせて飲んでみる日があってもいいんだよ。
そういや、リスは酒で失敗した経験はないのか?
( 彼の悪戯げな笑みに思わず鼓動が速くなるのを感じ、その理由も何もかも分かってはいるが気付かないふりをして、グラスが重なる音の余韻を最後まで聞くと満足気にグラスに口を付けて。思っていたよりもフルーティな香りと、炭酸の爽やかさが相俟ってごくごくと飲めそうだ。自分なんかはこんなペースで飲んだら確実に次の日二日酔い決定だと思いながら、そういえば彼は酒の失敗なんてあるのだろうかと疑問に思う。いくらなんでも酒が強いとはいえ失敗の一つや二つくらいはあるのではないだろうか、なんて興味本位で尋ねてみて。 )
そうだなぁ、酒場でロシア人と飲んだ時は……流石に身に堪えた。全く、顔が薄赤い奴と張り合いをするんじゃねえな。何たって昼間っから飲んでやがる。俺が先に根を上げたから、相手の分まで支払う羽目になった。
色々とあったが、こうしてゆったりと飲む方が性に合っていい。
(シャンパンの入ったグラスを傾けてはゆらゆらと回し、相手から失敗談はあるかと尋ねられてふと天井を仰いで回想する。そして丁度思い出したのは、潜伏先のロシアやアイルランドで酔い潰れたことで苦笑するほか無かった。いわゆる若気の至りというやつで、ウォッカといった度数の高い酒を飲んで記録を競い合うという、実に無謀なチャレンジだった。その後の二日酔いは必然で、薬に頼ってまで頭痛や吐き気を抑える必要があり、今後はそのような飲み方は二度とやらんと心に誓ったものだ。話しているうちにこちらは二杯目が飲み終わって、お酒が回りほろ酔い気分の所で相手の顔をじっと見つめており。)
…上には上がいるということだな。
酒が強いならではの失敗体験と言ったとこか。
俺には無理だ。
( 彼の失敗体験には思わずクスクスと笑いながら、酒飲みにも上には上がいるもんだと思えば、自分には到底無理な話だと少し尊敬の念が含まれた声色で返し。彼よりはペースも遅めだが、自分も2杯目途中辺りで体の熱を放出するために首元のボタンを数個外していると目が合う。あまりにじっと見られているものだから、何かあったのだろうかと思うものの、その少し酔った彼の視線が妙に色っぽくて変な気分になる。「どうした?」と一応尋ねてみると。)
別に凄くも何とも無いぞ。無茶をした大人の失敗談だ。
……あ、その。アレクがカッコいいなと思って。そんなの普段から思ってるけど。
(同性である自分にとっても魅力的であるボタンを外す仕草。普段なら決して見ることのない首元、鎖骨辺りの肌が今にも見えそうで、酒の効用と顔立ちの良さも相まって、こちらには相手の表情や所作が余計妖艶に映り。どうやら向こうが気づいてしまう程不自然に視線を向けていたらしく、信頼や尊敬とはまた別の感情を改めて自覚したことで後ろめたさを覚え、明快な笑みを浮かべながら言い訳を述べる反面、挙動はしどろもどろになっていて。)
…!急にどうした?まさかもう酔いでも回ってるのか?
俺なんかより…リスの方がかっこいいと思うけどな。
( 彼からのストレートな感想を受ければ目を丸くして。好意を寄せている相手からかっこいいだなんて褒められて嬉しくないはずがない。思わず冷静な表情も崩れ、僅かに頬を赤くすると、自分よりペースの早い分酔いも回ったのだろうかと少し心配そうに尋ねて。それと同時に自分よりも彼の方がかっこいいにきまっている、とつぶやくような声でそう言い。ちらっと彼の反応を伺う。)
本当に?嬉しいよ、だがお前の方こそもう少し自信を持てって。
俺は平気さ。この位まだいける。むしろそっちが心配だなぁ、顔が赤いから……もしかして好きな人のことでも考えてたりした?
(アレクの方を見遣るとクールな相手にしては珍しく、少しだけ顔を紅潮させているようで可愛い、という感想がまず思い浮かぶ。それから酔いが回ったのかと問われ首をゆっくりと横に振って。普段なら酔って良い気分になった所で酒場の男女を捕まえてそのまま家へ送り…といった手口を使うが、目の前の相手は恋人でも何でもなく、あくまで仕事上のパートナーだと己に言い聞かせて冷静になろうとする。でも密かに想っている人からかっこいいと言われ、素直に嬉しかった。隠しきれなかった好意の裏返しか相手からすれば身も蓋もないであろうジョークを口走り。)
これは…、あついだけだ。なんともない。
好きな人、か。まぁ…いるにはいるが。誰だと思う?
( 顔が赤いことについて触れられると、自分もまだ酔いが回っている訳では無いと首を振り。少し冷静さを取り戻したところで相手の追い打ちをかけるジョーク。口をつけようとしていたグラスが一瞬止まるが、そのまま口をつけて残りの酒を流し込む。言われれば図星というやつで、このまま言い負けるのも悔しく潔く好きな人、の存在を口にすると頬杖をつき、じっと彼の表情を見つめて。こんな視線を彼へ向けてしまえば、恐らく男女問わず関係を持つことがある彼ならば自分の気持ちに気付いてしまうかもしれない。酔いが少し回り、僅かに濡れた瞳で彼を捉えて。)
ふーん、誰だろう。……待て、そんな顔するのは反則だろ。まあ、この際はっきり言うか。
(相手の瞳を捉え、彼らしからぬ表情に恍惚し瞬きする。その問いかけには茶目っ気の含んだ笑みを浮かべながらやや強気に返答し表面上は余裕ある態度を見せつけた反面、本人の心中は穏やかでなく。しかし何処ぞの馬の骨に俺が出し抜かれてたまるかと対抗心が込み上げて来たようで。他に好きな人がおり振られる場合を恐れず接近して一呼吸置き、目線が合うように相手の顎へ手のひらを添えてから口説き始め。)
実はさ、お前に惚れているんだ。仕事ができてクールな所とたまに見せてくれる笑顔が、堪らないほどかわいくて。
へぇ…、それは奇遇だな。
俺の好きな奴って、お前だよ。
俺もリスに惚れてる。俺とタイプは違うけど、気も合うし、俺もリスの笑う顔が好きだ。
( 自分に近付いたと思えば、顎に添えられた手。彼の端正な顔が目の前に迫り、直球に伝えられる言葉に表情は変えずとも、嬉しさから僅かに緩む唇。お互いに想いを伝え合うだなんて、なんだか気恥しいがここで逃げてはいけないし、逃げられる気もしない。彼の瞳を捉えると、自分の思いを告げては此方も彼の頬へとそっと手を添えて。自分の恋人になったからには、他に目が向かないくらいに自分に夢中にさせてやるという思いと、遠回しに他に恋人をつくろうものならどうなるか分かっているなという忠告も含めそう伝え。 )
言っとくが、俺は案外嫉妬深いんでね。俺の恋人になったら大変だぜ?
その言葉が聞けて嬉しいよ。誰にも渡したくないって思っていたから。どうしようもない位に愛してる。
へぇ、それはそれは……分かった。夜遊びも程々にするって約束するさ。いや、しません。
(相手から実に真っ直ぐな本心の言葉を聞けて喜びの余り胸の高鳴りを覚え、両眼を眩い宝石のように輝かせながら恥ずかしそうに笑った。相手が告白を受け入れてくれる自信は無かったと言えば嘘になる。長年隣で過ごしてきて積み重なった想いの強さは他の誰にも負けない、そう確信していたからだ。腕を相手の背中に回して堅く抱擁し、再度見つめ直すと耳に届いたその発言は、甘くも鋭く危険な香りが入り交じった愛の囁きのように聞こえた。困り果てたように眉を寄せながら苦笑いし、まるで騎士が忠誠を誓うように手の甲へキスを落とし。)
…俺も、愛してる。
( 忠誠を誓う自分だけの騎士に光悦した眼差しを向けると、己の手に添えられた彼の手をくいっと自分の方へ引き寄せ。彼の顔が近くにあることを確認すると、すこし意地悪い笑みを浮かべ「誓のキスなら、手の甲よりこっちがいい」と、次の瞬間には彼の唇に自分のそれを重ね合わせて。少ししてから離れると満足気に笑って。)
ふっ……分かったよ、足りないのならもっとキスしてやる。
(初めて見る表情を前に鼓動がとくとくと早くなり胸騒ぎを覚えて、自分は相手に心奪われていることをようやく認めた。その柔らかな唇の感触に心が充足されていくのを身に沁みて実感し、お返しには深愛の意味合いを含んだキスを相方へ送り、困らせてやりたいと悪戯心が芽生えたからか続けて舌でゆっくりと口腔内をなぞっており。)
…っは、ン。
( 彼から受ける口付けに背筋にゾワゾワとしたものが走る感覚を覚え、いつのまにやら口内まで侵入した彼の舌がゆっくりと、しかしながらじっくりと自分の口内をなぞらえて行く感触がなんとも言えない。されてばかりが性にあわないのはお互い様なのはよく分かっている。彼の舌を自分の舌で絡め取り、時おり苦しげに息を漏らしながら更に深く口付けて。きっとこんな口付けも相手にとっては慣れた行為なのかもしれないが、彼程経験のない自分には些か刺激が強すぎるようで、口付けの合間合間に息つぎをし、酒と熱とに浮かされた表情を彼に向け。)
(予想通り音を上げずに対抗してきた相手。その面構えは思わず息が詰まってしまうほど扇状的で、本人の丸い両眼はさらに見開かれていた。酒の効力は普段の緊張感を解すだけではなく、想像以上に侮れなかった。口内へ長い舌が迫って来て体中に電流が走るような感覚を憶える。俺らはこちらの方面でも相性が良かったのか、と。対してフレンチキスなぞは得意分野で相手のその不慣れな所も愛らしいと思う位の余裕は持ち合わせていた。そろそろ息苦しくなってきたのでお終いに、唇を噛むような口付けをする。ゆっくりと唾液が蜘蛛の糸のようになるのを見送ってから──そっと離し、頬を指先で撫でつつ陰のある笑みを向けながら呟いて。)
おいおい、何時にも増して良い顔してるじゃないか。
月並みな言葉だが……もっと、好きになってしまうよ?
…当たり前だろ?俺に溺れて貰わないと困る。
俺はお前に心底惚れてるんだから。
( 息苦しさのその反対で唇が離れてしまうのが惜しいとさえ思ってしまった。少し息が上がった状態で、彼の言葉を耳に入れると自分の頬に宛てがわれた彼の指先をそっと片方の手で自分の唇へと誘導し、短い口付けを。彼がどれくらい自分のことを好きなのかはまだ分からないが、自分は心底彼に惚れ込んでいる。自分と同じ所まで落ちてきてもらわないと。口元に笑みを浮かべて。)
へえ、その自信家な所もそそられるな。もう手遅れなくらいにお前に夢中になってる、かもな。
溺れてくれないと困るのなら、俺はどうすればいーい…?
(不意をついた啄むような口づけで息が溢れ、冷たく滑らかな肌を指先でなぞり側にいる喜びを噛みしめた。普段冷静沈着な彼がこれ程までに自分のことを想い熱情を注いでいたのだと思うと素直に嬉しくて、愛しさの余り少々揶揄いたくなったのか低い声で耳元へと囁き反応を窺っており。)
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