匿名さん 2023-03-08 21:19:11 |
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俺たちに足りないのは人脈でしょう。……社交界という選択肢もあるにはあるんでしょうが、俺の生い立ちでは困難の方が勝りそうですね。
( いつか想像していたものよりもずっと俗っぽく世知辛い聖なるものの裏側に、思わずといった風に苦笑が漏れる。停滞は退化に等しい。次なる一手が必要であることは十分に理解していても、そのための手段の提示にはあまり意欲的でないのは、実のところ己の願望の成就にさほど効率性を求めていないからかもしれなかった。聡い貴方にはとうに気づかれていることだろう。反響する足音はどこか示唆的だ。貴方のペースに己の歩みを合わせるのはもはや習慣といってよいが、互いの目的を達成するための道程では、何かの拍子にその足並みが狂うことも何ら珍しくはない。廊下の最奥のドアを引くと、ごく自然な動作で貴方の通過を促した )
1人捕まえれば後は勝手に輪が広がると思うのですが。
(こんな怪しい奇跡に縋る程困っていてかつ周りに教えたがりのお人好し、そしてある程度の権力者、少し前から人や金を使ってそんな1人を探させているのだけれど、そう都合の良い疑似餌が簡単に見つかるはずもなく。この事は彼には言っていない、全てが運命の導きかのように偶然物事が進む方が話はきっと美しい、扉をくぐって椅子に腰掛けて彼を見上げ。「あとは戦争か虐殺でも起こすのが手っ取り早いでしょうね、」彼が望むなら、勿論彼が簡単に望む筈もなくそれ故に彼の神性は眩く輝くのであるが、目を細めて呟く様は人々が揶揄する通り悪魔に見えるのだろうか
……先生は時々、本当に意地悪なことを言うんだから。戦争が起こっても、救いを求めてくるのはこれ以上奪いようもなく何も持たない人たちばかりですよ。
( 見てきたものが違うのなら、今見えているものが違うのも仕方ないのだろうか。貴方の呟きに、心の中のまだ熟れきっていない部分が僅かに揺れたものの、その後に苦笑と共に紡がれるのは殊更に利益勘定を説くようなものだった。貴方に理由のない慕わしさを感じてはいるけれど、感情を言葉にのせて交流するような段階にはきっとまだ至っていない。その点、理性に則った言葉は、互いの共通言語のようなものだった。そのまま慎ましやかなキッチンに立つと、壁にかけてあったエプロンを身に付けながら )
さて、悪だくみもいいですがそろそろ腹ごしらえといきましょうか。今日はご希望を伺いますよ。
…前のトマトのスープがいいな。
(信徒の1人が寄付金の代わりにと持ってきた野菜が少し残っていただろうからと、以前彼が作ってくれた料理を挙げて。陽はすっかり沈んで遠くに鳥の鳴き声が聞こえるだけで随分静か、おままごとのような2人の生活、このまま目的を忘れて隠遁生活を送るのもきっと幸せだろうとも思うが心の中に奥深く植え付けられたどす黒い感情がそれを許さないせいで。そして“いじわるなこと”、ただ母親が優しく窘めるような口調で自身の過激で挑発的な台詞をただ流した彼はやはり全てを赦してくれる神様みたいだと改めて再確認できたことに、頬杖をついたまま薄く微笑んで
ああ、いいですね。今日みたいに冷え込みの厳しい夜にはぴったりですよ。
( 軍隊仕込みの己の料理は、状況に応じて悉くが変化するために、実のところ同じものを何度も作るという状況には不向きだった。しかしながら今回の場合は比較的マシだ。有り合わせの材料を適当にぶち込むことに変わりはないが、トマトをベースに少しばかり香辛料を効かせたその味わいだけはそれなりに特徴的で揺らぐことがない。大雑把ながら手際の良い様子は、二人だけの部屋に響く軽快な音に象徴されるだろうか。芸もなくどれもこれも同じように切り刻まれた野菜や肉が、火にかけられた鉄鍋へどんどんと放り込まれてゆく。穏やかな営みに自然と緩んでいた口元を引き締めることもなく、頬杖をつく貴方へくだらない会話を持ちかけるのだった )
先生の食の好みを反応から探ろうと画策してたんですが、そろそろ答え合わせを貰ってもいいですか?このスープをご所望ってことは、辛いのもそれなりにイケる口なのかな。
何だって頂きますよ、それ程こだわりはないので。
(何が好きかとの問に対し過去を辿るように視線を少し上に向けた後そう答え。ぐつぐつと煮え立つ鍋から甘酸っぱいような匂いが立ち部屋を包み込んでいて、確かにそれを美味しそうだと感じる感性はあるのだけれど好きだとか嫌いだとか、そんな事を考えたことは暫くなかったな、と思い返して。「そもそも、俺の好みなんか当てたって仕方ないでしょう?」、立ち上がって戸棚からカトラリーを出しながら彼の方も向かずにそう尋ねる、歳の離れた弟のようにも見えるだろう彼の、“先生”という呼び方も人懐っこい笑顔も、自分にはどこかむず痒く、いっその事他の多くの人のように、聖職者として個人格を徹底的に無視するか、悪魔だと思い込みの嫌悪を突きつけるか、そのどちらかとして扱ってくれたら楽だろうにと
なるほど、食にあまり関心がないからこその反応でしたか。……そう言われると、この瓶をまるごとここへぶち込むような悪戯にも興味が湧いてきますね。
( 貴方の返答にはこちらとしても十分に思い当たる節があったので、至極納得の上頷いてみせた。そこでふと、今まさに鍋の中へふりかけんとする手中の香辛料の小瓶の存在に気づく。火を吹くくらいに烈しい辛味なら、流石の貴方からも捗々しい反応を得られるだろうか。そんな想像は笑い混じりの冗談にとどめ、適量を投下したなら、野趣溢れる、けれど家庭的なスープが完成と相成るのだった。実にぴったりなタイミングで食器類を用意する貴方の呟きから、この交流を心底居心地悪く思っている様子を察するのは非常に簡単だ。スープを皿へ盛り付け、パンとチーズを籠に盛りながら、貴方があえて見せてくれる仄暗い願望に従わないだけの傲慢さが己にあることを、そろそろ知られてしまう頃合いだろうか )
食の好みを知ることは良好な共同生活を送るための第一歩ですよ。俺たちのように、互いのことをあまりよく知らないのに問題なく回るなんてのは珍しいんです。
ビジネスパートナーにそんな物が必要とは思えませんが。
(不思議な事を言われたかのように眉を下げて見せる、例えるなら神に力を与えられた奇跡の子と仕える神父、そんな物語を演じる役者同士に個性や生き方の相互理解なんて必要ない筈、と。赤いスープと白いパンが並ぶ食卓、いつものように食事に感謝する祈りを捧げようとしてふと手を止める、「あぁでも、貴方が望むなら何だってお答えしましょう。」彼の願いを叶える為なら当然のこと、先程自分が使った“ビジネスパートナー”の単語には早速矛盾した台詞、そしてその矛盾に自分から目を塞ぎ、代わりに彼への忠誠心のような何かだけを心底信じきったかのように、其方を見上げる瞳は深い真紅、燭台の炎がゆらりと反射したせいかぬらりと光って
ビジネスパートナーだからこそですよ。互いのことを知らない二人が、果たして同じ目標に向かって効率的に協働することができるでしょうか?
( 困惑した様子の貴方を前にして、ひとまずは使い古しの共通言語を持ち出すこととしようか。貴方に一歩遅れる形でいつのまにか定位置となった向かい側の椅子を引き、大きな身体を少しばかり縮めるようにしてそこへ腰掛けるのだった。眼前の食卓の風景は質素ながら確かな温もりがあり、漂う湯気と香りはごく分かりやすく食欲を刺激してくる。早速とスプーンを手に取りたいところだが、ここでは食事の前に祈りを捧げる習慣があるのだった。いい加減覚えてもいい頃合いではあるが己の所作は未だにどこか覚束なく、貴方のやりようを観察してからそれをなぞるという次善の策自体が、いつのまにやら習慣になっているという情けない現状がある。いつものように見守ろうかというところでその手はふと止まり、己の視線は濡れたように光る真紅のまなこに吸い寄せられるのだった。そこに映る感情は、見定めようとする度に揺れ動く万華鏡にも等しい。傍目から見れば見惚れてでもいるかのような数秒が過ぎ去ると、ふ、と吐息のような笑みを漏らして気の抜けた笑顔を象った )
では物覚えの悪い俺にどうか呆れずに、もう一度祈りの所作を教えていただけますか?
喜んで。
(手を組んで頭を垂れる、彼が同じように真似をしているか確認するようにそちらをちらりと盗み見ると少し口角を上げてまた瞼を閉じ。澱みなく口から零れるのはややもすれば呪文と聞き紛いそうな祈りの言葉、教えて欲しいとの頼みに応じてかいつもより随分ゆっくりとした調子で流れる決まり文句達。それらが終わると顔を上げ、まるで悪事に誘うかのような表情で尋ねる、「これを覚えられたら次は異国の書物の読み方でも教えて差し上げましょうか、」異教徒の言葉は穢れだという宗教的見方が根付く我らが宗派ではあるが、自国の優位性の再証明やら多民族の啓蒙やら耳障りの良い言葉達の上に、異文化研究が好奇の目を持って受け入れられ始めているのも事実、それらの知識故に助命を許された自分のように、彼も何かしら役に立てられるだろうと
───……。
( 所作自体はそう難しいものではないが、この聖句がとかく曲者だ。常より緩やかに流れる異国の歌のようにも聞こえる言葉の羅列を復唱にてどうにか追いかけると、ようやくのこと夕食にありつけるのだった。口元へ運んだスープの出来に満足げに微笑んでいると、意味深な言葉に誘われて蠱惑的な表情を浮かべる貴方の方へと視線を持ち上げた。薄暗く決して広くはない部屋の中で灯りといえば燭台ばかり、ゆらめく炎に照らされて、それこそ国家転覆でも企むかのような凄みのある雰囲気なのだが、いかんせん役者の質が悪かった。己が困ったように言葉を吐いたなら、途端にここは下町の居酒屋くらいの気安さと雑多さだ )
先生は俺の学のなさを甘く見てますね。この国の言葉でさえ読み書きが十分とは言えないのに、異国なんてそれこそ気の遠くなる話でしょう。
まずは普通の絵本からですね、
(猫舌なのか湯気の立つスープにはまず手をつけず、パンを手でちぎりながらそう返し。自身は小さい頃から教育を受けていた身の上ではあるが、彼のように学校にもまともに行けず育った元子供達もこの国には少なくない。「読み書き計算もある程度出来なければ、悪い大人に騙されますよ。」、一回り以上年下の、何も知らない青年を拾って言葉巧みに教会で囲っている大人が何を言うか、白々しい台詞を吐いて微笑んでみせる、もっと悪い大人に陳腐な現実を吹き込まれないようにする為なら、毒気のない笑顔を作ってやるのも簡単なこと
……現状をお伝えするとともに遠回しな拒絶をしたつもりでしたが、そうは受け取ってもらえませんか。俺はとにかく学問には向いてないんですよ、
( トントン拍子に話が進みそうな気配に、情けなく眉を垂らして弱音を吐いた。基本的にどこもかしこも凡庸な己が、際立った学才を秘めているなんてことはもちろんない。食前の祈りの有り様からも明白な通り物覚えはあまり良くなく、加えてこの歳まで生き抜くのに学のなさが障壁になった経験がないからか、やる気にも欠けた問題の多い生徒なのだった。貧しい国で育った子どもの宿命なのだろうか。貴方と出会い質素ながらも衣食住が足ることを知ったが、それでもやはり学問は二の次三の次、豊かで恵まれた一握りの人間が享受するものといった感覚には根強いものがある。柔らかな白パンに齧り付きながら聞こえてきた声に顔を上げると、その言葉の眩しいほどの正当性と微笑みから漂う圧に、己の大きな身体が萎れたように見えることだろう。嚥下してから口を開き )
観念しろって言われた気分ですね……。
ちゃんと出来たらご褒美をあげましょう。
(年少者に何かを教えてやった経験は無いが、人々に教えを説くのも立派な聖職者の役割の一つ。今でこそ彼を手に入れてから周りに集まる信徒たちも増えたが、それまではほぼ人の寄り付かない寂れた教会に1人、存在意義を自問自答する日々であった為、神父めいた台詞に自分で機嫌を良くしたのか笑顔を見せる、作り物の綺麗な微笑みではなく歪めた口元から牙のような犬歯が覗くそれを。普通の青年のように見える彼、普通だからこそ自分のようにある程度の訓練さえすればすぐに知識が身につくだろうと、無意識で残酷な認識の相違、彼がご褒美だと言われて何を求めるのか思いを耽けらせながら、スープを冷ますように息を吹きかけてから口に運び。
それは流石に子ども扱いしすぎですよ。
( かくなる上はこれ以上管を巻くことなく貴方の提案を受け入れることとしよう。スープもパンも、自らの分はあらかた腹に収め終えたなら、残りのチーズをごくゆっくりと口に運び始めるのだった。マナーという言葉さえ知らないような酷い食事の仕方は貴方のそばに来てから幾分改善されたものの、未だどこか荒っぽさの残る大きな一口と、幼い頃から当たり前のように身につけた上品な一口では、食事の進行に差が出るのは当たり前だ。いつものように貴方よりもだいぶ早く食器を空にしてから、それでも同じ食卓に並び続けるという些細なことに、己が今他人と暮らしていることを実感したりする。これも信徒からの貰い物である濃厚なチーズに歯を立てながら、ふと明日の予定を勘案してみるのだった。なお、こうしてチーズを口にするのは、何もせずにこにこと貴方の食事風景を眺めていると至極居心地悪そうにされたからに他ならない )
明日は、教会に来る信徒はいないはずでしたね。俺は街に出て奉仕する予定だったので、教えてもらうとすれば夜になるでしょうか。
明日夕食を頂いた後、少しやってみましょう。
(彼の提案に少しの間自身の明日の予定を頭の中で組み立てた後そう答える、そろそろ溜まった煩雑な事務仕事を片付けなくてはいけない、小さいとはいえ何かと手のかかるこの教会の運営も、直接目が届かない代わりに口喧しく報告義務を迫る中央への返報も、ただ書物と祈りを通じて教えに浸ってだけいたいという願いの妨げとなるもので。食事の終いに少し切り出したチーズが羊の物だとその甘みに気付き、もうそこまで来ている春を思う、早く、早く自身の計画を進めなくてはならない、その計画に不可欠な彼がこの生活の歪さに勘づいて巣立つ小鳥のように遠くへ飛び立ってしまう前に。「街に出るのなら気を付けて。」食べ終えた食器をまとめながらそう声をかける、“人の多い街には悪魔が居ますからね”と相手に聞こえるかそうでないか位の声で付け足した、極力彼の自由にさせてはいるが少々それに不安というか、仄暗い靄を心の中に抱えていることもまた常で
ええ、どうぞお手柔らかに。
( 逸る気持ちとは裏腹に捗々しい変化を見せない現状が原因か、信徒を前に取り繕うのにも少々限界が出てきたような貴方の窶れ具合を前に、これ以上仕事を増やすことは本意ではないが、学ぶことで貴方へ何かを還元できることに期待をかけておこう。互いに足並みを揃えた夕食が終わりに差し掛かると、てきぱきと皿を流しへ運び後片付けの準備を整えるのだった。腕まくりをして食器や調理器具の濯ぎに取りかかれば、聴覚は食器同士の当たるささやかな高音や流れる水音などのごく穏やかな生活音に占有されるはずなのに、それでもなぜか貴方の囁きが紛れることなく耳に届く。手は止めず、視線も作業を続ける手元に落としたまま、常と変わらぬ調子で言葉を紡いだ )
さて、俺の契約相手はすでに定まっていますから、悪魔に誑かされるようなこともないと思いますよ。……片付けが済んだら食後の香草茶を淹れましょうか。ここで飲まれますか?
貴方のお茶を飲むとよく眠れます、
(時折自らを気遣うように入れてくれるハーブティー、何を煎じているのか詳しくは分からないが妙に落ち着く甘い香りがいつも印象に残る、記憶の中の恐怖や実際に現実に引き継がれる痛みに震える夜も、そのお茶を飲めば体の中が温まってすっと意識を手放すことができた、静かに微笑むように、少し苦笑いのような表情を見せてそう答えて。彼の手によって片付けが済んだ机の上に置いた教典の黒い革表紙をつ、と指先で撫でる、彼が戯れに使った“契約”の言葉、一時の、緩やかかつ絶対的な快に足首を縛られて動けないままでいるのは此方だというのに、貴方は随分可愛らしく大仰な台詞を吐くものだと半ば感心さえするほどに
えっ、本当ですか?俺にもよく効くのでお出ししてたんですが、先生にも効果があったのなら何よりです。……嬉しいな、これで今夜はゆっくり休んでもらえますね。
( 貴方によって保障されたささやかな豊かさを享受しようと何気なく嗜好品の提供を提案しただけだったが、少しばかり意外な反応が返ってきたので思わず作業の手を止めて寸の間驚きに浸る。すぐに洗い終わった皿を棚に戻す作業を再開しながら、じわじわと湧き上がってきた喜びに口角を上げた。貴方がなかなか労わろうとしない貴方自身に、こうして働きかけることができるのは幸運なことではないか。軍人時代の同僚に教えられたその香草は、こちらに腰を据えるようになってからさほど労せずして栽培できるものと知り、以来裏庭に常備してあるのだった。片付けを終えたなら、さっそく香草を入れたティーポットへ湯を注ぎ入れようか。次第に辺りへ漂い出す穏やかな香りを楽しみながら、のんびりと煮出されるのを待つ。ふと視線を上げた先の貴方は、携帯していることが多いからかそれなりに使い古された風の教典を撫でながら、何か物思いに耽っているようだ。何を考えているのですかと問うのは簡単だが、今はそう安直な踏み出し方もどこか躊躇われて、そちらを望洋と眺め遣るばかり )
でも少しまだやりたい事があるので。
(ざっと掴んだハーブをポットに入れそのままお湯を注いだ彼の手付きを見ていた、彼の作る料理やお茶は量を細かに量る様子は無いのに、何故だろう、自分が神経質に作るそれらにはない温かみがあると感じられて。今日は早く寝ろ、とでも言いたげな彼の台詞をふいと交わし、届いていた書簡の封を開けて。夜もずっと更けて窓の外の鳥も眠ってしまっても起きて何かしらの作業をしているのが日常、勿論日々の雑務に忙殺されているというのもあるが、知人から譲ってもらった書物や論文を読んでいる間は実状を忘れられる、ふと顔を上げれば此方を眺める相手が視界に映って。彼は自分のように虚の世界へ落ちゆく術を知っているのだろうか、それともそんな必要などないからその瞳は真っ直ぐな光を湛えているのだろうか、濁った視線をぼんやりと向け返す
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