隣国同士の王子様は仲がいい(〆)

…じゃあ、後でスイーツ奢ってよね？(相手が無事に乗ってくれた事に安堵しつつも表情では不満げさを示しつつあくまでも兄のために自らの羞恥を捨てる弟を演じるように溜め息と共に対価を要求し。勿論買うのは自分用であるために本来はその対価は必要ではないのだが演じることに集中することにして。幸いなことに店員もお客さんも彼女思いな兄とそれに応じる弟という構図に見えたようで特段指摘される様子はなかったが、一部女性客からの自分に対しての視線が変わった気がしたが気にしないことにして)

ほんとは嫌なはずなのに付き合ってくれるんだ、何でも好きなだけ奢るよ(ちらりと周りを確認しては、彼女のために無理やり外見の似ている弟を連れてきたと思わせるように言い)

ん、なら良いや。んで…何買いたいんだっけー？(相手からの返答にニヘラと甘い物好きが故のチョロい弟というイメージを見せつつわざとらしく相手の腕に抱き付いて。すると視線の意味が変わった気がした女性客からの視線がより強くなった気がして)

！…ったく、相変わらずお兄ちゃんっ子だな(相手が腕に抱きついてくると、怪しまれると思ったが、いつもの事だと言いたげな様子で言い、相手の行動に他意はないとアピールするように「お前がベタベタすっから、彼女にも誤解されただろ」と言いつつ、服を選んで)

えー、良いじゃん。兄ちゃんいっつも彼女さんとイチャイチャしてるんだしさぁ？(あくまでも相手が提示した兄っ子という設定を頂戴する形でそう言い返しながら「別に誤解は解けてるんだから良いじゃんか」と返して)

振られる寸前だったっての(相手の言葉に、彼女と弟をそれぞれ大事にしていると言うように返して、「ほら、服選ぶの手伝え」と言いつつ、相手の髪をぽんぽんと撫でて)

はぁい(相手からの頭撫でと共に告げられた言葉に気楽な声での返答を返せば「…どお？俺の演技」と相手にだけ聴こえるよう声を潜めつつ問い掛けてみて)

すげぇよかった(相手に小声で尋ねられると、こちらも小声で答えて、相手のおかげで、一部を除いて誤魔化せたため、安堵していて)

へへ、良かった(相手からの評価に嬉しさから頬を緩ませ、相手との関係だけを疑る一部のお客さんからの視線は気付いてないようで「…で、アル兄はどれを俺に着せたいの…？」と変わらず声を潜めたまま問い掛けて)

…お兄ちゃんっ子で納得しなかったか(自分たちの関係を探るような視線を向ける客に、少し困りつつ呟いて、相手は気付いていなさそうなため、無視することにして、「どれが似合うんだろうな」と言いつつ、似合うだろうかと思ったものを手に取り、相手に合わせてみたりしていて)

(相手が服を合わせる際に相手がイメージしやすいよう自分でもサポートをしていって。何着目かの時に少し照れ臭そうに「…ねぇ、兄ちゃん。俺、試着…しようか？」と問い掛けてみて)

！…俺としては助かるけど、いいのか？(これは相手に合わないな、こっちは似合うななど考えつつ選んでいると、相手に提案され、兄という設定を守りつつ、いいのかと尋ねて)

うん、その方が兄ちゃんもイメージ、しやすくなる…でしょ？(相手からの問い掛けにコクリと頷き返しては無自覚に恥ずかしさが込み上げてきて頬を赤く染めながらそう問い返して)

じゃあ、お願いしていいか？(相手が頷くと、お願いすることにして、「着替え終わったら、開けなくていいから呼んで？俺は近くで選びつつ待ってるから」と言い)

うん、分かった(相手からの言葉にコクリと頷いて返しては「とりあえずどれから着てみれば良い？」と既に幾つか合わせただけの服を手に持ったままではあるが一応問い掛けてみて)

これとこれと…あとこれかな(何個か良さそうだと思ったものを数着持っていた中から選び、相手に渡して)

ん、分かった(相手から差し出されたそれらを受け取って頷いてはキョロキョロと空いてる試着室がないか確認すればちょうど近くにあるのに気付き「それじゃ、着てみるね？」と相手に向け小さく手を振って試着室へと入り)

うん、行ってらっしゃい(相手を見送ると、その近くの服を選びつつ、着替え終わるのを待っていて)

(試着室のドアを閉めてから着ている服を脱ぎ、相手から渡された服を見て、今相手に自分が女の子にされている実感が強まってきてお腹の奥がキュンときてしまい顔が真っ赤に染まり)

「すみません、先程の子…弟さんなんです？」(相手が弟らしき人物を試着室へ見送り服を選んでるのを見て聞いてみたくなり歩み寄りながら問い掛けて)

…はい、俺の弟ですよ(相手の服を選びつつ待っていれば、先程の視線を送っていた客に声を掛けられると、王子だとばれないようにしつつ弟だと伝えて、「それが何か…？」と尋ねて)