一見さん 2022-08-15 13:06:16 |
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大丈夫だよ!あの、これありがとう
(やってきた相手に紙袋を渡したものの「お祭り中邪魔だし、後でがいいよね」というと紙袋を玄関に置き、相手の手を握って「早く行こう!」と笑って)
うん、行こう。
(紙袋を受け取りかけた手を引っ込め、相手に手を引かれるまま夏祭り会場へと到着する。りんご飴や金魚すくい、色とりどりの屋台が夕暮れ時の薄暗がりの中に光っていて)
僕、お母さんとお祭り行ったら金魚買えないからって金魚掬いだめなんだ
(夕暮れの出店を眺めていると、可愛らしい金魚が見えて手をひきながら呟いて。確かに金魚の水槽なんてないからなぁと思いながら諦めたように「何いく?旭って何が得意なの?」と聞いて)
…射的。
(そう言って笑うと射的の屋台に走っていき、屋台のおじさんに代金を払って銃を構える。「…悠くんはどれが欲しい?」と景品のお菓子やらぬいぐるみやらを見つめながら彼にそう聞いて)
じゃあ…あのくまのぬいぐるみ
(どれが欲しいかと聞かれ、一番目に留まったのは少し大きい白色のテディーベアで。お菓子も魅力的だがお祭りの屋台のぬいぐるみは普段以上に惹かれて「でも、ちょっと大きいよ…?」とは言いつつ、少し期待して)
…わかった。
(笑顔で頷くとぬいぐるみの耳に照準を合わせ、引き金を引く。ぬいぐるみは大きく揺れるものの落ちず、もう一度銃を構え直して揺れが止まらないうちに今度はお腹を撃つ。ぐらりと揺れたぬいぐるみは地面に落ち、屋台のおじさんからぬいぐるみを貰っては「…はい。」と手渡して)
わぁ…!ありがとう、大事にするね
(手渡されたぬいぐるみを大事そうに抱えると、「名前はあさひにする」と言って嬉しそうに両手で大事に抱え、「でも、良かったの?僕の分だけになっちゃうよ?」と少し申し訳なさそうに尋ねて)
…もう一回やるから、大丈夫。
(もう一度代金を払うと、今度は端の方にあるシャチのぬいぐるみに照準を合わせて引き金を引く。当たりどころが良かったのか、それは一発で落ちて受け取りつつもう一発でお菓子の箱を落として)
すごい!シャチも取ったしお菓子も…上手なんだね
(相手の落とした景品に目を輝かせ、すごいと言いながら自分のことのように喜ぶと「旭、射程上手だしなんでも上手だね」と笑顔でいって)
…おじいちゃんが、教えてくれたんだ。
(シャチのぬいぐるみを抱えながら笑い、貰ったお菓子の箱を開けると「一緒に食べようよ」と提案し)
いいの?食べる!
(一緒に食べようと言われ頷き、少し先にある階段を指差して「人少ないしあそこで食べよう?」と言ってくまのぬいぐるみをしっかりと抱き抱えながら手を握って)
うん。
(シャチのぬいぐるみと開いたお菓子の箱を持ったまま彼に手を引かれて走り、「…悠くんは、どこから来たの?」とこれまで抱えていたらしい疑問をぶつけて)
えっとね、東京!でもおばあちゃんの介護?のためにこっちに来たんだ
(相手の質問に答えながら階段の一番上に座ると「だからおばあちゃんがもう大丈夫になったら戻るんだって。だからお父さんは向こうにいるんだ」と言って遠くを指差して)
…すごいね、都会から来たんだ。
(東京、という言葉を聞けば目を見開いてそう答え、「…僕は、ずっとここ。でも、こうこうせい?になったら都会に行くんだ。ここ、ちゅうがっこうの次がないから。」と思いを馳せるような瞳を彼の指差した方向に向け)
都会って言っても、お母さんは東京の中でも田舎だって言ってた。でも、旭来るならもしも戻っても旭と一緒の学校行けるね!でも一個上だから難しいかなぁ
(相手の言葉に少し目を輝かせ、お母さんからいつかは戻ると言われていたが同じ都会ならまた会えるかもと思うと苦ではなく、嬉しそうにして)
…でも、きっと分かるよ。僕は変なやつ、だから。
(自虐的にそう笑うとお菓子をぽりぽりと齧り、シャチのぬいぐるみを抱きしめる手に力を込め)
変じゃないよ、僕は旭が大好きだよ
(お菓子を食べながら、何処かよくない意味で変なやつだと自分のことを言う相手に首を振ってから笑顔でそう言って)
どういたしまして、都会に来たら絶対教えてね
(笑っている相手に、一緒の学校に通いたいな、など思いながら楽しそうに笑顔を見せると「今から楽しみだね」と言いながらお菓子を食べ終わって)
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