掲示板ファンさん 2022-08-01 15:15:22 |
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…ん?何アレ。
(仕事帰り、血に濡れた手袋を処理しあぐねてゴミ捨て場に辿り着けばそこには無気力なゴミに見えなくもない人間が一人。興味を持ったのかその方へと近付いていき、努めて明るく声を掛け)
どうしたの、キミ。
____なーんも。強いて言うならゴミになろうとしてます。
(ゴミの匂いに嫌悪感を示す働きすら失ってきた時に声が聞こえる。ちらりと視線を向けるもまたすぐに視線を空の方に向け、投げやりに一言発する。明るく声をかけられたのはいつぶりだろうとふと考えて少し嬉しくなり。)
家追い出されたんでここ墓場にしようかなーって。
わあ悲惨。
(確実にそう思っていないであろう声、同情の欠片もない態度を見せながら今しがた処理しあぐねていた手袋をその人間の横に放り、尻ポケットから取り出した煙草に火を点けながら笑い)
どーせゴミになるんだったら、オレのところで使い倒してあげようか。
アンタのところって?
(同情の欠片もない声に自嘲気味に笑えば相手が投げたものをひょいと拾い上げて見れば霞んだ目でもわかる赤いものがこびりついており。)
へぇ、なるほどね。
まーでも人権なんてなかった様なもんだし、そっちの方が楽しそうかもね。
じゃ採用。ちょうど手伝いが欲しかったんだよね。
(虚空に向けて煙草の煙を吐き出し、ゴミ捨て場に横たわる人間の前に屈み込んではにっ、とサメのようにギザついた歯を見せて笑って)
立てる?
手伝いはするけどちゃんと3食食べさせてね。
上体を起こして立ち上がろうとすれば先程より疲れが抜けている気がして。楽しみは人をここまで変えるのかと、人間も捨てたもんじゃないと感じながら足に力を入れるがやはりまだそこまでは回復しておらず。)
あはは、ちょっと無理かも。
働きによる。指紋残したくないんだけどな。ま、いいか。
(何やらぶつぶつ言っていたが決心がついたのか煙草をそこらのゴミ袋に押し付けて消すと人間に手を差し出して)
ほら、掴まりなよ。
ご希望に添える様に頑張りますとも。
(相手が言った言葉の意図はあまり掴めなかったが働き次第では3食貰えるらしい。差し出された手に驚きつつも弱々しく掴んで)
えっと、ありがとう
お礼とか要らない。長居できないし、帰るよ。
(そっけなく答えると手をぐいっと引き寄せ、ゴミ捨て場に背を向けるとさっさと歩き始めて)
僕の事務所この先だから。
ふーん、変わった人。
(礼はいらないと言う相手を不思議だとは思いつつも言及はせず。歩き出した相手の背を追いかけて自分もよたよたと歩き出した。)
事務所とかあるんだ。
あるに決まってるでしょ…ホームレスじゃあるまいし。何言ってるの。
(どこか呆れたように肩を竦め、路地を抜けてすたすたと歩いていくと雑居ビルを居抜きで買い取っているらしい「カルマ相談所 粗大ゴミの処理はお任せください」と看板の掛かった事務所が見え)
はい、ここ。
そうだよね、ホームレスなのは俺の方か。
(呆れた様子の相手に自分の境遇を思い返して苦笑する。
目に止まった看板には粗大ゴミの文字。それが言葉通りの意味でない事はすぐに想像できた。)
粗大ゴミねぇ。想像してたより良さそうな事務所だね。
ま、量が多かったり処理に困る粗大ゴミだとその分貰うからね。
(何でもないように答えると事務所の扉を解錠し、自分が先に入っていき)
来なよ。
やっぱ稼げるんだ?まあ自分でやろうとは思わないけど。
(拾われた形であるとはいえまだ出会って数分、警戒心は持ち一定の距離を保ってはいるが確実に敵わない相手であるのは容易に想像できる。できるだけ相手を刺激しないよう素直に従って。)
うん、お邪魔しまーす。
部屋とか好きに使っていいよ。
(自分は事務所の真ん中に置かれているソファに腰をどっかりと下ろし、ポケットからまた煙草を取り出して火を点け)
あぁ、わかりました。
(相手の言葉に短く返すも体は限界を迎えていたようで力無く床に座れば壁を背もたれになんとか体勢を整える。煙草の匂いが鼻を掠め、昔なら嫌悪感を示したいただろうが、今は悪い気はしなかった。空腹をしのごうと目を閉じる)
いいの?じゃあ有り難く貰いまーす。
(遠慮という言葉が存在しないような口振りで言えば、一セット受け取り口に運ぶ。数日ぶりの食にありつけると人はマナーなど関係なくなるらしくパンを貪りコーヒーを一気に飲み干した。)
久々の食事だった、ありがとね。
あーえっと、呼び方ないと不便なんだけど、なんかないのアンタ。
あれアンタの名前だったんだ。カルマね。
(こういう仕事をしている人は名前や素性を隠すものだとばかり思っていたので少し拍子抜けする。まあそれが本名なのかはわからないのだが。食いつきに引かれている事も真実も気にせず続ける)
じゃあ俺事はノアとか適当に呼んでよ。
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