検索 2022-07-09 20:46:55 |
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別に悪いことなんてしてねぇだろ?……俺も、お前の事が好きだ
(相手を教えるために滑っていた先程と相手を捕まえるために滑る今では当然スピードは異なる、相手は慣れてそれなりに滑れるようになってはいたがこれも経験の差というものだ。トップスピードで迫るこちらに相手は困惑の声をあげるが後ろを振り返った時点でもう逃げられる状況ではなくなる、片腕で相手をガッチリと捕まえ冷たい手袋を押し当てれば狙い通り声がひっくり返った。だがあれだけ好き勝手にやられておいてお返しがこれだけでは物足りない、相手が変な声をあげたことによって数人の視線が二人へと向けられる。周囲の人々にとってははしゃいでいる男二人がいるくらいのものだろう、その視線が集まる状況で相手にだけ聞こえる声でこちらから好意の言葉を伝えると同時に人差し指でまるで体の芯をなぞるように下腹部から鳩尾にかけてスっと素肌を撫であげる。周囲の目線ではバレないように指を動かしたが素肌の相手には今の動きが明確に伝わっていることだろう。軽く耳元で笑った後にようやく腕を離すと素知らぬ顔で相手の隣へと滑ってきて顔を向けて)
…へ、ッん!?、何するんだい…
(ガッツリと相手に捕まえられて冷たい感触が素肌に触れると変な声をあげてしまう。同時に視線が集まるのも感じるがアイススケートをして温まった体に急に冷たさを感じたのだから不可抗力だろう。だがそんな仕打ちを受けたのに相手の腕が離される兆しは無く、怒っているよりも楽しそうな様子を相手から感じると嫌な予感は募る。その状態で真っ直ぐな好意が伝えられるとぱちりと瞬きした後、嬉しさと共に照れがのぼってくる、それだけでなく服の下で素肌を冷たい手が撫でるとその温度差となぞられている感覚に一気に熱は上がってまた変な声をあげてしまう。傍目でも分かるくらい顔を赤くしながら漸く解放されると軽く顔を背けながら文句を口にして)
そりゃまぁ、さっきのお返しってやつだ
(冷たいプレゼントのあとに好意の言葉と擽るように素肌をなぞってやれば、またも狙い通りに相手は裏返った声を出す。しっかり抱きしめた体からはその動揺がよく伝わって好意の言葉という意味でも羞恥の意味でも存分にお返しをすることが出来て漸く腕を解いた。相手は先程の自分よりも遥かに顔を真っ赤にしていて顔を背けるも耳まで赤ければその動揺っぷりがよく分かるというものでいじらしい姿に口角は上がりっぱなしだ。文句にはまた素知らぬ顔をして返事をしつつ相手の手を再び取る。可愛らしい姿だが他人の目にはあまり晒したくないもの、先程のように相手の手を引き滑り出すと受ける風で相手の顔の赤みを冷やそうと暫くリンクの流れにそって二人で滑っていて)
これだけ滑ると体もポカポカしてくるね、
(冷たさもそうだが好意の言葉と素肌をなぞるような動きを浮けると一気に熱が上がって解放されると直ぐに顔を背けた。やられたことは自分とほぼ同じで正にやり返されたという状態なのだが顔の赤さは収まりそうにない。素知らぬ顔をされながら固まっていると手を取られて視線を向ける。そのまま手を引かれ滑り出すとその意図を察して強くその手を握り返し、リンクの中を滑った。そうしていれば顔の熱も収まって気分も上向いてきて、慣れてきても手は繋いだまま何周もリンクを一緒に回った。そこそこ滑った所で一度リンクの端に止まって相手の方を向く。何周もすれば素肌を触られて冷えたのが無かったように体は暖かくなっている。その感想を伝えていると荷物として預けていなかったバ.ッ.ト.シ.ョ.ッ.トの存在を思い出して懐から取り出す。「せっかくならリンクの中で撮るのはどうだい?」と提案しながら相手の横に並んで)
なかなかいい運動になるだろ?…あぁ、せっかくならリンクが写るように撮ろうぜ
(再び相手の補助という名目で手を引きリンクの流れに従い滑っていると相手の赤くなりすぎた頬と、ついでにこちらの顔に登っていた熱とがひんやりとした空気に冷まされて顔色は通常のものへと戻っていく。とはいえ滑っていれば常に動いて無意識にバランスを取っているもので先程の衝動的な熱とは異なるスポーツをして体が温まるポカポカした心地に包まれる。一度リンクの端に寄れば相手も同じ感想だったようで頷きながら返事をしていた。すると相手はバ.ッ.ト,シ.ョ.ッ.ト.を取り出して写真を撮ろうと持ちかけてくる、今日の思い出の品が増えるのならば当然歓迎だ。背景にリンクが写るような位置で相手の左隣へとやって来る、右手でピースサインを作れば相手の方へと寄せて「ポーズはいつもので良いだろ?」と上機嫌に問いかけて)
そうしようか。ああ、お馴染みのポーズで行こう
(十分に動いた実感と相手と過ごす時間への充実感を覚えながら一度止まると更に思い出にする為写真の撮影を持ちかける。すると好意的な返事がされて口元が緩む。せっかくならばこの場所であることが分かるように斜め上辺りから撮るべきだろう。角度を調整していると相手が左隣にやってくる。そして右手でピースサインを作って【いつもの】と言われるとすっかり自分達の定番となったポーズに笑みが零れて声を弾ませながらこちらも左手でピースサインを作る。この場所ならではの手袋をしたまま2人のVの指先を合わせてダブルの形を作ると更に距離を詰めて画角に入るようにしてから「じゃあ撮るよ、はいポーズ」と掛け声をして最高のタイミングでシャッターを切って)
よし、…バッチリみてぇだな
(二人で恋人の時間の写真を撮るとなればポーズはいつものやつに決まっている。明言はしなくとも相手にはこちらが何を言っているのかすぐに伝わる、ドライバーがなくたって自分達ならば以心伝心だ。相手もピースサインを作れば二人の指が触れ合ってダブルの形になる、カメラが構えられるとレンズに向かって笑みを向けた。シャッターがきられて二人で写真を確認すれば画角もポーズもバッチリだ、二人がつける手袋で今まさにスケートを楽しんでいることが分かってこのリンク上の出来事を思い出せる写真になるだろう。体が温まる程に滑って写真も収めて、ついでにちょっとした意趣返しも済ませたとなれば地面が恋しくなる頃だ。相手の方を向けば「そろそろ喉渇かねぇか?」と次の目的地を匂わせながら問いかけて)
誰が見ても完璧なアイススケートデートだね。確かにそろそろ休憩したい気分だ、最後に一周してから終わろう!
(シャッターが切られて並んで写真を確認すると二人で楽しそうにアイススケートを楽しむ姿が映っていて満足げに笑みが浮かぶ。経験だけでなく、記録としてもバッチリ今のことが残る事だろう。保存されたことを確認した所で相手から次の行方を匂わすようなことを問われると同意を示す。このままスケートを続けても良いのだが普段あまり動かない体では明日に響きそうでこれくらいがちょうど良いだろう。だが名残惜しいと思うのも事実で最後に締めの一周を言い出せば相手の手を取って滑り出した。そうして最後の一周を楽しむとリンクから二人で上がる、また歩幅小さく歩きつつロッカーの元にやってきて固く結んだ靴紐を解いて地面に足を下ろすと解放感が一気に襲ってきて「やっと地面に足が着いたような気分だ」と小さく笑って)
なら、とびきり大回りしようぜ
(次の場所へ移動しようと持ちかけてみると同意の返事がされて締めの一周をすることになる、当然のように手を繋いでリンクのなるべく外側を滑ってできる限り長く氷上を堪能したあとリンクからあがった。再び二人でベンチへと向かってスケート靴を脱ぐとキツく縛られた靴紐から解放され細いブレードの上ではなく地面にしっかり足が着くようになって解放的な気分になる、相手も同じようで軽く足を動かしストレッチしながら「滑ってるときは気づかねぇもんだな」とこちらも笑みを浮かべた。軽快に滑ってはいたがなかなかの運動になっていたことだろう。となれば水分補給が必要な頃合いだ。ベンチから立ち上がると氷上と歩き方が違う分少々違和感を覚える、こちらがいつも通りだったはずなのに不思議な心地を覚えながらロッカーから荷物を取り出しまた歩き始めた。地面を歩くことを思い出しながら足が向く先は公園の外だ。「あの短い時間であれだけしっかり滑れるようになるなんて大したもんだぜフィリップ」と感想を口にしていれば程なくして喫茶店へとたどり着いた。入口の木の扉は年季が入っていて手書きのメニューが掲げられている、レトロな雰囲気を醸し出しているその店を前に相手の方をみると「次はここだ」と声をかけて扉を開けて)
今度は君が歩き方が不自然だ。君の教え方のおかげだよ、転んでも君なら受け止めてくれると思ったから。 …ここかい?雰囲気のあるお店だね
(大回りしてスケートを終えると靴紐を解いて地面に足をつける。ガッツリ固定されて普段使わない筋肉を使ったのか今は普通に立っている方が妙な感じでペタペタその場で足踏みなどしていた。靴を履き替えて荷物を取り出すとスケート場を後にするが少々不自然な相手の歩き方を見ればクスクスと笑う。そのまま会場を後にすると相手は公園を離れていく、それについていきながらスケートの上達具合を褒められると相手のおかげだと返す。慣れない環境で慣れない動きに挑戦出来たのは相手が側にいてくれて何かあれば助けてくれると確信していたからだろう。だからこそ相手の見本を見て最初からそれらしく動くのに躊躇いがなかった。それに早く上達して相手と一緒に滑りたいと思った結果かもしれない。ちらりと隣の相手を見ながら語っていれば喫茶店のような場所で相手の足が止まる。木製のドアと手描きのボードは年季が感じられて長年営業しているのがすぐに分かる。独特の雰囲気に感心しながら相手が慣れたように中に入るのを見れば慌ててその後ろを追いかける。ドアチャイムの音に老夫婦らしき店員がこちらを向いて席に案内してくれる。角の静かな空間に通され席に座るとキョロキョロと雰囲気のある内装を見ながら「君はここに来たことがあるのかい?」と問いかけ)
良い店だろ?俺のクラスメイトがバイトしてたから何回か来たことあるんだ
(一度全力疾走したせいか足がすっかりスケート靴に馴染んでいて普通に歩くことに逆に違和感を覚えていると相手からツッコミが入り「お前も同じじゃねぇか」とツッコミ返しながら道を進む、最初こそスケートに対して不安がっていた相手だったが逃走を図るまでには自由に滑れるようになって二人で騒がしい思い出も出来て何よりだ。それもこちらのおかげだと言われると照れ隠しに小さく笑いながら返事をしていた。そうやって感想を言い合いながらたどり着いたのは老舗の喫茶店だ、店長に声を掛けられると軽く挨拶を交わして奥の席へと案内される。うっすらとコーヒーの香りが漂い緩やかな時間が流れる空間は何十年も前から時が止まっているようなレトロな印象だ。相手に問われれば顔見知りの店だと答える、クラスメイトと話し込んだ事もあり昔から通っていた店だ。そしてここはデートと聞いて相手が気に入りそうな場所として真っ先に思い浮かんだ店だ、メニュー表を手に取り該当ページを開けると「お前ならこれを気に入るんじゃねぇかと思ってな」と相手へ見せる。そこに載っていたのは手書きのクリームソーダで透明のグラスに緑色のジュース、その上にこんもりとアイスクリームが乗りさらにちょこんとさくらんぼが乗せられたものが描かれている。純喫茶で出される昔ながらのクリームソーダ、といったところか。相手にクリームソーダのページを見せたまま「これが俺のオススメだ」と相手にメニュー表差し出し)
へぇ、道理で顔馴染みなのか。…!クリームソーダだ! これが飲みたい、翔太郎
(店内に入れば相手は店長と軽い会話をしていて顔馴染みなのが伺える。その由来を聞けば学生時代のクラスメイトと聞いて納得がいく。改めて相手の親交の広さを感じながら案内された席に座る。雰囲気のある店内を見ていると相手が期待を煽る言葉と共にメニュー表を差し出してくる。開かれたページにあったのは手描きのイラストのクリームソーダで、温かみのあるテイストで緑色のメロンソーダにアイス、さくらんぼが描かれていれば興味と食欲をそそるには十分すぎるものだ。メニューのレイアウト的にもこの店の名物のようなものらしく、自分が気に入るものを的確にチョイスされていることに嬉しさと擽ったさが募る。好物を前にして分かりやすく目をきらきらさせてそのワードを口にすると直ぐにこれが良いのだと意志を表明して)
こういう店でゆっくりクリームソーダを飲むのも悪くねぇと思ってな。よし、なら俺はここのオリジナルブレンドにすっかな
(相手にここの名物でありこの店にきたお目当てのものを見せると期待通り相手の目は輝いてこちらの口角も上向きになる。遊園地やプールなどの売店で販売されているものを飲んだことは何度かあるが喫茶店のクリームソーダとなれば話は別だ。レトロな純喫茶の昔ながらのものとなればクリームソーダ好きの相手の好奇心を刺激するにはバッチリだろう。だが同時に相手はコーヒーに興味があることも存分に分かっている、昔馴染みのマスターがいれるこの店オリジナルブレンドのコーヒーを味わって欲しくてこちらはコーヒーを注文することにした。奥さんを呼んで注文を伝ると程なくして注文の品がやってくる、相手の目の前にはメニュー表通りの澄んだ緑色をしたクリームソーダが置かれた。今までみたどのクリームソーダよりも澄んだ色をしアイスクリームは濃厚そうでたっぷりと緑色の上に乗っている、さくらんぼは喫茶店で飲むからこその特別感を演出していて「王道のクリームソーダって感じたろ?」と感想を窺い)
こっちも気になるね、ふふ、楽しみだ。…おお、宝石みたいなクリームソーダだ!
(相手におすすめされた通りクリームソーダに心惹かれて飲みたいと意志を表明すると相手の口角があがった。既に今からやってくるクリームソーダにワクワクしていると相手はもう一つの名物らしいオリジナルブレンドをチョイスする。老舗の喫茶店ならばコーヒーだって美味しいだろう。注文を済ませ去っていく後ろ姿を見ると期待に声を弾ませていた。程なくして注文したドリンクが運ばれてくる、シンプルなグラスの中に澄んだ緑色のメロンソーダは氷の光の反射も相まってキラキラと輝いてその上には真ん丸なアイスクリームが乗っている。イラスト通りのものが運ばれてきたことにテンションも上がって無邪気にはしゃぐ。相手に聞かれこくこくと頷くと様々な角度からクリームソーダを観察する。しっかりと視覚情報を取り入れた所で差し込まれたストローからメロンソーダを飲むとしゅわしゅわとサッパリとした甘さが広がって自然と満足げな笑みが浮かんで)
気に入ったなら何よりだ
(相手の目の前に好物でありこの店とっておきでもあるクリームソーダが運ばれてくると相手の瞳はグラスに負けず劣らずキラキラと煌めいて思わず見入ってしまう。無邪気にはしゃぐくらいには気に入ったようでこの店を選んで良かったと嬉しさと擽ったさが同時に胸を満たして、クリームソーダを観察する相手をじっと見つめて観察してしまった。続いてこちらのコーヒーが運ばれてきて目の前に置かれるが相変わらず目線は相手から外すことはできず、相手はクリームソーダを一口飲み込む。爽やかで甘いサイダーの味が広がったのかその顔には満足気な笑みが浮かんでいて、これ程喜んでくれるならばこちらまで満ち足りるというものだ。かつて何度か味わったお気に入りのクリームソーダを相手が口にしている事に喜びを覚えつつコーヒーを口にする、酸味が少々強い大人っぽい味は学生時代にこれを飲めなければハードボイルドではないと何とか飲めるようになった懐かしい味だ。クリームソーダにはもうひとつ主役がいてそれは相手の好物でもある、相変わらず相手を見つめながら「上に乗ってるアイスクリームもマスターがこだわってんだ。それもめちゃくちゃ美味いんだぜ?」とどこか得意げに話して)
これかい?…ん、美味しい! 手作りなのかな、バニラビーンズがたっぷりだ。
(キラキラと宝石のように輝くクリームソーダの彩りに目を惹かれていれば相手から観察されている事も気付けない。いつまでも見ていたい仕上がりだが溶けてしまう前の今でしか味わえない物もある。ストローからメロンソーダを飲むと満足げに笑みが浮かぶ。一方相手は優雅にオリジナルブレンドのコーヒーを口にしていて何とも至福の時間だ。メロンソーダ部分を味わっているとその上のアイスクリームを勧められる。マスターこだわりの、と聞けば俄然興味がそそられ早速崩してしまわないように注意しなから側面の辺りをすくって口にした。途端滑らかな口当たりの濃厚なバニラの味がすれば直ぐに相手の方を見て感想を伝える。市販品ではあまりない濃厚さでこだわりの、というくらいならば手作りの可能性もある。メロンソーダとはまた違う甘味を感じると自然と笑みが浮かんで今度は下部の溶けかけのところも食べてみる。こちらも十分美味しくてメロンソーダとの相性バッチリだ。この味ならば相手の飲んでいるコーヒーにも合うはずだと直ぐに考えが浮かぶと更に一口分すくって「これはそのコーヒーとも合うはずだ」と言いながら何の躊躇も無しに相手の口元に運んで)
売ってるのとは全然違ぇだろ?……、…ん、…何回もこの店来たことあっけど、アイスとコーヒーを一緒に食ったのは始めてだ。…お前がいるおかげだな
(バニラアイスはマスターの店のが風.都.で一番美味いだなんて騒いだ事もあったがその感想に違わず相手も満足したようで一口食べた後にすぐ煌めく瞳がこちらへと向いた。愛するこの街で自分が好きになったものを今相手が目を輝かせながら食べていることが思い出を共有しているようで何とも嬉しい。溶けかけのアイスを味わう相手から相変わらず目を離せないでいると相手がメロンソーダを纏った溶けかけのアイスをこちらへと差し出してきて目を瞬かせる。ここのマスターとその奥さんとは古い知り合いだ、思わずチラリと二人の様子を窺ってしまうが奥まった席のお陰で人目はない。それならば問題ないだろうと多少照れくさそうにしつつも相手が差し出した一口を身を乗り出して受け取った。爽やかなソーダに濃厚なアイスの味が口いっぱいに広がる、そこへ苦味の引き立つコーヒーを飲めば二つの味が調和して思わず吐息を吐いた。これまでそれぞれを単体で頼むことはあっても同時に口にしたことはない、特にハードボイルドを強く意識しだしてからはクリームソーダなんてご無沙汰だ。この組み合わせを味わえたのも相手と一緒にここへ来たからこそ、相変わらず照れくさいが先程から相手に見蕩れっぱなしの心は普段言わない言葉までも口にさせてしまって誤魔化すように頬をかくと「お前も一緒に飲んでみろよ」とこちらのコーヒーを相手に差し出し、一拍迷うように置いてからスプーンを取ると同じく溶けかけのアイスをすくいとって相手へと差し出して)
(/いつもお世話になっております!もう一度くらいお返事できそうな気もしますがタイミングもありますので今のうちに……本年も大変お世話になりました。この一年でまた日常からシリアスなものまで思い出深いお話がたくさん検索様とできたこと、とても感謝しております。まだまだ趣味全開のお話も残しておりますので来年もお互いのペースで楽しくやりとりしていきましょう。それでは良いお年を!)
そうなのかい? ああ、二人で訪れたからこその味だ。
(スプーンですくったクリームソーダの一番美味しい所を相手に差し出すとその目が瞬く。何かを確認する動きでここが一応外であるのを思い出すがこの味を相手と共有したいのだから仕方ない。相手は少々照れくさそうにしつつも身を乗り出してアイスを口にする。感想を聞かぬともその緩んだ顔と吐息を聞けば美味しく感じているのは直ぐに分かってこちらも口元が弧を描く。そして一緒に食べたことが無いと聞けばキョトンとするも二人でこの店を訪れてそれぞれ注文して、こうやって分け合う関係でなくては味わえないものだと気付く。それを自分のおかげだとストレートに語る姿を見れば相手の初めてのきっかけになれたことに心は暖かくなった。そして当然のように交換する為にコーヒーが差し出され、今度は相手がクリームソーダのアイスをすくって差し出してくればふにゃりと笑いながら身を乗り出し、アイスを口にする。そのままコーヒーを飲むとちょっぴり酸味の目立つ芳醇な苦味とバニラアイスのまろやかさがマッチして「最高に美味しい特別な味だね」とご機嫌に感想を述べて)
(/こちらこそいつもお世話になっております。そして本年もお世話になりました。今年も探偵様のおかげで様々な話をする事が出来てとても充実した一年でありました。こうやって年の瀬にご挨拶をしてまた新しい一年を探偵様と迎えられること大変嬉しく思っております。探偵様とならばやりたい話も着きませんので来年も2人のペースで続けさせて貰えたら、と思います。よろしくお願いします。)
あぁ、違いねぇ。お前のおかげでまたひとつこの店の魅力に気づけた
(これまで何度かこの店に訪れたことはあったもののクリームソーダとコーヒーを同時に味わうにはこの店に二人以上で訪れなければならない。加えて連れ立ったもう一人とは互いのものを交換できる仲でなければいけないわけで、つまるところ相手以外にそんな人間はいなかった。相手の好物がそろう喫茶店だからと選んだ場所だったが新たな発見ができるだなんて思いもしなかった。この味も当然相手と共有したいものでアイスをすくったスプーンを差し出すと相手の目はアイスにも負けないくらいに蕩けてこちらの一口を頬張った。相手はすかさずコーヒーを飲む、その味は十分満足するものだったようでご機嫌な様子にこちらの口元も緩んでしまっていた。相変わらず相手からは目を離せない、「そのコーヒーもここのマスターのオリジナルブレンドだ」と補足を加えつつ溶けかけたアイスをもうひとすくいいただくとまた相手の手元からカップを取ってコーヒーを飲み、今しか味わえない心地を存分に楽しんでいて)
君が連れてきてくれたおかげだよ。ならここだけの特別な味だね。
(以前自分が案内した洋食屋の組み合わせのように二人で来店してそれぞれ分け合うからこそ新たな組み合わせの発見もある。相手が差し出してくれたアイスを頬張ってコーヒーを飲むとバッチリな組み合わせに口元が緩んだ。この味が味わえるのも自分が好きだろうからと馴染みの店に連れてきてくれたからだろう。更にコーヒーがこの店だけのオリジナルブレンドだと知ればますます特別感は増して上機嫌に笑った。更に相手がアイスとコーヒーの組み合わせを味わっていればその姿をじっと観察していた。そうしてアイスが溶けかけた部分のクリームソーダを飲んだりコーヒーと交互に飲み合ったりブレンドの配合を当てようとしたりして時間を過ごした。ゆったりとした時間を過ごす中、クリームソーダがあと少しとなったところで大切に取っておいたさくらんぼを口にすると甘酸っぱい味が広がった。純喫茶ならではの味を楽しみながらふとさっきも見たメニュー表を開く、そこにはクリームソーダ以外のメニューもあって興味深く見ながら「クリームソーダがこれだけ美味しいなら別のメニューも気になるね…」と呟いて)
(/あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。)
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