検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…ッ………フィリップ、すげぇかわいい……ン、……ちゃんと見とけよ?
(白い肌に浮かんだ赤い所有痕をさらに深く深く刻みつけるようにそこに刺激を与え続ける、先程焦らされた反動か相手の口からは耐えず甘く上擦った声が溢れ出しこの鼓膜を揺らしてグラグラと頭を揺らす、アルコールに酔っていたはずの脳内はいつの間にか相手に酔いしれて相手を愛でてたい気持ちと脳の髄まで響く刺激を与えたい嗜虐心とが同時に体を支配した。痕を愛でれば相手は喘ぎ啼きながらこちらの名前を呼んで好意の言葉が告げられると益々痕を刻みつける行為に没頭して時に吐息を、時に水音を、時に音を立てずに歯を立ててそこを執拗に愛でた。やがて顔を上げるとそこにはトロトロに蕩けた相手の上気した顔があって相手を乱している事に体の芯が滾ると見蕩れる視線を向けながら呟く、そうやって相手を見つめるこちらの瞳も十分熱と欲に塗れていた。繋がった手を強く握って開きっぱなしの口を塞ぐように唇を重ねれば中を好き勝手に舌で掻き回し相手の舌を擦り合わせて口内に溜まった唾液を奪い去る、そして近場にあった枕を相手の後頭部へと差し込んで目線を下げさせた。当然相手の視界には相手自身の胸板が映る、頬を優しく撫でながら躾けるように、あるいは強制するように告げると再び頭を胸板へと戻した。そして今度は腹部まで下り軽く口付けてから一気に白い肌を食い破る、小さく赤い点が肌へ落ちると今度は右胸あたりへ唇を添え容赦なく歯を突き立て痕を刻み込む。続けざまに脇近くや脇腹横に自らの所有痕を刻んでいくと、最後には心臓の上へと移動して軽くリップ音を立てて口付けてこれまでよりも強い力でそこへと噛み付いて赤い痕を刻んで)
(/背後から失礼します。お返事お待たせしてしまい申し訳ございません。本日夜から日曜までバタバタしておりまして、なかなかお返事できないと思われます……めちゃくちゃいい所なのに申し訳ございませんが、お待ちいただければ幸いです。よろしくお願いします。/こちら蹴りで大丈夫です!)
っ、は…ぁ、ン…しょうたろ、んん…ぁ、ぅん?…っあ!、っん、あ! マーキング、されて、ッああ!
(大好きな相手が自分だけを見つめて執拗に痕を刻もうとするのが幸せで愛おしくて仕方ない。与えられる刺激は止むことなく、赤く刻まれた痕の上を吐息が掠め歯が立てられる度に熱を持った体は跳ねて上擦った声を零した。やがて相手が顔を上げると荒い呼吸をしながらその動きを目で追う。こちらを見つめる相手の瞳はすっかり欲情の色に揺れて自分の痴態に興奮している事が分かるとぞくりと腹底が疼く。ぎゅっと手を握られると相手の名を紡ぎ、近づいてきた唇と口付けを交わす。最初から口内を好き勝手舌で掻き回され、淫らな音と共に絡ませてから唾液を奪われる。二人の間を銀の糸が伸びていくのを熱で浮かされた目で見ていれば頭が持ち上げられ枕が下に差し込まれた。上手く回らない頭ではその意図が分からないながらも頬を撫でる相手の言いつけに従順に頷く。相手の顔は再び胸板に向かい、そこから腹部に降りる。その場所にキスをされたのが見えたかと思えば思い切り噛み付かれて再び甲高い声をあげる。甘い痺れと痛みを感じながら相手か口を離すと小さな赤い痕がくっきり残ったのが見えて、所有痕が出来る一部始終に背筋がぞくぞく震えた。更に右胸の辺りにも同じく歯を突き立てられ赤い華が散る。加害とも取られかねない行為を好き勝手されることを相手に許し、傷が刻まれる度に悦びを感じる事に本当に相手のモノになったのだと倒錯的な興奮をしてしまう。痕を残す様子から目を離すことが出来なくて素肌に相手が唇を寄せる度に体を固めて期待を寄せ、噛み付かれる度に体を跳ねさせ甘く啼く。そうして自分の素肌の上に所有痕が沢山散るのを見せられると頭に浮かんだままの状況を口にして相手の顔が心臓部に移動するのを見つめる。激しく鼓動を打つ心臓の上にリップ音と共に口付けられると無意識につないだ手に力を込めて体を強ばらせる。次の瞬間、今日一番強く深く噛み付かれると強い痛みと快楽が走って視界が明滅しながら悲鳴に近い声をあげる。繋いだ手に爪を立てて唯一動く足をバタつかせながら取り繕う余裕もないありのままの姿で乱れて)
(/ご連絡ありがとうございます。返信について承知いたしました。いつもの事ながらリアル事情の方が優先ですので、のんびりと返信お待ちしております。/こちら蹴りでお願いします。)
……ふ、ン……っ……は……フィリップ…お前は俺のものだ
(相手が今からされることをしっかりと見られるように枕を頭に添え胸板に降りれば先程じっくり焦らしたのに反して一気に肌へと歯を突き立て次々と赤い痕を刻んでいく。押さえつける体は口を近づける度に固くなり歯を突き立てれば跳ねようと体が震えて、こちらの与える暴力的な刺激に甘くよがって甘美に喘ぐ姿はなによりも心を満たしていく。赤く滲む痕から広がるのは確かな痛みのはずなのにチラリと見る相手の瞳は熱に塗れその口はだらしなく開きっぱなしで喘ぎなにより体は熱を持っている、こんなことをして許されるのは、受け入れられるのは、啼く声を聞けるのは、世界で自分しかいない。今日揺らいだ独占欲と優越感が甘美な熱によって満たされさらに相手を追い詰めて喘がせ甘い声を聞きたいと嗜虐心が暴走していく。いつもは理論的に動く相手が脳を介さずに今されていることを口にして思考も理性をも溶けている姿に下腹部に溜まる熱がぐちゃりと掻き乱された気がした。心臓の上に強く後を刻みつければ繋いでいた手に相手の爪がくい込んで甘い刺激を受けるとグラグラと脳内を揺さぶられる、快楽を逃がそうとしているのか足をバタつかせているのをみればそこさえも自らの足で押さえつけて全てを享受するよう強制した。心臓の上に出来た痕からは暫く口を離さず緩急を付けて噛み付くのを繰り返しさらに奥深く、それこそ心臓へ直接噛み付くように、何度も強く甘い刺激を与え続ける。唾液をたっぷり纏わせた舌でそこを舐めて更なるマーキングを施した。痕をまた執拗に愛でたあとようやく顔を上げる、乱れて蕩けた顔に幸せそうに満足気な笑みを向けるとその頬に手を添えて一切独占欲を隠さない言葉を口にする。そのまま相手の脚の間に体を割り込ませると脚を広げさせて互いの腰をピタリと密着させる、十分に高まった熱を持つそこに熱い吐息を漏らすと無意識に腰を揺らした。頬を添えていた手を下腹部へと移動させるとそこを掌で押さえる、後に自分で満たされる場所を圧迫し軽く上下に撫でてその時のことを想起させるようにすると「フィリップ、ここも俺のでマーキングしたい」と自らの願いを口にした。熱と劣情を隠さない相手に酔いしれた瞳を向けると「いいだろ?」と強請るように言って)
(/お待たせしました。お心遣いありがとうございます。今日この後も返信不安定なのですが、明日はいつも通りお返事できますので、よろしくお願いします/こちら返信不要です!)
ッあ!ァ、…ひ、ぁッ!…ッ゙…は、ァ……ぁ、…しょ、たろ…ッあ!ぁ、欲しい、しょうたろうので、いっぱいにして…っ、
(心臓の上に唇が寄せられ素肌に噛み付かれると今日一番の痛みとそれと同じかそれ以上の快楽が走って体が大きく跳ねようとする。溶けきった思考では相手の手に痕が残ることなど全く考えられず行き場のない衝動のまま爪を突き立てその手を強く握る。抵抗にもなっていない足の動きすら封じられるようになった状態で更に同じ箇所に噛み付かれると火照った全身から汗が噴き出して何もかもめちゃくちゃに乱されながら声を上げる。バクバクと破裂しそうなほど鼓動の早い心臓を食べられてしまって体も思考も心も全て相手に塗り潰される。それが何より強くて熱くて幸せで無我夢中で相手に縋り付いた。声にならない声をあげながら乱れ、舌が痕をなぞるだけで体を震わせながらも漸く刺激が無くなると熱く息を吐いてオーバヒートを通り越した体から力が抜ける。首も頬も耳もおでこすら真っ赤にして半分意識が朦朧としていると頬に手を添えられ、反射のようにそちらを見る。そこには熱に蕩けて欲情の色を隠さない恋人が心底幸せそうにこちらを見て独占欲を顕にされると愛おしさと幸福が満ちて、掠れた声で相手の名前を呼ぶ。されるがまま足を広げて相手の腰が押し付けられ揺らされると滾る熱に眉を寄せ甘く声が漏れる。相手の手が移動して下腹部を押され軽くゆらされるといつものように深く咥えこんだ時のような錯覚を覚えてそれだけでも達してしまいそうになる。そんな状態でその想像を実現させる更なるマーキングを強請られると蕩けた瞳を熱に揺らして直ぐに答えを返す。寝間着を掴んでいた手を相手の腰の後ろに回して求めるように強く引き寄せ二人の間で熱を挟み込むようにし、下腹部に押しつけさせるとその全てを受け入れることを望む。緩慢な動きで相手の唇に噛み付くようなキスをして余裕なく笑って見せ「ぜんぶ僕だけに頂戴、翔太郎」と独り占めを相手を求めて)
(/いつもお世話になっております!そろそろ暗転かと思いお声掛けさせていただきました。執事喫茶から始まり帰ってきての甘いやり取りまで本当に本当に好きな物の詰め合わせみたいな話で終始とても楽しませて頂きました。依頼をこなしながらもちょくちょくお互いを見てモヤモヤしながら普段と違う探偵君が見られたり執事でも二人で一人で給仕をしたりと特別感のあるやり取りができたと思います。ライバルの出現でハラハラする展開にも出来て執事のキリッとした探偵君と終わったあとの酔った可愛らしい探偵君、そしてその後の独占欲を剥き出しにする探偵君などいろいろな探偵君を見ることが出来てそのギャップにドキドキしてました。どの探偵君も大好きです、今回もありがとうございました。
次のお話ですが存分に二人の話が出来たのでこちらとしてはどんなお話でも良いかなという感じなのですがいかがでしょうか。前述の通り騒がしいどちらかの話でも新たに違う話でも楽しそうなのでご希望等あればお聞かせください!)
…ぁ、ッ…フィリップ……じゃあ全部受け止めてくれ
(脚の間に体を割り込ませ組み敷いた相手の体は限りなく熱を持ち赤い痕を散らされ上気して真っ赤に染まっている、それを上から見下ろせば相手を征服しているのだとどうしようもなく支配欲が満たされていく。そんな状態で腰を擦り合わせればそれだけでも相手は一層甘く高く啼いてもう繋がっているのではないかと錯覚してしまう、下腹部を押さえて擬似的に刺激を与えれば相手はこちらの問いかけに直ぐさま答えを出して無意識に薄く口角をあげた。相手がそれほど我慢が効いていないことに、この先を求めていることに、劣情と幸福が同時に煽られて下腹部に熱がさらに滾った気がした。相手の手が腰に添えられ互いの熱がさらに押し付けられると堪らず熱い吐息を漏らして悩ましげに眉を寄せる、その状態で聞く相手の最後のオネダリはなんとも甘美で脳内はクラクラと揺れた。熱に塗れた幸福に浸かっていると相手の顔が近づいて甘く鋭い痺れが唇を襲う、こちらに向けられる余裕のない笑みはなんとも煽情的で妖艶でとても抗えるものではなかった。下腹部に添えた手にさらに力を込めて軽く腰を揺らしてさらに刺激を与えるがこんな擬似的なものではもう我慢できない、早く相手の中に入り込んで自分以外誰も触れることを許されない場所まで自分のものにしてしまいたい。こちらからも最後の願いを口にすると布の下に手を滑り込ませて「愛してるぜ、フィリップ」と最大級の言葉を送ると核心へと手を伸ばし高すぎる熱へと堕ちていった)
(/こちらこそお世話になっております!執事喫茶ご提案させていただいた時は特段内容考えていなかったのですが、どうせやるならメイド喫茶とは違うものをと売上レースの流れを作り、そこから薔薇を渡す発想をしてくださったのは本当に天才的だなと思いましてより一層楽しく熱い展開をすることができました。本当にありがとうございます!お互い相手のことが気になって仕方がない感じだとか二人でライバルを打ち負かしていく所だとか息ピッタリな二人が見られてとても楽しかったです。実はブロマイドの中にツーショットが紛れている、というのはこちらも入れたいと思っていた流れでして、こういう細かい所でも検索様と同じ考えで相性の良さをヒシヒシと感じたお話となりました。そこから酔った探偵と検索くんの甘いやり取りも我慢してた分を存分に満たす良い時間になりました。今回もありがとうございました!
この後ですが連続して長いお話が続きましたしさくっと出来るお話がいいかなと思っておりまして、前回あげていただいた夜更かししてる検索くんが探偵に見つかる話はいかがでしょうか?)
…ならばアトラス彗星の軌道は、
(沢山の所有痕を散らし相手にだけ許す最奥までのマーキングを強請り二人だけの熱に溺れた翌朝、全身の体の怠さを感じながら目を覚ましてまず感じたのは背中などを中心とした筋肉痛でその次に体を動かそうとして刻まれた痕を中心とした甘い痺れを覚えた。相手に声を掛けようとすればその声は若干掠れていて続いて目を覚ました相手は二日酔いに苦しんでいて散々な朝を迎えた。流石にこれではすぐに出勤出来ないと所長に弾んでもらった依頼料のことを含めた昨夜の執事喫茶のあらましをメールで報告して午後から出勤する旨を伝えれば快諾の返事がされ、暫くベットで寝転び長い時間をかけて出勤の準備をした。だがその間も出勤してからも腕を動かしたり軽く伸びの様な動きをするだけで深く刻まれた痕から痛みを発して不自然に動きが止まってしまう。また相手の手に見える赤い爪痕が視界に入る度に昨夜のことを思い出して顔に熱が集まりかける。翌日以降執事喫茶での自分達の噂を聞きつけ情報屋たちが事務所を訪れたりもしたが端っこの椅子に座って動かないように応対していた。そんな日から一週間弱、刻まれた痕も薄れ強く押されでもしない限り反応しなくなった頃に長期の依頼が事務所に舞い込んできた。詳しく内容は知らないが調査は難航しているらしく張り込みか何かで一晩かかるから今夜は帰ってこないだろうと朝食の時に話を聞いていた。出勤してすぐ相手はその調査に出掛け日中はいつも通りに過ごす。夕方になり所長が帰ってしまえば相手のいない家にわざわざ帰るのも面倒で事務所で過ごすことを決めれば読みかけの読書を再開した。全てを読み終えた時には11時で普段なら全て終わってベットに入る頃だったが今日は相手も居ない為強制的に連行されることはない。そのことに若干寂しさを感じたもののいつもは許されない事ができるワクワクのほうが上回って目が冴えた。少々夜更かししていたとしても相手が帰ってくる前に起きて風呂などを全て済ませてしまえばバレないだろう。そんな心持から普段は効けない深夜ラジオをつけていれば近々風.都.で彗星が見られるという話を聞き、早速気になると事務所の電気をつけっぱなしでガレージに急いで降りて検索を開始する。思うがまま知識の海に潜りホワイトボードに情報を纏めていたりしていればあっという間に深夜の3時頃となるがそれでも知識の探求を続けていて)
(/こちらもコーヒーを一緒に入れる流れは何処かで挟みたいなと考えたりしていたのでそのきっかけを振って頂いた時には凄く感動しました。本当に探偵様とは相性の良さを毎回感じております。
それでは夜更かしが見つかる話に致しましょう。探偵君が長期の張り込みなどで次の日まで帰れないと思う、と伝えてあるような状況でしょうか。予想よりも早く依頼が片付いたとか探偵君が頑張って早く終わらせたみたいな感じで深夜に帰ってきたみたいな流れを考えているのですがここもいつも通り好きなように考えて貰えたらと思います。ひとまず初回を回しておきますのでよろしくお願いいたします/何もなければこちら蹴りでお願いします。)
……なんで事務所の電気ついてんだ?
(相手の体にありったけの所有痕を刻みその内側まで自分のモノで染めた夜から次の日、目覚めて隣にいる相手には体に赤色が散り声は掠れ情事の跡が色濃く残っていて自分でやっておいて少々反省していた。だが直後に激しい頭痛、所謂二日酔いが襲ってきて二人してまともに動けずにいると依頼料を多めに貰ったことを盾に所長様に午後出勤の許しを貰う。水分をこれでもかととったがなかなか痛みは取れなかったが、隣で着替える相手の動きが不自然に止まるのを見ると体中に刻まれた痕が疼いているのだろうと予想がついて腹の底が擽られてジッと相手を見つめてしまう。すぐに用意を再開するがそうすればすぐに頭痛を思い出して散々な朝となった。その後事務所に出勤したものの手の甲には相手の爪の痕がしっかり残っていて常に腕を組んだり手を背中側に回したりと気を抜く暇もなく、しかし連日情報屋がやってきては自分達のブロマイドを手に入れたと自慢してくるのだから彼らの優秀さに恐れ入っていた。そうやってあの日を色濃く残しながら一週間が過ぎ手の跡がだいぶ薄れて来た頃、事務所に舞い込んだのは横領の証拠を掴んで欲しいという依頼だった、小さな会社の金庫で管理されている金がいつの間にかなくなっているらしい。防犯カメラを設置してもなかなかしっぽが掴めず依頼が回ってきて昼間まるまる張ってみたが犯人は捕まらず終いでそれならばいよいよ夜間も含めて、という話になったのだ。相手には予め夜通しの依頼になることを伝え朝を迎える覚悟で張り込み場所へ向かった。日中は何も無かったのだが従業員が帰って夜も更けた頃に犯人が動いた。厳重に設置された防犯カメラが一斉にエラーランプを灯し、すぐに消えたのだ。そこからは探偵の勘というやつで金庫のある部屋で息を潜めていると犯人が堂々と部屋に入ってきてそこを真正面から捕まえる、どうやら犯人はセキュリティプログラムに細工をしかけて防犯カメラに映るのを免れていたらしい。そこから依頼人と警察に電話し諸々の手続きを済ませるとすっかり深夜になっていた、依頼は結局早めに切り上げられたが夜中に家へ帰って相手を起こしてしまうのも悪いだろうと事務所へと向かう。そうやって深夜3時に事務所にたどり着いたが何故か消えているはずの電灯がついていて眉を寄せる、相手が所長が帰り際に消し忘れたのだろうか。鍵を使って事務所に入ればラジオがつけっぱなしになっていて一気に嫌な予感が脳内を駆け抜けた。ラジオを切ってハットをいつもの場所へかけるとそのまま後ろにある隠し扉を開けてガレージを見下ろす、そこには案の定様々な文字で埋め尽くされたホワイトボードの前で突っ立っている相手がいて暫く唖然として見つめてしまった。我に返ると「お前!なんでまだ起きてんだよフィリップ!」と叫びながら螺旋階段を駆け下りグレーチングを渡って相手の元へ駆け寄って)
…っ!な、なんでここに居るんだい、依頼は?
(検索に集中していれば周りが見えなくなるのはいつものことで事務所の方で鳴る足音や物音は一切聞こえなかった。ぐるぐるとペンで重要なワードに丸をつけたところで斜め上の方から突然聞きなれた声が聞こえて肩を跳ねて振り返る。そこには居ないはずの相手の姿があって目を見開いた。もしかして気づかぬ内に朝になってしまっていたのかと腕時計で時刻を確認するがまだ深夜と呼ばれる時間だ。一晩かかると言っていた相手が何故ここに居るのかという疑問と相手の言う規則正しい生活から大きく逸れたことをしている自覚があれば一気に螺旋階段を降りて来た相手から咄嗟に持っていたペンを後ろに隠して少し後ずさる。相手から言われたことを守っていない現状はあまり良い訳出来る物でもなくバツの悪そうな顔をすると何とか話を逸らそうと試みて)
早めに解決したから帰ってきた。にしてもお前……俺がいねぇからって検索に没頭すんなって言ったのに案の定かよ!今夜中の3時だぞ!
(色々な感情が入り交じって噴出する勢いのままに相手に向かって叫ぶとホワイトボードに向かって熱中していた肩が大きく跳ねて漸くこちらに顔が向く。相手に詰めよればマズイ状況であるのは自覚しているのか咄嗟に手に持つペンが背後に回る、ペンを隠したとて背後のホワイトボードにびっしり書かれた文字をみれば何をやっていたかは丸わかりではあるが。バツの悪そうな顔をしながら何故ここに居るのかと問われると端的に返事をする、いつもの相手ならば依頼が早期解決したことも想像できるのだろうがその余裕もないらしい。相手をひとりにすることで検索が暴走することは危惧していて朝食を取りながら釘を刺しておいたのだが結果がこれだ。呆れたように相手を見据えながら「お前今朝の約束忘れたのか?」と説教モードに入って)
没頭はしてない、少し気になったから寝る前にちょっと調べようとしていただけで…、
(ガツガツとこちらに詰め寄ってきた相手の顔は案の定お怒りのようで深夜とは思えない勢いで声がかかる。こちらの質問にはごもっともな返事がされて誤魔化せそうにない。その調子で今朝の会話を持ち出されるようになるとちょっとした調べ物程度だからそれには当てはまらないと屁理屈をこねる。それに数時間かかることを没頭というのだがこのままではお説教コースで明日以降の検索制限をかけられてしまう可能性も出て来た。それは非常に困る事態で避けたい。視線を逸らしてどうにか打開策を考えていると一つ良い案が浮かんだ。早速相手をちらりと見てから伏せ「だって、君が居ないと眠れないし…」とぽつりと零して見せて)
3時までやってんだからしっかり没頭してんだろ!ったく、お前もちょっとは自制ってもんを……な、…
(今朝の会話を持ち出してみたがどうやら相手は反省する気がないらしい、今は普通の人間ならば寝ている時間な上、目の前に広がるホワイトボードの文字量から見てもとても『ちょっと』の検索量ではない。屁理屈を捏ねる相手にまたも叫び説教モードを崩さない姿勢をみせる、最近は衝動的に検索するのも抑えられてきていたが目を離すとすぐこれだ。更なる小言を言おうとしたところで相手の目が伏せられて一瞬言葉が途切れる、その隙を狙い撃ちするように呟きが零されるとなんとも可愛らしい理由に見事に体を固めてしまった。恋人がそういうのならば仕方がないだろうかと一瞬思考が流されるがなんとか踏みとどまると「なら、なんで寝る準備してねぇんだよ。せめてベッドにはいるだろ」と勢いが削がれ攻めきれない返事を返していて)
…、一人だとこの時期はベッドは冷たいしあの寝巻きも意味が無いだろう。
(それらしい理屈を捏ねてみたいがますます説教モードは強まっていってさらに小言が重ねられそうになる。それを防ごうと浮かんだ作戦のまま目を伏せると言葉が途切れた。そして呟きを零すと分かりやすく体を固めたのが見えて思った通りの反応に思わず笑ってしまいそうになった。何とか口元を引き締めて再び相手を見るとまた小言が飛んでくるが先程までの勢いはない。実際一人で寝るのは躊躇われたのだから嘘では無い。確かな手応えを感じるとこのまま押し切ってしまおうとぽつぽつと敢えてテンション低く呟いてから相手の手を取り「だから君が帰ってきてよかった」と安心したように告げる。だがあまりにもあっさりと流されそうな相手に段々と笑いが耐え切れなくなって口元が緩んでしまい)
そりゃまぁ、寝間着は確かに……っ、俺も………嘘つけ!どうせラジオ聴いてて気になるワード検索し始めたらこの時間になったんだろ!!
(こんな夜中まで起きて検索に没頭していたことを叱らなければならないのに相手のしおらしい顔をみるとどうにもその勢いは無くなってしまう。反論してみたものの更に可愛らしい理由が返ってくると余計に心が揺れた。あれだけ二人でお揃いだと言って買い揃えた寝間着なのだから相手が自分の色を着ていなければ意味が無いのも分かる。グラグラと説教モードが揺らぎ始めて手を取られると思わず顔が赤くなりそうになった。釣られて返事をしてしまいそうになるがその顔がだんだんと緩まってくると相手の意図に気づいて顔の赤みが引っ込み代わりに怒りが再び浮かぶ、そして事務所の状況を思い出すと再び雷を落とす事となった。危うく流されそうになったことを棚に上げ大袈裟にため息をつくと「暫く検索禁止だ!」と罰を下し)
っ、何で分かったんだい。翔太郎、それは困るよ!
(狙い通り説教の勢いは弱まっているのを見れば相手の手を取ってみる。するとその顔はほんのり赤く染まったように見えてあともう少しだとじっと相手を見つめる。だが同時にあまりにも甘いハーフボイルドさに口元がニヤけるのが抑えられずについ笑ってしまうとその意図を悟られ相手の態度が初めに戻ってしまう。更にはこうなった要因のラジオまでぴたりと当てられてしまうと瞬きしてつい白状するように驚く。だが大袈裟な溜息と共に危惧していた罰を言い渡されると焦ったように相手の腕を掴み、抗議を口にする。気になったことが直ぐに調べられないなんて息をするなと言われているようなものだ。分かりやすく眉を下げると「今から直ぐに寝るから、」と食い下がって)
ラジオつけっぱなしだったんだよ!ってかやっぱ確信犯じゃねぇか!…っ、ダメだ!少なくとも三日は我慢しろ!
(危うく相手の可愛らしい言い訳に流されてしまうところだったが相手の表情が崩れたのをキッカケになんとか持ち直して追撃する。すると相手は驚いた後に自白を始めて漸くしっぽを掴むと更に怒りはヒートアップした。これは流石にお灸を据えなければならない、検索禁止を言い渡すと相手は焦ったようにこちらの腕を掴む。眉を下げた表情は今度こそ本物でまた気持ちが揺らぎそうになるが今度は毅然とした態度を取ると首を横に振った。だがここから拗ねて依頼に関する検索までしないと駄々をこねるとまた厄介だ、目の前の相手を探るように目線を向けながら「ひとつ条件を飲むなら一日まで短縮してやる」と提案し)
…あ。 三日も検索出来ないなんて僕は何をすれば良いんだい、
(まるでエスパーのようにここに至る過程を言い当てられてしまうと驚くもラジオのことに言及されると興味のままほったらかしにした事務所の状況を思い出して小さく声を漏らす。後から片付ければ良いと後回しになったことが仇になってしまったらしい。検索禁止を言い渡されると相手の腕を掴んで抗議を訴える。じっと縋るように見ていたが今度は流されることなく突っぱねられた上、あまりにも長い期限が言い渡されると更に困ったように抗議の声を重ねる。自分のせいではあるのは分かりながらもここは譲れないと相手と目を合わせていると相手が短縮の条件を出してきて「…条件?」と僅かに首を傾げながらその内容を伺って)
ラジオ聞くとか掃除するとか、いろいろあんだろ。ったく、特別だぞ?
(相手はようやくまだ事務所を片付けていないことに気がついたらしい、もしこちらが本当に夜通し依頼に行っていたら所長が朝出勤してきた際にこれはこれで怒られていそうな状況だ。検索禁止を言い渡せば相手からは即刻抗議が上がってやれやれとまたため息をつく。それならばと条件を出すことにする、首を傾げている相手を一旦そこに置くとホワイトボード脇にある作業スペースへと近づいた。そして手持ち用の小さなホワイトボードを取り出すとそこに文字を書き入れる、「これを一日つけたら謹慎期間短縮だ」とボードを相手の方へとみせた。そこには『「検索禁止」ボクは昨日夜中3時まで検索して夜更かししてました』と書き込まれていた。手持ち用のホワイトボードにはヒモが付いていて首から下げられるようになっている、「この前依頼人に見せられた猫の写真でこういうのがあったんだよな」と笑いを堪えながら相手へと近づき差し出して)
…?…なっ、これをつけろと言うのかい!?
(三日間何も調べられないなんてとてもじゃないが耐え切れない。即刻抗議をすれば溜息をつきながらそれを短縮する条件を提示されて相手を見つめる。一日だけでもとても長いのだが自分が約束を破ったのだから分が悪い。条件を聞けば相手は一旦作業スペースの方に向かって隅の方に置いてある小さなホワイトボードを持ってくる。そこに何やら書き込んでいるのを不思議そうに見ていると書き終えたのかそのボードを見せてきた。身につけるだけなら特に支障はないと言おうとしたがそこに書かれた罪状のような言葉に目を通すと思わず声を上げた。事務所に来る人は基本的には少ないとはいえこれを一日つけて過ごすなんて晒し者みたいなものだろう。ボードを持ったまま相手を見れば今度はそちらが笑いを堪えながらアイデアの発想元を述べていて飼い猫と同じような待遇と分かればますます不満げな顔になって「僕は猫じゃない」と訴えて)
でも罪を数えてるってのがよく分かるだろ?アキコも喜びそうだしな
(罪状とも言うべき文字を書いたホワイトボードを相手に見せると更なる抗議の声があがる、その出処が飼い猫の写真となればますます相手の顔は不満げなものになった。その様子も可愛らしいと思ってしまっているのだが今はその気持ちを引っ込めて、しかし顔には笑みが滲んでしまっていて本心を隠しきれていない。相手がこれを首から下げて事務所の隅で大人しくしている姿を想像すればそれこそ猫のようでまた笑ってしまいそうになるがなんとか口を引き締める、やったことが文字として見えるのだから反省を促すのにも効果覿面だろう。本音はあの写真の猫と同じ格好をさせたいだけだがそれらしい理屈を付けつつ未だ笑みを噛み殺して「それとも他に反省する方法があんのか?」と相手の意見を伺ってみて)
…君、今の状況を面白がっているだろう。それは……、そもそも君もこの時間に起きているのだから立派な夜更かしだ。依頼の為とはいえ夜更かしが健康に悪いなら同罪だと思わないかい?
(こちらが不満げな顔をしていれば先程の相手の怒った顔はなりを潜めて寧ろ笑いが滲んでいた。言われた通りにこのボードを首に掛けて明日を迎えれば相手の予想通り所長にもからかわれるのが目に見えている。真意を隠しきれていない相手に対してじとっとした目を向けながら指摘するが他に方法があるのかと問われるとすぐには浮かばなくて目を泳がせる。だがこのままでは相手の思い通りになる一方で今の時刻を思い出すと自分の罪を晴らすのではなく相手を巻き込む方向に舵を取る。この時間まで起きている事が駄目ならば相手だってそれに違反している。詭弁に近いことは自覚しているがボードの【午前三時】と【夜更かし】の文字を指さしながら堂々と問いかけて)
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